ラブライブ!スーパースター!! Create the future   作:園枝こるだ

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第38話、更新後すぐに読んでくださった方ありがとうございました。
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第39話「哎呀!好吃!小籠包!」

創視点──────

千砂都「じゃあ本日の練習はここまで!みんなお疲れ様!」

7人「お疲れ様でした!」

練習が終わり各自更衣室に向かう、といっても僕のみが別室なのだが。誰も使っていない小さい多目的室を更衣室として使わせてもらっている。

成生「お疲れ様、待ってたぞ。」

「成生……」

教室に入るや否や椅子に座る成生が目に入る。

成生「……確認しなくて悪い、もう俺と話しても大丈夫そうか?」

「もう大丈夫、ありがと。」

成生は気まずそうに視線を落とす。僕の返答を受けてそりゃよかった、とまた僕の方へ姿勢を向き直す。

成生「単刀直入に聞くが、俺が創のトラウマに関連してる。間違いないか?」

真っ直ぐに僕を見つめる瞳にはひとつの濁りさえも見つからなかった。どうしても成生と犯人が同一人物とは思えない。

「……うん、ただあれは成生じゃない。成生に似た『誰か』なんだ。」

成生「俺に似た……誰か……?」

眉をひそめ記憶を辿ろうとする成生。

成生「それが犯人、ってわけか。」

僕は黙って頷く。成生は一呼吸置いてそうか、と呟く。

成生「すまなかった、あの時は押しかけて。」

「いや僕の方こそごめん!成生の気持ち考えられなかった。」

お互いに下げていた頭を上げ、目線がぶつかると2人でふっと吹き出した。

成生「それで警視庁の人と話してたのか。」

「うん、もしかして気づいてた?」

成生はまぁな、と素っ気ない返事をする。

成生「若菜四季と米女メイはともかく、他のメンバーは知ってるのか。」

「そう、だね……ただかのんさんには言えてないんだ。」

成生「意外だな、いの一番に言いそうなのに。」

目を見開き姿勢を直す。

「できれば全部終わってから、話したいんだ。心配かけたくなくて。」

成生「全部終わってから言ったら怒りそうだけどな。なんで言ってくれなかったの、って。」

けらけらと笑いながら成生は言う。その後、一転して真面目な表情になる。

成生「うちの関係者に犯人がいるかもしれないのか?」

「いっいや、そういうわけじゃ……」

成生「別に気にするな、あくまで可能性の話だし、創が気に病むことじゃない。」

慌てた様子の僕を笑いながら見つめる。

メイ「おーい創、どうした?もう帰るぞ。」

「あっうんごめん!ちょっと待ってて!」

そんな話してたのか、と慌てて携帯の画面を見る。もう部活が終了してから30分をゆうに経過していた。

成生「じゃ、創が出て少ししたら俺も行くよ。」

「え?成生も一緒に行くでしょ。」

は?と口を開けたまま僕のことを見つめている。

成生「いやもう練習は終わってるけどさ……」

「じゃあいいじゃん!着替えたら行くよ!」

その後着替えた僕は成生の手を引き、Liella!のもとへ連れていった。

 

すみれ「遅いわよ……って、あんた、大丈夫なの……?」

「はい、成生は成生ですから。」

すみれ先輩は僕が手を引いている人物を見て口をあんぐりと開ける。

メイ「どうして創と一緒にいるんだ。」

成生「さぁな、うちのに口止めされてんだ。Liella!と話すなって。」

「ちょ、ちょっと2人とも……!」

メイと成生の視線の間で散る火花を腕でぱっぱっと振り払う。

成生「ん?……1人少なくないか……?」

四季「可可先輩は上海に帰ってる。」

あぁ、そんなこと言ってたな、と顎に手を当てる成生。

千砂都「そっちはどう?」

成生「前より冬毬ちゃんは練習に参加するようになったよ。かのん先輩とマルガレーテは変わらずって感じだけど。」

順調そうで何より、と千砂都先輩は成生に笑いかける。

夏美「……冬毬は、何か言ってましたの?」

真剣な表情の顔つきの夏美を見て、成生は先程までのあっけらかんとした様子から真剣な表情へと顔つきが変わる。

成生「いや、特には。」

成生の返答に夏美はぐっ、と歯を食いしばる。

成生「ただ、ライブの映像は見返してたかもな。」

その言葉に夏美は表情を明るくさせる。

きな子「よかったっすね!夏美ちゃん!」

その時成生のスマートフォンがぶぶっ、と震える。

成生「ん……?なんだ、これ……」

僕は何気なく成生のスマートフォンを覗き込むと、かのんさんからのメッセージだった。

成生「みんなのところにも来てる?って……まずなんだこの封筒。」

「名前も無し、ってちょっと怪しくない?」

青と白の封筒にはTYO→SHAと書かれている。矢印の部分は何かの形のように思える……飛行機……?

千砂都「東京発上海行きの飛行機のチケット……?」

そのタイミングで謎の封筒の中身の写真がかのんさんから送られてくる。

成生「そうみたいだ。」

先程千砂都先輩が言葉に出した通りの物の写真がスマートフォンの画面に表示されていた。

千砂都「1度かのんちゃんの家に集まろう。」

その言葉にみんなは深く頷いた。

 

マルガレーテ「やっと来たわね。急に抜け出したと思ったらまさか敵に紛れ込んでるだなんてね!」

かのんさんの家に入るなり成生はマルガレーテに思いっきり詰められていた。慣れているのか耳を塞ぎあーあーと聞こえないフリをして更にマルガレーテを怒らせている。

恋「サヤさんに聞いてみたところどうやら私の家にも同様のものが届いているみたいです。」

メイ「アタシの家にも届いてるって。多分Liella!メンバー全員届いてるんじゃないか?」

かのんさんは手元にあるチケットをじーっと見つめている。

夏美「冬毬に聞いてみたら2枚届いてるって言ってますの。」

「じゃあ……僕と成生も含めて全員……ってことですよね。」

だろうな、といつの間にかマルガレーテから開放された成生が返事をする。

かのん「出発は5日後……来てってことだよね……」

四季「それしか、考えられない。」

千砂都「そういえば可可ちゃんから返事……無かったよね……」

今まで口を噤んでいたすみれ先輩が口を開く。

すみれ「進路のことかも。かのん、話してたわよね、可可と。」

え、ぁ……うん、といきなり振られたかのんさんはこくりと頷く。

きな子「けどきな子たちが上海に行ったって……なんかできるんすかね……」

その時かのんさんの後ろからマルガレーテがぬうっと顔を出す。

マルガレーテ「まさかあんた行く気じゃないでしょうね。あんたは今Liella!のメンバーじゃないの!いい!?」

かのん「わ、わ、わかってる、わかってるよぉ〜……」

眼前にマルガレーテの顔が迫り、驚きと恐怖で目を開くかのんさんの声はどんどん小さくなっていった。

マルガレーテ「LoveLive!に本気で出場を目指すのなら、この件はLiella!に任せて私たちはむしろその間に練習してレベルアップするべきなのでは!?」

まくし立てるマルガレーテを前にかのんさんはそれは……と煮え切らない返事をする。

成生「マルガレーテの言う通りだ、かのん先輩。」

千砂都「ひとまず今日は帰るよ。また明日相談しよ。」

かのん「私行く!みんなで行かなきゃ!!」

かのんさんは勢いよく立ち上がり、高らかに宣言した。

マルガレーテ、成生「へっ?」

全く異なる意見を話し出すかのんさんの言葉にマルガレーテと成生は情けない声を漏らす。

かのん「可可ちゃんが困っているかもしれない、放っておくなんてできないよ!」

すみれ先輩はテーブルに両手をつき立ち上がる。

すみれ「そうよ!可可を救うわよ、どこへだって行ってやるわ!」

……メイの小さい声でクゥすみ、クゥすみだ……って聞こえる気がするけど無視しておこう。

かのん「私たち、今は違うスクールアイドルグループだけど、結ヶ丘のスクールアイドルだっていうことは同じ。」

かのん「お互い最高のライブができる状況で競い合いたい、相手が困っている時に差を広げて、それで勝っても全然嬉しくないよ。」

成生とマルガレーテはかのんさんの言葉を受けふんっと笑う。

成生「勝つなら堂々と勝ちたいもんな。」

マルガレーテ「あんたはお人好しがすぎるのよ。」

かのん「マルガレーテちゃん、荷物の準備よろしくね!」

なんで私なのよ!という声が家中に響き渡った。

 

「もしもし、築さん今大丈夫ですか?」

築「やぁ創くん、大丈夫だよ。どうかしたかい?」

僕はこれから上海に何日間か行くため、築さんと会ったり事件のことについて調べられないという旨を伝えた。

築「いいねぇ上海か、青春してるなぁ。わかった、楽しんで行ってくるんだよ。」

「ありがとうございます!」

その後、体調に対しての質問を受けたあと、築さんとの通話は終了した。

しかし少し違和感があった。周りの環境音が普段と違ったのだ。

「……署にいないってだけなのかな。」

僕は対して気にも留めず、上海に行くための荷物を纏め始めた。

 

12人「上海だ〜!!」

僕たち12人は上海に降り立っていた。渋谷とはまた違う都会……というか昔と未来が混ざりあったような不思議な光景だ。

きな子「あのタワー動画で見た事あるっす〜!」

丸を2つ貫いたかのような意匠の塔を指さす。

千砂都「か、か、か、か……完璧な、まる……!」

メイ「そういやまるには目がないんだったな。」

その間にも夏美はカメラを構え動画撮影に勤しんでいる。

マルガレーテ「すっかり旅行気分ね……」

成生「唐可可探さなくていいのか?」

浮かれまくりのLiella!陣とは異なり、冷静なトマカノーテ陣が呆れ顔でこちらを見ている。

すみれ「そうよ、遊びに来たわけじゃないのよ。」

まるで映画のヒロインかのような服装のすみれ先輩がいつものギャラクシーポーズをキメている。

冬毬「その格好は……」

かのん「すみれちゃんお出かけする時はあぁなっちゃうから……」

あはは……と苦笑いをするかのんさん。

すみれ「ここは大都会、目立ってナンボなんだから。早く行くわよ。」

「行くってどこにですか?」

すみれ「何とぼけてんのよ。可可の家に決まってるでしょ!」

かのん「待って待って!いきなり家に行くのは不味いよ!」

すみれ先輩はかけていたサングラスを取り、真剣そうな眼差しを顕にする。

すみれ「でも可可に会いに来たのよ!住所も理事長から聞いたんだし!」

かのん「そうは言っても可可ちゃんに連絡がついてからにしようよ。」

メイがスマホを片手にこちらに近づいてくる。

メイ「まだ連絡つかないな……居場所わかんないのか?」

四季「ダメ……ここ圏外で使い物にならない。」

手に握られた機械はザザ……ザザ……とノイズに似た音を吐くだけになっている。

恋「なんの機械ですか……それ……」

「ひとまず連絡が返ってくるまで……ん?」

かのん「来た!」

Liella!のメンバーが一斉にスマートフォンを確認する。

可可先輩から送られてきたのはどうやら上海の名所?の写真のようだ。文章は特にない。

恋「ここに来て欲しいということでしょうか……?」

すみれ「全くまどろっこしいわね……」

冬毬「送られてきた場所に行ってみたら可可先輩がいるかもしれません。」

冬毬ちゃんの言葉にみんなが頷く。

成生「けどどこから行くんだ?」

かのん「まずは歴史ある庭園、豫園か……上海のランドマーク、東方明珠塔か……あるいはオシャレでレトロな街、田子坊か……」

真面目に考え込むかのんさんをみんなで黙って見つめる。

かのん「……とりあえずホテルにチェックインしにいこっか!」

まさかの言葉に全員が昭和のバラエティ番組のような反応をする。

かのん「だって荷物持ったままじゃ歩きづらいでしょ!」

すみれ「そういうとこ冷静よね……!」

ホテルに荷物を置いたらロビーに集合、僕たちの可可先輩探しの旅in上海はここから始まった。

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