ラブライブ!スーパースター!! Create the future   作:園枝こるだ

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第48話「Liella!」

創視点──────

遂に迎えた学園祭当日、結ヶ丘の生徒だけでなく外部の学生や地域の方も招き、大盛況となっている。

「去年は散々だったからなぁ……」

かのん「あはは……マルガレーテちゃんと初めて会ったんだっけ……」

「そうです、まさかあの時はこんなことになるなんて思いませんでしたけど。」

学校内には様々な場所にLiella!vsトマカノーテのライブバトルの張り紙が貼られている。

かのん「遂に、今日だね。」

「今日……決まるんですよね。」

かのん「うん、恨みっこなしだよ。勝った方がひとつ願いを叶えてもらう、だからね。」

「もちろん、負けませんから。」

かのんさんの方を見てにっ、と笑う。

かのん「言うねぇ、私たちも負ける気は無いよ。」

僕とかのんさんの拳がぶつかり、ふふっと笑う。

 

成生視点──────

「ほんとに俺と回るでよかったのか?」

マルガレーテ「うるさいわね、いいって言ってるでしょ。」

あんた暇なら私といなさいよ、と乱暴に引きずってきたわりには態度でかい……いつも通りか……?

とにかくマルガレーテがこういうイベントで見て回ったりするイメージがなく、気になってしまう。

マルガレーテ「何チラチラ見てんのよ。」

「い、いや、別に……」

「あ。」

目の前には魔法少女のような格好でPV撮影をさせられている恋先輩と目が合った。

恋「み、見ないでください!!」

「いや……どうせなんかの映像で流れるだろ……」

メイ「マルガレーテと回ってんだな。」

「あぁ、メイ先輩は……何、何してんだこれは……」

きな子「生徒会用のPV撮影っす!」

ふふん、と自慢げにきな子先輩がスマートフォンを見せつけてくる。

メイ「マルガレーテもちゃんと見て回れよ。去年、あんま回ってないだろ。」

マルガレーテ「別にいいわよ、そんな見るとこないし……」

千砂都「見るとこないならうちにどうぞ〜!」

にゅいっ、と視界の端から千砂都が現れる。

「千砂都は何やって……ってたこ焼きか、天職だな。」

毎度!と袖を捲りあげ、老舗の大将のようなポーズをとる。

可可「グソクムシもいるデスよ〜!」

すみれ「あんまでかい声で言うんじゃないわよ!」

マルガレーテ「なんなの……?その格好……」

グソクムシの着ぐるみに身を包んだすみれ先輩の手には、虹色のソースがかけられたたこ焼きが。

「……なんでこんな色なんだ?」

夏美「株式会社オニナッツ公式商品のレインボーたこ焼きですの!」

マルガレーテ「トンチキな商品ね。」

なにを〜!とマルガレーテの前で地団駄を踏む夏美先輩。

冬毬「マルガレーテと成生は一緒に回っていたんですね。」

「うん、冬毬は姉者とか。」

千砂都「……あれ!?呼び方!!」

メイ「先輩付けされてる!!!」

気づくの遅すぎでしょ……とマルガレーテは俺の横で呆れ返っている。

「ま……もう敵視する理由もないしな……ぐふっ……」

何気なく冬毬から手渡されたスムージーを飲むと、喉を鉄球で押し潰されるような感触に襲われる。

「何入れてんだこれっ!!」

夏美「高麗人参も含有した滋養強壮効果もある〜!濃すぎて最早茶葉スムージーですの!」

「なんで止めなかったんだよ……」

冬毬「私が気づいた時にはもう大量生産されていました。」

……いつもより冬毬のお下げが変な方向を向いてるのはこの飲み物のせい……?

ヤエ「まもなく、Liella!vsトマカノーテライブバトルの会場を解放致します!席は先着順ですので、お早めにお入りください!」

ヤエ先輩の声が各地の放送機器からいっせいに流れる。

千砂都「じゃ、そろそろ行きますか!」

マルガレーテ「負けないわよ。」

四季「me too.」

バチバチと火花を散らすマルガレーテと四季先輩。

メイ「忘れてないよな、約束。」

「当たり前だ、俺はもうお願い考えといたぞ?」

言うじゃねえか、とにっと笑うメイ先輩とぐっ、と拳を交わす。

「それじゃあな、俺と創はちょっと別件でやることあるんだ。」

冬毬「別件、ですか?」

「ライブはちゃんと見に行くよ。みんなの姿、ちゃんと目に焼き付けたいんだ。」

冬毬は俺の返答を聞き、そうですか、と優しく微笑む。

マルガレーテ「今度は見てなさいよ。」

「……あぁ、もう逃げないよ。」

「頑張れよ、マルガレーテ。」

とんっ、とマルガレーテの背中を押す。

いつもよりも大きなふんっ、が響き、校舎内へマルガレーテはスタスタと歩いていった。

「……頑張れ。お前ならきっとできる、歌の楽しさが今ならちゃんとわかるはずだ。」

蝶のように、美しく、強かに。

いつまでも飛び続けろ。

 

創視点──────

「ヤエ先輩!!」

ヤエ「創くん!お疲れ様!」

お疲れ様です……と肩で息をしながら、ヤエ先輩に返事をする。

ココノ「どうしたの!?そんな疲れて……」

「……これ、あつめて、きました……!」

ナナミ「これ、って……!今日配ったやつだよね!?」

「配った人、覚えて、全部回ってきました……」

ココノ「すごい……!すごいよ創くん!ありがとう!」

ココノ先輩は僕が持っていた紙をわぁ、と持ち上げる。

ナナミ「これで準備万端だね……!」

成生「ライブ楽しむのも忘れずに、な。」

僕の横から成生がひょいっと現れ、ペンライトを手渡す。

「うん……!頑張れ、みんな……!」

 

かのん視点──────

黒の手袋をきゅっ、と嵌め、甲高いヒールの音がステージ裏に響く。

向かいからは8人の足音が響き、こちらには3人の足音が響く。

対峙するはかつての仲間、高めあってきた、結ヶ丘の仲間。

私たちの着ている蒼き衣装とは対照的に、真紅の衣装を身に纏う、手元を見ると、白い手袋を嵌めている。

黙って向かい合った私たちはそれぞれ円陣を組む。

「……いよいよだね。」

マルガレーテ「勝つ……!」

冬毬「正々堂々と参りましょう。」

かのん「真正面からぶつかって、悔いなく歌い切ろう!」

絶対に。

かのん「Song for me!」

絶対に。

千砂都「Song for you!」

絶対に。

11人「Song for all!!」

負けない。

みんな気持ちは同じ。

だからこそ。

負けたくない。

 

Dazzling Game/Liella!

 

揺るぎない不屈の精神

右に出るものはいないでしょ

 

切りこんでいく最前線

自分の手で道 創るんだ!

 

ハンパじゃない 勝ちたいってキモチ

スキルだって悪いけどホンモノ

 

青春は飾りじゃないよ

熱く熱く眩く燃やすのさ

 

息がピッタリの一体感

阿吽の呼吸が自慢だよ

みんなを信じ頂上へ

歩んできた道 大事にして!

 

できるできないよりも

かけがえないストーリーがある

ぎゅっと

結び合った

手の中に答えはいつでもあった

 

君だけのその優しさを

君だけのその激しさを

掴んだらきっと最強になれる

 

繋ぎ合わせてみよう 君と僕の光るピース

今まで以上に彩られた未来 出会えるんだ

 

煌めきのパズルだね 胸が騒ぎ始めたよ

昨日の僕を越えて もっと輝いてみせるよ

 

君と今 ひとつになる

ここからが本当の始まり

もう離れない

走り出そうぜ!

 

かのん視点──────

11人の立つステージに歓声が降り注ぐ。

千砂都「3人とも、すごかったよ……!」

恋「お互いに全力を出し合えた……最高のステージでした!」

マルガレーテ「……恋先輩たちも、私には出来ないパフォーマンスを出せてた。」

きな子「ぶつかり合う中で……!」

四季「お互いを高め合えた……!」

すみれ「悔しいけど、認めてあげるわ。あなたの実力。」

「よかったね、マルガレーテちゃん!」

冬毬ちゃんがすすすっ、とマルガレーテちゃんに近づき耳打ちする。

冬毬「こういう時は涙してもいいのですよ。」

マルガレーテ「うるさいっ!!」

 

創「それでは、結果を発表いたします……!」

ガチガチに緊張している創くんの横で成生くんは必死に笑いをこらえている。

創「投票結果は……!」

決まる、今、ここで。

心臓の鼓動が早くなる、ライブの余韻と、3年を賭けたステージの有無が、ここで。

創、成生「結果は、11人で地区大会に出場してください!!」

予想外の結果にステージの上の私たちは動揺を隠せない様子だ。

可可「11人で!?」

すみれ「どういうこと!?」

創「みなさんに署名して貰ったんです、やっぱり11人のLiella!が見たい、学校のみんなの気持ちはひとつでした。」

成生「Liella!は敵はもうおしまい、だな。」

成生くんはステージの上のマルガレーテちゃんを見てにっ、と笑う。

「そういえばちぃちゃんたち勝ったらお願いがあるって。」

夏美「勝負に負けた方は勝った方の言うことをひとつ聞く。」

きな子「勝ち負けじゃなくなったっすけど……」

四季「かのん先輩たちのお願いは何?」

私はステージの下にいた成生くんを呼ぶ。恥ずかしそうによっ、とステージに上がる成生くんも私たちの横に並ぶ。

「私たちが勝ったら、11人でLoveLive!に出たい、って言うつもりだった!」

マルガレーテ「あんた、最初からこうするつもりだったの?」

成生「まさか。言い出したのはヤエ先輩たちだよ。」

成生「創がどうだったかは、わからないけどな。」

四季ちゃんとメイちゃんに引っ張られながら創くんがステージの上にあがる。

「僕もそんなつもりはなかったよ。」

「ただ僕たちが勝った時は……」

千砂都「11人でLoveLive!に出よう!って言うつもりだった!」

創くんを含めた8人がちぃちゃんの言葉にうんと頷く。

「それじゃあ私たち11人……ううん、13人……」

マルガレーテちゃんは成生くんと、創くんは四季ちゃんと手を繋ぐ。

「結ヶ丘高校スクールアイドル!」

13人「Liella!です!!」

 

創視点──────

「それじゃ、撮りますよ!」

成生「マルガレーテもっと笑えよ〜。」

マルガレーテ「うるっさいわね!あんた!」

んがーっ!と最前列で吠えるマルガレーテ。

かのん「ほら、笑って。」

マルガレーテ「あんたまで……笑ってるから早く撮ってよ!」

「はいはい、いきまーす!3、2、1……!」

撮れた写真のマルガレーテは笑って……笑ってる?まぁ笑ってると言われれば……?ぐらいにしか笑えてなかった。

可可「マルマル笑えてないデス〜!」

マルガレーテ「いいのよこれでっ!」

冬毬「これがマルガレーテの笑顔ですので。」

ちゃんと写真の中で笑っている冬毬ちゃんがナチュラルにマウントを取る。

メイ「ほら、成生も創も。」

ちょいちょいっ、と手招くメイに成生は返す。

成生「いや、LoveLive!用の写真なら写る意味ないだろ。」

千砂都「いいから!思い出写真だよっ!」

「行こう、成生。」

成生「……あぁ。」

その写真には初めて見る成生の心からの笑顔が収められていた。

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