ラブライブ!スーパースター!! Create the future   作:園枝こるだ

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ついに夏美が登場です。最初こんな感じだったっけと書いていて懐かしい気持ちになりました。
今回も楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いします。


第6話「マニーは浮き物」

1年生教室──────

生徒A「スクールアイドル部に入部!?」

生徒B「米女さんと若菜さんが!?」

僕が朝登校すると教室はとてつもない盛り上がり方だった。何人もの生徒に囲まれるメイと四季。そしてその真ん中には……

きな子「そうなんすよ、そうなんすよ〜!同じ学年の仲間がまた増えてくれたっす〜!!」

メイと四季の肩に手を置いてご機嫌なきな子ちゃんが。よっぽど嬉しかったんだね……

生徒C「あ、神谷くん!私たち神谷くんのことも応援してるからね!」

僕が教室に入ってきたことに気がついた子も僕の方を見て話してくれる。

「ありがと、ステージには立たないけど僕も僕なりに精一杯頑張るよ。」

きな子ちゃん達3人もどうやら盛り上がってるみたいだ。きな子ちゃんが2人の肩をばしばし叩いてるのを僕は眺めていた。

生徒B「ねぇ!Liella!のフォロワー数、また増えてるよ!」

きな子「ほんとっす〜!!」

僕もそれを聞いておもむろにスマホを取り出す。確かにLiella!のフォロワー数は最近鰻登りに増えていた。先輩達の去年の活躍もあってだが、きな子ちゃんの頑張り、さらにメイと四季の加入による要因もあるだろう。

夏美「マニーですのぉっ!!んぎゃっ!!」

大きい声を出して立ち上がる夏美ちゃんの方を思わず見る。僕が夏美ちゃんを目でとらえた頃には腰をおさえて座り込んでいた。

なにか起こりそう、そんな気が僕にはしていた。

 

放課後、部室──────

可可「じゃじゃーん!新たなメンバーを迎えるにあたり、部室を拡大致しマシた!」

ブラインドをガララ、と勢いよく開け放つ可可先輩の先にはスクールアイドルのポスターにローテーブル、L字型のソファが置かれていた。

すみれ「あんた1人でやったわけじゃないでしょ!」

恋「用意してくれた理事長に感謝ですね、それに家具を選んでくださった創さんにも。」

僕ににこやかに笑いかける恋先輩。そう、ここに置かれているポスター以外の家具は全部僕が選んだものである。

「いえいえ、気に入っていただけたのならよかったです。」

千砂都「練習メニューも少しリニューアルしてみたよ!1年生も増えたし、それぞれあったことから進めていけたらなって!」

かのん「さすがちぃちゃん!」

千砂都先輩、もとい千砂都部長が新たに組んでくれたメニューを確認する。タイムキーパーも僕の立派な仕事だ。

 

屋上での練習がひと段落したところできな子ちゃんとメイが続けてばたんと寝っ転がる。

「お疲れ、2人とも。それに四季も、よく立ってられるね。」

はい、とドリンクとタオルをそれぞれ3人に手渡す。

四季「私も、結構ギリギリ。」

タオルで汗を拭いながらふぅ、と息をつく。お腹を出した練習着はどことなく千砂都先輩を彷彿とさせる。

千砂都「ダンスやってたの?」

四季はその質問に対して何も、と返す。そうすると千砂都先輩の横にひょこっと可可先輩が飛び出してくる。

可可「デハ、もしかしてスクールアイドルの動画を見て家で練習したことが……!」

四季「そ、それは……」

と照れる四季。家でも練習していたんだと微笑ましい気持ちになる。

かのん「恥ずかしがらなくても大丈夫、ここにいるみんな全員やってるから。」

確かに、代々木公園で1人で練習している姿を全員見たことがある。

きな子「じゃあ、メイちゃんも?」

メイ「……嗜む程度に……」

四季はふふん、と自慢げに口を開く。

四季「でも、メイはそれだけじゃない。」

「メイにはまだあれがあるもんね。」

僕と四季はにやりと笑い合う。

場所は音楽室に移って、メイはLiella!の曲を1曲演奏する。

メイ「まぁ、このくらいなら……」

かのん「メイちゃんすごい!」

恋「これは作曲の新たな力になりますね!」

メイは両手を顔の前でぶんぶんと振る。

メイ「無理無理無理、勘弁してくれよ……」

きな子「羨ましいっす!」

四季「メイ、音楽とアイドルが大好きだから。」

「中学の時からずっと続けてるもんね。」

メイは照れくさそうにこちらを見る。

きな子「それに比べてきな子は……」

かのん「そんなことないでしょ!」

すみれ先輩が続けて推理を終えた探偵のように言う。

すみれ「歌詞書き溜めてるの知ってるわよ、もちろん創のもね。」

きな子「あ、あれはいい言葉が思いついたら書き溜めてるだけで……」

「そ、そうですよ!僕も歌詞って言えるほどのものじゃ……」

僕ときな子ちゃんは2人並んでしゅんとする。

メイ「だったらアタシも、恋先輩と比べたら……」

四季「それなら私のダンスも……」

僕達1年生が立つ窓際にどんよりとした空気が流れる。

かのん「いいんだよそれで!」

すみれ「すでにみんな上手だったら、先輩の立場がないでしょ。」

千砂都「頑張って練習して、少しずつ伸ばしていけばいいの!」

恋「まだ始まったばかりなんですから。」

先輩達は明るく励ましてくれた。

 

1年生4人で下校中──────

メイ「とは言ったものの……」

四季「やっぱり2年生はすごい人ばかり……」

「だよねぇ……」

4人並んで椅子に座り、全員ではぁ、とため息をつく。

きな子「来年の今頃には先輩たちみたいになれてるんすかね……」

おもむろに四季がタブレットを鞄から取り出す。画面には赤く右上に一直線に伸びているグラフとほぼ上昇せず右にすこんと伸びているグラフが表示されていた。2年生と1年生を表したものだと即座に理解した。

「なんとかしなきゃだよねぇ……ん……?」

視界の端に光るものが見えた。自撮り棒がくっついた、スマホ……持っているのは夏美ちゃん……?なんでこんなところに……

 

翌日、部室──────

かのん「新たな……!」

千砂都「1年生……!?」

すみれ先輩は眉をひそめながら「急に次々と……?」と夏美ちゃんを怪しむ目で見つめていた。

恋「それだけ1年生にも浸透したということです!」

ぼくはソファに腰掛けて眺めていると可可先輩とメイがなにやら肩を震わせている。

可可「遂に……きたデスか……!」

メイ「あぁ……遂に9人なんだな……!」

すみれ「は?10人でしょ、何言ってんのよ。」

可可先輩はきっとすみれ先輩の方を見てすみれ先輩の目の前に立つ。

可可「だぁからすみれは何も分かってないと言うのデス!ステージにスクールアイドルが9人立つということは伝説の始まりなのデス!」

メイ「そう!スクールアイドルにおける絶対数!まさにレジェンドなんだよ!!」

すみれ先輩は変なのが増えた……とも言わんばかりにはぁ……と頭を抱える。

メイ「これで遂に!」

可可「Liella!もレジェンドスクールアイドルの資格を得たのデス!」

どこからともなくレジェンドとかかれた襷と看板を取り出したメイと可可先輩が夏美ちゃんを取り囲む。

夏美「あのぉ……」

メイ「はい!?」

夏美「盛り上がってるとこ」

可可「ハイ!?」

夏美「申し訳ないのですが……」

 

かのん「えぇ!?入部希望じゃないの!?」

メイ「ぬか喜びかよ!」

「メイと可可先輩が早とちりしただけでしょ……」

うなだれるメイと可可先輩を呆れた目で見る。

恋「でしたら、どのようなご要件で……?」

夏美「わたくし、鬼塚夏美と申しますの。」

すちゃりと眼鏡をかけた夏美ちゃんが見覚えのある名刺を取り出す。

かのん「しーいーおー……」

千砂都先輩と四季がかのん先輩の手中にある名刺を覗き込む。

きな子「あ、それきな子も昔貰ったっす。」

「あ、僕もだ。これ。」

僕はスマホを取り出し、スマホケースに入った名刺を見せる。

夏美「なんでそんなとこ入れてるんですの……宣伝になってるなら咎めないですけど……」

夏美「私は動画配信を中心にした株式会社オニナッツの代表を努めさせていただいておりますの!」

かのん「社長!?高校生なのに……!」

純粋なかのん先輩のリアクションにふふんと夏美ちゃんは自慢げに「別に大したことでは無いですの」と大袈裟にリアクションをする。

夏美「そこで、今日はご相談がありまして……」

「相談……?」

夏美ちゃんはそれからLiella!のプロデュースについて説明してくれたが、僕は難しくてあまり理解できなかった。

かのん先輩は誓約書を見せてもらっていたが、見るなり即OKしていたがなにか変なこと書いてなかったんだろうか。

急に夏美ちゃんがこのタイミングで来るのは少し怪しいような……

 

可可先輩の家──────

可可「配り終えマシた!」

きな子「創くんはほんとにやらなくていいんすか?」

「うん、僕は見てるの好きだから。やりたくなったらきな子ちゃんのサポートでもしようかな。」

可可先輩の家に下校後にお邪魔して大富豪をやってる最中である。なぜこうして遊んでいるのかというとどうやら夏美ちゃんが言うにはプロデュースのためらしい。先輩達もこれを機に仲良くなろうということらしい。

可可「恵んでやるデス……」

可可先輩はベランダからパラパラとカードを落とす。……渡してるんだけどねこれでも。部屋に入り切らず貧民と大貧民のかのん先輩とすみれ先輩は外から大富豪に参加することになった。

「あの……僕やっぱり外に行きましょうか……?」

千砂都「いいのいいの!1年生はみんなお部屋の中で!」

恋「そうですよ、私達ももっとみなさんのこと知りたいですから。」

そう話しながらゲームは進んでいく。ちなみに可可先輩は3連続大富豪だ。

四季「けど、8人でやるのも限界がある。」

メイ「それじゃアタシと四季は次で抜ける。」

千砂都先輩はそれじゃ意味ないよ〜と悲しそうな顔をする。

僕の正面にいた恋先輩がクッションの上に置かれたゲーム機に目をやる。

恋「これはなんですか……?」

おもむろにゲーム機を手に取り、傾けるなどして眺める。

可可「ゲーム機デスよ。」

「恋先輩ご存知ないんですか?」

恋「はい、実は……」

 

僕たちは大富豪をほっぽりだしすっかりテレビゲームに夢中になっていた。某電鉄ゲームにそっくりなこのゲームなら恋先輩でもできるのではと可可先輩がすぐ用意してくれた。

「恋先輩、5!5出して!」

恋「5、5ですね!?……あぁ!」

画面に表示されたサイコロの目は惜しくも4。ターンは千砂都先輩、メイのチームに渡る。

千砂都「よっしここは逆転のチャンス!メイちゃんよろしくぅ!」

メイ「えっアタシ!?」

千砂都「同じチームでしょ!10だよ10!」

千砂都先輩はサイコロを2個に増やすアイテムを使った状況でメイにコントローラーを手渡す。

メイは一度ごくりと唾を飲み込み、いよしと意気込む。

メイが振るったサイコロ出目は6と......4!狙い通りの10だ。

恋、きな子「あぁ......!」

2人は少しうなだれる。その横で大喜びでハイタッチをする千砂都先輩とメイ。けどなにか忘れているような......

シャッター音のする方を見ると四季と夏美ちゃんが立っていた。

メイ「撮るな!お前も、お前も!」

メイは少し照れながら四季と夏美ちゃんを交互に指をさす。その時がちゃと部屋のドアが開く。そこには鬼の形相のすみれ先輩が。

すみれ「あんたたち......よくもほったらかしてくれたわね......!」

「これだ、忘れてたの。」

その直後僕の頭にすみれ先輩のチョップが振り下ろされた。

 

「いつつ......」

僕は先程一撃を叩き込まれた箇所を撫でながら時間を見る。ゲームに夢中になってしまいすっかり外は暗くなってしまっていた。

千砂都「案外ゲーム楽しかったね。」

かのん「恋ちゃんの意外な一面も見れたし。」

そう言って恋先輩の方を見るとそこにはスマホに釘付けの恋先輩が。先程みんなでスマホゲームのやり方を教えてからすっかり夢中になっている。また1位です!とふんすと鼻を鳴らして無邪気な顔を見せる。恋先輩もこんな表情するんだなぁ。

きな子「では失礼するっす!」

きな子ちゃんの挨拶とともに僕達は2年生と夏美ちゃん以外の1年生とに別れるような形で解散した。

 

きな子「楽しかったっすねぇ!」

きな子ちゃんは自販機で買ったジュースを持ってにへらと笑っている。

「そうだね、練習ももちろんだけどこうして遊ぶのも楽しいね。」

きな子ちゃんはうんうんと僕のそばで頷いている。

四季「普段は意外とみんな普通。」

メイ「私達は思ってるだけでそんなに差は......」

 

後日、部活中──────

メイ「やっぱり.....ある......」

きな子「動けないっす......」

メイときな子ちゃんは大の字で屋上にでろんと広がり、四季も少し余裕はあるものの息はあがっている。

「お疲れみんな、昨日はあんまりないと思ったのにね......」

僕はそれぞれメンバーにタオルと水筒を手渡す。

可可「あんまりってなんのことデスか?」

可可先輩がきょとんとして首を傾げている。

「昨日遊んだあとに実は僕らと先輩たちがあんまり変わらないんじゃないかって話をしたんです。」

四季「けど実際は、差しかない......」

僕ら4人はしゅんとする。ここじいる4人みんな気持ちは同じだ。もっと成長しなきゃ、と。

 

次の日僕が屋上へ行くともう夏美ちゃんが動画を撮り始めていた。

メイ「相変わらずうっぜぇな。」

メイはやれやれといった感じで腰に手を当て動画撮影中の夏美ちゃんを眺める。

夏美「それでは新しく加入した1年生に、インタビューですの!......ってなんか暗いですの。」

メイ「いや別に......」

きな子「今日も撮影するんすか.....」

どうやら先日の一件でみんな元気がないらしい、それを夏美ちゃんが知るわけもなくただ単に元気がないだけだと思っているのだろう。

夏美「もちろんですの!先日の動画もあれだけ稼げたんですのよ!」

創、四季「稼げた?」

僕と四季はちらりと夏美ちゃんの方を見る。稼げたっていうのは視聴回数かそれとも......

かのん「遅れてごめーん!」

と入ってきた先輩たちによって話の流れが途切れてしまった。

 

帰路──────

「四季、夏美ちゃんのことなんだけどさ。」

僕と四季は少し用事があると言って2人きりで帰る口実を作った。今日の夏美ちゃんの発言に違和感を感じたのは僕と四季だけのようだった。

四季「うん、明らかに怪しいというか、ほぼ黒。」

「だよね......考えたくはないけど、liella!の人気に便乗しようとしているとしか思えない。」

稼げたの件、プロデュースやかのん先輩に手渡された誓約書.....何よりも夏美ちゃんが普段からマニーと発言していることから四季の言う通り黒でほぼ間違いないだろう。

四季「けど、ただお金のためのようには......」

四季が顎に手を当てて考え込む。そう、どこか引っかかるんだ。お金のためだけに動いているような感じがしない。

そのまま結論を出すことなく僕と四季は解散した。

 

とある日の部活動後──────

すみれ先輩がおもむろにスマホを取り出し、画面を夏美ちゃんに見せつける。

すみれ「これについて、話があるんだけど。」

切り込んだ.....と思い僕は四季の方を見る。四季と目が合い、詰めるならここだと言わんばかりの表情だ。

恋「Ltube.....ですか?」

「その動画の収益、どうなっているのかみなさんはご存じですか?」

僕がそう言うと先輩たちは顔を見合せ頭の上に?マークを浮かばせる。

四季「軽く計算したら、収益はこのくらいになる。」

すかさずタブレットを先輩たちに見せる四季。それを見てぎょっとする。

すみれ「あんた、プロデュースとかなんとか言いながら、私たちを利用してお金儲けしようとしてるんじゃないの。」

夏美ちゃんはうむむと少し考えたあとに逃走した。普通に逃げた。

その後先輩たちと話して、夏美ちゃんの様子を少し気にしてみること、夏美ちゃんには気にしてないということを伝えるという結論に至った。

 

次の部活の日、僕は用事があり部活動を休んだ。

その日の夜メイから電話があり、夏休み中は2年生と1年生が別行動で部活を行うことになったことを伝えられた。

「えっど、どういうこと!?」

メイ「アタシらで決めたんだ、創に確認取らなくて悪いとは思ってる。」

メイ「けど成長したいんだ、アタシらの力だけ先輩たちに追いつけるぐらいに。」

その気持ちは痛いほどわかる、ただ完璧に分断してまで.....というのは少し引っかかる。

「それ言い始めたのは、誰?」

メイ「あぁ、夏美が提案したんだ。」

「夏美ちゃん.....」

一体何を考えているんだろう、手助けか、それとも.....

メイ「創?」

黙り込んだ僕を不思議に思ったのかメイが僕の名前を呼ぶ。

「あ、ごめん考え事、ひとまず了解、僕はメイたちのサポートメインで動くよ。」

メイ「助かる、それじゃな。」

「うん、連絡ありがと。」

ぼくは通話を切った後少し考え、ひとつの考えに至る。

「.....分断。」




今回も読んでくださりありがとうございます。
普段温和でほのぼのしている人はこういう切れ者のイメージがありますよね。創は思慮深いというか考えすぎなところがあるキャラなのでこういう切れ者な一面もあると面白いかなと思いこんな仕上がりになりました。
次回北海道上陸します。お楽しみに。
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