氷刃の薙ぎ手(改)   作:エクスタシー

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駄文ですがどうぞよろしくお願いします。


プロローグ

私の名前はアリシア・スカルラッティ。ローマ帝国にある田舎の町長の一人娘で10歳になります。

私には前世の記憶があり、前世で私はこの町では見たことも無い物に囲まれて一人で暮らしていました。

男の人同士でよく分からない事をする本や、とても精密に絵が書かれた、マンガという本がたくさんありました。

でも、ある日近くのお店に行こうとした時にトラックという馬車のようなものに轢かれて死んでしまいました。

5歳の誕生日に突然思い出してこの時代が1世紀~2世紀位だということもわかりました。でも、そんなことを知っていてもあまり役に立たないと思ってました。

今日も夕食後のお茶をしていたら突然部屋にメイドさんが慌てた様子で入ってきました。当然お母様はそのメイドさんを怒りますがメイドさんが何かを言うと私の手を引っ張って屋敷の一番奥の部屋に一緒に閉じ籠りました。

何があったのか聞こうとした瞬間、ものすごい揺れが襲ってきた。屋敷が崩れたと分かった時には地面に叩きつけられ、そのまま気を失ってしまいました。気を失う瞬間、全てを塗りつぶすかのような白い炎が見えました。

 

 

 

 

 

どれぐらい気絶していたのかわかりませんが、誰かが来る気配を感じて目が覚めました。体が動かないので前を見ると少し離れたところにお母様が倒れてました。・・・・・上半身と下半身に別れて。

 

「お、かあさ、ま。お母様!お母様ぁぁぁ!!!!」

 

そういいながら立ち上がろうとしても体が動きませんでした。そしてお腹の方から焼けるような痛みが走りました。見てみると大きな瓦礫が矢のようにお腹に刺さっていました。

 

「あああぁぁぁあ!!」

 

頭が真っ白になって、何が何だか分からなりました。そして叫んでいると誰かが近づいてきました。

 

「あン?まだ生きてる奴がいたのか。ってギャハハハ!!こいつ腹に瓦礫刺さってやがる!!…もっと響かせてみせろよォ!!」

 

そういわれた直後、全身に焼きごてを当てられたかのような痛みが走りました。私のお腹から瓦礫が抜かれたようです。

 

「ぁ・・・・・・ッ!!!!・・・・・・・ッッ!!!!!!!!!」

 

「おいおい、瓦礫抜いただけでアウトになンのかよ。つまンねェな。やっぱり人間じゃ駄目かァ。しかたねェ、フレイムヘイズを探すか。じゃあな、人間。死ンでいく感覚に恐怖しながら苦しンで死にな」

 

痛みを通り越して熱く感じる。もう叫ぶ気力もない。相手が何を言っているのか分からない。

また死ぬのだろうか。せっかく第二の生をもらい受けて、長生きできると思ったのに。前世のようにではなく、幸せな人生を送れると思ったのに・・・。その時、どこからか声が聞こえた。

 

──貴方は、生きたい?

 

だ、れ?生きたいにきまってる。これから幸せな未来が待っているかもしれないのに。

 

──じゃあどうして立ち向かわないの?生きることを諦めてるの?

 

だって・・・・体に力が入らないから。立ち向かいたくても向かえないじゃない

 

──じゃあ力を貸してあげようか?立ち向かうための。

 

良いの?ホントに、私なんかで・・・・。

 

──良いわよ。貴女のことは昔から気になっていたから。

 

じゃあ、力を貸して!!!生きるための、強い者に立ち向かうための・・・・・ッ!!

 

──ええ。これで契約は成立したわ。

 

その瞬間、身体の中に温かな感覚が入ってきた。元々私の中に入っていた大切なものが、それによって流されていく。それは人として、私であるための大切な何かで、人が人であるのに決定的なものだったように感じたけど、不思議とそれが消えていくことに不安や畏怖は覚えない。

そのあと、体の中から溢れるように流れ出て来たものは今まで感じた事のない、感じることの出来なかったなんとも言えない感触。私の体に起きた出来事とその違和感に戸惑っていると、さっきの声が私に言ってきた。

 

《私の名前は“霧海の氷雨”タクーシン》

 

その声は私の胸元から聞こえてきた。突然の事態に、混乱していて考えがまとまらない。だけど、それでも分かることは一つだけあった。

 

「生きて・・・・・いる?」

 

頭が、手が、足が動く。私は倒れていた場所からゆっくりと起き上がると、煤けた自分の姿を見て確信した。あんなに重くて動かなかった身体は朝目覚めたばかりのように軽く、瓦礫が刺さっていた傷も、服が破れているけれど流れ出ている筈の赤い液体は出てない。

 

《さっき言ったでしょ。力を貸すって》

 

「貴方は・・・・・誰?」

 

《それもさっき言ったわ。私の名前は“霧海の氷雨”タクーシン。“紅世の王”よ》

 

私はその声の出所を見つけようと周りを見渡す。けれども、周りにあるのは、いまだに燃えている火と、家の残骸のみ。

 

《私を探しているの?私はあなたの胸元のペンダントよ。それは私の意思を表に表すものでしかないけど》

 

その声につられて胸元を見る。そこには十字架のペンダントがあった。

 

《・・・・・・先ずは、貴女のお母様のお墓を建ててあげましょう。貴女の唯一の肉親なのだから》

 

「うん。そうですね。でも、お父様がいないってこと、なんで知ってるんですか?」

 

《私は貴女と契約した。契約した時に貴女の記憶が私のほうにも流れ込んできた。だから、貴女だけの秘密も知っているわよ》

 

私だけの秘密と言えば、一つしかない。生涯、誰にも話さないつもりでいた秘密。それが知られてしまった。

 

「どう思いましたか?前世の記憶なんて持っている私をみて。愛想尽きました?」

 

《何を言ってるんの?愛想なんてつくわけないじゃない。もっと興味が沸いたわ》

 

驚いた。私はこの“紅世の王”に愛想を尽かされてまた一人になるのかと思っていたから。

 

「じゃあ、まずはスコップを持ってこなければいけませんね」

 

《そんな必要はないわ。貴女には“存在の力”という力があるの。貴女には“存在の力”が感じれているはずよ》

 

「“存在の力”ってこの体の内から湧き出てくる不思議な力のことですか?」

 

《そうよ。貴女が強くイメージすれば殆どの物が出てくるはずよ》

 

イメージか・・・・・。スコップスコップ・・・・・・・・・・・・・・・。

そうやってイメージしていると右手が重くなった。目を開けるとそこには氷でできたスコップがあった。

 

「す、すごいです。本当に出てくるなんて・・・・・・」

 

《では、死んでしまった貴女のお母様のお墓を掘りましょう》

 

「はい」

 

そういって穴を作る。すると数分でできた。もっとかかると思ってたんだけど・・・・。

 

《そういえば言ってなかったわね。フレイムヘイズとなった者は“存在の力”をある程度は無意識で使えるの。だから今の貴女は大人よりも何倍も強いわ》

 

「なるほど。・・・・・・・・・ではお母様。さようなら」

 

そう言って横にしたお母様を埋める。氷でできた墓には我が母、此処に眠るとだけ書いた。

そして、少しだけ泣いてからそこを離れた。




“狂乱”アエーシュマの炎の色は『全てを塗りつぶすような白』です。
“覚の嘨吟”シャヘルの『純白』とは違うのです。

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