氷刃の薙ぎ手(改)   作:エクスタシー

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第3話

私がフレイムヘイズになってから約200年。旅に出てからすぐ、私たちは“仏の雷剣”タケミカズチと“震威の結い手”ゾフィー・サバリッシュと10年間行動を共にして、フレイムヘイズの常識と戦い方を教わった。

最初から使えたあの自在法は『千の英雄』という。その名の通り色々な形の武器を生み出す。最初はタクーシンが補助してくれていたらしいが、ゾフィーと行動を共にしていたこともあって5年たつ頃には自分だけで出来るようになっていた。

 

 

 

 

 

いまだあの“紅世の徒”は見つからない。今も、違う“紅世の徒”と戦っている。

“紅世の徒”の名前は“槍兵”ヌトス。その名の通り、槍と盾を持った“紅世の徒”でローブを纏っている。

私は自在法『千の英雄』を発動させて相手を串刺しにしようとするが、相手はそれを避ける。しかし、ここからが『千の英雄』本領だ。私はあらかじめ投げた武器に付けておいた自在法を発動させる。すると地面に刺さった武器から氷が発生して相手を拘束する。

 

「なっ!・・・これが『千の英雄』・・・・“氷刃の薙ぎ手”の実力か」

 

相手は観念したのか動きを止める。私は作り出した投げ槍(ジャベリン)で“徒”の右胸を貫くと“徒”は明るい緑色の炎を残して消えていく。

 

「ふぅ・・・。今回は楽でしたね」

 

《生まれたてだしすぐこちらに来たからね。少し休んだら次の町へ向かいましょ》

 

「そうします。そういえば、前に倒した徒も言ってましたが私たちの名前ってそんなに有名なんですか?」

 

《このごろ外界宿(アウトロー)に行ってないからわからないわね。でも“紅世の王”も何人か倒してるから有名かもしれないわ》

 

外界宿とは復讐を成し遂げたか変わり者のフレイムヘイズが独自に運営する溜まり場や隠れ家のような役割の施設の事だ。当然ながら徒や他のフレイムヘイズの情報は殆ど入ってこないが大きい町にある外界宿には偶に入ってくる事も多い。

 

「そうなんですか。・・・・さて、そろそろ行きましょうか。そういえば次の町は結構大きな町みたいですよ?」

 

《だったら外界宿もあるかもしれないわね》

 

「そうですね」

 

つい“徒”の事ばかり気にしてしまうけど、外界宿では運が良ければ他のフレイムヘイズから情報が聞けることもある。

 

 

 

 

 

数時間後。町の裏通りに外界宿はあった。中へ入ると30歳くらいで右腕にある鉄で出来た籠手をした執事服を着た男の人がカウンターでコップを磨いていた。壁一面には地図と海図が張ってあって、すごく正確に書かれている。カウンターには宝具『テッセラ』が置かれていて、その中では鉄鼠色の炎が灯っている。

 

「いらっしゃい。生憎、フレイムヘイズは私以外いないが。・・・名前は?」

 

「“氷刃の薙ぎ手”、“霧海の氷雨”タクーシンの契約者、アリシア・スカルラッティです」

 

「“氷刃の薙ぎ手”?・・・そうか。やはり先代は死んでいたか」

 

《あら?貴方は“鋼鉄の護り手”フランク・パルヴァーと“鉄琴の創主”アラハバキじゃない?》

 

どうやらタクーシンの知り合いらしい。

 

「ああ、久しいね。“霧海の氷雨”タクーシン」

 

《あなた、また懲りずに契約したの?まあ、ありがたいけど。さぁて、今回の契約者は何処まで持つかしら?》

 

《あなたも変わらないわね。アラハバキ》

 

「アラハバキ、そんなこと言うなよ。失礼したね、アリシアさん」

 

「えっと、知り合いですか?」

 

「ああ。君の先代であるギアッチョとは知り合いでね」

 

「そうだったんですか」

 

「いつ、この町を出て行くのかは分からないけどそれまでは存分に利用してくれ」

 

「ありがとうございます」

 

そういって、部屋のカギをもらって部屋に移動した。ベッドに入るとすぐに寝てしまった。

 

 

 

 

 

“鉄琴の創主”アラハバキと“鋼鉄の護り手”フランク・パルヴァーが経営するアウトローに居座ってから1週間が過ぎた頃、その街に不穏な気配が近づいていた。

 

「っ!“徒”ですね」

 

丁度、町の通りを歩いていたら“徒”の気配が近づいてきた。

 

《こっちに向かってきたわよ》

 

タクーシンがそういったとき、遠くにクリーム色の炎が見えた。

 

《クリーム色・・・“疾電”インドラね》

 

「そのとぉーり!」

 

そう、声が聞こえた時には私の目の前に身体に無数の目がある男が手に持った槍を突き刺そうとしていた。

 

「くっ!!」

 

とっさに氷の短剣で弾きながら後ろへ飛ぶ。

 

「どうも、ご紹介に上がりました。“疾電”インドラです」

 

《上げた覚えは無いわよ!!》

 

私は武器を作って相手に投げつける。しかし、相手が早すぎて捉えることができない。

 

「厄介ですね」

 

《あれがインドラの強さの秘訣よ。あの素早ささえ何とか出来ればいいんだけど・・・》

 

そう会話しながら私は武器を辺り一帯に隙間なく打ち込む。インドラは攻撃を避けるために距離をあける。

 

「今回あなたには我がシナリオの一部となってもらうため登場した次第でございます。では行きましょう!まずは、インドラのぉ・・・炎!!」

 

インドラがそういうと、インドラの持っている槍に炎を纏った。

 

「そして、インドラのぉ・・・矢ぁ!!」

 

そして今度はインドラがその槍を投げた。するとその槍は途中で無数に分かれ、私を四方八方から突き刺さんと迫ってくる。私は自分の周りに『千の英雄』を展開し、『インドラの矢』を迎撃する。『千の英雄』と『インドラの矢』が交差したとき、ものすごい爆発が起きた。その爆風に飛ばされながらも私はもう一度武器を作って相手がいた方向へと爆発がカモフラージュになるように打ち出す。

爆発によってなにも見えなかったが、気配が消えたのと何のアクションも起きないことから討滅できたのだろう。

私は事後処理をしてから外界宿に引き返した。




インドラは鋼の錬金術師のお父様(最終形態・目だけver.)をイメージしてもらえば結構です。

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