RE Take of EVANGELION 外伝   作:Air1204

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前書きみたいなもんです。特段何かある訳でもない導入なのでここから先が気になった方は是非。


第壱話 Air&まごころを君に。

僕は物心ついた頃からずっと独りだった。

それこそ、ここに来るまでは。

 

学友に愛された、でもその人は敵で自らの手で絞め殺した。

同居人に愛された。でもそれは誰かの代わりでしか無かった。

青い髪の少女を愛した、でも彼女は第2の使徒だった。

父を求め縋った。でも帰ってきたのは侮蔑の眼だった。

 

今となっては何もかもがどうでもよかったとそう思えた。

だって母のように、姉のように慕っていた人は僕に『家族』ではなく『恋人』の代役を求めたから。

でも彼女の願いは、命令は僕にとっては呪いだった。

動きたくても動けやしない。今までは何度も勝手に動いていたと言うのに…。僕が必要とした時には応えることもない。

この中に残されたという母さんですら僕を見放した。

 

「こんな状態でどうしろって言うんだよ…。もう嫌だ…。もう何もかも…。」

 

ことが終わった。悲鳴が響く、きっと彼女の慟哭。負けた、敗れた。どうしようもなく。

何もかもがどうでも良くなった時に限ってコレは動いた。

その掌は僕のいるブリッジを握り潰し無理矢理にでも乗れと言わんばかりにエントリープラグへと押し込まれた。

 

天使のような悪魔のような翼が生える。砂埃を巻き上げ、先程まで優勢であった戦自を蹴散らして空へと上がる。

 

「アスカ…。」

 

ふと空を見上げてしまった。あの悲鳴の主をまだ生きているんじゃないかと心の中でそう思ってしまったから。

生きていれば助けてあげたい。そうすれば僕を、今の僕を罵ってくれると、そう信じて。

だがそれは幻想でしか無かった。食いちぎられ捨てられバラバラの姿となった弐号機は空を駆る白い9機によって食い散らかされていた。

生きているはずがない。だからこその慟哭。死にたい、死にたい。僕を殺してくれ、こんな世界要らない。全部、全部消えろ。

そう願ったところで僕の意識は闇へと消えた。

 

目を覚ましたのは赤い砂浜だった。何も無い全てが終わった砂浜。そして巨大な化け物の顔は真っ二つに割れてもなおコチラへの目線を閉じることはなかった。薄ら笑すら感じられるその顔はどうしようもなく僕が結局生を願ったのだとそう思わせてきた。

やれることは何もない。もう僕も死ぬだけだ。

だから何かしよう。

 

思い出されたのはいつかの砂のピラミッド。作っては壊した。友達は母親が迎えに来ては帰る。僕に迎えはない。意味の無い作業だった。だからこそ何度も何度も崩しては作り直した。

 

墓を作った。中身の無い墓を。知っている人の面影を求めて、自分の罪を思い返せるように…と。

自然とお腹は空かない、それに眠気もなかった。

だからこそ実感した。僕に死は許されないと。

 

アスカがいた。生きていた。それは虚無だった僕を現実に引き戻した。

アスカでシた。しかも隣で。本当は胸にでもぶっかけようと思った、でも出来なかった。意気地がない。

だからこそ顔を合わせたくなかった、もう会いたくもなかった。助けたかったくせに。

首を絞めた。でもアスカは身動ぎ1つしない、僕を受けいれてくれてる。いや動けないだけか…。

でも突然その手は僕の頬を撫でた。優しく、怖くないよとでも言いたげに。

自然と手の力が抜けてしまった。泣くことしか出来なかった。

視線があった気がした。

ふっと嘲笑する顔でアスカは僕に言った。

 

「気持ち悪い。」

 

それがこの世界での最後の記憶だった。

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