「レイシア、緊急で話があるわ、後でホールに来てちょうだい」
少し前にレミリアに叩き起こされ、そう言ってすぐに私の部屋出て行ったのだ、何かあったのだろうか、いや、何かあったようだ。
最近雇った妖精メイドがいつもに増して騒がしい、私は意識を覚醒させ、ホールへと向かった。
「お義姉さま、どうしたのですか?」
「ん、来たわね、レイシア」
「何が起きてるのです?」
私は尋ねる。
「人間にこの紅魔館が見つかったわ、近いうちに吸血鬼狩りを行う、だそうよ」
「何故この館の場所が…」
「少し遠い所に大きな町があるでしょう?あの町は妖怪、吸血鬼狩りをする大きな組織があるの、そこに誰かがこの館の事を報告しに言ったらしいわね」
「どうするのです?」
私は尋ねてみる。
「あの町を消すわ」
「本気ですか?あの町を消したらもっと大掛かりな事になりませんか?」
「レイシアの能力で紅魔館を圧縮するか、新しく作るか出来ないの?」
かなりの無茶振りだ、出来ない事は無いと思うけど、魔力、妖力はだいぶ消費しそうだ、いくら基本スペックが高い吸血鬼と言えど魔力、妖力は無限にはない。
「キツイですね、やれない事は無いと思いますが…1回試して見ましょうか」
私は外に出で山の方に向け、能力を行使する、山がどんどん圧縮されていく、終いには小さな模型見たいな状態まで小さくなった。
やれそうだ、かなり疲れるけど。
「出来そうです」
「うん、さすが私のレイシア」
「私のって…」
私は苦笑した。まぁ良いか、いや、良いのか?
「決行は明日の夜、あの町を襲撃、消滅させ次第紅魔館を圧縮、移動するわ」
「…わかりました、お義姉さま」
決行は明日の夜、私も準備しておこう。
私は自分の部屋に戻る前に、フランのいる地下室に足を運んだ。
フランの部屋の前でドアをノックする。
「フラン、レイシアです、入って良いですか?」
「はいっていいよー」
そんな声が聞こえてくる、私はドアを開けた。
「どうしたの?お義姉ちゃん?」
「私ももっとフランと仲良くなりたくてね、これからも沢山遊びに来ても良いですか?」
「もちろん、大歓迎だよ〜」
「ありがとです」
フランは私が遊びに来てくれるのは嬉しいようだ。よかった。
「何して遊ぶ〜?」
「フランは何して遊びたい?」
「お人形で遊びたいな~」
「良いですよ、人形はあります?」
「あ、全部壊しちゃったんだった…」
フランの能力では無く吸血鬼の力で思いっきり抱いたのだろうか
部屋の隅に裂けて綿が出てきてる人形があった、これなら、私の能力で…
私ははその人形を持ってきて、能力を使う、大体の構造、元あった形はなんとなく分かった。
私の能力の応用で元あった状態に戻すことが出来るかのテストだったけど、成功た様だ。
「直りましたよ」
直した人形をフランに手渡す。
「わぁ、ありがと〜、おねーちゃん!」
フランが満面の笑みを見せた。
「ふふ、どういたしまして」
こうやって感謝されると普通に嬉しい。
「さて、人形遊びしましょうか」
「うん!」
暫くフランと人形で遊んだあと、フランと私の事を詳しく話す事にした。
「フラン、何で私がこの館に来たか気にならない?」
「うん、少し気になるかな〜?」
「少しだけ話すけど聞いてくれる?」
「うん、聞くよ」
少し気になっているだけみたいなので細かい事をかなり省いて説明することにした。
「私が生まれてから2年経った時くらいかな、両親が吸血鬼狩りに襲われたの、その時に私の両親は私を地下の倉庫に隠したの」
「吸血鬼狩り…そんなのが居るんだ…」
「うん、そいつらに私の両親は殺されたわ、私もまだ2歳だったから、どうして良いかわからなかったわ、近くに住んでいた親切な妖怪に助けられてね、そこで10歳まで過ごしたわ」
「そうなんだ…」
「結構大変だったのよ、その後は私は山奥の誰も使ってない小屋に住んでいたのよ、そこに6年間住んでいいたわ、そのときに前お世話になった妖怪からこの館、紅魔館の存在を知ったの」
「そうなんだ…大変だったんだね」
「うん、だけど今は幸せですよ」
私は穏やかな笑みを浮かべる。
「うん、私も幸せ〜」
フランはそう言いながら私に抱きついてくる。
「フラン、ちょっと痛いですよ」
そう言ってもフランは抱きつく力を弱めない。
むしろ強くなった気がする。
「えへへ〜」
私は暫くフランに抱きつかれたままだった。
「フラン、明日ね、人間どもの町を襲撃するの、その後紅魔館を移動させるから、少しの間大人しくしててね」
「分かった〜」
「そろそろ部屋に戻りますね」と言って私はフランの部屋から出た
私は自分の部屋へと戻る前に、同じく地下にある書庫に行ってみる事にした。
「結構埃溜まってる…時間が空いたら掃除でもしましょうか」
私は結構綺麗好きなのかな?汚れてたりするのを見ると掃除をしたくなる。
いつか掃除することを決め、私は書庫にある本で私の魔法の研究に使えそうな魔導書を探すことにした。色々と見てみた結果1冊の私が気になった本があった。
「気体を操る魔法?」
どういう魔法だろうか、上手く使えば私の能力と組み合わせて使えそうだ、少し試してみよう。
私はその本を持って書庫を出た。私の部屋に戻る道中でお義姉さまに会った。
「あら、レイシア、その本どうしたの?」
「地下の書庫にあった魔導書です、魔法の研究に使えるかと思った次第です」
「気体を操る魔法、ねぇ私は使いこなせなかったわ、制御が難しいのよ」
「そうなんですか、私も出来るか分かりませんけど…」
「まぁ出来る限りやってみると良いわ」
「明日に差支えが無い程度にやってみます」
「うん、無茶はしないことね」
「わかってますよ、お義姉さま」
話も終わり、お義姉さまと別れたあと、私は自分の部屋に戻った。私はベットに腰掛け、魔導書を開いた、結構ややこしい。
「えっと、空気中の〜ん?」
かなり複雑だ、読んでる内にどんどんこんがらがってくる。
「これはかなり複雑ですね、少し試して見ますか」
お義姉さまに教えて貰った、日光や紫外線をかなりカットする紅い霧を生み出す魔法を小出しにして唱える、すると魔法陣から紅い霧が出てくる、部屋が薄っすらと暗くなる。
「一応これも気体ですよね、霧を濃くできますかね、試して見ましょうか」
私は魔導書の通りに魔法を唱えていく、少し空気が震えた、そして霧が濃く、ならない。
「霧は無理ですか、でも魔法の範囲内に居ると少し動くときに違和感が、空気抵抗でも強くなったのでしょうか」
そう独り言をぶつぶつ言ってたが特に今はこれ以上の進歩は無さそうなので今日はもう休むことにした。
ー翌朝
「ふぁぁぁ、良く寝た気がする、むしろ寝すぎかな?」
私は自分の部屋から出て、ホールへと向かう。
「お義姉さま、おはようございます」
「あぁ、レイシア、起きたのね、おはよう」
「日が沈み次第決行ですか?」
「あと1時間も無いわ、何時でも行ける様に準備しいてね」
「分かりましたよ」
私の能力なら一つの町くらい消すのは容易だろうけど、私には紅魔館の移動をすると言う仕事がある、あまり魔力や妖力は消耗しない様にしないと。
そう考えながら私は町を襲撃するための準備をする。
ー 外が暗くなってきた。
「そろそろですね?」
「ええ、行くわよ、レイシアは出来るだけ温存しながら戦ってね」
「わかってますよ」
そう言って私とお義姉様は紅魔館から出て、町に向かった。
5分程飛んだだろうか、町が見えてきた。
「先に吸血鬼狩りの奴等が居る拠点を叩くわ、レイシアは出来るだけ後方支援して」
「わかりましたよ、お義姉様」
私がそう返すと、レミリアが手に大型の魔力弾を数発作り出す、それを全て同時に放つ、レミリアの作り出した魔力弾は音速に迫る勢いで飛んでいった、まるで槍の様だ。
魔力弾が吸血鬼狩りの拠点の建物に命中する。
建物が大きな破壊音を鳴らしながら、崩れ落ちる。
「さて、奇襲は仕掛けたし、やるわよ、レイシア」
レミリアはそう言うと町の方に高速で飛んでった。
私も追う、町の方には沢山の兵士が銃、銀の槍を持っている。
私は町の入り口に降り立つと全身に魔力を流し、能力を行使する
ー 私から半径10m以内にある銀の物質を消滅させます ー
効果は発動したかな?そう考えてたら町の兵士達が一斉に発砲してきた、一応身構える、だが銀の銃弾は全て私から半径10m以内に入った途端消滅していく。
「さぁ、どうしますか?私に銃なんて効きませんよ」
兵士達はうろたえているようだ。だか兵士長の指示により銃を持った兵士達が下がり、槍を持った兵士が4人程突っ込んできた。
私は次に昨日試していた気体を操る魔法を展開する、私の正面20m〜30mの空気抵抗を増幅させてみる。
兵士達の動きが鈍くなる、今だ。
私は手に魔力、妖力を複合した魔力の球を5発作り出す、それを兵士に向かい発射、15m程進んだ所で魔力球が分散、鋭い刺状の魔力となり兵士達を一網打尽にする。
「あらかた片付いたかな、お義姉様はどうなったかな〜」
そう思いながら能力を解き、レミリアの様子を見るために飛び立とうとする、その時
「待って、これは何?どういう状況?」
背後から知らない声がした、私は声の方を見る、赤い長髪、服装は昨日書庫で見た東洋の大陸風の服みたいなのを着ている、武術をたしなんでいそうな佇まいだった
「私はこの町を消しに来た吸血鬼ですが?」
「何故か知りませんが貴方は悪者見たいな気配がします」
「私の両親、数々の他の吸血鬼も殺されました、これは報復ですよ人間どもに対しての」
「報復ってだけで町を消すのです?」
「これは私の意思ではないの、私のお義姉様の指示よ」
「あなた、名前は?」
「名前は聞くならまずあなたから名乗るものでは?」
「え?今なんて?」
「すいません、一度言ってみたかっただけです、私はレイシア・スカーレットと言います」
「レイシアね、私は紅美鈴」
「で、紅美鈴 私を止めたりするのですか?」
「レイシア、あなた強そうね 一人の武術家として戦いたいですね」
「私は吸血鬼よ?貴方なんて直ぐに倒せるわよ」
「私も妖怪ですから、簡単には死にません」
「では、一回試して見ましょうか」
私と美鈴は距離を取る。
「では、行きますよ、紅美鈴」
「臨むところです!」
そう言った途端に美鈴が高速で接近してくる、速い、だが私にはこの魔法がある
私は魔法を使い、美鈴の周りだけ空気抵抗を出来る限り上げた、途端に美鈴の動きが鈍くなる
「迷惑な魔法ね、でもこれくらいならっ!」
美鈴は虹色の気のような物を放出し、魔法を消し去る。
「この魔法を美鈴に使っても効きませんか、なら私に掛けてみますか」
私は魔法で私の周りだけ、空気抵抗を無くした、これに吸血鬼の身体能力の高さを活かして、超高速移動を繰り返す。今美鈴には私の眼光が青白い尾を引いて移動してる様にしか見えないだろう。
この速度を維持したまま魔力弾、妖力弾は乱射する。
魔力、妖力の球をすべて、美鈴は気を放出し、破壊する。
私は超高速移動を辞め、立ち止まる。
「中々やりますね、紅美鈴、なら、これならどうですか?」
私は大型の魔力弾を10個程作り出す。
そしてその魔力弾全てを美鈴に向けて発射する。
魔力弾が美鈴を取り囲む様に広がる、そして魔力弾が分散、先程の兵士に撃った奴とは桁違いの量の中型魔力弾が振り注ぐ。
「うわっ」
美鈴は気を纏った拳で直撃コースの魔力弾を破壊していく。
「これでも駄目ですか、なら追加です」
刺型の魔力弾を無数に作り、美鈴に向けて追加で発射する。
「わ、わぁっ!?」
「どうです?」
「あ、ちょっと、降参する降参」
私は魔力弾を消し、攻撃を辞める。
「紅美鈴、あなた何の妖怪か分からないけど結構やるわね」
「さすが吸血鬼です…強い」
「あなた紅魔館で働いてみない?」
「へっ?」
私からの急な誘いに驚く美鈴であった。
1-3 end
次回から更新速度上げていきたいです