「じゃ、美鈴、少し待っててね、私はお義姉さまの様子を見に行くから」
「え?あ、はいわかりました」
美鈴ら少し困った表情をしたが、すぐに頷いた。
私は竜の様な翼を羽ばたかせ、上空20m位まで飛び上がりレミリアの位置を確認しようとする、町の奥の方に強い魔力を感じたので私はその方向に向かう。
どうやらまだ吸血鬼狩りの奴等は残っているようだった、私はレミリアの近くまで向かう。
「お義姉さま、状況は?」
「あら、レイシア、終わったのね、吸血鬼狩りが微妙にしぶといから手伝ってもらえるかしら」
「良いですよ、では半分任せてください」
私は気体操作魔法を発動させ、私自身の空気抵抗を無くす。
そして能力も発動、手に2つの銀の剣を作り出す、その剣に魔力を纏わせ、私は瞬間移動並みの速さで敵陣に突っ込む、剣を閃かせ、5人を両断、音速に近い速度で振った剣によりかまいたちが発生し、敵複数に重症を負わせる。剣は砕けたが、
「魔法で耐久度を上げても一発で砕けるとは…」
「レイシア、貴方能力使えるようになって間もないのだからそんなに精度を求めてはダメよ」
レミリアが吸血鬼狩りの連中をふっ飛ばしながら言う。
確かに、私の能力で出現させた銀の再現率は65%位だけど。
「そうですね、じゃ、魔力弾でトドメですよ」
なんだろう、血が漲るような感覚があるが今は気にしない、私は爆発炎上するタイプの中型魔力弾を10発程生成し、撃ち出す。
中型魔力弾は高速で目標に向かって飛んでいく、魔力弾が着弾、爆発し火柱を上げる。派手にやりすぎた気がするけど気にしない。
レミリアも丁度、高圧縮大型魔力弾をうちこんで敵を消し飛ばした所だった。
「これ、お義姉さまだけでもやれた気がしますけど」
「レイシアが迷惑な魔法使いを跡形もなく吹き飛ばしたからじゃない」
「あら、そうなんです?」
「そうよ」
正直な所美鈴以上に手応えがある奴は居なかった気がする。
「て、なんですかこの有り様は!?」
美鈴がこっちに来て驚いていた。
「あら、美鈴見に来たの?丁度良いわ、お義姉さまにも紹介するわ」
「レイシア、その美鈴?とか言ったっけ、その妖怪をどうするの?」
「食べても美味しくないですよ!?」
「「誰も食べるなんで言ってないじゃない」」
盛大にハモった。
「…コホン、お義姉さま、この妖怪は紅美鈴って言うの、アテのない旅をしてそうな見た目だったから紅魔館で働かせようかな~って思ったんだけど、どうかな?」
「見た目って…」
美鈴は半眼でうめく
「別に良いのだけど、美鈴、貴方は良いの?」
レミリアが美鈴に聞く
「まぁ、構いませんが、暇でしたし」
「なら決定ね」
「あ、お義姉さま、そろそろ町が陥没しますんで飛んで下さい」
「え、あ、うん、随分大掛かりね」
「美鈴、捕まって」
私はそう言って美鈴に手を向ける
「あ、良いのですか?」
美鈴は私の手を取る、そのまま宙に浮かせる
「さて、仕上げです」
私はこっそり作業しといた魔法陣を展開、能力を発動し、その町の下にある土、石などを20m程消す。それでもまだ足りないので魔力弾を撃ち込む。
町に一気に亀裂が走り穴に向けて落下していく、さらに能力を行使し、町の破片を溶岩に変換させる。
「わー、えげつない」
美鈴が言った。
「流石に私もやり過ぎだと思ってますがね」
「レイシア、紅魔館動かすだけの魔力は残っているの?」
「私、思ったんですけど、紅魔館動かす必要はないかと」
「…確かにそうかもね、美鈴も仲間になったし、もう少しあそこに居ましょうか」
「そうですね、お義姉さま」
「さ、行くわよ、美鈴」
「へ?あ、はい」
私とレミリア、そして美鈴は紅魔館へと戻っていった。
ーー紅魔館、着
「私、フランの所行ってきますね」
「ええ、わかったわ」
「あ、美鈴、お義姉さまに仕事与えてもらってー」
「あ、はいわかりました」
「じゃ、美鈴、貴方は門番ね」
レミリアは早速仕事を与えていた。
「門番ですか、わかりましたよ」
美鈴は足早に門へと向かっていく。
その姿を確認した所で私はフランのいる地下室へと向かった。私はフランの部屋へ行き手短に事情を話し、自分の部屋へと戻った。
部屋に入ったら直ぐにベットへダイブする、フカフカが気持ちいい。
「さて、沢山魔力も消費したし、少し休憩しようかな」
私は欠伸をしながら小さく伸びをしてベットに潜り込む、直ぐに意識が沈んでいった。
ーー 数時間後 ーー
「ふぁぁあ、よく寝ました〜」
私はベットから起きあがり、外を確認する、もうすぐ日が昇る、吸血鬼にとっては迷惑でしかない太陽が昇る、私は能力で日光を月光に変えるなど出来るけど。
とりあえず地下の書庫に行こう、そう考え、書庫へ向かった。
私は書庫の扉を開き、中へ入る。
「他に使えそうな本は無いかな〜、ん?」
私は一つの本を手に取った、古の吸血鬼書物と書いてある。
「なんだろ?これ」
私は本を開く、その内容は
ーー この書物は昔世界を脅かした最狂と言われし吸血鬼の特徴、見た目を後世に遺すために書いた本である。
昔世界を脅かした吸血鬼?そんなのがいるんだ、同じ吸血鬼である私1人では世界をどうこうできる程の力は持ってない筈だ。
私はもう少し読み進めてみる。
ーー 世界を脅かした最狂の吸血鬼の特徴
・ 竜の翼のような羽が生えている。
・ 青い目をしている。
・ 虚空からありとあらゆる物を作り出す
・ 吸血鬼としての基本性能が他の吸血鬼より一回り、二回り程高い。
・無慈悲だ。
翼や目が私と変わらないらしい。
どういうことだろう、身体能力、魔力保有量も私はレミリアと同じくらいの筈だ。
「…似てるだけですよね」
私は羽が他の吸血鬼とは違うだけの普通の吸血鬼だ、そんな最狂な存在ではない。そう信じながら本を閉じ、元の場所に仕舞った。
何か気分が少し悪くなったので書庫から出ることにした。
私は話したいことが美鈴にあったから会いに行くことにした。
私は玄関へと向かう、そしてドアを開ける。
日光が照りつけ、肌が焼ける感覚がある。
私は能力を行使し、日の光を月明かりに変える、これは物質の変換では無い気がするが、何故か日の光にも私の能力は通じる。
私は玄関から出て、美鈴が立ってる正門へと歩いていく。
「美鈴、少し話があるんですけど?」
「あ、はい、何でしょうレイシアお嬢様?って今昼間ですよ!?大丈夫ですか!?」
「今は能力で大丈夫な様にしてあるからね、あとお嬢様は付けなくても良いよ」
「一応立場と言うものがあるんですけど?」
「…分かったわ、でもお嬢様はやめてくれる?」
私はお嬢様と言われるのがなんとなく好きではない。
「…では、レイシア様でよろしいです?」
「ええ、それで良いわ、あ、話が変わるけど」
「なんですか?」
「門番の仕事だけど、昼間だけで良いからね、夜は私の魔法で侵入を察知したら侵入者を撃退するから」
「良いんですか?」
「ええ、良いわよ、夜はしっかり休んで下さいね、では用は住んだので私は屋敷に戻るわね」
「はい、分かりました、レイシア様」
私は屋敷に入り、直ぐに能力を解除して、ホールへと向かう。
そこに起きたばかりでまだ眠そうなレミリアが居た。
「あ、お義姉さま、珍しく早起きですね」
「レイシアは昼間も起きてるのね」
「少し寝たら充分ですよ、お義姉さま、紅茶でも眠気覚ましにどうですか?」
「そうね、頂くわ」
そう言ってレミリアはちょこんと椅子に座る、私は紅茶を作るために台所へと向かった。
「1回聞いてみようかな…最狂の吸血鬼の事」
そんな事を呟きながら私は紅茶を作っていた。
「お義姉さま、紅茶入りましたよ」
私は淹れてきた紅茶をレミリアに差し出した。
「ありがとう、レイシア」
「お義姉さま、少し良いですか?」
「どうしたの?」
「地下の書庫で見たんですけど、昔世界を脅かした最狂の吸血鬼って奴なんでしけど」
一瞬レミリアが驚いた表情になるがすぐにさっきまでの表情に戻る。
「知らないわ、その話は」
「そうですか、わかりましたよ、お義姉さま、では失礼しますね」
そう言って私は自分の部屋へと戻る。
その姿を見ながらレミリアは考えていた。
ーーやっぱりあの本に気付いたのね、確かにレイシアのあの本に書いてある最狂の吸血鬼と特徴が似ているけど、レイシアは私やフランと魔力量などは殆ど変わんない、ただ偶々似てただけだと思う。ーー
レミリアはそう考えていた。
ーー 夜 ーー
暗くなり、美鈴の勤務時間が終わり美鈴が部屋で寝た頃、私の魔法に反応があり、正門に侵入者が気たことを知らせる。
「こんな時間に何ですかねぇ」
私はそんな事を呟きながら外へ出る。
妖怪が5体ほど来ていた。
「なんですか、貴方達」
「お前らだよな、あの町を消したのは」
「そうですけど、それで何か用ですか?」
「俺達はなあ、困ってんだよあの町が無くなってなぁ!」
妖怪が町に何の用があったのだろうか。
「それで、貴方達5体程度で私を潰しに来たのですか?」
私は魔力を纏い威圧をしてみる
「さすが吸血鬼だな、威圧が凄まじいな」
「で、やられて帰るのか、大人しく逃げるかどっちですか?」
「テメェ、なめてんのか、お前等、やるぞ」
「「「「おうっ!」」」」
5体の妖怪が襲いかかってくる。私は気体魔法を発動、私の空気抵抗を無くす。
そして、羽を羽ばたかせ、高速移動をする。
「何だコイツ!?」
「見えねぇ!?」
「見えませんか?まだ全力で動いてませんよ?」
「クソっなめやがって」
妖怪達が適当に武器を振り回している、近寄らせない作戦の様だ。
「無駄ですよ」
私は高速で動きながら魔力弾を生成、撃ち出す。
妖怪達を取り囲むようにして魔力弾が進んでいき、妖怪達に命中する。
「まだ相手します?」
私は魔力弾をマトモに食らった妖怪達に聞く。
「まだやってやらあ」
「じゃあ少しだけ強いのを撃ちますね」
自分の体全体に魔力と妖力を流し込む。
私の竜の翼の様な羽が淡く光る。
私は試作段階の魔法を発動させる。
妖怪達の足元に魔法陣が展開され、魔法陣の中が完全な密閉空間になる、その中に魔力と妖力を込め魔法陣の空間内で魔力と妖力の合わさった物を爆発させる。
この魔法は地形破壊や爆発音を無くして周囲に察知されない様に敵を倒す魔法だ。
マトモに食らった妖怪達が倒れ伏している。
「ホラ、威力は弱めましたから、まだ立てますよね?殺すような事はしませんから、早く帰って下さい」
「ちっ、アンタ、名前はなんだ」
「本名は言いませんが、まぁ竜翼の悪魔とでも言っておきましょうか」
「覚えたぞ、アンタ、次は倒すからな」
「やれるものならどうぞ、何度でも相手して上げますよ、さ、早く帰ってください」
「…行くぞお前等」
妖怪達は森の方へと帰っていった。
「さてと、自分の部屋に戻ろうかな」
軽く伸びをしながら私は自分の部屋へ戻った。
1-4 end