まだ終わってないけど書いてしまった。
多少のミスはご勘弁を。
「さて、比企谷くん。あなたに話があるの」
俺の人生で一度も無かった転校生との会話である。
クラスメイトとさえ話すことがない、というか出来ない俺が転校生の女子と話せるか。
答えは否である。しかし、こうなった以上なんとか噛まないように話すしかない。
ちなみに姫柊雪菜という中等部の転校生は、昨日の夜に暁古城と遊び歩いていたとかで南宮先生に呼び出しをくらった。
本当にリア充は砕け散ればいいと思う。
誰か暁古城を呪う会とか造ってくんねえかな。
そんな思いを胸に仕舞ったところで、雪ノ下が口を開く。
「あなた、自分が人間でないという自覚はあるかしら?」
……いきなりディスられていた。なんで?俺雪ノ下相手になんかした?
「俺人間ですけど」
「本当にそう思ってる?」
「ああ」
「本当に?」
しつけえな!俺は人外になった記憶はないぞ。
「今からするのは真面目な話よ。いくつか質問に答えてちょうだい」
「聞くだけ聞いてやろう」
「答えなさい」
「はい………」
ついに命令形になった。周りの物全てを凍らせるかのような声色だ。俺の心もガッチガチ(意味深)
……雪ノ下がゴミを見るような目で俺を見てきたので大人しく質問に答えようと思う。
なんか俺の心読んでない?
「で、質問は?」
「魔族があなたを見て逃げたことはあったかしら?」
「この前一回あったな」
あのナンパ二人組可哀想だったなあ……なんて思うはずないだろ。いい気味だ。リア充の末路を見た気がした。
カツアゲとナンパに失敗し、傷を負う姿にはザマアミロという感想しか出てこない。
もうこれはリア充<ぼっちという構図にでいいんじゃない?
やはりぼっちは強かった。
強くなりたいなら体を鍛えるより友達をなくすことから始めるべきだと思う。
そう思っていると、もうひとつ……と雪ノ下が続ける。
「吸血衝動がきたことは?」
「あるわけねえだろ」
俺が人外だというネタはいつ終わるんだろうか。
「さっきから何が言いたいんだ。質問の意図を言え」
「気付いてないようだから言うのだけれど、あなた―――吸血鬼よ。それも真祖クラスの力の持ち主の」
……訳がわからない。
「嘘つけ。俺も俺の両親も人間だ」
「そうね、あなたの両親は人間ね。でもあなたは違った」
「ふざけるのも大概にしろ。根拠のないことをいつまでも言いやがって」
「根拠ならあるわ。獅子王機関を知っているかしら?」
「……知らん」
名前も聞いたことなければ、噂ですら聞いたことがない。というか、まず俺に噂話は入ってこない。
「そういう政府の特務機関があるのよ。そこで調べたわ。あなたの事や周りの人間の事も」
怖っ!俺の個人情報とか流出してんのかよ。
それはそうと、それを政府が利用するってどういうことですか。止める側でしょ。
「あとは一回刺されてみるのはどうかしら?あなたの傷がすぐ治れば吸血鬼だという何よりの証拠になるのだけれど」
なんでそんな命がけなことをせねばならんのだ。もっと軽い傷でいいだろ。擦り傷とか切り傷とか心の傷とか。最後のは治せないな、重傷だし。
とりあえず爪で軽く皮膚を切ってみる。
するとアラ不思議、たちまち傷はふさがってしまいました!……マジかよ、今まで傷がいつ治るかなんて気にしたことなかったから気づかなかったぞ。傷だけに。
「納得したかしら。あなたは五番目の真祖だということを」
「四番目じゃなくてか」
「四番目の真祖、
「で、俺が五番目の真祖だとして、お前は何をしに来たんだ」
「あなたの監視よ」
俺を監視だと。ぼっちの生活監視して何が面白いんだ。
「あなたの行動を監視して報告すること。それが私の任務」
「そんなものいらん」
「従わない場合はあなたの抹殺許可がでているわ」
……俺を抹殺だと?馬鹿な、俺がこんな女子に殺されるとでも思ったか!
「やれるもんならやってみろ」
そう言った瞬間、雪ノ下の姿が……消えた。
どこへ?
そう思ったときには俺の首に冷たいものがあてられていた。
「すいません。勘弁してください!」
まるでどこぞのザコキャラのような声が出てしまっていた。
そんな俺に雪ノ下は刀をあてていた。
冷たい感覚は刀だったのだ。
おい、こんな街中で刃物出すなよ。周りに人がいないからよかったものの。
「力の差がわかったかしら」
そう言う雪ノ下は得意げである。
その浮かべられた微笑みがすげえ怖い。
お前こそ人外じゃないの?
「降参だよ。監視でもなんでも好きにしてくれ」
やはり人間諦めが肝心である。
俺の処遇どうなんのかな……。
×××
家に帰ると小町の質問攻めにあった。
予想通りだったが面倒くさいので華麗にスルー。
さて、飯の用意だ。今日はカレーだな。
その途中で雪ノ下から俺の携帯に電話がきた。
携帯を近くに置いて続きをする。
『……もしもしザコ谷君?』
「もしもし、おいなんで番号知ってんだよ」
『そんなことより、用件を端的に話すわ』
そんなことで流されちゃったよ。俺の個人情報流出が。多分機関で調べたんだろうけど。
『テレビをつけなさい、キーストーンゲートが襲撃されているわ』
キーストーンゲートとはこの島を支えるキーストーンのある場所のことである。なにこの雑説明。詳しくは知らん。コックリさんにでもググってくれ。
小町にテレビをつけてもらうと確かにその様子が報道されていた。
「見たけど、なに?」
『今からそこへ行きなさい』
ふむ、なるほど。雪ノ下の言いたいことがわかったぞ。
「死ねと?」
『大体あっているわ』
正解なのかよ。監視役はそれでいいのか。
むしろあれか。死んだ方が監視とかしなくていいから楽だ、という考えなのか。
「大体って何が違うんだ」
『真祖は死ねないわ。たとえどんなに苦痛で耐え難いことがあっても』
新しい拷問方法っすね。
『早くしなさい。さもなくばこの島が沈むわ』
はあっ!?……ってぇ。手を切っちまった。
まあ、このくらいの傷ならすぐ治る。
「で、何をさせたいんだ」
『襲撃者はロタリンギアの殱教師と
「無茶言うな。眷獣使えない吸血鬼とか役に立たないだろ」
『あなたが役に立たないことは分かっているわ。本命は第四真祖たち。彼らが到着するまで耐えなさい。たとえ何回死んでも』
それ聞いて行く奴がいると思うか?
俺の答えは当然NOだ。
他力本願。第四真祖に任せよう。
『あなたが行かないのなら友達……はいないかもしれないけれど、家族が死ぬかもしれないのよ?』
「行く。すぐ行く。あと、一部余計だから」
行動開始だ。小町を死なせるなんてあり得ない。だが一つ気になったことを聞かねばならない。
「さっき手を切って、まだ治んないんだけど大丈夫だよな?」
普通ならもう治ってるはずなんだが。吸血鬼的に考えて。
『……いいわ。あなたはそのまま待機しなさい。私が行くから』
電話は切れてしまった。
というか行くのが俺でなくてもいいなら最初からそうしてくれよ。
テレビではキーストーンゲートが炎上する様子が映っている。
「……小町。ちょっと出掛けてくる」
「ん。行ってらっしゃい。あそこには近づかないでね」
悪いな小町。ちょうどそこに用事があるんだ。
べっ、別に雪ノ下が気になるとかじゃないからな!
さーて、次回の比企谷八幡は――
と予告をしたいところだが、得体のしれない不安を感じる。
ミスは修正する習性をつけよう。
俺ミスにビビりすぎじゃね?
次回、比企谷八幡の覚醒(予定)