自我持つ兵器の英雄譚   作:Nyappy-

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特務艦隊の初陣。
時系列が前後しまくってしまった…。複数の視点から戦闘を描くのって難しいね…



7. 雲出ずる時 (後編)

 

2005年10月1日

 

深海棲艦、全世界規模の侵攻開始。手始めに南半球の制海権奪取を図り、大艦隊が希望峰沖、ドレーク海峡を封鎖。スエズ、パナマ両運河にも攻勢を掛けたが、この動きを察知した数ヶ国の連合軍による抵抗もありなんとか防ぎきった。

だが被害は甚大で、5年前の戦訓を基に戦闘行動を取ったものの、作戦参加艦艇の実に4割が被撃沈、残った艦艇もほとんどがドック入りを余儀なくされた。それでもこれだけの損害に抑えつつ退けられたのは、両運河共に艦隊を派遣していた米軍が、SUE対策のために復活させたアイオワ級戦艦4隻を2隻ずつ派遣し、連合軍艦艇の最前に展開させ艦隊の盾としていた事が大きかった。その為彼女達は甚大な損傷を受けたが、それでも沈まなかった。

 

しかし、あくまで防衛に成功したのはスエズ・パナマ両運河のみで、太平洋・大西洋の南側やインド洋の制海権を一部喪失した。

 

この情報は直ちに深海棲艦全軍に通達され、彼女達は更に勢い付く事となった。

 

 

 

「上手クヤッテイルヨウネ…」

 

そう呟くのは日本周辺への侵攻作戦を進めている“戦艦棲姫”。多方向からの同時侵攻作戦の為に部隊配置を整えている所だ。

 

「取リ敢エズ第一目標ハ達成ネ…敵艦隊モ半壊サセタ事ダシ。コレデ邪魔者ハ居ナクナッタシ、私ハ日本ダケヲ警戒スレバヨクナッタ…」

 

彼女を含めた深海棲艦側が最も警戒していた米軍のアイオワ級。現代において唯一と言って良い深海棲艦と対等に戦える艦艇…そして一部の深海棲艦にとっては畏怖の、または忌々しくもある存在。

 

そんな艦が動けないと分かった今、特に彼女達を恐れていた戦艦棲姫率いる日本方面部隊は作戦の成功を確信していた。

 

 

「サァ、作戦開始ヨ!全軍出撃!」

 

遂に本格的な攻勢が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

日本 大湊

 

特務艦隊司令部の面々は青森の大湊に来ていた。ここには北方の守りを担う大湊警備府が設置されている。横須賀鎮守府隷下ではあるものの機能は鎮守府相当で、冷戦の影響もあり実施された拡張工事によって軍港機能も向上していた。

 

そんな港の端にある秘匿されたドックに、彼らが今日ここへやってきた目的の艦は居た。

 

「コイツが俺の艦隊の中核となる艦娘母艦……実際に見るとやっぱデカいな…!」

 

そう呟く海斗の目の前には、おおよそ現代艦とは言い難い巨砲に加え、艦後部には艦載機の運用設備のような物も備えた大型の艦艇が居た。

その艦の名は「建御雷(たけみかづち)」。艦娘運用を主眼に置き建造された『建御雷型艦娘母艦』のネームシップだ。

主任務はその艦種が示す通り艦娘を乗せて戦闘海域まで運搬する『艦娘版空母』と言える物だが、一般的な空母と違い、艦娘発艦後の直接的な戦闘支援も担えるように設計されている。これは艦娘でない通常艦でも大口径砲による砲撃能力はSUEに対し有効である事を踏まえて、それと同じ事を可能にする為の物である。

 

ただし、大口径砲の製造技術は既に衰退気味だった事や、艦娘運用能力との両立、コスト面など様々な要素が合わさった結果、船体は旧海軍の大和型に似ているが小型で、主砲は艦前方に配置された長砲身の31センチ(約12インチ)三連装砲2基6門となった。また装甲も現代艦よりは圧倒的に分厚いが、大和型や長門型と比べれば薄かった。その分速力は優秀で、新型の機関を搭載した事で公試はまだだが理論上は35ノット程度、リミッターを外して出力を限界まで上げれば40ノットを出せる筈である。こう言った特徴から、艦の建造に関わった人員からは『現代の超甲巡』なんて呼ばれているとか。

ただ、主砲が前方のみであることや艦後部に設置されている設備、運用方法の特徴も考えればどちらかと言うと『現代の航空戦艦』と言う方が正しいだろう。

艦後部には本艦を「艦娘母艦」たらしめている設備が搭載されている。現代艦の様に平坦になっている艦尾に艦娘発着艦用ハッチが設置されており、その内部には修理用簡易ドックや燃料弾薬等の資材貯蔵庫などが設置されていて、その様相は最早移動可能な軍港と言えた。

 

 

「にしても…よくもまあここまで隠し通したよな、こんなデカブツを」

 

洋平が感心する様に言う。

 

「だいぶ徹底して秘匿してたみたいだしね〜。進水式なんて本当簡易的な物だったらしいし」

 

そう美香が言うように、彼ら3人がスパイにマークされている可能性が考慮された結果、艦娘母艦の建造計画は艦娘本体とは別の秘匿任務として進行していた。計画が完全に露呈するリスクを減らすための措置だった。

 

「進水式の日程、俺達にも伝えてなかったもんな」

 

「いつ進水したかも分からないまま気が付けば就役間近。もう準備万端みたいだね」

 

「そうだな……建御雷!これからよろしくな!!」

 

就役したら思いっきり活躍してくれよ、と期待を込めて海斗は叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事態が急転したのはその3日後、10月22日の事だった。

 

直近の世界情勢を鑑みて多数の哨戒機を洋上に飛ばしていたところ、かなりの広範囲でSUEの反応をキャッチした。この報告を受け国防軍はかねてより警戒していた大規模攻勢が遂に始まったと判断。海・空それぞれの主力部隊に出撃命令を出した。陸上では陸軍の攻撃ヘリ部隊や地上発射型ミサイル、各種火砲が迎撃準備を整えた。また、有事に備え設置されていた陸・海・空合同の『国防軍統合作戦司令部』も本格的に稼働し始めた。

 

そして今回の迎撃において初めて実戦投入される予定の「本命」たる戦力は…

 

 

 

 

11:00 大湊港

 

「遂に出番ですね、司令官、艦長」

 

「そうだな出雲。後は司令部…兄貴から出撃命令を受け取るだけだ」

 

「まだかな…幾ら切り札だからって出し惜しみは…」

 

「まあ待てって美香。切り札と言ってもウチはまだ出雲1人しか居ないんだ、そう無闇に動かせない。それにその切り札をぶつけるに最も相応しい相手を見極めなきゃだしな」

 

「ですね。どうせなら1番キツイ相手に私をぶつけるべきです」

 

「…出雲ちゃん、無茶はしないでよ?一応初陣なんだから」

 

「大丈夫です!心配要りません!」

 

“出雲”は既に出撃準備完了。『第二特務艦隊 司令官』海斗と『建御雷 艦長』美香も「建御雷」CICにて命令待機中だ。「建御雷」は公試もしていないぶっつけ本番。本当なら今日がその日であり準備を進めていたのだが、事態の急変により出撃準備に切り替えた。

 

「…にしても、ちゃんと様になってるじゃん、司令官」

 

「あれだけ訓練積んだんだ。俺も兄貴も軍事知識のぐの字も無かったあの頃とは違うさ」

 

「成長したよねー」

 

洋平も海斗も、5年前から遥かに成長していた。もう一人前の軍人であり、艦隊を預かる司令官としても十分な能力を持っている。代々軍人の神崎家の人間として相応しい存在になっていた。…知識面においてはやはり美香に一日の長があるが。

 

「司令官、特務艦隊司令部より通信です」

 

「来たか」

 

通信担当の乗組員が報告に来た。「建御雷」には等身大化した妖精達が乗組員として乗り込んでいる。これは本艦を含めた艦隊全体が秘匿戦力な為に出来る限り関係者を少なくする事を目的とした措置、というだけであり、サイズの制約のある艦娘の艤装担当と違って絶対に妖精でなければならないと言う訳では無い。だが本艦は艦娘用の簡易的な軍港機能を艦内に備える為にそもそも大勢の妖精が乗り込んでいるので、だったらいっそのこと乗組員を全て妖精で統一してしまおう、と言う事であった。

 

「………兄貴から出撃命令が来た。我が艦隊は現時刻を以て出撃する!」

 

「抜錨!前進微速、建御雷出撃するわ!」

 

「錨を上げろー!」

 

「前進微速、よーそろー!」

 

大湊を発った「建御雷」は、最大戦速で太平洋を南下する。やはりと言うべきか、敵の本命と思われる部隊が目指していたのは首都圏。完全に本丸狙いの快速部隊が、北東より南下して来ていた。東京湾に入りやすい筈の南東方面からも大艦隊が接近して来ていたが、再建中で不完全ながら横須賀から出撃した第一艦隊と呉を出撃した第二艦隊の連合艦隊を確認すると、それ以上接近せず少しずつ離れていった。この動きを見た統合作戦司令部はこれを囮部隊による誘引と判断。付近に接近する敵部隊が居ないか探した所、この快速部隊を発見したのだ。

 

よって、その敵艦隊を東京湾到達前に撃滅すべく、第二特務艦隊に出撃を命じたのだ。

 

(因みに特務艦隊司令部は統合作戦司令部の指揮下だがその特殊性からある程度独立している。司令部設置場所は国防省地下。統合作戦司令部の近く。その為タイムラグ無しで命令を出せるようになっている)

 

 

また、二特艦が到着するまでの時間稼ぎのために、横須賀から警備艦隊が出撃した。二線級の旧式艦隊だが、足止めにはなる。また、旧式だからこその良さもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約半日後

 

23:30

 

太平洋 伊豆諸島近海

 

 

「引ッカカッタワネ。全ク、コンナ事シナクテモアンタ達ナンテ余裕ダケド、コウシテ遊ンデアゲルノモ面白イワネ」

 

日本艦隊誘引の為の大部隊を率いる“戦艦棲姫”。ここまでで既に3隻を沈めている。本当なら囮などと言う面倒臭い事をせずに自ら東京湾に乗り込んでも良かったのだが、出撃直前になって『女王陛下』から

 

「貴女達上位個体の存在はまだ秘匿する」

 

との連絡を受けた為に仕方なくこんな事をしているのだ。だがそれはそれとして今は彼女からしたら雑魚と言える艦艇達を捻り潰すのを楽しんでいた。

 

 

 

 

 

一方、囮に気付いたとは言え、その事がバレないようにする為、艦隊を下がらせる訳には行かない国防軍。そのせいで主力たる第一・第二艦隊に甚大な被害が出ていた。

だが彼らは諦めない。出撃前に作戦司令部から伝えられて知った「切り札」が敵の本命を叩いてくれるまで耐える覚悟だ。

幸い、今は深夜。夜戦なら敵の命中率も下がる為被害は抑えられるし、目視困難な為に回避力も下がるからレーダーと誘導兵器を用いたこちらの攻撃は良く当たる。航空支援の方も百里基地や石川の小松基地、戦闘行動半径ギリギリだが青森の三沢基地からも計6個飛行戦隊が援護に駆けつけている事もあって希望はある。

実際、航空隊の対艦攻撃や艦隊から放たれる大量の対艦ミサイル、艦砲射撃によってかなりの数を撃沈出来ていた。

 

 

「中々ヤルジャナイ。嬉シイワ、ソウ来ナクッチャ面白ク無イモノ」

 

それでも“戦艦棲姫”は強気のままだ。当然だ、かなりやられているとは言えども自らを含めた主力である戦艦クラスの深海棲艦は撃沈されていないのだから。

 

「サア、現代ノ艦の本気ガドレ程ノ物カ、私に見セテミナサイ…!行クワヨ──」

 

 

だがそんな余裕は、直後入って来た通信で打ち砕かれた。

 

 

 

 

「──マ!姫様!敵艦隊ガコッチニモ居マス!」

 

本命たる快速部隊、その旗艦である重巡洋艦からの緊急通信。

 

「敵艦隊?ドウセ二線級ノ旧式デショウ…旧式故ニ面倒クサイ奴モ居ルカモダケド、ソノ位スグニシズメテ──」

 

「違ウ!全然違ウ!確カニソイツ等トモ戦ッテマスガ、ソイツ等ト別ノ正体不明の敵艦カラモ攻撃サレテイマス!アイオワ級ジャナイケド、デカイ奴ダ!」

 

 

 

 

 

 

「──ハ…?」

 

この瞬間、“戦艦棲姫”の脳内は困惑で一色になった。

 

(ナゼ?ドウイウコト?敵主力艦隊ハスベテ誘引シタ。舞鶴ト佐世保、大湊ノ艦隊ハソレゾレノ担当海域デ我々ノ別働隊ト戦ッテイルハズ…残ッテイル奴ノ中ニハ旧式ダカラコソ面倒ナ奴モ居ルケド、タダ硬いッテダケダカラ脅威ト言ウ程デハ無イハズ…………………マサカ、私ノ把握シテナイ艦隊ガマダイタノ!?シカモ…戦艦クラス!?ソンナ筈ハ…ソンナ、ハズハ!)

 

彼女は決して馬鹿では無い。答えにはすぐに辿り着いた。だが彼女は認めたく無かった、愚かだと見下していた人類に出し抜かれた事を。

 

だが時間は待ってはくれない。事態は刻一刻と変化する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナッ!?敵艦隊ノ中ニ、我々ノ同類ヲ確n ──」ブツッ…

 

「………ナン、デスッテ?今、何ヲ!?ネエ!応答シナサイ!」

 

不穏な報告を言い切らないまま、通信は途絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「報告された?…まぁ今はいっか。とにかくこれで2つ……あの訓練って、結構レベル高かったんだ…」ドーン ドーン

 

「グェァァァ!?」

 

「…3つ」バシュッ バシュッ

 

「ギャァァァァ!!」ズズーン

 

「4つ…」

 

 

 

…大海原に数え歌が響き渡る。

 

その可愛らしい声で数えながら、少女は敵を沈めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡る

 

 

「敵艦隊発見!!数7!!距離約20キロ!!横須賀の警備艦隊と交戦中!」

 

「間に合ったか!警備艦隊はどうだ!?」

 

「まずいです!非常に劣勢!このままでは全滅します!」

 

間一髪房総半島沖で敵の快速部隊を補足した「建御雷」。だがこのままでは警備艦隊がやられてしまう。いくら速度重視で火力が低く完全に奇襲前提な快速部隊と言っても、主力を退き海防艦となった二線級の艦艇で構成される警備艦隊には荷が重過ぎる。

 

「砲撃戦用意!!」

 

「海斗!?」

 

唐突に砲撃戦の用意を命じた海斗に驚く美香。だが海斗なりの考えあっての事だった。

 

「当たらなくて良い、あくまで足止めだ!警備艦隊を守りつつ出雲が突入するまで時間を稼ぐ!」

 

「…OK!それじゃあ出雲ちゃんも」

 

「ああ、出撃だ!」

 

「私の出番、ですね!出撃準備OKです!いつでも行けます!」

 

「艦尾ハッチ解放!艦娘発艦せよ!…気をつけてね、出雲ちゃん!」

 

「了解!装甲巡洋艦出雲、行きます!!」

 

こうして“出雲”は出撃していった。

 

 

敵艦隊との距離約20キロ。今は深夜。レーダーが無いならまだ気付かれてはいないだろうから、バレずに近づいて奇襲すれば良いだろう。だが今はそう言う訳にはいかなかった。敵が警備艦隊を撃破した後にもし逃げの一手に出た場合、追いつけない可能性があった。だが「建御雷」の速力は理論上は最大40ノット。いくら相手が快速部隊と言っても、40ノットは早々出せない筈。このまま突っ込めば追いつける。だから、本来ならこんな心配はしなくて良かったのだが…

 

今「建御雷」は、15ノットも出ていなかった。機関が負荷のかけ過ぎで故障したのだ。技術的にまだ未熟な新型機関を搭載している上、公試もせずにぶっつけ本番で出撃し、急ぐからと出力を上げまくったのが原因だった。最大でも20ノットちょいしか出ない“出雲”をこの位置で発艦させたのもこれが理由だ。このまま乗せておくより先行させた方が早く着く。

 

“出雲”は敵艦隊を足止めし続ければおおよそ30分で接敵可能。だがそれまでに警備艦隊がやられてしまえば敵はその快速を活かして逃げてしまうだろう。そうなれば東京湾へと侵入され、海上からの艦砲射撃や陸に上がっての攻撃で首都圏が致命的なダメージを受けてしまう。それは日本にとって敗戦にも等しい。だから“出雲”が辿り着くまでは「建御雷」が囮となって警備艦隊を守るしか無い。しかもできる限り派手に、それこそ敵が「逃げられない」と勘違いするくらいには暴れて引きつける必要がある。

 

 

「主砲、第一砲塔目標敵1番艦!第二砲塔目標敵7番艦!砲弾の雨で敵艦隊を閉じ込める!」

 

「主砲、徹甲弾装填完了!」

 

「諸元入力終了!」

 

「砲塔旋回完了!照準良し!」

 

「射撃準備完了!」

 

 

 

「…海斗言いなよ、あのセリフ。前言ってみたいって言ってたじゃん?」

 

「ああ…それじゃあ、フゥ……」

 

深呼吸をする海斗。

 

そして、

 

 

「主砲、撃ちー方始め!!」

 

 

「主砲斉射!

撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

ブーーーーー

 

 

 

ドオオオオオオォォン……

 

 

 

海斗、そして美香の号令により「建御雷」の主砲が火を噴いた。

 

数十秒の後、6発の砲弾は敵艦隊の前方と後方にそれぞれ着弾。巨大な水柱を立てた。海斗の思惑通り足を止めた敵艦隊。そこに追加の砲弾が降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一方で、警備艦隊は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間前 

 

 

横須賀鎮守府警備艦隊

 

旗艦 「那珂」

 

嘗ての帝国海軍水雷戦隊旗艦の名を継ぐ艦艇。冷戦初期、1950年代に建造された旧式の巡洋艦であり、第一線を退いた今は海防艦として近海警備任務に就きつつ、訓練艦としても使われていたのだが、接近する敵艦隊を迎撃すべく出撃した。姉妹艦の「川内」「神通」の2隻もそれぞれ佐世保、舞鶴から出撃し、東シナ海や日本海方面の敵艦隊と交戦中。だが「那珂」達は他よりキツい戦闘を強いられている。佐世保・舞鶴方面はそれぞれの主力艦隊と共に迎撃出来るからまだ良いが、こっちは主力艦隊が出払っている為、旧式の警備艦隊単独で対処しなければならないのだ。

 

だが、旧式だからこその良い事もあった。

 

「だいぶ厳しい戦いになるだろうが…那珂が居てくれて良かった。旧式だからこそ戦える。ここまで50年もコイツらを残しておいてくれた先輩達に感謝だな」

 

「全くです」

 

戦闘開始直前、そう言って笑う警備艦隊司令官「小林(こばやし)直樹(なおき)」と「那珂」艦長「田村(たむら)(まこと)」。「那珂」は冷戦初期のまだギリギリ大戦型巡洋艦が健在だった頃の艦艇であるが故に砲撃戦で殴りあうのに充分な装甲を持ち合わせていた。砲撃火力こそ一応ミサイル巡洋艦として建造されている為に主砲の門数が少なく不足気味だが。

 

随伴には同じく旧式の海防艦(元:睦月型ミサイル駆逐艦)が4隻。この5隻が今横須賀から出せる最後の戦力だった。

 

 

 

「10時の方向、敵艦隊発見!数12!!距離約30キロ!!」

 

「12隻…本当に厳しい戦いになるな……だがやるしか無い。我が艦隊が最終防衛ラインなんだからな!」

 

約30分後、敵艦隊を捕捉。小林が鼓舞すると、各艦から雄叫びが上がる。士気は最高だ。

 

「さて…合戦だ!!艦隊、砲雷撃戦用意!対艦ミサイル発射準備!」

 

「了解、砲雷撃戦用意!!」

 

警備艦隊は先制攻撃を仕掛けた。先陣を切るのは大量の対艦ミサイルだ。

 

「さーて…どれだけ当たるかね?」

 

小林はこの攻撃でせめて半分は持っていきたいと考えた。ただでさえ小さくて硬いせいで戦いにくい相手なのに、それがこちらの倍以上の数居るのはいくら何でもマズすぎる。よってありったけの対艦ミサイルを撃ち込んだのだが。

 

「2隻…それだけか」

 

撃沈出来たのは僅か2隻。結局5対10での砲雷撃戦になってしまった。

 

「さあ、気を引き締めろ!殴りあいだ!!」

 

田村が砲撃戦の指示を出す。「那珂」の主砲発射を合図に全力で砲撃を開始した警備艦隊。だが明らかな劣勢を覆せはしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バァァァン……

 

「う、ぐうぅ…被弾したか…損害は!!」

 

「第二砲塔被弾!旋回装置故障!」

 

「注水します!!」

 

「……主砲が完全に潰されたか」

 

損害報告に顔を歪ませる田村。だが硬い分「那珂」はまだマシだった。

 

随伴の駆逐艦が耐え切れずに次々と沈んで行く。こちらも旧式故に大戦型駆逐艦であったが、そもそも駆逐艦に装甲は無いので「那珂」の様には行かない。その為、こちらは単なる老朽艦でしか無かった。

 

だが駆逐艦の犠牲と引き換えに3隻の敵艦を撃沈。1対7となった。

 

 

……………1対7なのだ。流石に無理である。ましてや、万全ならまだしも、もう既に「那珂」はかなりダメージを受けているのだ。万事休すだった。

 

「不味い……このままでは嬲り殺しにされるぞ…」

 

焦りを隠せなくなって来た「那珂」首脳陣。

 

真っ直ぐ向かって来る7隻の敵艦。

 

艦全体を絶望感が支配する。

 

 

 

 

 

…だが、正にその時だった。上空から銀色の雨が降って来た。

 

 

バシャーン バシャーン

 

「…は?……何だ!?攻撃か!?何処から!?」

 

困惑する乗組員達。敵か味方かも分からない攻撃なのだ、当然である。

 

だが見たところ、敵艦隊も突撃を止め、回避に専念している。敵では無い…?

 

そう思ったが、被弾によって通信設備も破壊されていた為、確認しようにも出来なかった。

 

 

 

 

十数分後、答えはレーダーの破損により艦の目となっていた見張員達から届いた。

 

 

「あれは…大型艦!?」

 

「デカい主砲を撃ってるぞ!戦艦か!?」

 

「何だ、あれ…!」

 

 

「正体不明の大型艦視認!大口径の主砲を撃ってます!」

 

 

そう報告を受け艦橋に上がり件の艦艇を双眼鏡で見てみる「那珂」首脳陣。

 

「司令官、あの艦は一体……」

 

「アレは…!来たか、建御雷。艦長、我々の「本命」の御到着だ」

 

「本命…?」

 

 

その立場故にある程度知っている小林司令官と、何も知らない田村艦長。だがそれでも、照明弾に照らされ、双眼鏡越しにはっきりと見えるその威容は、生き残っている全ての「那珂」乗組員に希望を与えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、突然の別方向からの攻撃に動きが止まる深海棲艦側。少なからず混乱している。どう対応すべきか少しの間考えたが、すぐに戦闘を再開した。

 

が、戦闘を続行するにしてもこの攻撃が邪魔であった。水柱を見る限りかなりの大火力である事は間違いなく、直撃はもちろん至近弾にもならないように大きく回避する事を強いられたからだ。

 

 

…この時点で深海棲艦側は逃げるべきだった。そうすれば何かしら効果的な対応が出来た。速力では彼女達の方が上なのだから。だが彼女達は功を焦った。東京湾はもうすぐそこ。入れさえすれば好き放題暴れられる。そうなれば勝利は確定。…そう考えた結果、とりあえず目の前の邪魔な敵艦隊の殲滅を優先する事にしたのだ。

 

彼女達はこの攻撃を航空隊による物だと思っていた。まさか艦艇からの砲撃だとは思っていなかったのだ。

 

だがやがて距離が近づき、流石に気付いた。攻撃元が正体不明の大型艦である事に。旗艦である重巡洋艦クラスの深海棲艦はこれは不味いと判断。「戦艦棲姫」に指示を仰ごうとした。

 

「姫様!姫様!敵艦隊ガコッチニモ居マス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

旗艦が報告している間も随伴の軽巡・駆逐は攻撃の手を緩めない。「那珂」は踏ん張るが、無情にも被害は拡大していく。そして遂に、

 

「第一砲塔被弾!!射撃不能!!」

 

「魚雷2本被雷!」

 

「浸水拡大、止まりません!」

 

「火災さらに拡大!このままじゃ誘爆する!」

 

「ダメージコントロール!何としても対処するんだ!!」

 

「無理です!対応しきれません!」

 

「那珂」はもう満身創痍だった。機関停止、全主砲使用不能、両舷の副砲、機銃も薙ぎ倒された。火災や浸水も止まらない。

 

 

「……既に味方は全滅。本艦もほぼ戦闘不能…時間稼ぎは出来たが……ここまでか」

 

「退艦命令を出したい所ですが…退艦しても助かる状況では……」

 

そう言って目を伏せること田村。そこに、

 

「敵艦接近!」

 

「逃がしてはくれんか…」

 

敵艦が1隻近づいて来る。デカい口の上に砲塔を鏡餅みたいに積んだ奴だ。

 

主砲が艦中央部を捉える。CICごとバイタルパートをブチ抜くつもりのようだ。

 

 

「……衝撃に備えろ!!」

 

田村の指示に従い乗組員が床に伏せる。意味が無い事くらい分かっていた。それでも信じたかったのだ。ほんの少し有るかも知れない、助かる可能性を。

 

 

砲身が眩く光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォォォォン………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…へっ?」

 

被弾の衝撃に備えていた乗組員達。皆が死を覚悟した中、彼らが見たのは…射撃直前に胴体が爆ぜて真っ二つになり、そのまま爆炎に包まれる敵艦だった。

 

立ち昇る黒煙の中に見える人影。敵艦隊と「那珂」との間に立ち塞がった。燃え盛る炎がその姿を照らし出す。

 

 

「お、おい、あれ…どこ、から…」

 

「あ…あれは、あの子は、味方なのか…?」

 

肉薄して来た漆黒の怪物から彼らを護ったのは、敵と似たシルエットをしつつもより人間らしい姿をした、1人の少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう大丈夫、あの敵は私が…

 

 

出雲が倒します!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦場に、戦乙女が舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海棲艦側が“出雲”の存在に気付いたのは、「那珂」を撃沈すべく近付いた軽巡洋艦が“出雲”の20.3センチ砲に撃ち抜かれ爆散してからだった。そこから世界初の艦娘vs深海棲艦の戦闘が始まった。とはいえ1対7。性能的にも差が無い…どころか深海棲艦の方がいくらか上であったが…

 

 

余程の隔絶した差が無い限り、性能の違いは勝敗の決定的な差とはなり得ない。今回もそうであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(このまま訓練通りにやれば…行ける!)

 

「雷撃用意。深度調定……良し。照準良し。発射」バシュッッ

「主砲…徹甲弾装填。照準、良し。…撃て」ドォォン

 

 

「ギャァァァァ!?」バギィィドォォン

 

「主砲命中…轟沈。5つ」

 

 

この時点で既に7隻中5隻を撃沈している“出雲”。決して有利とは言えないながらも高い技量と奇襲によって得られた心理的優位を活かして上手く立ち回っていた。火力面においては、20.3センチ砲と魚雷の存在が大きい。この2つを駆使して、完全に格上の敵重巡洋艦とも渡り合っていた。

 

 

(魚雷到達まで10、9、8…………………)

 

数秒前発射した魚雷が敵重巡へ近づく。普通の魚雷なので航跡は見えるが、夜戦故に分かりにくい。そもそも敵は“出雲”の居場所さえ掴めていない様子だ。

 

(いける……当たって!)

 

 

命中するかと思われたその時、魚雷から重巡を庇うべく敵駆逐艦が突っ込んで来た。

 

(駆逐艦?いや、でも深度的に、当たらないはず…)

 

この魚雷は深度を少し深めに調定して撃ったから、敵駆逐艦の艦底をすり抜けるはず、と考えたが、

 

 

 

 

 

 

「グェァァァ!!」ズズーン

 

(えっ?当たった!?)

「…魚雷2本命中…轟沈。6つ」

 

魚雷は敵駆逐艦に命中。敵は被弾直前、魚雷の深度が深く調定されている事を察して潜ったのだ。深海を拠点とする深海棲艦ならではのやり方だ。

 

敵駆逐艦は弾薬に誘爆したのか大爆発を起こして沈んだ。しかしこの爆発によって生じた光が海を照らし、敵重巡は“出雲”の姿を視認する。

 

ドォン ドォン バシュ

 

姿を捉えると同時に発砲する敵重巡。だが碌に照準を合わせずに撃った為、狙いは雑だ。

 

(撃たれた!…でもあれくらいなら)

 

「取舵20……当たらないよ、そんなの」バシャーン バシャーン

 

「魚雷…?よっと」ピョン

 

彼女はすぐに回避行動に移り攻撃を避け切る。『魚雷はジャンプすれば避けられる』海斗から教わったやり方だ。

 

 

「回避完了。…敵と距離が近い……!」

 

主砲と魚雷の回避には成功したが、この時“出雲”と敵重巡の距離は200メートルを切っていた。敵重巡は副砲をこちらに向けている。5インチクラスの副砲でも十分に脅威だ。しかももう発砲寸前。…早撃ちでは確実に負ける。回避しようにも副砲らしく射撃レートがかなり高く、避け続けてもジリ貧だ。

 

 

一度離脱して立て直すか、回避しながらガバガバ照準で撃ち続けるか、はたまた被弾前提で撃ち合ってどちらが先に沈むかのチキンレースに持ち込むか……

 

彼女が出した答えは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──殴るか」

 

彼女が「艦娘」だからこそとれる選択であった。

 

 

 

 

 

 

 

ドォン ドォン ドォン ドォン

 

バシャーン

 

バシャーン

 

バシャーン

 

バシャーン

 

 

 

敵重巡が副砲をばら撒く中を突撃する。だが敵も意図を察してか引き撃ちに切り替えようとする。主砲装填も終わりつつある。

 

「絶対逃がさない!」

 

“出雲”の副砲が火を噴いた。ただばら撒いただけだが、敵の足を止めるのに成功した。

 

 

 

 

そして…

 

(今だ!!)

 

 

「喰らえぇ!!」

ドカッッ バギッッッ
「ブベェェァ!?」

 

 

敵主砲射撃直前、機関一杯の出力を乗せた右腕が、敵重巡の顔面に直撃した。

 

 

そのまま隙を突いてありったけの火力を叩き込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵艦浸水………中々沈まないな…これでとどめだよ」

 

バシャーン

 

文字通りボコボコにしたのにまだ沈まない敵艦を見た“出雲”は、おもむろに敵艦へと近づき、足で踏みつけて海中に沈めた。

 

 

「ゴボ……」

 

穴の空きまくった艤装に海水が入り込む。そのまま敵艦は沈んでいき、直後、海面に巨大な水柱を打ち上げた。

 

 

「…7つ。敵艦隊全滅。戦闘終了……」

(とどめに足で踏みつけて沈めるの…良いね)

 

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“出雲”視点ではまあまあ濃い戦闘内容であったが、実際の戦闘時間はおよそ15分程度。…瞬殺。呆気なく、本当に呆気なく全滅した敵艦隊。

“出雲”の完全勝利。殆どワンサイドゲームだった。

 

 

間違いなく後世に語り継がれるであろうこの海戦は、二つの意味で記録に残る戦いとなった。

 

艦娘の初実戦という歴史的な戦いとして。

また、“出雲”の圧倒的な実力を見せつけた伝説的な戦いとして。

 

 

 

 

 

 

 

戦闘終了後、最早限界と思われた「那珂」だったが、何を思ったか被弾によって浸水が進んでいた艦首と艦尾を“出雲”が力ずくで切断し、残った艦中央部を曳航し始めた。だが何もトチ狂って千切った訳ではなく、しっかりと考えて切ったその切断場所は無事な隔壁に沿っていた。

 

結果「那珂」は自らを曳航する“出雲”と生き残った約半分の乗組員や随伴の海防艦の生存者を収容した「建御雷」と共に、横須賀へと帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘結果

 

 

日本国防海軍

 

横須賀警備艦隊

 

喪失:4

 

大破:1

 

 

 

第二特務艦隊

 

損害無し

(ただし戦闘前「建御雷」機関部に損傷発生)

 

 

 

SUE

 

SUE快速部隊 

(「」内はSUE個体識別用コードネーム。国防軍統合作戦司令部にて制定 2005/10/20)

 

重巡洋艦 “リ級” ×2

 

軽巡洋艦 “ホ級” ×3

 

軽巡洋艦 “へ級” ×1

 

駆逐艦  “イ級” ×4

 

駆逐艦  “ロ級” ×2

 

 

全艦撃沈

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出雲、やってくれたか…!」

 

特務艦隊司令部にて、洋平は戦況を見ていた。第一・第二艦隊がかなり危ない状態だったが、第二特務艦隊の活躍もあってか敵の勢いが鈍って行き、最終的に日の出と共に撤退していった。この海戦におけるMVPは、間違いなく“出雲”であった。

 

この圧倒的な戦果によって艦娘の有用性は世界に認められ、世界各国での艦娘建造に繋がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

太平洋 中部海域

 

 

「姫様、先日日本近海デアッタ海戦ノ報告ガ来マシタ。オ読ミニナラレマスカ?」

 

「ウン、読ム。……………ハァ……ダカラ言ッタンダ。アンマリ人類ヲ舐メ過ギルナッテ。戦艦棲姫、アレダケ言ットキナガラ結局失敗シテルジャナイ…」

 

「ソノ報告書ニアル『我々ト同種ノ兵器』ニツイテ、姫様ハドウオ考エデ?」

 

「イツカハ出テ来ルト思ッテイタ。人類ハ戦争ノ為ノ技術発展ハ得意ダモノ。マァ思ッテタヨリハチョット早カッタケレド」

 

「……勝テマスカ?」

 

「…当然。人類ガドレダケ必死ニ頑張ッタッテ無駄ダ。何回立チ上ガロウト意味ハ無イ。」

「ナンドデモ…クリカエス……。ナンドデモ…ナンドデモ……シズメルダケダ」

 

そう話す『姫様』の座っている艤装には、多数の連装砲と共に飛行甲板のような物が装着されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 





あ と が き

前書きでも書いたけど複数の視点で描くのがこんな大変だとは…。脳内妄想なら同時に動いてくれるからやりやすいけど、文字に起こすってなると難しい。
でも描きたいように描けたから満足。


次回 戦力強化

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