自我持つ兵器の英雄譚   作:Nyappy-

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作中に登場した艦娘関係の技術等の設定集。



艦娘関連技術

 

 

・1. 艦娘技術の基礎

 

・妖精技術

・艦魂

・艦魂サルベージ技術

・艦魂のコアユニット化

・艤装

・艤装形成技術

・妖精による艤装内部運用・補助

・艦娘識別コード(JK-01等)

 

 

・2. 物質縮小技術

 

・物質縮小技術

・妖精由来の経験的縮小技術

・余剰次元への物質移送

・見かけ体積・見かけ質量の変化

・縮小状態での機械機能維持

・次元的格納・展開

・希式物質縮小技術

・移送割合・位相・投影・展開の制御

・艤装・機関・弾薬への応用

・保存則との関係

・物質縮小技術と艦娘技術全体の関係

 

 

・3. 第一世代艦娘

 

・第一世代艦娘

・ファーストロット

・セカンドロット

・サードロット

・第一世代各ロットの性能差

・素体少女

・艦娘適性

・艤装同調率

・艤装接続用プラットフォーム

・兵装用ハードポイント

・神経接続

・CIC相当の情報処理機能

・第一世代の身体改造

・拒絶反応・同調不良

・第一世代における記憶操作

・第一世代方式の技術的・倫理的限界

 

 

・4. 艦魂・記憶・技量

 

・実艦時代の記憶

・艦魂に記録された艦艇情報

・艦魂と人格形成

・艦魂と戦闘技量

・素体少女本人の技量・センス

・実艦記憶と現在人格の関係

・「知識」と「経験」の違い

・同一艦魂でも同一人物にはならない理由

 

 

・5. 第二世代艦娘開発

 

・第二世代艦娘計画

・JK-2-X計画

・第二世代艦娘の建造原理

・艦魂情報からの人体構築

・遺伝情報・身体構造・自己像の再構成

・人間の少女を素体としない建造方式

・建造装置「釜」

・第二世代方式の極初期実証

・第二世代艦娘

・秋吉基準と希空基準による「第二世代」の違い

・第二世代艦娘と艦魂

・艦魂と建造時の性別

・艦魂ごとの建造適期

・建造順・型式番号・進水日の関係

・第二世代艦娘の量産化

・第二世代艦娘のコストダウン・量産仕様

 

 

・6. 第二世代の成長・教育

 

・成育促進技術

・建造時肉体年齢

・身体成長と艤装性能

・知識インストール

・軍事知識・戦闘知識の事前付与

・艦魂記憶による精神成熟補助

・神崎流戦闘データの利用

・基礎動作データと実際の技量の違い

・建造後の教育・訓練

・未艤装状態

・艤装受領・慣熟・実戦配備までの流れ

・第二世代は「完成戦士」として生まれるわけではない

 

 

・7. 特殊技術実験艦“ゼロ”

 

・JK-2-X-00

・第二世代技術統合試作個体としての位置付け

・艦魂を使用しない建造方式

・乳児状態からの建造

・第二世代艦娘技術へのフィードバック

・バイタルパート

 

 

・8. 艦娘の修復技術

 

・艦娘修復技術の基本

・外科手術式

・新陳代謝式

・修理用特殊液体

・艦娘用修理ドック

・欠損部位と新陳代謝式の限界

・記憶再現式

・艦魂情報からの身体再構築

・前線での応急修理

・大規模改装

・艤装換装

・改装後の慣熟

・コアユニット回収

・同名艦娘の再建造

・「同じ艦」と「同じ人物」の違い

 

 

・9. 艤装技術

 

・艤装の神経接続

・艤装を「身体の一部」として扱う仕組み

・艤装内の機関・兵装制御

・妖精による艤装運用補助

・人型戦闘へ最適化された兵装配置

・原艦と艤装の兵装配置差

・艤装と艦娘本人の成長

・艤装の換装・改修

・艦娘用大型兵装の反動処理

・縮小兵装における威力と反動

・ジェネレーター・オーバードライブ(GOD)

 

 

・10. 空母艦娘・艦娘航空技術

 

・空母艦娘用艤装

・艦娘用艦載機

・艦載機の形成・展開

・艦載機への物質縮小技術応用

・搭乗員妖精

・艦載機発艦・回収機構

・空母艦娘による航空管制

・艦載機搭乗員妖精と空母艦娘の連携

・第二世代空母艦娘の育成体系

 

 

・11. 基地航空隊

 

・基地航空隊

・艦娘技術を利用した陸上航空機

・通常航空基地との併設運用

・妖精搭乗員

・艦娘航空技術の地上航空戦力への転用

 

 

・12. 建御雷型艦娘母艦

 

・建御雷型艦娘母艦

・「建御雷」

・「建御名方」

・海上移動軍港

・艦娘の発着・収容

・艦娘用補給設備

・艦娘用弾薬・燃料搭載

・簡易修理ドック

・艦娘部隊の指揮・支援機能

 

 

・13. 対SUE弾薬体系

 

・対SUE弾薬

・AS=Anti-SUE

・対SUE弾薬の命名規則

・APAS───対SUE徹甲弾/特殊徹甲弾

・APFSDS-AS───対SUE装弾筒付翼安定徹甲弾

・APDSAS───対SUE装弾筒付徹甲弾

・HEAS───対SUE榴弾

・その他の対SUE弾種

・艦娘用縮小弾薬と通常サイズ弾薬

・縮小しても維持される破壊力

・威力増大と反動問題

・戦車砲・艦砲への応用

・対SUE弾薬技術の世界的拡散

・対人類兵器への転用問題

 

 

・14. 艦娘技術研究から派生した高エネルギー技術

 

・小型核融合炉

・対消滅機関

・マイクロブラックホール生成技術

・BHエンジン

・余剰次元位相制御

・希式タキオン理論

・タキオン粒子

・希式タキオンエネルギー

・タキオンドライヴ

・タキオンドライヴと物質縮小技術の関係

・タキオンウォール

・タキオンブラスター

 

 

・15. 艦娘技術の通常技術への波及

 

・物質縮小技術の兵器利用

・艦娘技術由来の小型高出力機関

・艦娘技術由来の高密度兵装

・対SUE弾薬による通常兵器強化

・艦娘技術と通常軍事技術の融合

 

 

 


 

 

 

・1. 艦娘技術の基礎

 

艦娘技術とは、2000年以降の対SUE戦争の中で、人類が妖精との接触を通じて獲得・発展させてきた一連の技術体系である。

 

その出発点は、人類が一から発明したものではない。

 

妖精達が以前から経験的に扱っていた、

 

・艦魂

・物質縮小

・艤装形成

・特殊兵装

・艦載機の形成・変換

・次元的な格納や展開

 

といった技術・現象を、人類側が観測し、装置化し、再現可能な工学技術へ落とし込んだことから始まっている。

 

初期には秋吉智明をはじめとする研究者達が、妖精の持つ技術を人間にも扱える形へ翻訳。

 

その成果として、

 

艦魂のサルベージ

人間サイズの艤装の建造

艦魂・艤装と人間の身体との接続

 

などが実用化され、第一世代艦娘が成立した。

 

その後、神崎希空らによる研究によって艦娘技術は単なる「妖精技術の模倣」から発展し、物質縮小、生命工学、情報処理、高出力機関などを含む巨大な技術体系へ広がっていく。

 

 

・妖精技術

 

艦娘技術の最も古い基礎となった技術体系。

 

妖精達は、人類がその原理を理解する以前から、艦魂、物質縮小、艤装形成などの現象を実用的に扱っていた。

 

ただし、これは単純に「妖精が魔法を使える」という意味ではない。

 

妖精には人類とは異なる技術体系や感覚が存在し、人類側から見れば原理不明だった現象を、彼女達自身は一定の手順と経験則によって再現出来ていたと考えられている。

 

人類側の艦娘研究は、その現象を、

 

・観測する

・測定する

・再現条件を探る

・装置化する

・理論的に説明する

 

という工程を積み重ねることで発展した。

 

このため、同じ「艦娘技術」であっても、

 

妖精なら経験的に扱えるが、人類側はまだ原理を完全には理解していない技術

 

と、

 

人類側でも理論化・装置化され、妖精の直接介在なしに扱える技術

 

が混在している。

 

 

・艦魂

 

過去に存在した艦艇が持つ、一種の「魂」。

 

単なる戦闘記録やデータベースではなく、

 

・艦としての記憶

・航海

・戦歴

・損傷

・修理

・乗組員との経験

・戦闘経験

・生還や沈没

・艦としての自己認識

・艦体構造や性能に関する情報

 

など、その艦が「どのような艦であったか」を構成する膨大な情報を内包している。

 

艦娘は、この艦魂を中核として原艦の性質や能力を受け継ぐ。

 

そのため艦魂は、単なる兵装データではなく、

 

艦娘が「その艦」であるための根幹

 

にあたる。

 

 

・艦魂サルベージ技術

 

妖精から人類へ伝えられた、艦娘技術の根幹を成す技術の一つ。

 

過去に存在した艦艇から、その艦魂を発見・回収する。

 

回収された艦魂は、艦娘の建造や艤装形成などに利用される。

 

ただし、艦名や喪失場所が判明していれば必ず回収出来るわけではない。

 

実際、巡洋艦「畝傍」の艦魂を捜索した際には、史実上のおおよその喪失海域まで判明していたにもかかわらず、発見に失敗している。

 

このため、

 

過去に実在した艦艇=必ず艦娘として再現出来る

 

わけではない。

 

艦魂そのものを確保出来るかどうかが、艦娘建造における最初の条件となる。

 

 

・艦魂のコアユニット化

 

第一世代艦娘において、艦魂は実質的に艦娘を成立させるコアユニットに相当する。

 

第一世代艦娘は、

 

人間の少女

+

艦魂

+

艤装

 

を組み合わせることで成立する。

 

どれほど高性能な艤装や優秀な素体少女を用意しても、対応する艦魂が無ければ、その艦名を持つ艦娘を建造することは出来ない。

 

また、第一世代艦娘が退役した場合でも艦魂そのものを回収出来れば、別の少女へ接続して同じ艦名の艦娘を再建造することが可能。

 

ただし、

 

同じ艦魂を使うことと、同じ人物が復活することは別である。

 

この違いについては、後述する第一世代艦娘および艦魂・記憶・技量の項目で詳しく扱う。

 

 

・艤装

 

艦娘が装備する、軍艦としての能力を人間サイズで再現した兵装・機関・装甲・各種装備の総称。

 

艦娘の主砲、魚雷発射装置、推進器、装甲、航空艤装などは基本的にこの艤装へ含まれる。

 

ただし、本来の軍艦をそのまま同比率で縮小したものではない。

 

艦魂や妖精技術、物質縮小技術などを利用し、

 

人型の艦娘が使用することを前提として再構成された兵装体系

 

である。

 

そのため、原艦とは砲塔配置や兵器配置が異なる場合も多い。

 

第一世代艦娘では身体に設けられた接続部を通して艤装と神経系が結ばれており、艦娘本人は艤装を単なる外付け装備ではなく、自分の身体の延長として操作する。

 

 

・艤装形成技術

 

艦魂に含まれる艦艇情報と妖精技術を利用し、艦娘用の艤装を形成する技術。

 

艦艇そのものが持っていた、

 

・兵装

・機関

・装甲

・推進

・航空能力

・各種艦載設備

 

などを基礎としながら、それらを人間サイズの艦娘が運用出来る形へ再構成する。

 

この技術には物質縮小技術も深く関係している。

 

そのため、本来なら少女一人へ搭載出来るはずのない規模の機関、弾薬、燃料、艦載機などを、小型の艤装へ組み込むことが可能となっている。

 

具体的な縮小原理や、人型戦闘用に再配置された兵装については後述する。

 

 

・妖精による艤装内部運用・補助

 

艦娘の艤装は、艦娘本人だけですべてを操作しているわけではない。

 

多くの艤装では妖精達が内部に入り、

 

・主砲

・機関

・航空

・整備

・補給

・通信

・艤装制御

 

などを補助している。

 

艦艇へ例えるなら、

 

艦娘本人が艦長

妖精達がその他の乗組員

 

という関係に近い。

 

艦娘本人が最終的な判断と戦闘指揮を行い、その意思を受けた妖精達が艤装内部の各機能を支える。

 

特に戦艦・空母など、大型かつ複雑な艤装になるほど妖精の役割は大きい。

 

また妖精は艤装内部だけで働く存在ではなく、艦娘技術研究所では研究・整備・通信などにも従事しており、艦娘関連の軍事体系そのものを支える存在となっている。

 

 

・艦娘識別コード(JK-01等)

 

艦娘の増加に伴って制定された、国際共通規則に基づく識別コード。

 

基本的には、

 

国籍を示すコード

+

その国における艦娘の建造・登録順

 

によって構成される。

 

日本の場合は、

 

JK=Japanese Kanmusu

 

を使用。

 

例えば、世界初の実用艦娘であり、日本で最初に建造された“出雲”は、

 

JK-01

 

となる。

 

また、この国際識別方式では「艦娘」という概念そのものを表す語として、

 

Kanmusu

 

が翻訳されず、そのまま国際共通語として使用されている。

 

識別コードは艦名とは別に付与されるものであり、同型艦や類似した名称を持つ艦娘が多数存在する状況でも、個体を明確に管理するために使用される。

 

 

 

・2. 物質縮小技術

 

艦娘技術を成立させている、最も重要な基盤技術の一つ。

 

名前だけを見れば「大きな物体を小さくする技術」だが、その実態は単純な圧縮や比例縮小ではない。

 

本来なら人間一人が装備出来るはずのない、

 

・艦砲

・機関

・装甲

・燃料

・弾薬

・魚雷

・艦載機

・各種電子機器

 

などを、艦娘の身体や艤装へ収め、それらを実用可能な状態で維持するために用いられている。

 

初期段階では妖精が経験的に扱っていた技術だったが、人類側による研究、とりわけ神崎希空による解析によって、その本質が余剰次元を利用した物質・構造の多次元化にあることが明らかになった。

 

第一世代艦娘の艤装から始まり、第二世代艦娘の建造、各種兵装・弾薬、高出力機関などへ応用範囲を広げており、現在の艦娘技術体系全体を支える根幹技術となっている。

 

 

・物質縮小技術

 

物質の構造や質量の一部を、人間が通常認識している三次元空間から余剰次元側へ移すことで、三次元空間上へ現れる大きさと質量を減少させる技術。

 

通常の物質は、人間から見れば縦・横・高さを持つ三次元空間上に存在している。

 

物質縮小技術では、対象物そのものを破壊したり消滅させたりするのではなく、その構造の一部を通常空間以外へ移し、

 

三次元空間側に現れている部分だけを小さくする。

 

このため、本技術は、

 

・物質を強引に圧縮して高密度化する技術

・原子や分子そのものを小型化する技術

・物質をエネルギーへ変換する技術

・質量を消滅させる技術

・無から物質を生成する技術

 

のいずれとも異なる。

 

縮小された物体は、通常空間から完全に消えたわけではなく、

 

三次元空間と余剰次元の双方にまたがって存在する多次元構造体

 

となっている。

 

 

・妖精由来の経験的縮小技術

 

物質縮小そのものは、神崎希空が一から発明した技術ではない。

 

その起源は、人類と妖精が接触し、艦娘技術の研究が始まった時期まで遡る。

 

妖精達は人類が理論を理解する以前から、物質や艤装を小型化し、必要に応じて展開する技術を経験的に扱っていた。

 

第一世代艦娘の艤装も、最初から単純に実艦を同比率で縮めただけのものではない。

 

砲塔、機関、装甲、燃料、弾薬、艦載機など、本来なら少女一人へ搭載出来るはずのない規模の装備が小さな艤装へ収められている。

 

初期の人類側は、その原理を完全には理解していなかった。

 

それでも妖精が作った装置や手順を利用し、

 

構造をあらかじめ把握した特定の対象を、決められた条件で縮小する

 

程度なら再現出来るようになっていた。

 

ただし縮小率を自由自在に変更することは難しく、対象物が変われば装置側の再調整も必要。

 

特に複雑な機械を作動させたまま縮小する場合には、妖精の直接的な補助を必要とすることも多かった。

 

 

・余剰次元への物質移送

 

神崎希空が縮小技術を詳細に観測した結果、

 

縮小された物質は消滅しているのではなく、通常空間から見えない場所へ移されている

 

ことが判明した。

 

縮小前後の物体を比較すると、三次元空間上で観測出来る体積や質量は減少している一方、物体そのものが失われているわけではない。

 

この現象について希空が妖精へ、

 

「小さくしたものは、どこにあるのか」

 

と尋ねた際、妖精は、

 

「ここではないところ」

 

と答えている。

 

希空はこの回答と観測結果を、既存の高次元物理学やM理論などと結び付け、

 

人間が通常知覚出来ない余剰次元へ、対象物の構造・質量・機能の一部が移動している

 

と推定。

 

ここから、妖精が経験的に行っていた「縮小」を、人類側から物理現象として説明する道が開かれた。

 

 

・見かけ体積・見かけ質量の変化

 

縮小された物体は、三次元空間側へ残している構造そのものが少なくなる。

 

そのため、

 

外見上の大きさだけではなく、通常空間上で観測される質量も減少する。

 

たとえば、本来数十トン・数百トン級の構造を持つ装備を人間サイズへ縮小した場合、

 

「大きさだけ小さくなり、重量だけは元のまま」

 

とはならない。

 

その状態では全構造・全質量が通常空間側へ存在しているわけではなく、多くの部分が余剰次元側へ移されているためである。

 

ただし、

 

本来存在する質量そのものが消滅したわけではない。

 

あくまで三次元空間側へ投影されている割合が変化している。

 

この性質によって、艦娘は本来なら人間の身体では到底支えられない規模の装備を身に付けることが可能となっている。

 

 

・縮小状態での機械機能維持

 

物質縮小技術の大きな特徴は、対象物を単に保管するだけではなく、

 

機械として機能出来る状態を保ったまま、多次元構造化出来る

 

点にある。

 

たとえば艦娘の機関は、外見上は小さな艤装へ収まっていても、必要な構造すべてが通常空間上へ押し込められているわけではない。

 

余剰次元側に存在する構造と、三次元空間側へ現れている構造が接続されたまま、一つの機械として働く。

 

同様に、

 

・兵装

・弾薬供給機構

・燃料系統

・電子機器

・艦載機

 

なども、それぞれの機能を維持した状態で縮小・保持出来る。

 

ただし複雑な対象ほど制御は難しい。

 

単純な鋼材より、作動中の機関や精密電子機器などの方が、縮小状態を安定させるために高度な解析・位相制御を必要とする。

 

 

・次元的格納・展開

 

物質縮小技術では、余剰次元側へ移した構造を必要に応じて通常空間側へ戻すことが出来る。

 

これを展開と呼ぶ。

 

基本的には、

 

対象物の状態を固定

↓

余剰次元との接続を形成

↓

構造の一部または大部分を余剰次元側へ移送

↓

三次元空間側へ縮小状態として投影

 

という流れで縮小される。

 

展開時にはこの逆を行い、余剰次元側へ保持されていた構造を三次元空間側へ戻す。

 

艦娘の、

 

・艤装展開

・兵装展開

・砲弾や魚雷の供給

・空母艦娘の艦載機発艦

・長大な装備の伸長

 

などには、この原理が利用されている。

 

ただし余剰次元は無限の倉庫ではない。

 

装置の出力、対象物の複雑さ、位相制御能力、管理可能な格納領域などによって、保持出来る量には明確な上限が存在する。

 

 

・希式物質縮小技術

 

神崎希空が、妖精由来の縮小技術を人類科学によって解析・発展させた技術体系。

 

本設定集では「希(の)式物質縮小技術」と表記する。

 

初期の縮小技術は、

 

「妖精が作った装置と決められた手順を使えば、特定の物を小さく出来る」

 

という段階に近かった。

 

希空は、そこで止まらなかった。

 

縮小前後の、

 

・質量

・空間

・エネルギー

・構造

・機械の作動状態

 

を一つずつ観測し、

 

「なぜ小さく出来るのか」

 

その原理そのものを追究した。

 

その結果、余剰次元への構造移送という本質へ到達。

 

人類側から、

 

・縮小対象

・縮小率

・移送割合

・位相

・投影状態

・展開状態

 

などを制御出来る段階まで技術を発展させた。

 

ただし、妖精技術を完全に不要としたという意味ではない。

 

妖精が経験的に扱っていた技術を人類科学によって解析し、工学技術へ再構築したものと位置付けられる。

 

 

・移送割合・位相・投影・展開の制御

 

希式物質縮小技術では、

 

対象物の何割を余剰次元側へ移し、何割を通常空間側へ残すか

 

を調整出来る。

 

これによって、単純に「縮小する/元へ戻す」という二段階だけではなく、対象物の状態そのものを細かく制御可能となった。

 

主な制御対象は、

 

・余剰次元側への移送割合

・三次元空間側へ現れる寸法

・見かけ質量

・通常空間と余剰次元の位相

・展開する部分

・展開順序

・複数対象物の管理

 

など。

 

たとえば兵装であれば、

 

必要な装備だけを選んで展開する。

弾薬のみを順次送り出す。

長大な構造の必要部分だけを通常空間へ出す。

 

といった運用が可能。

 

この制御能力の向上によって、物質縮小技術は単なる「小型化」から、

 

多次元空間を利用した機械構造制御技術

 

へ変化していった。

 

 

・艤装・機関・弾薬への応用

 

物質縮小技術の代表的な使用先が艦娘の艤装である。

 

艦艇規模の、

 

・砲塔

・装甲

・機関

・レーダー

・燃料

・弾薬

・魚雷

・艦載機

 

などを、人間サイズの艤装へ統合するために使用される。

 

また、弾薬も無から生成されているわけではない。

 

外見上の弾倉容量を超える弾薬を搭載出来るのは、

 

あらかじめ製造された弾薬を余剰次元側へ保持している

 

ためである。

 

空母艦娘の艦載機についても同様で、必要な機体だけを展開し、搭乗員妖精と共に発艦させることが出来る。

 

さらに研究が進むにつれて、艦娘だけではなく通常兵器にも技術が応用され始めている。

 

2007年頃には、艦娘用弾薬で使用していた縮小技術を応用し、既存砲へ適合する特殊弾薬を縮小状態で保持・運用する技術が実用段階へ入っている。

 

対SUE弾薬も、この技術的系譜と深く関係している。

 

 

・保存則との関係

 

物質縮小技術は、

 

質量やエネルギーを消滅させる技術ではない。

 

縮小された物体の構造・質量・機能の一部は、三次元空間から見えなくなっているだけで、余剰次元側に存在している。

 

したがって、

 

弾薬が無から現れる。

燃料が無限に湧く。

巨大な兵器を質量ゼロで持ち歩ける。

 

といった技術ではない。

 

展開される弾薬・燃料・物資は、あらかじめ用意された実物である。

 

また、大型兵器を縮小したからといって、その兵器が発生させる物理的負荷まで無くなるわけではない。

 

砲撃を行えば反動が生じる。

機関を動かせば熱が発生する。

高出力兵器を使用すればエネルギーを消費する。

 

そのため、

 

・構造強化

・反動処理

・冷却

・エネルギー供給

 

などは別途必要となる。

 

物質縮小技術は、物理法則を無視するものではなく、

 

通常空間だけでは成立しない構造を、余剰次元まで含めた系として成立させる技術

 

である。

 

 

・物質縮小技術と艦娘技術全体の関係

 

物質縮小技術は、単なる艤装小型化技術ではない。

 

第一世代艦娘の段階では、

 

「軍艦規模の装備を少女一人へ持たせる」

 

ための技術として使われていた。

 

しかし、その原理を人類側から理解したことで、研究領域そのものが大きく変化した。

 

物質を余剰次元へ移せる。

複雑な機械を多次元構造として維持出来る。

通常空間へ現れる構造や質量を制御出来る。

 

この事実は、

 

「人間サイズという外見上の大きさは、内部に保持出来る機能の限界ではない」

 

ことを意味した。

 

この考え方は、その後の第二世代艦娘建造にも直接利用されている。

 

また希空は、

 

「物質を余剰次元へ移送出来るのであれば、エネルギーや情報についても次元境界を越えて扱えるのではないか」

 

と考えるようになり、物質縮小研究をさらに次元物理学へ発展させていった。

 

その先で成立した理論の一つがタキオン理論であり、後のタキオンドライヴ研究にも繋がっている。

 

つまり物質縮小技術は、

 

第一世代艦娘の艤装を成立させた技術

であると同時に、

 

第二世代艦娘や、その後の高次元技術へ繋がる出発点

 

でもある。

 

 

 

・3. 第一世代艦娘

 

人間の少女を素体とし、そこへ艦魂と艤装を接続することで建造される艦娘。

 

2000年代前半、人類が深海棲艦へ対抗するために確立した最初の実用艦娘方式である。

 

基本構造は、

 

人間の少女

+

艦魂

+

艤装

 

によって成立する。

 

素体となる少女の身体へ艤装接続用の構造や情報処理能力を付加し、艦魂を接続することで、実艦由来の兵装・機関・戦闘能力を人間サイズの身体へ統合する。

 

2005年に完成した“出雲”を皮切りに急速な実戦配備が進み、深海棲艦戦争初期から2010年代前半まで、人類側の対SUE戦力の中核を担った。

 

一方で、

 

・人間の少女を素体として必要とする

・艦魂や艤装との適性が必要

・接続時の拒絶反応

・身体への大きな負担

・高度な情報処理負荷

・肉体改造に伴う生体機能への影響

・少女を兵器へ改造する倫理問題

 

など、方式そのものに根深い問題を抱えている。

 

この問題を根本から解決するために始まったのが、後の第二世代艦娘計画である。

 

 

・第一世代艦娘

 

第一世代方式では、既に一人の人間として存在している少女へ、後から「艦娘としての機能」を追加する。

 

つまり第二世代のように、

 

最初から艦娘として身体そのものを建造する

 

方式ではない。

 

元の少女の身体と人格が存在し、そこへ、

 

・艦魂

・艤装接続機構

・神経接続系

・兵装制御

・情報処理能力

・身体強化

 

などを追加していく。

 

この構造上、第一世代艦娘には常に、

 

元々存在した人間としての部分

 

と、

 

後から追加された艦艇としての部分

 

が共存している。

 

この二重構造こそが第一世代の特徴であり、同時に多くの技術的問題の原因でもある。

 

 

・ファーストロット

 

第一世代艦娘の最初期型。

 

世界初の実用艦娘“出雲”が属する。

 

まだ艦娘建造技術そのものが十分に成熟していない段階で作られたため、

 

・艤装接続

・艦魂との同調

・身体への負荷

・システム安定性

 

などに未完成な部分が多い。

 

一方、後のセカンドロットよりも、比較的新しい時代・複雑な構造を持つ艦魂へ対応出来るという特徴を持つ。

 

そのため、

 

高い性能を得られる可能性がある反面、建造成功率や安定性が低い先行型

 

という性格が強い。

 

なお、“出雲”が他の第一世代艦娘を上回る高い戦闘能力を持つこと自体は確かだが、

 

「ファーストロットだから強い」

 

と単純に結論付けることは出来ない。

 

“出雲”本人の身体能力、適性、感覚、戦闘センス、訓練、実戦経験なども大きく関係している。

 

 

・セカンドロット

 

ファーストロットの実験・運用データを基に開発された、第一世代艦娘の量産型。

 

最大の改善点は、

 

艤装接続時の安定性向上。

 

ファーストロットで問題となった接続不良や拒絶反応を抑え、短期間に多数の艦娘を建造出来るようにした。

 

その結果、2005~2006年頃から各国で艦娘戦力が急速に拡大していく。

 

ただし安定性と量産性を優先した代償として、

 

対応可能な艦魂の技術年代がファーストロットより後退した。

 

戦艦・巡洋艦などでは、おおむね1900年前後までの艦艇が一つの目安となる。

 

戦艦なら前弩級戦艦級、巡洋艦なら出雲型以前の世代が代表的な上限。

 

駆逐艦については例外的に対応範囲が広く、二等駆逐艦まで建造可能となっている。

 

 

・サードロット

 

ファーストロットとセカンドロットの運用結果を踏まえて開発された、第一世代後期型。

 

セカンドロットで得られた安定性・量産性を維持しつつ、

 

より新しく、より複雑な艦魂へ対応する能力

 

を再び高めている。

 

2010年前後には、戦間期前半級の艦艇まで第一世代方式で扱えるようになった。

 

“磐手”や“鳳翔”などがこの世代に属する。

 

技術的には第一世代方式の完成形に近く、

 

・艤装接続

・同調安定性

・身体適応

・対応可能な艦魂

・基本性能

 

のバランスが大きく改善されている。

 

しかし、

 

人間の少女へ艦魂と艤装を後付けする

 

という根本構造そのものは変わっていない。

 

そのため、第一世代特有の身体負荷や倫理問題まで解消されたわけではない。

 

 

・第一世代各ロットの性能差

 

第一世代艦娘のロット差は、単純な、

 

ファースト<セカンド<サード

 

という新旧関係ではない。

 

大まかには、

 

サードロット

≧

ファーストロット

>

セカンドロット

 

という関係になる。

 

ただし、これはあくまで建造技術としての対応能力や基礎性能を比較した場合の目安である。

 

ファーストロットは高性能だが不安定。

 

セカンドロットは性能上限を下げることで安定性と量産性を確保。

 

サードロットは、その両方の長所を可能な限り取り込んだ。

 

実際の戦闘能力については、

 

・元となった艦艇

・素体少女本人の身体能力

・艤装との同調

・艤装の改修状況

・訓練

・戦闘センス

・実戦経験

 

などが大きく影響する。

 

したがって、ロットだけで個々の艦娘の強弱が決定するわけではない。

 

 

・素体少女

 

第一世代艦娘を建造する際、元となる人間の少女。

 

第一世代方式では、艦魂と艤装だけを用意しても艦娘を建造することは出来ず、それらを受け入れる生身の人間が必要となる。

 

世界初の艦娘“出雲”も、元々は一人の人間の少女だった。

 

2005年以降の艦娘建造ラッシュでは、深海棲艦によって家族を失った少女や、軍人の家族など、自ら深海棲艦と戦うことを望んだ少女達も多数参加している。

 

ただし、誰でも艦娘になれるわけではない。

 

身体的・精神的適性や、艦魂・艤装との同調能力が必要となる。

 

 

・艦娘適性

 

第一世代艦娘になるために必要とされる適性。

 

主に、

 

・艤装との同調

・身体適応

・神経系の適応

・戦闘センス

・心理状態

 

などから総合的に判断される。

 

同じ艦魂、同じ艤装を使用したとしても、素体少女が変われば艦娘としての性能も変化する。

 

特に高性能な艤装や複雑な艦魂ほど、素体側へ要求される適性も高い。

 

“磐手”の建造時には、複数の候補者の中から事前検査によって最も高い適性を示した少女が選ばれている。

 

第一世代において、

 

優秀な艦魂

+

高性能な艤装

 

だけでは優秀な艦娘にならない。

 

それらを受け入れ、扱える人間側の資質も重要となる。

 

 

・艤装同調率

 

素体少女と艤装・艦魂が、どれだけ安定して一体化出来るかを示す指標。

 

同調率が高いほど、

 

・艤装操作

・情報処理

・機関制御

・兵装制御

・身体感覚との統合

 

を自然に行いやすくなる。

 

逆に同調率が低い場合、

 

・操作遅延

・感覚のずれ

・身体負荷

・神経系への異常

・拒絶反応

 

などが発生する可能性が高くなる。

 

第一世代初期には、この同調問題が極めて大きな障害だった。

 

“出雲”が世界初の実用艦娘として成立したこと自体、当時としては非常に成功度の高い例外的事例でもある。

 

 

・艤装接続用プラットフォーム

 

第一世代艦娘の身体へ設けられる、艤装接続のための生体・機械複合構造。

 

外付けの艤装を単に身体へ固定するための金具ではない。

 

艤装との間で、

 

・神経情報

・機関情報

・兵装制御

・センサー情報

・損傷情報

・各種状態データ

 

などを交換するための接続基盤となる。

 

人間の身体へ後から組み込まれるため、第一世代艦娘における身体改造の中でも重要な部分。

 

初期型では、この接続プラットフォーム自体に身体が適応出来ず、拒絶反応を起こすケースも発生している。

 

 

・兵装用ハードポイント

 

艦娘の身体と各種兵装・艤装を接続するために設けられた接続部。

 

艦娘は艤装全体を一つの固定構造として装備するだけではなく、兵装や装備を用途に応じて取り付け、交換、改修する必要がある。

 

そのため第一世代の身体には、艤装や兵装を接続するための構造が組み込まれている。

 

ただし、これも元々の人間には存在しない人工的な身体構造である。

 

素体との適合に失敗した場合には、ハードポイント周辺で拒絶反応や異常が発生することもある。

 

 

・神経接続

 

第一世代艦娘が艤装を自分の身体の一部として扱うための接続方式。

 

艤装から得られる、

 

・視覚・光学情報

・レーダー情報

・機関状態

・兵装状態

・損傷情報

・姿勢情報

 

などを艦娘本人へ送り、逆に艦娘本人の意思を艤装へ伝達する。

 

これによって艦娘は、

 

「主砲を操作する」

 

のではなく、

 

「自分の身体の一部として主砲を動かす」

 

感覚に近い形で艤装を制御出来る。

 

しかし人体の神経系へ本来存在しない膨大な入力と出力を追加するため、その負担は大きい。

 

第一世代における同調不良や脳への負荷の主要因の一つでもある。

 

 

・CIC相当の情報処理機能

 

艦娘は、人間一人の身体でありながら、軍艦一隻に相当する大量の情報を処理する必要がある。

 

索敵、敵味方識別、射撃管制、機関状態、損傷、通信、航法、複数兵装の状態。

 

空母艦娘であれば、さらに航空隊の位置・状態・戦況まで加わる。

 

通常の軍艦なら艦橋やCIC、機関室、射撃指揮所など、多数の人員と設備へ分散される処理を、艦娘では本人と妖精達が分担して行う。

 

そのため第一世代艦娘の脳・神経系には、

 

CICに相当する高度な情報処理能力

 

が付加されている。

 

ただし、その処理能力を人間の脳へ後付けしていること自体が第一世代方式の大きな負担となる。

 

 

・第一世代の身体改造

 

第一世代艦娘は、人間の少女へ艤装を着せただけの存在ではない。

 

艦娘として戦闘可能にするため、

 

・身体強度

・神経系

・情報処理能力

・艤装接続構造

・兵装接続構造

・各種生体機能

 

などへ大規模な改造が行われている。

 

その結果、通常の人間を大きく上回る身体能力や耐久性を獲得する一方で、元の人間としての身体機能へ影響が出る場合もある。

 

第一世代初期では特に身体への負荷が大きく、

 

「艦娘として成立させるために、人間の身体へ無理を通している」

 

側面が強かった。

 

この問題はロット改良によって軽減されたものの、完全には解決されていない。

 

 

・拒絶反応・同調不良

 

第一世代艦娘建造における代表的な失敗原因。

 

人間の身体へ、

 

・艦魂

・艤装

・接続プラットフォーム

・兵装ハードポイント

・神経接続系

 

など、本来存在しない構造を大量に追加するため、身体がそれらを受け入れられない場合がある。

 

症状や程度は個体ごとに異なるが、重度の場合には艦娘化そのものを中止しなければならない。

 

世界初の艦娘“出雲”建造時にも複数の被験者が存在したが、実戦投入可能な水準まで安定して成功したのは“出雲”だけだった。

 

この結果、一時的に新規艦娘建造を停止して原因究明が行われるほど、初期第一世代方式は不安定だった。

 

後のセカンドロットでは、この問題を抑えることが最大の開発目標の一つとなった。

 

 

・第一世代における記憶操作

 

第一世代艦娘では、艦娘化に際して素体少女の記憶へ処置が行われることがある。

 

基本的には、

 

艦娘になる以前の人生に関する記憶を弱める、あるいは忘れさせる

 

方向で処置される。

 

これは、艦魂から流れ込む実艦由来の記憶と、元の少女本人の記憶との混乱を軽減する目的などを持つ。

 

ただし完全な記憶消去ではない。

 

・強烈なトラウマ

・深く刻まれた感情

・極めて重要だった人物

・身体感覚に結び付いた記憶

 

などが断片的に残ることがある。

 

“磐手”も、艦娘化以前の詳細な人生は曖昧になっている一方、

 

実の姉と比較され続けた経験と、それに伴う強烈な感情

 

を完全には失っていない。

 

第一世代艦娘は、人間時代の記憶が失われても、人間時代そのものが存在しなかったことになるわけではない。

 

 

・第一世代方式の技術的・倫理的限界

 

第一世代艦娘は、深海棲艦へ対抗するための兵器として極めて大きな成果を挙げた。

 

しかし建造方式そのものには、多数の問題が存在する。

 

技術面では、

 

・人間の少女を必要とする

・適性者しか建造出来ない

・艦魂との同調問題

・艤装接続時の拒絶反応

・神経系への負荷

・CIC級情報処理による脳負荷

・身体機能への影響

・個体差が大きい

・素体少女本人の能力に性能が左右される

 

など。

 

さらに倫理面では、

 

・少女へ不可逆的な肉体改造を行う

・過去の記憶へ介入する

・人間を兵器として登録・運用する

・戦場へ送り出す

・重傷時には現在の少女を修復するより、艦魂を別人へ移して「同名艦」を再建造する方が合理的と判断され得る

 

といった問題を抱える。

 

技術を開発した秋吉智明自身も、第一世代艦娘を恒久的に続けるべき完成された方式とは考えていない。

 

第一世代は、

 

「艦娘を作ることに成功した技術」

 

ではある。

 

しかし、

 

「人間を壊さず、安定して艦娘を生み出せる技術」

 

ではなかった。

 

この根本問題を解決するため、

 

人間の少女を艦娘へ改造するのではなく、最初から艦娘として身体そのものを建造する

 

第二世代方式が研究されることになる。

 

 

 

・4. 艦魂・記憶・技量

 

艦娘は、単に過去の軍艦と同じ名前・性能を与えられた人型兵器ではない。

 

艦魂を通して、

 

原艦が「艦」として存在していた時代の記憶や経験

 

を受け継いでいる。

 

航海、戦闘、損傷、修理、生還、沈没、僚艦との関係、乗組員と過ごした時間。

 

そうした経験は、艦娘の記憶や感覚、人格、場合によっては戦闘時の判断にも影響する。

 

一方で、

 

原艦の記憶を持っていること

と、

原艦そのものが人間の少女として復活したこと

 

は同じではない。

 

特に第一世代では、元々存在した素体少女の人格と記憶がある。

 

第二世代でも、建造後に新しい人生や経験を積み重ねていく。

 

したがって艦娘は、

 

「過去に艦だった記憶を持ちながら、現在を新しい一人の人物として生きている存在」

 

として扱われる。

 

 

・実艦時代の記憶

 

艦娘は、艦魂に刻まれている原艦時代の記憶を持つ。

 

ただし、

 

かつて乗艦していた乗組員一人一人の記憶を、そのまま完全再生出来る

 

という意味ではない。

 

艦魂へ強く残るのは、

 

・航海

・戦闘

・護衛

・被弾

・損傷

・修理

・撃沈

・生還

・僚艦

・乗組員

・恐怖

・誇り

・喪失

 

など、

 

「艦そのものが経験した出来事」

 

である。

 

その記憶は、人間が過去を思い出す場合と同じように、すべてが常に鮮明であるとは限らない。

 

強く印象に残っている経験もあれば、断片的な感覚として残っているものもある。

 

また、記憶だけではなく、

 

「この状況は危険だ」

「この動きには覚えがある」

 

といった形で、経験由来の感覚や判断へ現れることもある。

 

 

・艦魂に記録された艦艇情報

 

艦魂が保持しているのは、人格的な記憶だけではない。

 

原艦の、

 

・船体構造

・機関

・兵装

・装甲

・航行特性

・損傷状態

・改修履歴

・実際の運用状態

 

など、

 

「その艦がどのような艦だったのか」

 

を構成する技術情報も含まれている。

 

そのため艦魂は、艦娘を建造する際の重要な情報源でもある。

 

設計図だけでは分からない、

 

実際にはどのような状態だったのか。

どのような改修を受けていたのか。

どの部分にどのような特性があったのか。

 

といった情報を補完することが出来る。

 

第二世代艦娘の建造研究でも、この艦魂由来情報が利用されている。

 

逆に、艦魂がまだ回収されていない艦については、同型艦の資料や史料から性能を推定することは出来ても、

 

その個艦そのものの情報精度

 

では劣る。

 

 

・艦魂と人格形成

 

艦魂に含まれる記憶や経験は、艦娘の人格形成にも影響する。

 

長い航海を経験した艦。

 

激しい戦闘を何度も経験した艦。

 

多数の僚艦を失った艦。

 

何度も危機から生還した艦。

 

それぞれが持つ経験は、艦娘になった後の感覚や価値観へ一定の影響を与える。

 

ただし、

 

艦魂=人格そのもの

 

ではない。

 

艦娘の人格は、

 

・艦魂由来の記憶

・現在の肉体

・元々の人格

・建造後の教育

・家族

・友人

・仲間

・戦闘経験

・日常生活

 

などが重なって形成される。

 

特に第一世代では、

 

「その艦であること」の中核となる艦魂

 

と、

 

「その少女であること」の中核となる素体少女

 

が同時に存在する。

 

そのため第一世代艦娘の人格を、どちらか一方だけで説明することは出来ない。

 

 

・艦魂と戦闘技量

 

艦魂には実艦時代の戦闘経験も含まれている。

 

そのため艦娘は、原艦が経験してきた戦闘や航海から、

 

・敵への対処

・危険察知

・射撃

・回避

・損傷時の判断

・艦隊行動

 

などに関する感覚を受け継ぐことがある。

 

しかし、

 

艦魂に優れた戦歴がある=艦娘になった瞬間から同じ戦闘技量を完全再現出来る

 

という意味ではない。

 

軍艦だった時代と、人間型の身体で戦う現在では戦闘方法そのものが異なる。

 

砲塔を旋回させることと、自分の身体を動かしながら艤装の主砲を撃つことは同じではない。

 

艦艇としての回避運動と、人型での近接機動も同じではない。

 

したがって艦魂が持つ経験は、

 

戦闘技量を形成する重要な土台

 

ではあるが、それだけで現在の戦闘能力が完成するわけではない。

 

 

・素体少女本人の技量・センス

 

第一世代艦娘では、素体となった少女本人の能力も戦闘力へ強く影響する。

 

艤装へ十分な予算を投入すれば、

 

・火力

・装甲

・機関

・センサー

 

といったハードウェア性能を高めることは出来る。

 

しかし、

 

その性能をどこまで引き出せるか

 

は別問題となる。

 

反応速度、空間認識、射撃感覚、身体操作、判断速度、戦闘センス、恐怖下での判断。

 

こうした部分には素体少女本人の個体差が存在する。

 

その代表例が“出雲”である。

 

“出雲”は神崎流を本格的に習得する以前から、他の第一世代艦娘より高い戦闘技量を示している。

 

これは単純に、

 

「装甲巡洋艦“出雲”の艦魂だから」

「ファーストロットだから」

 

だけで説明出来るものではない。

 

素体少女本人が元々持っていた資質

 

も、その強さを構成する重要な要素となっている。

 

 

・実艦記憶と現在人格の関係

 

艦娘は、

 

原艦の記憶を持つ、新しい一人の人物

 

である。

 

過去の艦としての記憶を持っていても、現在の人生はそこで終わらない。

 

建造された後に、

 

家族を得る。

友人を作る。

誰かを好きになる。

訓練する。

失敗する。

戦う。

傷付く。

新しい思い出を作る。

 

そうして現在の本人自身の記憶が増えていく。

 

したがって、

 

原艦の歴史=現在の艦娘の人格

 

とはならない。

 

第一世代の場合はさらに複雑で、

 

素体少女だった頃の記憶

実艦の艦魂が持つ記憶

艦娘となってからの記憶

 

という複数の記憶系統が、一人の中へ存在する。

 

記憶操作によって素体少女時代の記憶が弱められている場合でも、強烈な感情やトラウマが残ることがある。

 

つまり過去を忘れていても、

 

過去から受けた影響まで完全に消えるとは限らない。

 

 

・「知識」と「経験」の違い

 

艦娘技術では、知識そのものを与えることは比較的容易になっている。

 

特に第二世代では、

 

・軍事知識

・兵装の操作方法

・戦術

・基本戦闘動作

・各種マニュアル

 

などを建造時から持たせることが出来る。

 

しかし、

 

知っていること

と、

実際に出来ること

と、

経験して身に付いていること

 

は異なる。

 

たとえば、

 

「この姿勢で砲撃すればよい」

 

という知識を持っていても、

 

実際の反動を受けたことがない。

敵から撃たれた経験がない。

失敗して修正した経験がない。

 

のであれば、それだけで熟練者にはならない。

 

整理すると、

 

知識

≠

技能

≠

経験

 

である。

 

これは艦魂由来の記憶についても同様。

 

過去の戦闘経験を持っていても、

 

現在の身体と艤装で、その経験をどう再現するか

 

は実際に学ばなければならない。

 

そのため第一世代・第二世代を問わず、艦娘には建造後の訓練と実戦経験が必要となる。

 

 

・同一艦魂でも同一人物にはならない理由

 

第一世代艦娘では、退役した艦娘から艦魂を回収し、別の少女へ接続することで、

 

同じ艦名の艦娘を再建造する

 

ことが技術的には可能である。

 

しかし、それによって以前の艦娘本人が復活するわけではない。

 

たとえば、

 

一代目の艦娘“○○”

↓

艦魂を回収

↓

別の少女へ接続

↓

二代目の艦娘“○○”

 

とした場合、

 

両者が共有するのは、

 

同じ原艦に由来する艦魂

 

である。

 

一方、

 

・素体少女本人の人格

・身体的資質

・感覚

・才能

・人間時代の経験

・艦娘となってから積み重ねた記憶

・人間関係

・訓練

・実戦経験

 

は別物となる。

 

したがって、

 

同じ艦である

ことと、

同じ人物である

ことは一致しない。

 

戦闘能力についても同様で、

 

・同じ艦魂

・同じ設計の艤装

・同じ艦名

 

を与えたとしても、前任者と完全に同じ性能を発揮する保証はない。

 

高技量の第一世代艦娘が代替し難い理由は、

 

艦魂だけではなく、素体となった少女と、その後に積み重ねた人生まで含めて現在の本人が成立している

 

ためである。

 

 

 

・5. 第二世代艦娘開発

 

第一世代艦娘が抱えていた根本的な問題を解決するために開発された、新しい艦娘建造方式。

 

第一世代では、

 

既に存在する人間の少女

へ、

艦魂と艤装を後付けする

 

ことで艦娘を建造していた。

 

これに対し第二世代では、

 

艦魂に記録された情報そのものを基礎として、最初から艦娘としての人体を建造する。

 

つまり、

 

人間を艦娘へ改造する技術

から、

艦娘という人型生命そのものを造る技術

 

への転換である。

 

これによって、

 

・素体少女の確保

・素体との適性問題

・艤装接続時の拒絶反応

・第一世代特有の身体改造

・元の少女の人生を犠牲にする倫理問題

 

などを、建造方式そのものから解消することが目指された。

 

秋吉智明によって基本構想が作られ、神崎希空による物質縮小、生体形成、情報処理などの研究によって実用技術へ発展。

 

2010年前後に極初期の技術実証を終え、2011年から量産型建造が始まり、2012年頃には本格的な量産体制へ移行している。

 

 

・第二世代艦娘計画

 

第一世代艦娘の後継を開発する計画。

 

当初の目的には、

 

より新しい時代の高性能艦艇を艦娘化すること

 

も含まれていた。

 

第一世代では、ロット改良を重ねても対応出来る艦魂の複雑さに限界があり、第二次世界大戦期の戦艦・空母などを本格的に扱うには別方式が必要だった。

 

しかし、それ以上に重要だったのが、

 

人間の少女を素体として消費し続ける方式から脱却すること

 

だった。

 

第一世代を増やすということは、そのたびに一人の少女へ不可逆的な身体改造を施し、戦場へ送り出すことを意味する。

 

戦争が長期化すれば候補者そのものが不足する可能性もある。

 

そこで秋吉は、

 

最初から艦娘として生まれる存在を造る

 

という第二世代方式を構想した。

 

 

・JK-2-X計画

 

第二世代艦娘を実際に建造するために行われた、試作・実証計画。

 

名称は、

 

JK-2-X

 

を使用。

 

JKは日本艦娘を示す識別記号。

 

2は第二世代。

 

Xは試験・実験段階の個体および計画を示す。

 

それまで第二世代艦娘は、

 

「艦魂情報から人体そのものを造る」

 

という理論・構想が中心だった。

 

JK-2-X計画では、それらを一つずつ実物へ落とし込み、

 

・艦魂情報解析

・人体構造への変換

・人工的な身体形成

・艤装接続

・成育制御

・知識付与

 

などを実際に成立させることを目的とした。

 

後の量産型第二世代艦娘へ繋がる、建造技術そのものの実証計画である。

 

 

・第二世代艦娘の建造原理

 

第二世代艦娘では、

 

艦魂を人間へ接続する

 

のではなく、

 

艦魂を人体設計の情報源として利用する。

 

艦魂には、

 

・艦としての記憶

・構造

・性能

・自己認識

・戦歴

・運用経験

 

など、その艦が「何であったか」を構成する情報が記録されている。

 

第二世代方式では、この情報を解析し、人型生命として成立するよう再構成。

 

そこへ身体形成材料、人類側が用意した設計情報などを組み合わせ、

 

艦娘の身体そのものを人工的に建造する。

 

そのため第二世代には、第一世代のような、

 

「艦娘になる前の人間」

 

が存在しない。

 

 

・艦魂情報からの人体構築

 

艦魂には本来、人間の遺伝子そのものが記録されているわけではない。

 

そこで第二世代建造では、

 

艦魂に存在する、

 

その艦自身の存在情報

 

を、人間の身体として成立する形式へ翻訳する。

 

艦艇としての、

 

・大きさ

・機関

・出力

・装甲

・兵装

・構造

・艦種

・記憶

・自己認識

 

などをそのまま人体へ変換するのではなく、

 

「この艦が人間の姿を取った場合、どのような身体になるか」

 

という形へ再構成する。

 

その結果として形成された身体へ、艦艇由来の能力を組み込むことで第二世代艦娘が成立する。

 

 

・遺伝情報・身体構造・自己像の再構成

 

第二世代の人体建造では、艦魂の情報を、

 

・遺伝情報

・身体構造

・外見

・身体能力

・自己像

 

などへ変換する。

 

このため、第二世代艦娘の容姿は単なる研究者側の自由設計ではない。

 

艦魂側が持つ情報や自己認識も、身体形成へ影響する。

 

一方で、人間として成立させるためには艦魂情報だけでは不足するため、人類側の人体設計技術も組み合わせる。

 

つまり第二世代の身体は、

 

艦魂が持つ「その艦らしさ」

と、

人間側が構築した生体工学

 

の両方から成立している。

 

 

・人間の少女を素体としない建造方式

 

第二世代最大の特徴。

 

第一世代とは異なり、

 

既存の人間を艦娘へ改造しない。

 

必要なのは、

 

・艦魂

・身体形成材料

・建造装置

・人体設計情報

・艤装設計

・その他各種建造データ

 

である。

 

そのため、

 

「適性の高い少女を探す」

「その少女の身体を改造する」

「艦魂へ適合出来るか試す」

 

という第一世代特有の工程が不要となる。

 

技術的な意味だけではなく、

 

誰か一人の人生を兵器建造のために差し出す必要がない

 

という点が、第二世代方式の重要な意義となっている。

 

 

・建造装置「釜」

 

第二世代艦娘建造に使用される密閉型建造装置。

 

通称、

 

「釜」

 

と呼ばれる。

 

艦魂から抽出・解析した情報と、

 

・身体形成材料

・人類側人体設計

・成育設定

・知識情報

・艤装接続設計

 

などを入力し、内部で艦娘の身体そのものを形成する。

 

外見が横倒しになった巨大な釜のように見えることから、この通称が定着した。

 

第一世代用の改造・接続設備とは根本的に異なり、

 

人体そのものを一から形成するための建造設備

 

である。

 

運用には秋吉や希空だけではなく、多数の妖精研究員・技術員も関与する。

 

 

・第二世代方式の極初期実証

 

量産型第二世代艦娘が完成する以前にも、第二世代方式そのものを用いた技術実証が行われている。

 

代表例が、

 

神崎穂乃果

神崎凛

 

の二人。

 

二人は「釜」を使用し、艦魂情報から身体そのものを形成する方式で建造された。

 

したがって、

 

建造方式だけを見れば第二世代

 

に属する。

 

ただし、この時点では後の量産型第二世代ほど性能面で第一世代との差が大きくない。

 

このため、

 

秋吉から見れば第二世代。

 

希空から見れば、まだ第一世代の性能範囲。

 

という分類差が生じている。

 

この二人によって、

 

人間の少女を素体とせず、艦魂情報から艦娘の身体を造る

 

という基本原理そのものは実証された。

 

 

・第二世代艦娘

 

本格的な量産型として成立した第二世代艦娘。

 

第一世代のような、

 

「人間が艦娘になった存在」

 

ではなく、

 

「最初から艦娘として生まれた人型生命」

 

に近い。

 

量産型第二世代の初期個体として“阿武隈”が建造され、その後、

 

“川内”

“神通”

“那珂”

 

などが続いた。

 

さらに戦艦・空母・巡洋艦など、より大型で複雑な艦艇を基礎とする個体も順次建造されている。

 

2016年時点では既に多数の第二世代艦娘が存在するが、建造された全員が即座に実戦投入されているわけではない。

 

身体の成長、教育、艤装受領、慣熟訓練などが別途必要となる。

 

 

・秋吉基準と希空基準による「第二世代」の違い

 

「第一世代」「第二世代」という名称を定義した秋吉智明と、神崎希空では、世代を区別する基準が異なる。

 

秋吉の基準は、

 

建造方式。

 

人間の少女を素体とし、後から艦魂と艤装を接続する。

 

→第一世代。

 

艦魂情報から身体そのものを建造する。

 

→第二世代。

 

これに対し希空は、

 

性能面で第一世代を明確に超えているか

 

を強く重視する。

 

そのため希空にとっては、

 

「新方式で建造されただけ」

 

では十分ではない。

 

第一世代とは明確に異なる性能へ到達して、初めて「第二世代」と呼ぶに値する。

 

このため、

 

建造方式上の第二世代

と

希空が性能上認める第二世代

 

は、必ずしも完全には一致しない。

 

 

・第二世代艦娘と艦魂

 

第二世代艦娘にとっても、艦魂は建造の根幹となる。

 

ただし第一世代とは使い方が異なる。

 

第一世代では、

 

既に存在する少女へ艦魂を接続する。

 

第二世代では、

 

艦魂そのものを身体建造の基礎情報として使用する。

 

そのため第二世代では、

 

・身体

・人格形成の基礎

・艦艇としての能力

・艤装との接続

 

が、最初から同じ個体を構成するものとして設計されている。

 

第一世代に存在した、

 

「人間側」と「艦側」を後から無理に接続する

 

という構造そのものが存在しない。

 

 

・艦魂と建造時の性別

 

艦魂を用いて第二世代の人体を建造した場合、

 

基本的には女性の身体として成立する。

 

これは単純に研究者側が、

 

「艦娘だから女の子にする」

 

と設定しているだけではない。

 

艦魂そのものが持つ性質が、人体形成時の自己像や身体情報へ影響しているためである。

 

つまり、

 

「艦魂から人型身体を造ると、女性へ強く偏る」

 

という現象が存在する。

 

この性質も、第二世代艦娘が基本的に少女として誕生する理由の一つとなっている。

 

 

・艦魂ごとの建造適期

 

第二世代艦娘は、技術的に建造可能になったからといって、全個体を好きな日に建造するわけではない。

 

艦魂には、

 

建造に適した時期

 

が存在するとされる。

 

特に原艦の進水日との関係が強く、

 

第二世代艦娘では原則として、

 

原艦の進水日=本人の誕生日

 

として扱われる。

 

建造計画も、それぞれの艦魂の状態や原艦の進水日を考慮しながら組まれる。

 

このため、研究所側の予定だけで単純に建造順を固定することは出来ない。

 

 

・建造順・型式番号・進水日の関係

 

第二世代艦娘では、

 

型式番号上の順番

原艦の姉妹艦順

実際に建造された順番

 

が一致しない場合がある。

 

型式番号は計画時点で決められていても、実際の建造は、

 

・艦魂の状態

・建造適期

・進水日

・研究所側の準備

・艤装開発状況

 

などによって前後する。

 

代表例が“那珂”。

 

川内型三番艦に当たるが、実際の建造時期は姉妹より先行している。

 

したがって、

 

番号が若い=必ず先に生まれた

 

とは限らない。

 

 

・第二世代艦娘の量産化

 

第二世代方式は、技術実証に成功しただけでは実戦戦力にならない。

 

多数の艦娘を継続的に建造出来る、

 

量産技術

 

が必要となる。

 

2011年には、量産型第二世代艦娘の初期個体として“阿武隈”が建造された。

 

しかし、この時点ではまだ完全な量産体制ではない。

 

“阿武隈”建造後も、

 

・建造工程

・人体設計

・艤装接続

・資材

・設備

・建造コスト

 

などの見直しが続けられた。

 

その成果を反映し、

 

2012年頃から本格的な量産体制へ移行。

 

以降、多数の第二世代艦娘が順次建造されている。

 

 

・第二世代艦娘のコストダウン・量産仕様

 

第二世代方式は、第一世代の問題を解決出来る一方、初期には極めて高度かつ高コストな技術だった。

 

そのままでは、

 

一人造れるが、大量には造れない

 

という状態になる。

 

そこで初期個体の建造データを基に、

 

・身体設計の標準化

・使用資材の整理

・建造工程の簡略化

・装置運用の効率化

・共通部品・共通技術の増加

・艤装接続規格の整理

・建造コスト削減

 

などが進められた。

 

2011年の初期量産個体建造から約一年を掛けて量産仕様が固められ、

 

2012年には本格量産可能な技術体系へ移行している。

 

ただし、量産化とは、

 

「短時間で完成した戦闘員を無制限に生産出来る」

 

という意味ではない。

 

艦魂そのものが必要であり、個々の艦に合わせた建造設計も必要。

 

さらに建造後には成長・教育・艤装開発・訓練が待っている。

 

第二世代方式によって、

 

艦娘を建造すること

 

は大きく合理化された。

 

しかし、

 

艦娘を一人前の戦力へ育てること

 

まで自動化されたわけではない。

 

 

 

・6. 第二世代の成長・教育

 

第二世代艦娘は、建造された瞬間から完成した兵士になるわけではない。

 

第一世代とは異なり、最初から艦娘としての身体を建造出来る。

 

基礎知識や軍事知識をあらかじめ与えることも出来る。

 

しかし、

 

身体の成長

実際の身体操作

艤装への慣熟

戦闘経験

 

まで建造時に完成させることは出来ない。

 

そのため第二世代艦娘には、

 

建造

↓

成長・教育

↓

艤装受領

↓

慣熟訓練

↓

部隊配属

↓

実戦投入

 

という育成過程が存在する。

 

技術的には第一世代より高い性能へ到達出来ても、

 

「高性能であること」と「今すぐその性能を使えること」は別

 

というのが第二世代艦娘の大きな特徴である。

 

 

・成育促進技術

 

第二世代艦娘は、幼い身体で建造される。

 

通常の人間と同じ速度で成長させた場合、実戦投入可能な年齢になるまで何年も待たなければならない。

 

深海棲艦戦争が続いている状況では、その時間的余裕はない。

 

そこで第二世代では、

 

身体の成長速度を一時的に高める成育促進技術

 

が使用される。

 

単純に身体だけを急激に巨大化させるものではなく、

 

・骨格

・筋肉

・神経

・内臓

・艦娘特有の身体構造

 

などを並行して成長させる。

 

ただし、

 

成長速度を上げることと、経験を積むことは別。

 

肉体を早く成長させることは出来ても、その期間に本来得るはずだった経験や訓練まで自動的に獲得出来るわけではない。

 

 

・建造時肉体年齢

 

第二世代艦娘は、必ずしも乳児として建造されるわけではない。

 

建造技術の進歩に伴い、

 

最初からある程度成長した肉体

 

を形成出来るようになっている。

 

建造時の身体年齢は個体によって異なり、

 

・建造時期

・艦種

・艦魂

・身体設計

・使用可能な技術

 

などによって決定される。

 

そのため、

 

実際に建造されてから経過した年数

と

見た目・肉体上の年齢

 

は一致しない。

 

2015年には、零より後に建造された“瑞鶴”が、肉体年齢上では零と同い年となる例も確認されている。

 

第二世代における「年齢」は、

 

単純な製造年月だけでは説明出来ない。

 

 

・身体成長と艤装性能

 

第二世代艦娘の身体そのものは、

 

艦艇で言えば船体

 

に相当する。

 

そのため、幼い身体では艤装本来の能力を十分に支えられないことがある。

 

艤装そのものも現在の身体に合わせた大きさへ調整されるが、

 

兵器として発揮する性能まで幼児向けになるわけではない。

 

特に問題となるのが、大口径砲などの大きな物理的負荷。

 

2016年初頭の“長門”は、41cm砲そのものを発射することには成功している。

 

しかし、砲撃時の反動を現在の身体では十分に処理出来ず、発砲後に身体ごと後方へ倒れている。

 

これは主砲の性能不足でも、艤装の故障でもない。

 

単純に、

 

現在の“長門”という船体が、まだ41cm砲を完全に扱える段階まで成長していない

 

ためである。

 

成長に伴って、

 

・身体質量

・筋力

・姿勢保持能力

・艤装制御能力

・瞬間的な負荷への耐性

 

なども向上し、艤装本来の性能を発揮出来るようになる。

 

 

・知識インストール

 

第二世代艦娘では、建造時あるいは成長過程で、

 

各種知識を直接与えることが出来る。

 

これは第二世代建造技術と、記憶・情報を人体へ安全に統合する研究の応用。

 

対象となる情報には、

 

・一般常識

・言語

・数学

・物理

・軍事知識

・兵装知識

・基本的な戦闘理論

 

などが含まれる。

 

この技術によって、

 

乳幼児状態から建造された第二世代艦娘へ、一から通常の学校教育すべてを行わなければならない問題を大きく軽減出来る。

 

ただし、

 

情報を知っていること

と

その情報を実際に使いこなせること

 

は別。

 

知識インストールは教育期間を短縮する手段ではあるが、実地訓練そのものを不要にはしない。

 

 

・軍事知識・戦闘知識の事前付与

 

第二世代艦娘には、艦娘として活動するために必要な軍事知識も事前に与えられる。

 

例えば、

 

・階級や命令系統

・艦隊行動

・敵味方識別

・航法

・射撃理論

・兵装操作

・基本戦術

・深海棲艦に関する知識

 

など。

 

そのため第二世代艦娘は、

 

「主砲とは何か」

「敵をどう狙えばよいか」

「艦隊行動とは何か」

 

というところから教育する必要はない。

 

建造段階から、

 

兵士になるための基礎知識

 

を持った状態に出来る。

 

しかし、

 

実際に敵から撃たれた時どう判断するか。

 

自分の身体へどれほどの負荷が掛かるか。

 

仲間が負傷した時にどう動くか。

 

といった実戦上の判断は、知識だけでは身に付かない。

 

 

・艦魂記憶による精神成熟補助

 

第二世代では、艦魂に刻まれた過去の記憶も教育へ利用出来る。

 

ただし、

 

実艦時代の全記憶を、そのまま一人の少女へ流し込む

 

わけではない。

 

それを行えば、現在の人格形成そのものを壊しかねない。

 

そこで艦魂から、

 

・知識

・感覚の断片

・艦艇としての自己認識

・兵器運用に必要な基礎情報

 

などを抽出し、

 

教育用情報として加工して使用する。

 

これによって、身体の成長よりも先に精神面・知識面をある程度成熟させることが出来る。

 

しかし、艦魂の記憶があるからといって、

 

原艦の乗組員や原艦そのものと完全に同じ人格になるわけではない。

 

あくまで、

 

現在の艦娘本人を育てるための補助情報

 

として利用される。

 

 

・神崎流戦闘データの利用

 

第二世代艦娘の戦闘教育には、

 

神崎流

 

の戦闘データも利用されている。

 

主な基礎データとなったのは、

 

東堂士

神崎加奈

 

らの戦闘動作。

 

神崎流は、元々人間同士の武術だけを想定したものではなく、銃火器や各種兵器を含めた実戦的な戦闘体系へ発展している。

 

このため、

 

・姿勢

・重心移動

・回避

・近接戦闘

・射撃時の身体操作

・武器の切り替え

 

などを抽出し、第二世代艦娘の基礎戦闘データへ組み込むことが出来る。

 

これによって第二世代艦娘は、建造直後から一定水準の「正しい動き方」を知ることが出来る。

 

ただし、

 

神崎流の達人が持つ技量そのものをコピー出来るわけではない。

 

 

・基礎動作データと実際の技量の違い

 

戦闘動作をデータとして持っていることと、それを実戦で使いこなせることは異なる。

 

例えば、

 

回避方法を知っている。

 

正しい射撃姿勢を知っている。

 

近接戦闘の動きを知っている。

 

それでも、

 

初めて実際に身体を動かした者

と

何千回も反復した者

 

では、動作の精度が違う。

 

さらに実戦では、

 

・恐怖

・疲労

・負傷

・予想外の攻撃

・味方との連携

・地形

・判断時間

 

などが加わる。

 

こうした状況へ対応する能力は、単純な情報インストールでは得られない。

 

したがって、

 

知識

→何をすべきか分かる。

 

技能

→身体で実行出来る。

 

経験

→状況に応じて正しく使える。

 

という三段階は別物として扱われる。

 

 

・建造後の教育・訓練

 

第二世代艦娘は、建造後に本格的な教育と訓練を受ける。

 

研究所内では、

 

・身体操作

・基礎戦闘

・艤装操作

・射撃

・航行

・状況判断

 

などを習得する。

 

一定水準へ達した個体は、より実戦的な訓練環境へ移される。

 

2016年時点では横須賀も、第二世代艦娘の主要な訓練拠点となっている。

 

研究所だけでは建造数の増加へ対応しきれないことに加え、

 

実際の海を使った訓練が行いやすい

 

ためである。

 

さらに横須賀には、第一世代艦娘の実戦経験者がいる。

 

そのため第二世代艦娘は、

 

第一世代から直接、実戦経験を教わる

 

機会を持つ。

 

特に空母艦娘については、“鳳翔”が教官として重要な役割を担っている。

 

 

・未艤装状態

 

第二世代艦娘は、建造された時点で必ず正式な実戦用艤装を持っているわけではない。

 

艦娘本人の建造と、専用艤装の完成時期が一致しない場合もある。

 

また身体が幼すぎる段階では、正式艤装を与えても十分に使用出来ない。

 

そのため、

 

艦娘としては既に建造されているが、正式な戦闘艤装はまだ持っていない

 

個体が存在する。

 

この段階では、

 

艦娘であることは間違いない。

 

しかし、

 

実戦戦力ではない。

 

通常の少女より高い身体能力などを持っていたとしても、正式な戦闘員として扱うことは出来ない。

 

2016年時点でも、こうした未成熟・未艤装の第二世代艦娘が多数存在している。

 

 

・艤装受領・慣熟・実戦配備までの流れ

 

第二世代艦娘の基本的な戦力化過程は、

 

建造

↓

基礎教育

↓

身体成長

↓

艤装受領

↓

艤装慣熟

↓

部隊訓練

↓

実戦配備

 

となる。

 

艤装を受領しただけでは、まだ完成ではない。

 

艦娘本人が、

 

・艤装の重量感

・推進特性

・主砲反動

・兵装切り替え

・センサー

・妖精との連携

・他艦娘との連携

 

などを身体で覚える必要がある。

 

空母艦娘の場合には、さらに、

 

・艦載機発艦

・編隊管理

・航空管制

・帰投機管理

・搭乗員妖精との連携

 

などが必要。

 

したがって正式艤装の完成と、実戦投入可能時期にも時間差が生じる。

 

 

・第二世代は「完成戦士」として生まれるわけではない

 

第二世代艦娘は、第一世代より遥かに自由度の高い建造方式を持つ。

 

身体そのものを設計出来る。

 

知識を与えられる。

 

高性能な艤装も用意出来る。

 

将来的な性能は第一世代を大きく上回り得る。

 

しかし、それでも、

 

完成した兵士を製造ラインから直接取り出すことは出来ない。

 

身体には成長が必要。

 

技量には訓練が必要。

 

判断力には経験が必要。

 

艤装には慣熟が必要。

 

“長門”が41cm砲を撃てても反動に耐えられなかったように、

 

出来ることを知っていても、現在の身体が出来ない

 

場合もある。

 

“赤城”達空母艦娘のように、一機一機を扱うことは出来ても、

 

・複数の航空隊

・発艦

・帰投

・編隊

・索敵

・戦況把握

 

を同時に処理しようとすれば、まだ能力が追いつかない場合もある。

 

2016年時点の第二世代艦娘は、

 

未来の主力戦力

 

ではある。

 

しかし多くはまだ、その未来へ到達する途中にいる。

 

第二世代の優位性とは、

 

最初から強いこと

 

ではなく、

 

成長した先に、第一世代では到達出来なかった性能へ到達出来ること

 

にある。

 

 

 

・7. 特殊技術実験艦“ゼロ”

 

特殊技術実験艦“ゼロ”───神崎零。

 

第二世代艦娘開発の過程で建造された、特殊技術実験個体。

 

型式番号、

 

JK-2-X-00。

 

2010年7月4日建造。

 

通常の第二世代艦娘とは異なり、対応する過去の軍艦も艦魂も持たない。

 

神崎海斗・神崎美香由来の遺伝情報を基礎として、人間の受精卵段階から一個体を人工的に建造。

 

その身体へ、

 

・第二世代人体建造技術

・希式物質縮小技術

・成育促進技術

・高出力機関

・生命維持技術

・戦闘用身体構造

・各種制御技術

 

など、当時の艦娘技術研究所が持つ先端技術を極端な水準で統合している。

 

目的は量産性ではない。

 

・整備性

・コスト

・既存軍事体系との互換性

 

そうした実用兵器として重要な制約を一度横へ置き、

 

「第二世代艦娘技術を使えば、一個体をどこまで高性能化出来るのか」

 

その上限を実証するための存在だった。

 

そのため零自身は、量産型第二世代艦娘そのものではない。

 

零で実証した技術と取得したデータを整理・標準化し、後続の第二世代艦娘へ還元することが、計画上の重要な役割となっている。

 

 

・JK-2-X-00

 

零へ与えられた型式番号。

 

JK-2-X-00

 

と表記する。

 

JKは日本艦娘系統を示す識別記号。

 

2は第二世代系技術。

 

Xは制式量産個体ではない試験・実験段階を示す。

 

00は、その中でも通常艦娘の建造系列から外れた特殊実験個体としての番号となる。

 

量産型第二世代では、後に、

 

JK-2-01

 

のようにXを外した制式番号が使用される。

 

したがってJK-2-X-00という番号そのものが、

 

「第二世代技術を使用しているが、量産型第二世代艦娘ではない」

 

という零の特殊な位置付けを表している。

 

 

・第二世代技術統合試作個体としての位置付け

 

零はしばしば、

 

第二世代艦娘のプロトタイプ

 

と説明される。

 

ただし、これは単純に、

 

「零を少し簡略化して量産型第二世代艦娘を造った」

 

という意味ではない。

 

人間の少女を素体とせず、身体そのものを建造するという基本方式については、穂乃果・凛の段階ですでに実証されている。

 

零が担ったのは、その先。

 

・量産性

・コスト

・整備性

・規格化

 

そうした制約をほぼ無視し、

 

第二世代という技術体系そのものの性能上限を探ること

 

だった。

 

そのため技術史上は、

 

穂乃果・凛

↓

零

↓

量産型第二世代艦娘

 

という流れになる。

 

穂乃果・凛が、

 

「この方式で艦娘を造れる」

 

ことを証明し、

 

零が、

 

「この方式を極限まで使えば、ここまで出来る」

 

ことを証明する。

 

そして量産型第二世代では、その成果から実用可能な技術を選び出し、多数建造出来る形へ落とし込んでいく。

 

 

・艦魂を使用しない建造方式

 

零と通常の第二世代艦娘を分ける最大の特徴。

 

零の建造には、

 

艦魂が使用されていない。

 

通常の第二世代艦娘では、艦魂に記録された存在情報を人体へ翻訳し、身体形成の基礎とする。

 

しかし零には、

 

対応する原艦そのものが存在しない。

 

そのため、

 

「艦魂に記録された艦を、人間の姿へする」

 

という工程を使用出来ない。

 

代わりに、

 

人間の遺伝情報を出発点として、最初から零という一個体のための身体を設計する

 

方式が採用された。

 

・身体

・機関

・各種特殊機能

・将来的に使用する装備

 

そのすべてが、

 

過去の艦艇を再現するためではなく、最初から“零”という存在のために設計されている。

 

このため零は、狭義には、

 

「過去の軍艦の魂を人型化した存在」

 

という通常の艦娘の定義からも外れる特殊個体となっている。

 

 

・乳児状態からの建造

 

零は、ある程度成長した身体で建造されたわけではない。

 

神崎海斗・神崎美香由来の遺伝情報を持つ受精卵を基礎として、「釜」の内部で身体形成を開始。

 

・細胞分裂

・分化

・臓器形成

・神経形成

・特殊機能の組み込み

・内部機関の形成

 

それらを並行して行い、

 

新生児に近い乳児状態

 

で建造された。

 

つまり零の場合、

 

「完成した少年を製造した」

 

のではない。

 

本当に、

 

一人の赤ん坊として生まれ、そこから成長している。

 

通常の人間と異なるのは、その身体が生まれた時点から特殊技術実験個体として設計されていること。

 

また、後続第二世代へ応用予定だった成育促進技術の本格的な実証対象にもなっており、通常の乳児より早い速度で身体が成長している。

 

 

・第二世代艦娘技術へのフィードバック

 

零の役割は、

 

「強い特殊個体を一人造って終わり」

 

ではない。

 

建造後に得られるあらゆるデータが、後続第二世代艦娘の開発資料となる。

 

対象には、

 

・身体形成

・成育促進

・身体能力

・神経系

・情報処理

・戦闘技能

・兵装適応

・高出力機関制御

・エネルギー配分

・各種装備との連携

・模擬戦

 

などが含まれる。

 

必要に応じて実戦運用から得られた情報も研究へ戻される。

 

ただし、零の性能をそのまま量産型へコピーするわけではない。

 

零は、

 

コスト・整備性・量産性をほとんど無視した特殊個体

 

だからである。

 

そこで零から得た成果を、

 

・不要部分を削る

・出力を現実的な水準へ落とす

・構造を単純化する

・共通規格へ変更する

・量産可能な素材へ変更する

・安全性を高める

 

などして標準化。

 

それを量産型第二世代艦娘へ反映する。

 

零が、

 

「技術的に出来ることの上限」

 

を探る個体なら、

 

量産型第二世代艦娘は、

 

「その技術を現実の軍隊で多数運用出来る形にしたもの」

 

と言える。

 

 

・バイタルパート

 

零の身体中枢に存在する特殊構造。

 

名称通り、

 

零にとっての最重要区画───心臓部

 

に相当する。

 

零の中核機関であるタキオンドライヴそのものも、バイタルパートを構成する一部。

 

単なる発電装置ではなく、

 

生命維持中枢

と

高出力機関

 

が一体化した構造となっている。

 

そのため零にとってタキオンドライヴは、

 

「身体の中に入っているエンジン」

 

というだけではない。

 

機関であると同時に、本当の意味で心臓でもある。

 

生み出されたエネルギーは、

 

・身体維持

・身体強化

・防御

・移動

・攻撃

・各種特殊機能

 

などへ分配される。

 

零自身がその出力を自在に制御するには訓練が必要であり、幼少期には、

 

「自分の意思だけで心臓の鼓動を強め、その力を必要な場所へ流す」

 

ような感覚を一から身に付けなければならなかった。

 

なお、バイタルパート内部にはタキオンドライヴ以外にも複数の特殊機構が存在する。

 

しかし2016年時点でも、その詳細には神崎希空が意図的に秘匿している部分が多い。

 

建造当時には秋吉智明にさえ全貌を知らせていないブラックボックスが存在しており、

 

バイタルパートが実際にどこまでの機能を持つのか

 

については、現時点では不明な部分が残されている。

 

 

 

・8. 艦娘の修復技術

 

艦娘は人間に近い姿を持つ一方、その身体には艦魂、人工組織、艤装接続系など通常の人間には存在しない要素が組み込まれている。

 

そのため、負傷時の治療も一般的な医療だけでは対応出来ない。

 

艦娘技術の発展と共に修復方式も進歩しており、大きく分けると、

 

外科手術式

↓

新陳代謝式

↓

記憶再現式

 

という三段階の発展を辿っている。

 

外科手術式は対応範囲が広い代わりに高価。

 

新陳代謝式は安価かつ高速だが、大規模欠損へ対応出来ない。

 

そして記憶再現式は、

 

「失われた部分を修理する」のではなく、「本人の存在情報から失われた部分を再構築する」

 

という、それまでとは根本的に異なる方式となっている。

 

・艦娘修復技術の基本

 

艦娘の修復では、

 

肉体

と

艤装

 

の双方を扱う必要がある。

 

艦娘の場合、この二つは完全に独立しているわけではない。

 

・神経接続

・艤装接続部

・兵装制御

・艦魂との同調

 

などによって、一つの戦闘システムとして結び付いている。

 

そのため単純に、

 

「怪我を治す」

「壊れた機械を交換する」

 

だけでは修復が完了しない。

 

修復後には、

 

・身体機能

・艤装

・神経接続

・艦魂との同調

・兵装制御

 

などが正常に一体化している必要がある。

 

 

・外科手術式

 

艦娘実用化以前に開発された艦娘修復方式。

 

名前通り、

 

人体の外科手術に近い方法で艦娘を修復する。

 

・損傷箇所を切開

・破損した人工組織や接続部を除去

・必要な代替組織や部品を製造

・それらを接合

 

そうして、神経や艤装接続系を再構築する。

 

大きな特徴は、

 

対応出来る損傷範囲が非常に広いこと。

 

身体の大規模欠損に対しても、必要な組織を人工的に製造し、一つずつ接続していけば理論上は修復出来る。

 

その反面、

 

・専用設備

・高度な医療資材

・人工組織

・大量の作業時間

・多数の妖精技術員

・莫大な費用

 

を必要とする。

 

艦娘が数人しか存在しなかった時代ならともかく、数十人、数百人規模を維持する方式としては効率が悪かった。

 

 

・新陳代謝式

 

外科手術式の後に実用化された修復方式。

 

艦娘実用化〜2010年代前半における艦娘の日常的な修理では、こちらが主流となっている。

 

専用の修理液へ艦娘を入渠させ、

 

本人自身の生体機能と人工組織の再生能力を利用して損傷を修復する。

 

外科手術式のように、

 

・損傷箇所を開く

・人工組織を一つずつ作る

・接合する

 

という大掛かりな作業を必要としない。

 

そのため非常に安価で、修復速度も速い。

 

軽度から中程度の損傷であれば、数時間程度の入渠でかなりの範囲まで回復出来る。

 

 

・修理用特殊液体

 

新陳代謝式修復に用いられる液体。

 

見た目だけなら、

 

艦娘が風呂へ入っている

 

ようにも見える。

 

しかし中身は普通の湯ではない。

 

艦娘の、

 

・損傷組織

・人工組織

・艤装接続部

・各種生体機能

 

の再生を促進するための専用修理液である。

 

入渠した艦娘の状態を確認しながら、必要な物質を供給し、本人の新陳代謝・再生能力を強く補助する。

 

これによって、

 

・裂傷

・骨折

・火傷

・内部損傷

・比較的小規模な組織欠損

 

などを短時間で修復することが出来る。

 

 

・艦娘用修理ドック

 

新陳代謝式修復を行うための専用設備。

 

艦娘サイズに合わせて作られた、

 

大型浴槽状の修理設備

 

となっている。

 

内部へ特殊修理液を満たし、損傷した艦娘を入渠させる。

 

単なる容器ではなく、

 

・生命状態監視

・修理液管理

・温度管理

・必要物質供給

・艤装状態確認

 

などを行う修復システム。

 

艦娘技術研究所や主要基地だけでなく、艦娘母艦にも簡易型の修理設備が搭載されている。

 

これによって、戦闘後の艦娘を前線近くで応急的に回復させることが出来る。

 

 

・欠損部位と新陳代謝式の限界

 

新陳代謝式は非常に便利だが、

 

存在しなくなったものをゼロから作り直す能力はない。

 

例えば、

 

・腕を完全に失う

・脚を完全に失う

・身体の大部分そのものが消失する

 

といった状態では、その部位を単純な入渠だけで生やし直すことは出来ない。

 

あくまで、

 

残っている身体を材料として治す

 

方式だからである。

 

したがって、

 

軽傷・中破級

→新陳代謝式。

 

大規模欠損

→外科手術式など、より大掛かりな修復。

 

という使い分けが必要になる。

 

新陳代謝式は、

 

対応範囲を狭める代わりに、圧倒的な低コスト・高速化を実現した修復方式

 

と言える。

 

 

・記憶再現式

 

神崎希空が研究を進めた、次世代型艦娘修復技術。

 

外科手術式と新陳代謝式の問題を同時に解決するために考案された。

 

基本思想は、

 

「本人が本来どのような状態だったのか」という情報から、失われた身体そのものを再構築する

 

というもの。

 

・艦魂

・身体情報

・本人の記憶

・自己像

・艤装情報

 

などを読み取り、

 

腕を失ったなら、

腕が存在していた情報から腕を再構築する。

 

脚を失ったなら、

脚が存在していた情報から脚を再構築する。

 

必要であれば、

 

・神経

・艤装

・艤装接続系

 

なども同様に復元する。

 

単なる傷の治療ではない。

 

「失われる前の本人」を情報から読み出し、物質として再生成する技術

 

である。

 

 

・艦魂情報からの身体再構築

 

記憶再現式の中核となる考え方。

 

艦魂には、

 

その艦娘自身が、

 

「自分は本来こういう存在である」

 

と認識するための情報が残されている。

 

第二世代艦娘の建造では既に、

 

艦魂情報

↓

身体構造

↓

人体形成

 

という工程が実用化されている。

 

記憶再現式は、その技術を修復へ応用する。

 

身体の大部分を失った場合でも、

 

艦魂を保持している中核部分が無事なら、そこから本来の身体情報を読み出して再構築する

 

ことを目標としている。

 

理論上の目標値は、

 

身体99%喪失状態からの再構築。

 

ただし、これは単純な高速再生とは異なる。

 

形を持たない、

 

・記憶

・自己像

・存在情報

 

を正確に読み出し、物質として復元する必要があるため、極めて高度な情報処理技術を必要とする。

 

 

・前線での応急修理

 

艦娘は、戦闘で損傷するたびに本土の研究所まで戻れるとは限らない。

 

そのため艦娘母艦などでは、

 

戦闘継続または安全な撤退を可能にするための応急修理

 

も行われる。

 

主に妖精の整備・医療要員が、

 

・止血

・損傷箇所の固定

・艤装の応急処置

・接続部の保護

・最低限の機能回復

 

などを行う。

 

目的は完全修復ではない。

 

「沈ませないこと」

「これ以上悪化させないこと」

「本格修理まで持たせること」

 

が優先される。

 

 

・大規模改装

 

艦娘は、単なる修理だけではなく、

 

艦娘本人の性能そのものを大幅に変更する改装

 

を受けることも出来る。

 

例えば、

 

・機関

・兵装

・装甲

・電子装備

・艤装構造

・接続系

 

などを大規模に作り直す。

 

通常修理が、

 

壊れたものを元へ戻す

 

作業なのに対し、大規模改装は、

 

今までとは違う状態へ作り変える

 

作業となる。

 

第一世代艦娘でも技術的には可能だが、個体ごとの専用設計が必要になる場合が多く、極めて高価。

 

特に高性能な個体へ合わせた改装は、

 

一人専用の新造艤装を作る

 

のに近い規模となることもある。

 

 

・艤装換装

 

艦娘の艤装は、建造時のものを永久に使い続ける必要はない。

 

・損傷

・技術進歩

・戦術変更

・本人の成長

 

などに合わせ、交換・改修することが出来る。

 

ただし、艤装は単なる外付け装備ではなく、

 

・神経系

・艦魂

・身体感覚

 

と密接に接続されている。

 

そのため、

 

新しい艤装を取り付ければ即座に完全性能を発揮出来る

 

わけではない。

 

特に大規模な換装では、艦娘本人側にも再調整が必要になる。

 

 

・改装後の慣熟

 

大規模改装や艤装換装を行った艦娘には、

 

新しい身体感覚へ慣れるための訓練

 

が必要となる。

 

・主砲の位置

・艤装重量

・推進特性

・機関出力

・兵装切り替え

・射撃時の反動

・センサー

 

そうしたものが変化すれば、それまで身に付けてきた身体感覚とのずれが生じる。

 

したがって改装後には、

 

・調整

・試験

・射撃訓練

・航行訓練

・模擬戦

 

などを経て、初めて実戦復帰する。

 

艤装性能が向上しても、

 

艦娘本人が扱えなければ戦闘能力は完成しない。

 

 

・コアユニット回収

 

第一世代艦娘では、艦魂が実質的なコアユニットとなっている。

 

そのため現個体を維持出来なくなった場合でも、

 

艦魂そのものを回収出来れば、その艦名を完全に失ったことにはならない。

 

艦魂を回収し、

 

・別の素体少女

・新しい艤装

・新しい接続系

 

を用意することで、その艦名を持つ艦娘を再び建造出来る。

 

これは、

 

現在の艦娘本人を修復すること

 

とは別の選択肢である。

 

 

・同名艦娘の再建造

 

第一世代艦娘では、

 

現個体から艦魂を回収

↓

新しい素体少女を選定

↓

同じ艦魂を接続

↓

新しい艤装を用意

 

することで、

 

同じ艦名を持つ艦娘

 

を再建造することが出来る。

 

軍事的に見れば、失われた戦力を補充する手段の一つ。

 

特に平均的な第一世代艦娘の場合、

 

同じ艦魂を用い、

十分な適性を持つ少女を選び、

必要な訓練を施せば、

 

元と近い艦種・性能帯の戦力へ戻すことは可能である。

 

ただし、

 

前の艦娘本人が生き返るわけではない。

 

 

・「同じ艦」と「同じ人物」の違い

 

同じ艦魂を使えば、

 

同じ原艦に由来する艦娘

 

を再建造出来る。

 

しかし、

 

同じ艦魂

=

同じ人間

 

ではない。

 

第一世代艦娘の人格や能力は、

 

・艦魂

・素体少女本人

・身体能力

・感覚

・才能

・訓練

・実戦経験

・艤装

・人間関係

・艦娘となってからの人生

 

が組み合わさって成立している。

 

したがって素体少女が変われば、

 

性格も技量も感覚も戦い方も変化し得る。

 

同じ艦名、同じ艦魂、同じ艦種。

 

それでも、

 

そこにいる一人の少女まで同じではない。

 

このため、特に長い実戦経験を積んだ艦娘や、本人固有の極端に高い才能を持つ艦娘については、

 

「艦魂を回収して再建造すれば戦力的にも元通り」

 

とはならない。

 

 

 

・9. 艤装技術

 

艤装とは、艦娘が「軍艦としての能力」を発揮するために使用する、兵装・機関・装甲・推進・各種電子装備などを統合した装備体系である。

 

ただし、

 

小さくした軍艦を少女の背中へ取り付けている

 

わけではない。

 

・艦魂

・妖精技術

・物質縮小技術

・神経接続技術

 

それらを組み合わせ、

 

軍艦としての能力を、人間型の身体で使用出来る形へ再構成したもの

 

が艤装である。

 

艦娘本人とは神経的に接続され、内部では妖精達が機関・兵装・通信・整備などを補助する。

 

そのため艦娘と艤装の関係は、

 

人間と道具

 

というより、

 

艦体とその一部

 

に近い。

 

第一世代・第二世代を問わず、艤装をどこまで自分の身体として扱えるかは、艦娘の戦闘能力を大きく左右する。

 

 

・艤装の神経接続

 

艤装は、艦娘本人の神経系と直接接続される。

 

この接続を通して、

 

・兵装状態

・機関状態

・推進状態

・損傷情報

・各種センサー情報

・射撃管制情報

 

などが艦娘本人へ伝えられる。

 

逆に艦娘本人の意思も、神経接続を通して艤装へ送られる。

 

これによって、

 

・主砲を向ける

 

・推進力を上げる

 

・魚雷を発射する

 

といった操作を、通常の機械のように一つずつレバーやスイッチで行う必要がなくなる。

 

艦娘本人が、

 

「動かそう」

 

と判断することで、艤装側がその意思を受け取る。

 

 

・艤装を「身体の一部」として扱う仕組み

 

神経接続された艤装は、艦娘本人にとって単なる外付け装備ではない。

 

長く使用し、十分な同調と慣熟が進むことで、

 

自分自身の身体の延長

 

として認識されるようになる。

 

例えば主砲の場合、

 

「背中に付いた砲塔を操作する」

 

という感覚ではなく、

 

自分の腕や脚を動かすのに近い感覚で砲身を向ける

 

ことが出来る。

 

推進装置についても同様で、

 

身体そのものには存在しない推進器でありながら、艦娘本人は加速や旋回を自分の運動として認識出来る。

 

このため艤装の扱いには、

 

身体感覚として覚えるための慣熟訓練

 

が必要となる。

 

 

・艤装内の機関・兵装制御

 

艤装には、

 

・主機関

・推進装置

・主砲

・副兵装

・魚雷

・弾薬

・レーダー

・通信装置

・射撃管制

・各種センサー

 

など、原艦の能力を再現するための多数の機能が組み込まれている。

 

これらは物質縮小技術によって、人間サイズの艤装内部へ保持される。

 

ただし、すべての機器を艦娘本人が一つずつ直接操作しているわけではない。

 

艦娘本人が、

 

戦闘全体の判断と意思決定

 

を行い、

 

艤装内の制御系や妖精達が、

 

個々の機関・兵装を実際に動かす

 

という分担になっている。

 

その関係は、軍艦に例えるなら、

 

艦娘本人が艦長兼中枢指揮系統

 

となる形に近い。

 

 

・妖精による艤装運用補助

 

艤装内部には、多くの場合、複数の妖精が配置されている。

 

役割を実艦へ例えるなら、

 

艦娘本人=艦長

妖精達=その他の乗組員

 

に近い。

 

妖精達は、

 

・主砲

・機関

・航空

・整備

・補給

・通信

・艤装制御

 

などを担当する。

 

特に大型艦娘になるほど艤装は複雑化するため、妖精の補助も重要になる。

 

艦娘本人が、

 

「この敵を攻撃する」

 

と判断。

 

射撃条件や目標情報を艤装へ渡し、

 

妖精や制御系が各兵装を動かす。

 

この分業によって、一人の人型存在でありながら、軍艦一隻分に近い複雑な兵器体系を運用することが可能となっている。

 

 

・人型戦闘へ最適化された兵装配置

 

艦娘用艤装は、

 

原艦をそのまま同比率で縮小したものではない。

 

艦娘は人間型の身体を持ち、

 

・走る

・跳ぶ

・身体を捻る

・向きを変える

・敵へ身体そのものを向ける

 

といった、通常の艦艇とは異なる動きを行う。

 

そのため艤装も、

 

人間型の身体で戦闘すること

 

を前提として構成される。

 

重要なのは、

 

原艦の能力を失わず、

 

本人の動きを妨げず、

 

兵装を使用出来ること。

 

・主砲

・魚雷

・推進装置

・センサー

・航空艤装

 

それぞれが艦娘本人の身体構造と戦闘方法に合わせて配置される。

 

 

・原艦と艤装の兵装配置差

 

艦娘は、

 

原艦と同じ艦である

 

一方、

 

原艦と全く同じ形をした存在ではない。

 

そのため艤装も、

 

原艦の甲板上に存在した兵装配置を、そのまま小さく再現しなければならないわけではない。

 

艦魂に記録された、

 

・兵装

・機関

・装甲

・性能

・艦としての特徴

 

を基礎としながら、

 

人型の身体へ適合するように艤装として再構成される。

 

したがって重要なのは、

 

どこに砲塔があったかを寸分違わず再現すること

 

ではなく、

 

その艦が持っていた能力を、艦娘本人が使用出来ること

 

となる。

 

ただし、艦娘ごとの具体的な兵装配置については、それぞれの設計・艦種・身体構造によって異なる。

 

 

・艤装と艦娘本人の成長

 

第二世代艦娘では、本人の成長に合わせて艤装側も調整される。

 

幼い艦娘へ、

 

成人時の身体を前提とした巨大な艤装をそのまま装備させる

 

わけではない。

 

現在の身体に合わせて艤装も縮小・調整され、

 

本人が成長すれば、艤装側も段階的に大きくなる。

 

ただし、

 

外見上の大きさが小さいからといって、兵装の性能まで比例して弱くなるわけではない。

 

例えば“長門”の41cm砲は、幼い身体に合わせた寸法の艤装へ組み込まれている。

 

それでも、

 

41cm級主砲としての性能

 

そのものは保持されている。

 

このため身体が未成熟な時期には、

 

艤装は装備出来る。

 

砲も撃てる。

 

しかし反動や負荷を完全には処理出来ない。

 

という状態が発生する。

 

 

・艤装の換装・改修

 

艤装は、建造時の状態で固定されるものではない。

 

・損傷

・本人の成長

・新技術

・兵装更新

・戦術変更

 

などに合わせ、改修・換装することが出来る。

 

・機関だけを更新する場合

・兵装を交換する場合

・センサー類を更新する場合

・艤装そのものを大規模に作り直す場合

 

改修規模は様々。

 

ただし艤装は本人の神経・身体感覚と深く結び付いているため、

 

新しい装備を付ければ即座に使いこなせる

 

わけではない。

 

改修後には再調整と慣熟訓練が必要になる。

 

 

・艦娘用大型兵装の反動処理

 

物質縮小技術によって巨大兵装を人間サイズへ搭載出来ても、

 

攻撃時に発生する物理的な反動まで消えるわけではない。

 

特に大口径砲では、この問題が大きい。

 

艦娘は砲撃時、

 

・身体質量

・姿勢

・脚部

・艤装

・推進力

 

などを使って反動を受け止める。

 

身体そのものが、

 

砲を支える船体

 

として機能するためである。

 

したがって同じ兵装でも、

 

身体が成熟し、

 

質量が増え、

 

筋力や姿勢保持能力が高まり、

 

艤装操作へ慣れた個体ほど安定して使用出来る。

 

逆に未成熟な第二世代では、

 

砲そのものは正常に発射出来ても、本人が反動へ耐えられない

 

場合がある。

 

2016年の“長門”による41cm砲射撃試験が、その代表例となっている。

 

 

・縮小兵装における威力と反動

 

物質縮小された兵装は、

 

見た目が小さいからといって、単純に同じ比率で弱くなるわけではない。

 

兵装の構造や機能の多くは余剰次元側へ保持されており、通常空間に見えている寸法だけで性能を判断することは出来ない。

 

そのため人間サイズの艤装に搭載された砲でも、

 

原型となった艦砲に相当する大きな火力を発揮出来る。

 

しかし、

 

威力を維持するなら、その攻撃によって生じる負荷も存在する。

 

特に実体弾を使用する火砲では、

 

発射した弾丸が持つ運動量に応じた反動

 

が艦娘側へ返ってくる。

 

物質縮小技術は、

 

巨大な兵器を搭載可能にする。

 

だが、

 

撃った時に生じる物理法則まで無かったことにはしない。

 

そのため艦娘兵装では、

 

小型化技術だけではなく、

 

・身体強度

・姿勢制御

・艤装構造

・推進力

・反動吸収

 

を含めた一体設計が必要となる。

 

 

・ジェネレーター・オーバードライブ(GOD)

 

Generator Overdrive。

 

正式名称、

 

ジェネレーター・オーバードライブ。

 

略称、

 

GOD。

 

艦娘が持つ機関を、通常設定されている安全限界を越えて強制的に高出力運転させる技術・運転方式。

 

簡単に言えば、

 

「壊れることを承知で、機関から本来許されていない出力まで引き出す」

 

ためのオーバードライブである。

 

通常、艦娘の機関には、

 

・最大出力

・温度

・圧力

・冷却能力

・機関負荷

・身体への負荷

・艤装への負荷

 

などを考慮した安全限界が設定されている。

 

これは、

 

機関が物理的にそれ以上の出力を出せない

 

という意味ではない。

 

その出力を長時間使用すれば、

 

・機関

・艤装

・艦娘本人

 

そのいずれか、あるいは全てが破損する可能性が高いため、通常は使用出来ないよう制限されている。

 

GODは、その制限を意図的に越える。

 

機関方式によって、実際の方法は異なる。

 

例えば蒸気機関系統であれば、

 

・通常以上の燃料投入

・ボイラー圧力の上昇

・安全限界を越えた高負荷運転

 

など。

 

より新しい機関であっても、

 

・冷却限界

・反応出力

・エネルギー経路

・各種安全装置

 

などの制限を一時的に越えることで、同様の高出力運転を行うことが出来る。

 

したがってGODとは、

 

特定の機関を使う艦娘だけが持つ特殊能力ではない。

 

基本的には、

 

艦娘の機関を安全限界以上で運転するという「運転思想・技術体系」そのもの

 

を指す。

 

GODを発動すると機関出力が急上昇し、それに伴って艦娘全体の性能も一時的に向上する。

 

代表的には、

 

・推進出力

・最高速度

・加速性能

・身体能力

・反応速度

・兵装出力

・兵装の連続使用能力

 

など。

 

艦娘は身体と艤装を一つの戦闘システムとして動かしているため、機関から供給される出力が増えれば、単純な航行速度だけではなく、戦闘能力全体が引き上げられる。

 

ただし、

 

GODは艦娘を別の存在へ変身させる技術ではない。

 

新しい力を外部から追加しているわけでもない。

 

あくまで、

 

その艦娘が元々持っている機関・身体・艤装から、平常時には使用を許されていない領域の性能を引き出している。

 

そのため、元々の機関性能や身体能力、艤装性能が高い個体ほど、GOD使用時の絶対性能も高くなる傾向がある。

 

一方で、代償も極めて大きい。

 

機関を安全限界以上で運転する以上、

 

・機関過熱

・機関損傷

・冷却能力超過

・配管・伝達系への損傷

・艤装破損

・身体への過負荷

・神経系への負担

・筋肉・骨格への損傷

 

などが発生する可能性がある。

 

さらにGODによって高出力化した兵装・推進装置を使用すれば、それによって発生する反動や衝撃も大きくなる。

 

つまり、

 

機関だけが耐えればよいわけではない。

 

機関が生み出した力を受け取る、

 

・身体

・艤装

・兵装

 

その全てが同じ高出力状態へ付き合わされる。

 

当然ながら、使用時間が長くなるほど危険性は増大する。

 

短時間だけ限界を越える。

 

必要な瞬間だけ出力を上げる。

 

その程度で済めば損傷を抑えられる場合もある。

 

しかし高出力状態を維持し続ければ、

 

敵に破壊されるより先に、自分自身の出力によって壊れる

 

可能性すらある。

 

そのためGODは通常戦闘で気軽に使用する機能ではない。

 

撤退不能。

 

味方を逃がす必要がある。

 

通常出力ではどうしても敵を止められない。

 

そうした状況で初めて選択肢へ入る、

 

文字通りの非常運転

 

である。

 

2016年、第二特務艦隊壊滅時に複数の姫・鬼級を相手に単独で殿を務めた第一世代艦娘“出雲”が使用したのが最初の使用事例。

 

“出雲”の場合、機関部の妖精達が通常の安全域を越えて機関を稼働。

 

機関出力を強制的に引き上げたことで、

 

・速度

・加速

・反応

・砲撃能力

・近接戦闘能力

 

などが一時的に大幅上昇した。

 

それまで圧倒されていた複数の上位個体を相手に、短時間ながら逆に食らいつけるほどの戦闘能力を発揮している。

 

しかしこれは、

 

“出雲”が突然別次元の性能を手に入れた

 

わけではない。

 

・十年以上にわたって積み重ねた本人の技量

・第一世代艦娘としての身体

・艤装

・機関

 

それらを、

 

壊れる寸前まで使い切った結果

 

である。

 

実際、戦闘が続くにつれて“出雲”自身の身体と艤装にも急速に負荷が蓄積している。

 

この性質から、GODは非常に強力である一方、

 

「使えば勝てる切り札」ではない。

 

通常では届かない性能領域へ一時的に踏み込むことは出来る。

 

だが、

 

・相手との絶対的な性能差

・既に受けている損傷

・使用者自身の限界

・機関と艤装の耐久性

 

それらまで無視出来るわけではない。

 

第56話における“出雲”も、GODによって複数の上位個体へ一時的に対抗したものの、その状態でもなお“戦艦棲姫”を上回ることは出来なかった。

 

限界を越えることは出来る。

 

しかし、

 

限界が無くなるわけではない。

 

それがジェネレーター・オーバードライブである。

 

 

 

・10. 空母艦娘・艦娘航空技術

 

空母艦娘とは、

 

艦載機を搭載・発進させ、航空隊を指揮・運用する能力を持つ艦娘

 

である。

 

ただし、その航空運用は実艦の空母をそのまま人間サイズへ縮小したものではない。

 

・空母艦娘本人

・航空艤装

・艦載機

・搭乗員妖精

・物質縮小技術

・妖精技術

 

それらを一つのシステムとして統合することで成立している。

 

実艦時代には、

 

・飛行甲板

・格納庫

・航空管制

・整備員

・搭乗員

 

など、多数の設備と人員が必要だった。

 

艦娘ではそれらを大幅に圧縮しながら、空母艦娘本人と妖精達が役割を分担する。

 

その一方、人間型になったことで、

 

実艦の空母には出来なかった運用

 

も可能になっている。

 

このため空母艦娘の航空戦術は、

 

「実艦空母の運用を小型化する」

 

だけでは成立せず、

 

「人型空母という新しい兵器の使い方」

 

として改めて構築されている。

 

 

・空母艦娘用艤装

 

空母艦娘の艤装は、航空機運用を中心として設計された専用艤装。

 

主な機能は、

 

・艦載機の保持

・艦載機の形成・展開

・発艦

・回収

・航空隊との通信

・航空管制

・艦載機用物資の保持

 

など。

 

水上艦艇型艦娘の主砲艤装とは異なり、

 

一機の兵器を直接撃つのではなく、多数の航空機を遠隔で運用する

 

ことが主目的となる。

 

飛行甲板を模した構造を持つ艤装も存在する。

 

ただし、それも実艦の飛行甲板を単純に同比率縮小したものではなく、人型の艦娘が航空機を発着させることを前提に再構成されたものとなっている。

 

 

・艦娘用艦載機

 

空母艦娘が運用する航空機。

 

外見や名称には実在した航空機との共通点が多いが、

 

実物の航空機をそのまま小さくしたものではない。

 

艦娘用艦載機は、

 

・艦魂

・妖精技術

・物質縮小技術

・艤装技術

 

などを組み合わせて形成される、艦娘専用の航空兵装である。

 

操縦するのも通常の人間ではなく、

 

搭乗員妖精

 

となる。

 

2016年時点で日本側が実戦運用している最新鋭艦娘航空機としては、

 

九五式艦上戦闘機

九六式艦上爆撃機

九六式艦上攻撃機

 

などが存在する。

 

“鳳翔”もこれらを実戦で運用している。

 

また、その次の世代となる単葉艦載機についても開発が進められている。

 

 

・艦載機の形成・展開

 

艦娘用艦載機は、常時そのままの航空機形態で艤装外部へ並べられているわけではない。

 

物質縮小技術や妖精技術を利用し、

 

通常時には小型・格納状態で保持し、必要な時に航空機として展開する。

 

“鳳翔”の場合には、

 

矢

 

の形で保持された艦載機が、発艦時に航空機として形を成す運用が確認されている。

 

実戦時には、

 

矢として保持

↓

展開

↓

艦載機として形成

↓

搭乗員妖精が運用

↓

航空戦闘

 

という流れになる。

 

これは単なる視覚的演出ではなく、

 

巨大な航空戦力を人間サイズの艤装へ保持するための艦娘固有技術

 

の一部となっている。

 

 

・艦載機への物質縮小技術応用

 

空母艦娘が多数の航空機を運用出来る最大の理由の一つが、

 

物質縮小技術

 

である。

 

通常の航空機をそのまま人間サイズの艤装内部へ収納することは出来ない。

 

そこで航空機の構造の多くを余剰次元側へ保持し、

 

必要な時だけ通常空間へ展開する。

 

この仕組みにより、

 

外見上の艤装容量を大きく超える航空戦力を保持出来る。

 

ただし、

 

艦載機が無限に出てくるわけではない。

 

・機体

・燃料

・弾薬

・搭乗員

 

いずれも実際に保持・管理されている。

 

失われた航空機をその場で無限に生成出来る技術ではなく、

 

あらかじめ保持している航空戦力を次元的に格納・展開している

 

と考える方が近い。

 

 

・搭乗員妖精

 

艦娘用艦載機を実際に操縦するのは、

 

搭乗員妖精

 

である。

 

空母艦娘本人が一機一機を直接遠隔操縦しているわけではない。

 

空母艦娘は、

 

・航空隊全体の状況を把握

 

・目標を指定

 

・編隊や任務を指示

 

・帰投・再出撃を管理

 

その指示を受けた搭乗員妖精が、実際に航空機を操縦する。

 

搭乗員妖精側にも、

 

・離陸

・編隊飛行

・空中戦

・爆撃

・雷撃

・帰投

・着艦

 

などの技能が必要。

 

したがって、

 

優秀な空母艦娘が一人いれば、未熟な妖精搭乗員でも高い戦闘力を発揮出来る

 

わけではない。

 

逆に、搭乗員妖精だけが優秀でも、それを統率する空母艦娘が航空戦況を処理出来なければ、航空隊全体としては十分に機能しない。

 

 

・艦載機発艦・回収機構

 

空母艦娘の航空運用では、

 

発艦だけでなく回収

 

も重要となる。

 

航空機は任務終了後、空母艦娘の艤装へ帰投する。

 

着艦そのものは、通常の空母航空と同様に高い技量を要求される。

 

さらに実戦では、

 

・脚を損傷した機体

 

・操縦系統を損傷した機体

 

・機体そのものが損傷した航空機

 

なども帰投してくる。

 

しかし空母艦娘には、

 

人間の腕がある。

 

そのため、飛行甲板から落ちかけた機体を直接手で掴んで救うことが出来る。

 

場合によっては海面へ落ちた航空機についても、状態が許せば本人が回収出来る。

 

これは実艦空母には存在しなかった能力であり、

 

人型になったことで初めて成立した空母運用

 

の代表例となっている。

 

 

・空母艦娘による航空管制

 

空母艦娘の仕事は、

 

艦載機を出して終わり

 

ではない。

 

実際には航空隊全体を管理する必要がある。

 

・発艦順序

・編隊形成

・索敵

・敵航空隊の位置

・味方航空隊の位置

・攻撃目標

・帰投順序

・損傷機

・燃料状態

・弾薬状態

・着艦

・再出撃

 

などを同時に処理する。

 

実戦ではさらに、

 

自分自身の位置

味方艦隊

敵艦隊

周囲の海空戦況

 

まで把握しなければならない。

 

したがって空母艦娘には、

 

通常の水上戦闘艦娘とは異なる、

 

航空母艦一隻分の航空戦を統括する情報処理能力

 

が要求される。

 

空母艦娘本人は、

 

航空隊の母艦

であると同時に、

航空管制官

でもある。

 

 

・艦載機搭乗員妖精と空母艦娘の連携

 

空母艦娘と搭乗員妖精は、

 

一つの航空戦力を構成する二つの要素

 

となる。

 

空母艦娘側は、

 

戦況を把握し、

目標を決め、

航空隊へ指示を出す。

 

妖精側は、

 

その指示を受け、

実際に航空機を操縦して戦う。

 

しかし航空戦では状況が常に変化する。

 

・敵機

・対空砲火

・天候

・燃料

・損傷

・編隊の乱れ

 

そうした変化へ、搭乗員妖精自身が判断して対応しなければならない場面も多い。

 

そのため、

 

完全な遠隔操作

 

でも、

 

完全に独立した航空隊

 

でもない。

 

空母艦娘と妖精搭乗員が互いに情報を交換し、

 

母艦側の広域判断

と

搭乗員側の現場判断

 

を組み合わせることで成立する。

 

空母艦娘の練度だけではなく、

 

航空隊そのものの練度

 

が戦闘力を決定する理由でもある。

 

 

・第二世代空母艦娘の育成体系

 

第二世代空母艦娘も、建造された瞬間から航空母艦として完成しているわけではない。

 

2016年時点では、

 

“赤城”

“加賀”

 

をはじめとする第二世代空母艦娘が、“鳳翔”ら第一世代の実戦経験者から直接指導を受けている。

 

訓練内容は、

 

・艦載機の発艦

・着艦

・編隊形成

・索敵

・航空隊との通信

・航空管制

・爆撃

・雷撃

・空中戦

・損傷機への対応

 

など。

 

ここで重要なのは、

 

一機を飛ばせることと、空母として航空戦を行えることは全く別

 

という点。

 

・一機

・数機

・小規模な編隊

 

それだけなら比較的早い段階から運用出来る。

 

しかし実際の空母戦闘では、

 

何十機もの航空機

 

・複数の航空隊

・発艦中の機体

・戦闘中の機体

・帰投中の機体

・損傷した機体

 

それらを同時に管理しなければならない。

 

さらに第二世代艦娘は身体そのものも成長途中にある。

 

艤装も現在の身体へ合わせて調整されているため、

 

一度に扱える航空機数や航空管制能力も、完成時の水準へはまだ達していない。

 

戦艦型第二世代が、

 

「砲は撃てても反動を支えられない」

 

という形で未成熟さを見せるのに対し、

 

空母型第二世代では、

 

「航空機は飛ばせても、一隻の空母として航空戦全体を処理しきれない」

 

という形で未成熟さが現れる。

 

このため2016年時点の第二世代空母艦娘は、

 

高い将来性能を持ちながらも、

 

第一世代空母艦娘から実戦航空運用を学んでいる途中

 

にある。

 

 

 

・11. 基地航空隊

 

艦娘航空技術を利用して編成された、陸上基地運用型の航空部隊。

 

2008年頃から活動を開始した。

 

空母艦娘が、

 

艦娘本人

+

航空艤装

+

艦載機

+

妖精搭乗員

 

を一つの航空戦闘システムとして運用するのに対し、基地航空隊では、

 

艦娘本人を必要とせず、航空機・妖精搭乗員・発進設備・整備設備・管制設備を独立した基地システムとして運用する。

 

航空機の発進には、各基地へ設置された専用ランチャーを使用する。

 

基本原理としては、

 

空母艦娘が弓矢などの艤装を通して行っている艦載機の形成・展開・発艦を、地上設備によって行う

 

ものに近い。

 

艦娘本人の身体寸法や艤装重量に設備規模を合わせる必要がないため、ランチャーや関連設備を大型化しやすく、空母艦娘では扱いにくい大型航空機も運用可能。

 

これによって、空母艦娘の数に左右されず、

 

・防空

・迎撃

・索敵

・対艦攻撃

・爆撃

・雷撃

 

などの航空任務を実施出来る。

 

日本列島周辺のように陸上航空基地を利用出来る戦域では、空母艦娘よりも大量の航空機を継続的に投入しやすいという利点を持つ。

 

そのため基地航空隊は、

 

艦娘航空技術を「艦娘という個体」から切り離し、通常の軍事インフラへ拡張した代表例

 

となっている。

 

 

・基地航空隊

 

艦娘技術を用いて開発された航空機を、陸上基地から運用する航空部隊の総称。

 

その起源は空母艦娘用航空技術にある。

 

空母艦娘研究では、

 

・航空機の小型化

・次元的格納

・航空機の展開

・妖精搭乗員

・航空隊との通信

・航空管制

 

など、多数の技術が開発された。

 

そこで、

 

「この航空機を、空母艦娘以外からも運用出来ないか」

 

という発想から、固定基地用の航空システムが開発された。

 

基地航空隊では、空母艦娘そのものを必要としない。

 

基地側に、

 

・航空機

・発進用ランチャー

・ランディングポイント

・管制設備

・補給設備

・整備設備

・妖精搭乗員

 

を用意することで、一つの航空部隊として成立する。

 

発進時には、格納・待機状態にある航空機を展開し、ランチャーから直接射出する。

 

言い換えれば、

 

空母艦娘が弓から矢を放ち、それを艦載機として展開している仕組みを、地上設備へ置き換えたもの

 

である。

 

このため通常航空機のように、発進のため必ず長大な滑走路を使用する必要はない。

 

2008年頃から日本各地への配備が始まり、その後の対深海棲艦戦における重要な航空戦力へ成長している。

 

 

・艦娘技術を利用した陸上航空機

 

基地航空隊で使用される航空機は、

 

通常の人間用航空機を妖精がそのまま操縦しているだけではない。

 

艦娘用航空機と同じく、

 

・妖精技術

・物質縮小技術

・艦娘航空機の形成技術

・専用兵装

・妖精搭乗員

 

などを利用している。

 

初期には、空母艦娘用航空機と共通する系統の機体も多く使用された。

 

実際、2009年前後の研究所所属基地航空隊では、

 

・戦闘機

・艦上攻撃機

・艦上爆撃機

 

など、空母艦娘用航空機と非常に近い系統の機体を陸上基地から運用している。

 

一方、基地航空隊には空母艦娘にはない利点もある。

 

空母艦娘の場合、航空艤装そのものを本人が装備しなければならないため、

 

設備の大きさ・重量には艦娘本人の身体という物理的な制約が存在する。

 

基地航空隊にはその制約がない。

 

・発進用ランチャー

 

・格納設備

 

・航空機展開設備

 

・補給設備

 

それらを地上へ据え付けるため、必要であれば大幅に大型化出来る。

 

このため空母艦娘用艦載機より大型の機体も運用可能であり、

 

艦上機に限らず、より大型の陸上航空機へ艦娘航空技術を応用する

 

ことが出来る。

 

その後、基地航空隊独自の運用研究も進められ、

 

空母艦娘の航空隊を地上へ置いただけの存在

 

から、

 

陸上基地から運用する独立した艦娘技術系航空戦力

 

へ発展していった。

 

また、航空機の世代更新も空母艦娘用航空機の研究と強く連動する。

 

艦娘技術研究所所属の航空隊では、新型機の試験運用を兼ねて、一般の基地航空隊より早く新型航空機が配備されることもある。

 

 

・通常航空基地との併設運用

 

基地航空隊の発進用ランチャーそのものは、

 

比較的容易に設置出来る。

 

・ランチャー

 

・航空機の展開・射出設備

 

・帰投した航空機を収容するランディングポイント

 

最低限これらを設ける場所さえ確保出来れば、基地航空隊用航空機を発着させること自体は可能。

 

極端な例を挙げれば、

 

十分な面積と構造強度を持つ建物の屋上

 

へランチャーとランディングポイントを設営することさえ、技術的には可能である。

 

つまり基地航空隊は、

 

発進だけを考えれば通常航空機ほど滑走路へ強く依存しない。

 

しかし実際の軍事運用では、航空機を飛ばせるだけでは意味がない。

 

継続して戦闘するには、

 

・弾薬

・燃料

・予備機

・整備

・補給

・通信

・航空管制

・部隊指揮

・基地警備

・防空

・妖精用施設

 

など、多数の設備が必要となる。

 

民間施設や臨時地点へランチャーだけを置いても、それらを一から用意しなければならない。

 

そのため日本各地では、

 

通常航空機を運用する既存航空基地へ基地航空隊設備を併設する形

 

が事実上の標準となっている。

 

既存航空基地なら、

 

・滑走路

・防空設備

・通信網

・補給施設

・整備施設

・基地警備

・航空管制

 

などを最初から利用出来る。

 

そこへ、

 

・基地航空隊用ランチャー

・ランディングポイント

・専用格納設備

・妖精用施設

・専用弾薬

・艦娘技術系整備設備

 

を追加すればよい。

 

したがって一つの航空基地の中に、

 

通常航空戦力

と

艦娘技術系基地航空隊

 

が並存する形になる。

 

この構造により、深海棲艦との戦闘では両者を同じ戦域へ投入することも可能。

 

通常航空機が担う任務と、基地航空隊が得意とする対深海棲艦任務を組み合わせて運用出来る。

 

 

・妖精搭乗員

 

基地航空隊の航空機を操縦するのも、

 

妖精搭乗員

 

である。

 

これは空母艦娘の艦載機と同様。

 

妖精搭乗員は、

 

・ランチャーからの発進

・編隊飛行

・空中戦

・爆撃

・雷撃

・偵察

・帰投

・ランディングポイントへの着陸

 

などを実際に行う。

 

基地航空隊では空母艦娘本人が航空隊を直接統括しないため、

 

地上側の航空管制・指揮系統

 

がその役割を担う。

 

そのため、

 

・搭乗員妖精

・地上管制

・整備妖精

・基地指揮所

 

が一つの航空部隊として機能する。

 

また妖精にも当然、練度差が存在する。

 

研究所所属航空隊のように、

 

各地の基地航空隊から選抜されたエース・ベテラン妖精

 

を集めた教導・試験部隊も存在する。

 

2009年の研究所防衛戦では、そうした精鋭妖精による航空隊が深海棲艦側の航空戦力を圧倒している。

 

 

・艦娘航空技術の地上航空戦力への転用

 

基地航空隊の成立が持つ最も大きな意味は、

 

艦娘技術が艦娘本人だけの専用技術ではなくなったこと

 

にある。

 

空母艦娘用に開発された、

 

・航空機形成

・物質縮小

・次元的格納

・妖精搭乗員運用

・航空兵装

・航空管制

・発進機構

 

などの技術を、

 

固定された軍事施設側へ移す

 

ことで、艦娘が存在しない場所でも利用出来るようになった。

 

空母艦娘が、

 

自分の身体に取り付けられた艤装から航空隊を送り出す

 

のに対し、

 

基地航空隊では、

 

地上に設置されたランチャーそのものが、その役割を担う。

 

このため設備規模を艦娘本人へ合わせる必要がなく、

 

・多数機の運用

 

・大型機の運用

 

・大規模な補給・整備

 

といった固定基地ならではの利点を得られる。

 

特に日本本土周辺では、

 

空母艦娘一人を長時間拘束するより、

 

陸上基地から多数の航空機を継続的に発進させた方が効率的

 

な場合も多い。

 

2009年頃には、この基地航空隊の各地展開が進んだことで、第一特務艦隊所属の“鳳翔”自身の迎撃出撃回数が以前より減るほどになっている。

 

また基地航空隊には、

 

固定基地でなければ運用出来ない

 

という制約を解消する研究も行われている。

 

・ランチャー

・ランディングポイント

・管制

・補給

・整備

・格納設備

 

それらを一つのシステムとしてまとめ、

 

艦娘母艦へ搭載する

 

という構想である。

 

実現すれば、

 

固定された航空基地の航空戦力を、

 

海上を移動する母艦から展開する

 

ことが可能になる。

 

このように基地航空隊は、

 

空母艦娘から生まれた航空技術が、

 

固定基地

↓

通常軍事インフラ

↓

移動式航空基地

 

へ拡張していく中間段階に位置する技術体系でもある。

 

 

 

・12. 建御雷型艦娘母艦

 

日本国防海軍が、艦娘部隊を継続的に海上運用するために建造した大型艦娘母艦。

 

同型艦は、

 

一番艦「建御雷」

二番艦「建御名方」

 

の二隻。

 

艦娘は人間サイズで行動出来るとはいえ、

 

・弾薬

 

・燃料

・交換部品

・修理

・居住

・指揮

・通信

 

といった支援を必要とする。

 

特に日本近海を離れた長期間の作戦では、艦娘本人だけを海へ送り出して戦い続けることは出来ない。

 

そこで、

 

艦娘を収容し、その場で補給・整備・修理を行い、さらに艦隊司令部まで搭載する

 

ことを目的として建造されたのが建御雷型である。

 

その機能から、

 

「海上移動軍港」

 

とも呼ばれる。

 

単なる輸送艦ではない。

 

艦娘を戦場まで運び、

 

出撃させ、

 

帰還させ、

 

補給し、

 

修理し、

 

再び出撃させる。

 

さらに母艦自身も大口径砲と重装甲を備え、必要であれば艦娘部隊への直接火力支援まで行う。

 

「艦娘という戦闘システムを、一つの艦隊として海上で維持するための母艦」

 

というのが建御雷型の基本思想である。

 

 

・建御雷型艦娘母艦

 

建御雷型は、

 

艦娘専用の大型母艦

 

として設計された。

 

艦後部を中心に、

 

・艦娘発着設備

・収容区画

・補給設備

・弾薬庫

・燃料設備

・交換部品

・整備設備

・簡易修理ドック

 

などを集約。

 

複数の艦娘を収容し、母港から離れた海域でも継続運用出来る。

 

同時に、

 

・艦橋

・通信設備

・戦闘指揮設備

・艦隊司令部機能

 

も持ち、艦娘部隊を率いる司令部艦としても使用される。

 

つまり建御雷型は、

 

艦娘輸送艦

+

補給艦

+

工作・修理艦

+

艦隊旗艦

+

水上戦闘艦

 

という複数の役割を一隻へまとめた艦となっている。

 

 

・「建御雷」

 

建御雷型一番艦。

 

第二特務艦隊の母艦として運用される。

 

設計上は、

 

外洋での長距離作戦

と

高速戦闘

 

を重視。

 

艦娘部隊を遠距離の作戦海域まで運び、そこで長期間活動させることを想定している。

 

船体前部には、

 

31cm三連装砲2基6門

 

を集中配置。

 

大口径砲と比較的重い装甲を持ち、艦娘母艦でありながら自ら水上戦闘へ参加出来る。

 

公試速力は約35ノット。

 

必要であればさらに機関出力を上げる余地も持つなど、大型艦としては非常に高い機動力を備える。

 

建造関係者の一部から、

 

「現代の超甲巡」

 

と呼ばれるほど、通常の支援艦とは異なる戦闘艦的性格を持っている。

 

ただし建御雷型の本質は主砲火力ではない。

 

その後部に収められた、

 

艦娘を海上で継続運用するための小規模軍港そのもの

 

こそが、本艦最大の特徴となる。

 

 

・「建御名方」

 

建御雷型二番艦。

 

基本設計は「建御雷」と共通するが、運用思想には違いがある。

 

一番艦「建御雷」が、

 

外洋長距離作戦

高速戦闘

 

を重視しているのに対し、

 

「建御名方」は、

 

日本近海での本土防衛

 

をより重視。

 

速力や航続性能を多少抑える代わりに、装甲・防御能力を強化している。

 

第一特務艦隊には比較的旧式の艦娘も多く、防御能力に不安を持つ個体も存在する。

 

そのため実戦では、

 

母艦自身が前へ出て敵の攻撃を引き受け、その後方で艦娘部隊を活動させる

 

という運用も行われる。

 

文字通り、

 

艦娘達の「盾」

 

として機能することも想定された艦である。

 

後には第一特務艦隊の実質的な母艦となり、特務艦隊司令部機能も置かれている。

 

 

・海上移動軍港

 

建御雷型を最も端的に表す言葉。

 

海上を移動出来る小型軍港。

 

通常、艦艇を継続運用するためには軍港が必要となる。

 

・補給

・整備

・修理

・弾薬

・燃料

・乗員休養

・指揮通信

 

艦娘も同様。

 

人間サイズだからといって、軍港機能そのものが不要になるわけではない。

 

そこで建御雷型では、

 

艦娘が必要とする軍港機能を一隻の大型艦へ集約した。

 

艦娘部隊は建御雷型と共に行動することで、母港から遠く離れた海域でも、

 

出撃

↓

戦闘

↓

帰投

↓

補給・修理

↓

再出撃

 

というサイクルを繰り返せる。

 

これによって艦娘は、

 

沿岸防衛兵器

 

から、

 

艦隊と共に外洋へ展開可能な海上戦力

 

へ変化した。

 

 

・艦娘の発着・収容

 

建御雷型の艦後部には、

 

艦娘発着用ハッチ

 

と収容区画が設けられている。

 

艦娘はここから海上へ出撃し、任務終了後に帰艦する。

 

収容後は、

 

・装備確認

・弾薬補給

・燃料補給

・損傷確認

・整備

・休養

 

などを行う。

 

空母の艦載機のように、

 

艦娘を単なる搭載兵器として格納している

 

わけではない。

 

艦内には、人格を持つ人員として艦娘が生活し、次の任務へ備えるための区画が用意されている。

 

また艦娘は、

 

・戦艦

・巡洋艦

・駆逐艦

・空母

 

など、艦種によって艤装も必要物資も大きく異なる。

 

そのため母艦側も、複数種類の艦娘を同時運用出来るよう各種設備を用意している。

 

 

・艦娘用補給設備

 

艦娘は小型化されていても、戦闘すれば物資を消費する。

 

・砲弾

・魚雷

・燃料

・航空機用物資

・艤装用部品

・各種消耗品

 

これらは戦闘後に補充しなければならない。

 

建御雷型には、そのための補給設備が設置されている。

 

母艦へ帰投した艦娘は、

 

軍港へ戻ることなく、その場で再武装・再補給出来る。

 

これが建御雷型による継続作戦能力の根幹となる。

 

また損傷した艤装についても、軽度な故障や部品交換程度であれば艦内で対応出来る。

 

完全な造船所・研究所級設備ではないものの、

 

前線で艦娘部隊を維持するために必要な作業

 

は一通り行える。

 

 

・艦娘用弾薬・燃料搭載

 

建御雷型には、艦娘用の弾薬・燃料が大量に搭載されている。

 

艦娘用弾薬は物質縮小技術によって非常に小さく保持出来るが、

 

実物の弾薬が存在しないわけではない。

 

・砲弾

・魚雷

・爆弾

・航空魚雷

・その他各種兵装

 

それぞれを母艦側で備蓄し、必要に応じて艦娘へ補給する。

 

燃料についても同様。

 

物質縮小によって通常の艦艇と比較して極めて高い搭載効率を得られるものの、

 

無限に存在するわけではない。

 

長期間の戦闘では母艦自身も補給を受ける必要がある。

 

建御雷型は、

 

艦娘の補給問題を消した艦

 

ではなく、

 

艦娘用補給物資を大量に持ち歩ける艦

 

である。

 

 

・簡易修理ドック

 

建御雷型内部には、

 

艦娘用簡易修理ドック

 

が設置されている。

 

戦闘で負傷・損傷した艦娘を収容し、

 

・応急処置

・軽度修復

・艤装整備

・損傷部品交換

・新陳代謝式修復

 

などを行う。

 

これによって、軽度から一定範囲の損傷であれば、母港へ帰還せず戦線復帰することが可能。

 

ただし、

 

「簡易」修理ドック

 

である。

 

研究所や大規模軍港と同等の修復能力を持っているわけではない。

 

・身体の大規模欠損

・艤装の壊滅的損傷

・大規模改装

・新造に近い修復

 

などには、本格的な設備が必要となる。

 

建御雷型の修理設備は、

 

前線で戦力を維持し、帰還可能な状態へ戻すこと

 

を主眼としている。

 

 

・艦娘部隊の指揮・支援機能

 

建御雷型は補給・整備だけでなく、

 

艦娘部隊の司令部

 

としても機能する。

 

艦橋・司令部では、

 

・索敵情報

・艦娘部隊の位置

・敵艦隊情報

・航空情報

・各艦娘の状態

・補給状況

・損傷状況

・通信

 

などを集約。

 

前線で行動する艦娘へ必要な指示・情報を送る。

 

これにより、艦娘本人は目の前の戦闘へ集中しながら、

 

より広い戦場全体の情報を母艦側から受け取る

 

ことが出来る。

 

また建御雷型自身も大口径主砲と防御力を持つため、

 

艦娘部隊の後方に留まるだけではない。

 

必要であれば、

 

・敵艦への砲撃

・艦娘への直接火力支援

・敵火力の引き受け

・防空

・損傷艦娘の収容

 

などを行い、前線部隊を支援する。

 

つまり建御雷型は、

 

艦娘を載せる船

 

ではなく、

 

艦娘部隊を一つの艦隊として成立させるための中枢艦

 

である。

 

なお、基地航空隊で使用されるランチャー式航空システムについても、

 

母艦へ搭載して海上移動式基地化する構想

 

が存在する。

 

2016年時点では、固定基地型基地航空隊からさらに発展する将来構想として研究されている段階であり、建御雷型の基本的な艦娘母艦機能とは区別される。

 

 

 

・13. 対SUE弾薬体系

 

深海棲艦をはじめとするSUEに対抗するために開発された、特殊弾薬体系。

 

代表的なものとして、

 

APAS───対SUE徹甲弾

 

が広く知られている。

 

ただし、

 

APASという一種類の特殊弾薬だけが存在するわけではない。

 

・徹甲弾

・装弾筒付徹甲弾

・装弾筒付翼安定徹甲弾

・榴弾

・その他各種弾薬

 

既存の弾種それぞれに対して、SUEへの攻撃を前提とした派生型が存在する。

 

基本的には、

 

既存弾薬

+

艦娘技術・物質縮小技術を利用した高威力化

 

によって成立している。

 

その起源は、艦娘用の砲弾が、

 

人間サイズの艤装へ合わせて大幅に縮小されているにもかかわらず、元となった艦砲級の破壊力を大きく失っていない

 

ことへ米軍関係者が注目したことにある。

 

「ならば、この技術を通常の銃砲弾へ応用すれば、人間が扱える兵器でも深海棲艦へ有効打を与えられるのではないか」

 

その発想から研究が進められた。

 

結果として、それまで艦娘・航空攻撃・艦砲などの大火力へ頼ることが多かった対SUE戦へ、

 

歩兵火器

戦車砲

通常艦艇の艦砲

 

まで参加出来るようになった。

 

対SUE弾薬は、

 

艦娘技術が通常軍事技術へ波及した最初期かつ最も大きな成果の一つ

 

でもある。

 

 

・対SUE弾薬

 

SUEへの攻撃に最適化された特殊弾薬の総称。

 

特定の一種類を指す名称ではない。

 

基本的な考え方は、

 

既存の弾薬が持つ役割を維持しながら、艦娘用縮小兵装で得られた技術を利用して対SUE能力を高める

 

というもの。

 

そのため、

 

・徹甲弾なら対SUE徹甲弾

 

・榴弾なら対SUE榴弾

 

・APFSDSなら対SUE APFSDS

 

というように、元となった弾薬の性格を引き継ぐ。

 

対SUE弾薬の登場以前、人間サイズの歩兵火器で深海棲艦へ有効な損傷を与えることは非常に難しかった。

 

しかし対SUE弾薬の実用化により、歩兵であっても条件次第では下位個体を撃破出来る可能性が生まれている。

 

 

・AS=Anti-SUE

 

対SUE弾薬を識別するために使用される記号。

 

AS=Anti-SUE

 

を意味する。

 

既存弾種の略号へ追加することで、

 

「その弾種を基礎とした対SUE型」

 

であることを示す。

 

例えば、

 

AP

→ APAS

 

HE

→ HEAS

 

APDS

→ APDSAS

 

APFSDS

→ APFSDS-AS

 

となる。

 

つまりAS自体が弾種を示しているのではなく、

 

「SUE対策仕様である」

 

ことを示す追加記号である。

 

 

・対SUE弾薬の命名規則

 

基本命名規則は、

 

既存弾種略号+AS

 

となる。

 

短い略号については、そのままASを接続する。

 

AP

+

AS

=

APAS

 

HE

+

AS

=

HEAS

 

APDS

+

AS

=

APDSAS

 

一方、APFSDSのように元の略号が長い場合には、可読性を考慮して、

 

APFSDS-AS

 

のようにハイフンを入れる場合がある。

 

日本語表記は原則として、

 

「対SUE○○弾」

 

とする。

 

一方、現場や一般向けには、

 

「特殊徹甲弾」

「特殊榴弾」

「特殊APFSDS」

 

などの呼称も使用される。

 

したがって、

 

APAS=特殊徹甲弾

 

という呼び方は正しい。

 

ただし、

 

対SUE弾薬全体=APAS

 

ではない。

 

 

・APAS───対SUE徹甲弾/特殊徹甲弾

 

Armor Piercing+Anti-SUE

 

を示す略号。

 

日本語正式表記は、

 

対SUE徹甲弾。

 

一般には、

 

特殊徹甲弾

 

とも呼ばれる。

 

対SUE弾薬体系の中でも最も早く実用化され、代表的存在となった弾種。

 

米軍が艦娘用弾薬の研究資料へ注目し、

 

「縮小された艦娘用砲弾が、なぜ元の砲弾に近い破壊力を維持出来るのか」

 

を研究したことが開発の出発点となった。

 

・妖精技術

・艦娘技術

・人類側で解析された物質縮小技術

 

それらを組み合わせて研究が進められ、第二次AL・MI作戦で実戦投入された。

 

小銃・機関銃・対物ライフルなど、人間が携行可能な兵器へ対SUE能力を持たせたことが最大の特徴。

 

7.62mm級でも下位の駆逐艦級へ有効打を与え得るほか、12.7mm級では条件次第でより大型の個体の重要部位へ損傷を与えることも可能。

 

もちろん、

 

「小銃一丁でどんな深海棲艦でも倒せる」

 

という兵器ではない。

 

相手の規模や装甲、命中箇所によって必要火力は大きく変わる。

 

それでも、

 

歩兵一人がSUEへ直接対抗出来る可能性を初めて現実的にした

 

という意味で、その影響は非常に大きかった。

 

 

・APFSDS-AS───対SUE装弾筒付翼安定徹甲弾

 

APFSDSを基礎とした対SUE弾。

 

正式表記、

 

APFSDS-AS。

 

日本語では、

 

対SUE装弾筒付翼安定徹甲弾。

 

主として戦車砲などの高速直射火器で使用される。

 

APASの高い貫徹力が実戦で証明された後、

 

「同じ技術を、より大口径・高初速の戦車砲弾へ応用すればどうなるか」

 

という発想から発展した系列の一つ。

 

元々高い装甲貫徹能力を持つAPFSDSへ、対SUE技術を組み合わせることで、

 

・深海棲艦の強固な外殻

・大型個体の重要部位

・陸上型SUEの装甲

 

などへの攻撃能力を高めている。

 

2010年代には、国防陸軍の主力戦車をはじめとする通常地上戦力においても、対深海棲艦戦を成立させる重要な弾種となっている。

 

 

・APDSAS───対SUE装弾筒付徹甲弾

 

APDSを基礎とした対SUE弾。

 

正式表記、

 

APDSAS。

 

日本語では、

 

対SUE装弾筒付徹甲弾。

 

APFSDS-ASと同様、装甲・外殻への貫徹を重視する弾種。

 

ただし、

 

APDS

と

APFSDS

 

は元となる弾薬構造そのものが異なるため、対SUE型となっても同一の弾ではない。

 

対SUE弾薬体系は、

 

「一つの万能弾薬をすべての銃砲へ使う」

 

のではなく、

 

元々存在する各弾種の特徴を残したまま、SUEへ有効な仕様へ派生させる

 

という考え方で成立している。

 

 

・HEAS───対SUE榴弾

 

HEを基礎とした対SUE弾。

 

正式表記、

 

HEAS。

 

日本語では、

 

対SUE榴弾。

 

俗称として、

 

特殊榴弾

 

と呼ばれることもある。

 

徹甲弾系列が一点への貫徹を重視するのに対し、HEASは爆発効果を利用する。

 

そのため、

 

・小型個体群

・集団目標

・陸上型SUE

・比較的軽装甲な目標

・周辺構造物ごとの破壊

 

などに適する。

 

2010年代の通常陸上戦でも、対SUE榴弾による面制圧が行われており、

 

対SUE弾薬=徹甲弾だけ

 

ではないことを示す代表的な弾種となっている。

 

 

・その他の対SUE弾種

 

対SUE弾薬は、

 

・APAS

・APFSDS-AS

・APDSAS

・HEAS

 

の四種類だけではない。

 

基本原則として、

 

既存弾種に対応する対SUE仕様を開発可能

 

である。

 

戦闘目的に応じて、

 

・貫徹

・爆破

・対小型目標

・対大型目標

・面制圧

 

など、異なる性質の弾薬が使い分けられる。

 

したがって対SUE弾薬体系は、

 

一つの特殊兵器

 

ではなく、

 

通常弾薬体系そのものに「対SUE」という新しい派生系列が追加されたもの

 

と考える方が正確である。

 

 

・艦娘用縮小弾薬と通常サイズ弾薬

 

対SUE弾薬の技術的出発点となったのは、

 

艦娘用の縮小弾薬

 

である。

 

艦娘の艤装は人間サイズ。

 

当然、外見上の砲身や砲弾も実艦より遥かに小さい。

 

しかし実際には、それらは単純な縮尺模型ではない。

 

物質縮小技術によって構造の一部を余剰次元側へ保持することで、

 

外見上の寸法を縮めながら、兵器として必要な構造・機能を維持している。

 

米軍はこの性質へ着目。

 

艦娘用縮小弾薬で使われている技術を、

 

通常兵器用の弾薬へ逆方向に応用

 

した。

 

つまり、

 

艦砲級兵器を艦娘サイズへ縮めるために生まれた技術が、

 

今度は、

 

人間用火器へ通常口径以上の対SUE能力を持たせる技術

 

として利用されたことになる。

 

 

・縮小しても維持される破壊力

 

物質縮小された兵器は、

 

外見上の大きさだけを見れば本来より遥かに小さい。

 

しかし性能まで同じ割合で小さくなるわけではない。

 

艦娘用砲弾が、

 

実艦用砲弾

↓

人間サイズまで縮小

↓

威力も人間サイズ相応まで低下

 

するのであれば、艦娘が軍艦級の火力を持つことは出来ない。

 

実際には、

 

通常空間に見えていない部分を余剰次元側へ保持した状態で、兵器としての機能を成立させている。

 

そのため、

 

・外見寸法

・見かけ質量

・携行性

 

を大幅に小さくしながら、元となる構造が持つ性能の多くを維持出来る。

 

APASをはじめとする対SUE弾薬は、

 

この「小型化しても破壊力が単純比例で失われない」という艦娘兵装の性質を、通常銃砲へ利用したもの

 

でもある。

 

 

・威力増大と反動問題

 

対SUE弾薬は、

 

小さな兵器へ不釣り合いなほど大きな破壊力を持たせられる。

 

しかし、

 

破壊力だけを都合よく増やし、その他の物理的負荷を消す技術ではない。

 

物質縮小技術を使った兵器でも、

 

・反動

・発熱

・砲身負荷

・薬室負荷

・機械的衝撃

・エネルギー消費

 

は発生する。

 

したがって大威力化すれば、それを発射する側にも相応の対策が必要となる。

 

小火器であれば、

 

・銃本体

・機関部

・銃床

・射手

 

戦車砲であれば、

 

・砲身

・砲架

・駐退復座機

・砲塔

・車体

 

艦砲であれば、

 

・砲塔

・バーベット

・船体構造

 

まで含めて対応しなければならない。

 

つまり、

 

弾だけ強くすれば無制限に火力を上げられるわけではない。

 

対SUE弾薬の性能向上は、必然的に発射母体側の強化も要求する。

 

 

・戦車砲・艦砲への応用

 

APASの実戦投入によって、

 

物質縮小技術を応用した弾薬がSUEへ有効

 

であることが確認されると、研究対象は歩兵火器だけに留まらなくなった。

 

特に重視されたのが、

 

戦車砲。

 

元々高初速・高貫徹力を持つ戦車砲へ対SUE技術を組み合わせ、

 

APFSDS-ASなどが開発された。

 

これにより主力戦車は、

 

深海棲艦戦争以前の、

 

「人類同士の地上戦を想定した兵器」

 

から、

 

「大型SUEとも直接交戦出来る通常戦力」

 

へ変化していく。

 

同様の考え方は艦砲にも応用可能。

 

通常艦艇も対SUE弾薬を使用することで、従来弾より高い対深海棲艦能力を得られる。

 

これにより、

 

艦娘だけがSUEを倒す。

 

という構造から、

 

艦娘を中核としながら、戦車・砲兵・通常艦艇・歩兵も戦闘へ参加する

 

体系へ移行していった。

 

 

・対SUE弾薬技術の世界的拡散

 

対SUE弾薬は、本来、

 

人類共通の敵である深海棲艦へ対抗するための技術

 

として開発された。

 

その有効性は極めて高く、各国にとっても必要性が大きかった。

 

一方で、研究情報や製造技術は完全に秘匿されたままでは済まなかった。

 

・各国の研究

・技術移転

・情報流出

・スパイ活動

 

などが重なり、対SUE弾薬の製造技術は世界各地へ拡散。

 

結果として、

 

半ばオープンソース化した技術

 

に近い状態となっていく。

 

この拡散によって、通常軍の対SUE能力は世界的に大きく向上した。

 

深海棲艦の下位個体であれば、艦娘がいなくても通常部隊だけで撃破出来る場面が増加。

 

上位個体相手でも、

 

・損傷を与える

・行動を妨害する

・足止めする

・艦娘の攻撃を支援する

 

といった役割を通常軍が担えるようになった。

 

その意味では、人類全体の戦争継続能力を大きく高めた技術でもある。

 

 

・対人類兵器への転用問題

 

対SUE弾薬最大の問題点。

 

深海棲艦へ有効なほど強力な弾薬は、人間や艦娘へ撃っても当然危険である。

 

特に艦娘は、

 

通常の人間を遥かに上回る防御力を持つ一方、

 

対SUE弾薬の主要な技術的出発点そのものが、

 

艦娘兵装へ有効な威力を持つ縮小弾薬

 

にある。

 

そのため、対深海棲艦用として開発された弾薬が、

 

艦娘を攻撃・威圧する兵器

 

としても機能してしまう。

 

技術の世界的拡散後には、

 

当たり所によっては艦娘へ致命傷を与え得る対SUE弾薬が、多くの国家・組織の手へ渡った。

 

2010年頃には、

 

本来の深海棲艦撃破よりも、

 

艦娘を脅して服従させるために使用される

 

事例まで問題となっている。

 

これは対SUE弾薬が持つ大きな二面性でもある。

 

この技術によって、

 

普通の人間でも深海棲艦と戦えるようになった。

 

同時に、

 

普通の人間でも艦娘を殺傷出来るようになった。

 

艦娘技術を通常兵器へ広げることが、

 

人類側の戦力を強化すると同時に、

 

艦娘自身へ向けられる脅威まで増大させた代表例となっている。

 

 

 

・14. 艦娘技術研究から派生した高エネルギー技術

 

艦娘技術研究所で行われた研究は、艦娘そのものの建造技術だけには留まらなかった。

 

艦娘は、人間サイズの身体で軍艦級の火力・防御力・機動力を発揮する。

 

そのためには、

 

・小型であること

・極めて高い出力を持つこと

・大量のエネルギーを安全に制御出来ること

 

が必要となる。

 

この要求から、

 

・小型核融合炉

・反物質・対消滅

・マイクロブラックホール

・余剰次元

・位相制御

 

そして最終的には、

 

希式タキオン理論

 

へと研究が発展していった。

 

これらは最初から一つの完成した技術体系として生まれたわけではない。

 

それぞれ別々に研究されていた高エネルギー技術が、

 

神崎希空による物質縮小技術・余剰次元研究を中心として次第に接続され、一つの技術体系へ統合されていった

 

ものである。

 

その到達点の一つが、

 

タキオンドライヴ。

 

そして、そこから生み出される、

 

タキオンウォール

タキオンブラスター

 

などの各種高エネルギー技術となる。

 

 

・小型核融合炉

 

神崎希空によって開発された、高出力・小型核融合炉。

 

艦娘技術研究所における高エネルギー研究の、比較的初期から実用化された成果の一つ。

 

通常の原子炉よりも小型でありながら、

 

・高出力

・高い発電能力

・高い安全性

・大きな運用余裕

 

を持つ。

 

艦娘技術研究所内部の大電力供給設備だけでなく、後には通常艦艇用動力としても使用されるようになった。

 

2010年代前半には、

 

蒼龍型航空母艦

翔鶴型航空母艦

阿賀野型ミサイル巡洋艦

秋月型汎用駆逐艦

建御雷型艦娘母艦

 

などにも、希空製核融合炉またはその系統技術が使用されている。

 

特に通常艦艇では、

 

機関出力だけでなく、

 

・レーダー

・戦闘指揮システム

・電子装備

・高出力兵装

 

などへ大量の電力を供給出来ることも大きな利点となった。

 

後にさらに高密度な動力技術が開発されても、

 

量産性・安定性・扱いやすさに優れる実用動力

 

として重要な位置を占め続けている。

 

 

・対消滅機関

 

物質と反物質を反応させる、

 

対消滅

 

を利用した高出力機関。

 

物質と反物質が消滅する際に発生する莫大なエネルギーを動力として取り出す。

 

核融合炉よりも遥かに高いエネルギー密度を持つ一方、

 

・反物質の製造

・保存

・供給

・反応制御

・事故時の安全対策

 

など、技術的な難易度も急激に高くなる。

 

希空は核融合炉で満足せず、より高出力の動力を求めて反物質研究へ進んだ。

 

零の初期設計段階でも、

 

タキオンドライヴが間に合わなかった場合には対消滅系機関を搭載する

 

案が存在している。

 

つまり対消滅機関だけでも、当時の技術水準から見れば十分すぎるほど強力な動力だった。

 

しかし希空にとっては、

 

それでも最終到達点ではなかった。

 

 

・マイクロブラックホール生成技術

 

微小なブラックホールを人工的に生成・維持・制御する技術。

 

希空が高出力動力を研究する過程で扱った技術の一つ。

 

ブラックホールは極端な質量・エネルギー密度を持つため、制御出来れば非常に高密度なエネルギー源として利用出来る。

 

当然ながら、

 

作れば終わり

 

ではない。

 

生成したマイクロブラックホールを、

 

・安定して保持する

・必要な規模へ制御する

・周囲へ危険を及ぼさない

・エネルギーを取り出す

・異常時には安全に停止させる

 

ための制御技術が必要となる。

 

この研究過程で、

 

単純な三次元空間内だけではなく、

 

余剰次元を含めて物質・重力・エネルギーを制御する

 

という考え方も重要になっていった。

 

 

・BHエンジン

 

マイクロブラックホールを動力源として利用する機関。

 

BHは、

 

Black Hole

 

を意味する。

 

人工生成したマイクロブラックホールを安定して保持し、その周辺で発生する高密度なエネルギーを機関出力として利用する。

 

核融合炉より高い出力密度を目指す技術の一つであり、対消滅機関と並んで希空が研究した高出力機関系統に属する。

 

ただし、

 

・生成設備

・保持機構

・重力制御

・安全制御

・冷却

・出力取り出し

 

などが複雑化し、核融合炉ほど容易に量産・運用出来るものではない。

 

後にタキオンドライヴが成立したことで、高エネルギー機関研究における最終到達点ではなくなったものの、

 

タキオンドライヴ以前に希空が到達していた高出力機関技術の一つ

 

として位置付けられる。

 

 

・余剰次元位相制御

 

物質縮小技術の解析から発展した、

 

通常空間と余剰次元の関係を人為的に制御する技術。

 

物質縮小技術では、

 

物質の構造や質量の一部を余剰次元側へ移し、

 

通常空間へ見えている部分を小さくする。

 

希空はこの現象を解析する過程で、

 

「どの次元へ、どの程度、どの状態で存在しているか」

 

を制御出来ることに気付いた。

 

そこで重要となるのが、

 

位相

 

である。

 

・通常空間側の状態

・余剰次元側の状態

・そして両者の対応関係

 

それらを精密に制御することで、

 

・物質移送

・機械機能の接続

・エネルギー移送

・空間制御

 

へ応用出来る可能性が生まれた。

 

物質縮小技術が、

 

物質を余剰次元へ置ける

 

ことを実証した技術なら、

 

余剰次元位相制御は、

 

その接続そのものを工学的に操作する

 

ための技術となる。

 

 

・希式タキオン理論

 

神崎希空が構築した、余剰次元・位相・波動・エネルギー伝播・タキオン粒子を統一的に扱う理論体系。

 

正式名称、

 

希式タキオン理論。

 

物質縮小技術の研究が、その出発点となっている。

 

物質を余剰次元へ移動させられる。

 

通常空間から見えなくなった物質も、消滅しているわけではない。

 

余剰次元側に存在したまま、通常空間側の構造と機能的に接続出来る。

 

その事実から希空は、

 

「物質を次元境界の向こうへ移せるなら、エネルギーも同じように扱えるのではないか」

 

と考えた。

 

さらに、

 

・通常空間

・余剰次元

・位相差

・共鳴

・エネルギー伝播

 

そこで観測された未知の粒子反応。

 

それらを一つの理論へまとめていった。

 

希式タキオン理論は、

 

単純に、

 

「超光速粒子を使う理論」

 

ではない。

 

通常空間と余剰次元の間に成立する位相・波動現象を利用し、

 

物質・エネルギー・情報を次元境界を越えて扱うための総合的な理論体系

 

である。

 

この理論によって、

 

それまで個別に存在していた、

 

・物質縮小

・高次元位相制御

・高出力機関

・空間制御

・タキオン粒子

 

といった研究が、一つの体系として接続されることになった。

 

 

・タキオン粒子

 

希式タキオン理論で重要な役割を持つ粒子。

 

ただし、

 

従来の理論物理学で仮定されていた「タキオン」が、そのまま実在すると証明されたものではない。

 

希空が研究していた時代にも、従来物理学におけるタキオンは、

 

未観測の仮想的粒子

 

に過ぎなかった。

 

希空自身も、

 

「既存理論で予想されたタキオンを探そう」

 

として研究していたわけではない。

 

・余剰次元

・位相変動

・エネルギー伝播

・妖精技術

・自身の観測結果

 

それらを組み合わせ、

 

「この現象が成立するなら、こういう性質を持つ粒子反応が存在するはずだ」

 

と逆算して探していた。

 

そして実際に、

 

希空が要求していた性質を持つ未知の粒子的存在を発見。

 

そこで希空は、その粒子へ、

 

「タキオン粒子」

 

という名前を付けた。

 

理由はかなり単純。

 

既存物理学で「タキオン」という言葉は存在していたものの、

 

その名を持つ実在粒子はまだ発見されていなかった。

 

ならば、

 

自分が発見した、必要な性質を持つ粒子をタキオンと呼んでも構わない。

 

という発想である。

 

要するに、

 

発見者による早い者勝ち。

 

希空が先に実在粒子へその名称を与えた結果、本作世界では以後、

 

タキオン粒子

 

と言えば、原則として希空が発見・定義したこの粒子を指す。

 

従来物理学上の仮想的タキオンと、完全に同一の性質を持つことを意味する名称ではない。

 

 

・希式タキオンエネルギー

 

希式タキオン理論に基づいて扱われる高密度エネルギー。

 

正式名称、

 

希式タキオンエネルギー。

 

ただし、実際の研究現場・軍事運用・一般会話では、

 

タキオンエネルギー

 

と呼ばれることがほとんど。

 

「希式」が付くのは、

 

神崎希空が確立した理論体系に基づくエネルギーであることを明確にする必要がある場合

 

が中心となる。

 

タキオンエネルギーは、

 

単純に、

 

タキオン粒子そのものを燃料として燃やしたエネルギー

 

という意味ではない。

 

・タキオン粒子

・余剰次元との位相接続

・波動現象

・エネルギー変換

 

それらを希式タキオン理論に基づいて制御することで取り扱われるエネルギー体系の総称となる。

 

タキオンドライヴでは、このタキオンエネルギーを生成・変換・循環・供給し、

 

・推進

・身体強化

・防御

・兵装

・空間制御

 

などへ使用する。

 

したがって、

 

希式タキオン理論=理論。

 

タキオン粒子=その理論で扱う実在粒子。

 

希式タキオンエネルギー=その理論と粒子・次元接続を利用して扱うエネルギー。

 

という関係になる。

 

 

・タキオンドライヴ

 

神崎希空が開発した、希式タキオン理論を実機へ落とし込んだ高出力機関。

 

単なる発電機ではない。

 

希空がそれまで行ってきた、

 

・核融合

・反物質

・対消滅

・マイクロブラックホール

・高次元位相制御

・希式物質縮小技術

・タキオン粒子

・生命維持技術

 

などの研究成果を統合し、

 

一つの機関体系として成立させたもの

 

である。

 

タキオンドライヴは、

 

・タキオンエネルギーの生成・変換

・余剰次元との位相接続

・エネルギー循環

・推進

・防御

・兵装へのエネルギー供給

・身体・機体機能への供給

 

などを一体で行う。

 

特殊技術実験艦“ゼロ”に搭載されたものが代表例。

 

零の場合にはバイタルパートへ組み込まれ、

 

動力機関

であると同時に、

生命維持中枢

 

としても機能している。

 

なお、

 

「タキオンドライヴ」

 

という名称自体は、希空が幼少期から好んでいたフィクション作品の影響を受けている。

 

しかし実際の機関は、その架空技術をそのまま再現したものではない。

 

希空自身の研究によって現実の物理法則から構築した結果、

 

似た機能を持つ機関へ到達したため、その名称を付けたものである。

 

 

・タキオンドライヴと物質縮小技術の関係

 

タキオンドライヴは、

 

物質縮小技術をそのまま動力機関へ転用したものではない。

 

両者は別の技術。

 

しかし、技術史上は極めて強い繋がりを持つ。

 

物質縮小技術によって希空は、

 

余剰次元が単なる数学上の仮説ではなく、現実の物質を保持出来る領域である

 

ことを確認した。

 

そこから、

 

物質を置けるなら。

 

エネルギーも送れるのではないか。

 

情報も接続出来るのではないか。

 

通常空間と余剰次元の間で、継続的にエネルギーを交換出来るのではないか。

 

という研究へ進む。

 

その結果として、

 

希式タキオン理論

 

が成立。

 

さらに、それを動力機関として実装したものが、

 

タキオンドライヴ

 

となる。

 

技術系譜としては、

 

妖精由来の物質縮小技術

↓

希式物質縮小技術

↓

余剰次元位相制御

↓

希式タキオン理論

↓

タキオンドライヴ

 

となる。

 

したがって物質縮小技術は、

 

タキオンドライヴの部品そのものではない。

 

しかし、

 

タキオンドライヴへ至る物理学的な出発点

 

となった技術である。

 

 

・タキオンウォール

 

タキオンドライヴから供給されるタキオンエネルギーを用いて形成される防御技術。

 

零が使用する代表的な防御能力の一つ。

 

使用者・機体の周囲へ高密度なエネルギー場を形成し、

 

外部からの攻撃を受け止める。

 

単なる物理装甲とは異なり、

 

攻撃そのものをエネルギー場によって遮断・減衰させる。

 

そのため、

 

・実体弾

・爆発

・高エネルギー攻撃

 

など、様々な攻撃に対して使用可能。

 

ただし、

 

絶対防御ではない。

 

防げる攻撃規模は、

 

・タキオンドライヴ出力

・ウォールへ割けるエネルギー量

・展開範囲

・使用者の制御能力

・攻撃側の出力

 

などによって変化する。

 

防御へ大量のエネルギーを使用すれば、その分だけ推進や攻撃へ回せる出力も減少する。

 

したがって実戦では、

 

必要な瞬間・必要な方向へ、必要な強度だけ展開する

 

ことも重要となる。

 

 

・タキオンブラスター

 

タキオンドライヴと希式タキオンエネルギーを利用した高出力攻撃。

 

零を代表する必殺技の一つ。

 

タキオンドライヴで扱われるタキオンエネルギーを、

 

身体内部で収束、圧縮。

 

指向性を与え、

 

主として掌から一方向へ放出する。

 

通常兵器の砲弾を発射するのではなく、

 

高密度なタキオンエネルギーそのものを攻撃として叩き付ける

 

方式となる。

 

出力は一定ではない。

 

必要に応じて、

 

低出力〜通常戦闘出力〜高出力

 

へ調整出来る。

 

強力な反面、使用するエネルギー量も大きく、

 

連続使用すればタキオンドライヴ側の出力配分へ大きく影響する。

 

そのため零は、

 

・身体強化

・推進

・タキオンウォール

・その他兵装

 

へ必要なエネルギーを考えながら、使用出力を調整する必要がある。

 

2016年時点でも零の主力高出力攻撃として使用されており、

 

タキオンドライヴが単なる高性能エンジンではなく、機関出力そのものを攻撃へ転用出来るシステムである

 

ことを最も分かりやすく示す能力となっている。

 

 

 

・15. 艦娘技術の通常技術への波及

 

艦娘技術は、

 

艦娘を造るためだけの特殊技術

 

として終わらなかった。

 

艦娘を成立させるためには、

 

・大型兵器の小型化

・大量の弾薬・燃料の保持

・小型高出力機関

・高密度な兵装配置

・高度な情報処理

・人間サイズで軍艦級能力を扱う制御技術

 

など、従来兵器では必要とされなかった技術が多数研究されることになった。

 

そして一度、

 

「巨大な軍艦級システムを人間サイズへ収める」

 

技術が成立すれば、

 

それを通常サイズの兵器へ使用した場合、さらに大きな余裕を得ることが出来る。

 

艦娘用に小型化された機関を通常艦艇へ搭載する。

 

人間サイズの艤装へ大量の弾薬を搭載する技術を、戦車や艦艇の弾薬搭載へ応用する。

 

艦娘用縮小弾薬の研究から、通常火器用の対SUE弾薬を開発する。

 

空母艦娘用航空システムを、基地航空隊へ転用する。

 

こうして、

 

艦娘専用技術

↓

通常軍事技術への転用

↓

艦娘と通常兵器の共同運用

↓

双方の技術が相互に混ざり合った新世代兵器

 

という流れが生まれた。

 

2016年時点では、この技術融合は既に日本国防軍の陸・海・空すべてへ影響を及ぼしている。

 

 

・物質縮小技術の兵器利用

 

物質縮小技術は、元々艦娘の艤装を成立させるために利用されていた。

 

軍艦級の、

 

・兵装

・機関

・弾薬

・燃料

・航空機

・各種機械

 

を、人間一人が装備出来る規模へ収めるためである。

 

しかし、この技術は艦娘にしか使用出来ないものではない。

 

原理が解明され、人類側から制御出来るようになると、

 

通常兵器へも応用可能

 

となった。

 

特に大きな利点となるのが、

 

限られた容積へ、従来より遥かに多くの機能や物資を収められること。

 

例えば弾薬であれば、

 

同じ弾薬庫容積でも、物質縮小技術を利用することで大量の弾薬を保持出来る。

 

・燃料

・ミサイル

・交換部品

・補給物資

・各種機械装置

 

これらについても同様。

 

さらに、

 

縮小された機械を作動可能な状態で通常空間へ機能接続出来る

 

ため、単なる収納技術に留まらない。

 

兵器の内部構造そのものを、

 

通常空間だけでは成立しない高密度な設計

 

へ変えることが出来る。

 

ただし、

 

無限に物資を格納出来るわけではない。

 

存在しない弾薬を生成することも出来ない。

 

また高性能な兵器を小型化したとしても、

 

・反動

・発熱

・エネルギー消費

・機械的負荷

 

まで消えるわけではない。

 

物質縮小技術は、

 

兵器を物理法則から解放する技術

 

ではなく、

 

兵器設計における「大きさ」という制約を大幅に緩和する技術

 

と考える方が正確である。

 

 

・艦娘技術由来の小型高出力機関

 

艦娘は、人間サイズの身体と艤装で軍艦級の能力を発揮する。

 

そのため研究初期から、

 

小さな機関から非常に大きな出力を取り出す技術

 

が重要課題となった。

 

この研究によって、

 

・高出力機関そのもの

・小型化

・冷却

・エネルギー制御

・電力配分

・安全装置

 

などの技術が急速に発展する。

 

代表的な成果の一つが、

 

神崎希空が開発した小型核融合炉。

 

艦娘・第二世代技術研究との関連から高出力機関の小型化が進み、その成果は通常艦艇にも利用されるようになった。

 

2010年末に就役した伊4-80型潜水艦は、最初から希空製核融合炉の搭載を前提として設計された新世代艦艇の代表例。

 

従来の潜水艦とは比較にならない出力・発電能力を利用し、

 

・水中高速航行

・長時間潜航

・大型ソナー

・大規模情報処理

・生命維持

・各種兵装

 

などを支えている。

 

さらに2014年初頭には、

 

阿賀野型ミサイル巡洋艦

 

が就役開始。

 

こちらも最初から希空製核融合炉の搭載を前提とし、

 

大出力と豊富な電力を、

 

・ミサイル

・センサー

・戦闘指揮システム

・対深海棲艦兵装

・艦娘部隊との連携設備

 

へ振り分けている。

 

重要なのは、

 

高性能な機関へ換装するだけでは、新世代兵器にはならない

 

という点。

 

旧式艦へ核融合炉だけを載せても、

 

・武装

・センサー

・電力系統

・戦闘指揮

・船体構造

 

が従来のままなら、その出力を完全には活かせない。

 

そのため2010年代の新世代通常兵器では、

 

高出力機関を搭載することを前提として、兵器全体を最初から設計する

 

という思想へ移行している。

 

 

・艦娘技術由来の高密度兵装

 

艦娘の艤装は、

 

極めて限られた空間へ大量の兵装を統合する

 

ことを前提としている。

 

・主砲

・魚雷

・ミサイル

・弾薬

・航空機

・センサー

・通信装置

・推進機関

 

これらを人間サイズへ収めるために発達した技術は、通常兵器側から見れば非常に大きな余裕を生む。

 

通常兵器は艦娘より遥かに大きい。

 

つまり、

 

人間サイズへ押し込める技術を、戦車・航空機・軍艦サイズで使用すればよい。

 

その結果、

 

従来なら容積や重量の問題で搭載出来なかった装備を、

 

同一プラットフォームへまとめられる可能性が生まれる。

 

・大量の弾薬

・高出力機関

・大規模センサー

・強力な電子装備

・対SUE兵装

 

これらを一つの兵器へ高密度に統合出来る。

 

ただし、

 

搭載出来ることと、使いこなせることは別。

 

大量の兵装を積んでも、

 

・発射装置

・火器管制

・冷却

・電力

・反動処理

・整備能力

・情報処理能力

 

が追いつかなければ意味がない。

 

このため2010年代の新世代兵器では、

 

物質縮小技術そのものだけではなく、

 

高出力機関・戦闘指揮システム・センサー・データリンクまで含めた統合設計

 

が重要となっている。

 

艦娘が、

 

一人の身体で軍艦一隻分の機能を統合する兵器

 

であるなら、

 

そこから派生した通常兵器も、

 

一つの艦・車両・航空機へ、従来以上の機能を高密度に統合する

 

方向へ発展したのである。

 

 

・対SUE弾薬による通常兵器強化

 

艦娘技術が通常兵器へ与えた影響の中でも、最も分かりやすいものが、

 

対SUE弾薬。

 

特にAPASをはじめとする弾薬体系は、

 

艦娘用の縮小弾薬が、

 

小さな外見にもかかわらず大きな破壊力を維持している

 

ことから生まれた。

 

この研究成果を通常火器へ応用することで、

 

・歩兵火器

・機関銃

・対物ライフル

・戦車砲

・艦砲

 

などにも対深海棲艦能力が与えられた。

 

結果、

 

深海棲艦との戦争初期には、

 

「艦娘でなければ有効に戦えない」

 

に近かった戦場が、

 

2010年代には、

 

通常兵器でも下位個体なら撃破可能

 

な環境へ変化している。

 

・戦車部隊

・砲兵

・通常艦艇

・歩兵

・航空部隊

 

それぞれが対SUE装備を持ち、艦娘と同じ戦場へ参加出来る。

 

上位個体については依然として非常に危険であり、通常兵器だけでの撃破は容易ではない。

 

しかし、

 

・随伴下位個体を排除する

・上位個体へ損傷を与える

・進路を制限する

・動きを止める

・艦娘へ射撃機会を作る

 

といった支援は可能。

 

これによって艦娘は、

 

すべての敵を自分達だけで処理する戦力

 

から、

 

通常軍と役割分担しながら、より危険な敵へ集中する特殊戦力

 

へ変化しつつある。

 

 

・艦娘技術と通常軍事技術の融合

 

艦娘技術が広がった結果、

 

2010年代には、

 

「艦娘技術」と「通常軍事技術」を完全に別物として扱うこと自体が難しくなり始めている。

 

例えば国防海軍。

 

2000年代に建造された朝潮型汎用駆逐艦では、既に深海棲艦戦と艦娘部隊との共同運用を本格的に想定。

 

・対SUE兵装

・艦娘との通信

・目標情報共有

・通常艦艇からの火力支援

 

などが設計へ組み込まれている。

 

さらに伊-480型では核融合炉。

 

阿賀野型では、

 

核融合炉

+

大規模戦闘指揮システム

+

強化されたミサイル兵装

+

対SUE兵装

+

艦娘とのデータリンク

 

が最初から一つの艦として統合される。

 

空では、

 

通常航空機へ

 

・対SUE用火器管制

・対SUE対応対艦兵器

・特殊弾頭

・艦娘部隊とのデータリンク

 

が追加される。

 

一方では、空母艦娘から生まれた航空技術そのものが基地航空隊として独立。

 

陸では、対SUE弾薬によって戦車や歩兵が深海棲艦へ直接攻撃出来るようになった。

 

つまり技術の流れは、

 

通常兵器

↓

妖精技術との遭遇

↓

艦娘

↓

艦娘技術の解析・発展

↓

その成果を通常兵器へ戻す

 

という一周を始めている。

 

しかも、そこで終わらない。

 

通常兵器へ導入した技術から得られたデータも、再び艦娘研究へ戻される。

 

・通常艦艇のセンサー

・通常航空部隊の戦術

・戦車砲

・ミサイル

・電子戦

・艦隊指揮

 

それらは逆に艦娘側の装備・戦術研究へ利用出来る。

 

したがって2016年時点で起きているのは、

 

艦娘が通常兵器を置き換えること

 

ではない。

 

また、

 

通常兵器が強くなったため艦娘が不要になること

 

でもない。

 

実際には、

 

艦娘技術によって通常兵器が強くなり、通常兵器の発展が艦娘を支え、両者が同じ軍事技術体系へ統合され始めている。

 

初期の深海棲艦戦争では、

 

「通常兵器では通用しないから艦娘を造る」

 

ことから始まった。

 

それから十数年。

 

2016年には、

 

「艦娘を造るために生まれた技術によって、通常兵器そのものが深海棲艦と戦えるようになる」

 

ところまで、人類側の技術体系は変化している。

 

 

 





あ と が き

随時更新予定

艦娘関係のものは大体ここに置いときます。
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