登場人物の設定置き場
随時更新予定
本項では、『自我持つ兵器の英雄譚』に登場する主要人物、艦娘、深海棲艦などについて扱う。
艦娘や妖精、深海棲艦については、それぞれの成立原理、技術体系、分類などを別の設定集で詳しく扱うため、ここでは主に「登場人物として見るうえで必要となる概要」と、各個人・個体の人物設定を記載する。
神崎家
本作の中心となる家系の一つ。
古墳~飛鳥時代頃から続くとされる非常に古い家系であり、時代に応じて、
・神職関係
・朝廷へ武力で仕える豪族
・貴族
・守護
・戦国大名
・華族
・軍人家系
などと立場を変えながら存続してきた。
単に古い家柄というだけではなく、その時代ごとの社会や制度へ適応しながら生き残ってきた家系である。
近代以降は特に軍との関係が深く、旧日本軍から日本国防軍に至るまで、多数の軍人を輩出している。
また、一族には古くから
「神崎流」
と呼ばれる独自の戦闘術が伝わっている。
神崎流は、白兵戦、武器術、身体操作、戦場での実戦技術などを長い年月を掛けて発展させてきた総合的な戦闘体系であり、現代の神崎家における軍人教育にも強く影響している。
本編では、多数の主要人物がこの家系に属する。
家族同士の結び付きも非常に強く、神崎家そのものが本作における大きな人物関係の中心となっている。
神崎 洋一
かんざき よういち
1955年生まれ。
2000年時点の神崎家当主であり、日本国防海軍の高級将校。
湾岸戦争では中東派遣艦隊司令官を務め、第一艦隊旗艦「蒼龍」に座乗。船団護衛、艦砲射撃、海上警戒、空母航空部隊の運用など、多国籍軍側に参加した日本国防軍海上戦力を指揮した。
神崎家という名家の出身であることが軍歴に影響しなかったわけではないが、それ以上に本人の指揮能力と実績によって高い地位へ登った人物。
2000年には横須賀鎮守府所属第一艦隊司令長官。
ミレニアム・ショック発生時には空母「瑞鶴」に座乗し、第一艦隊を率いて出撃。その戦闘で戦死する。
洋平、海斗、加奈の父。
美香の養父でもある。
神崎 洋平
かんざき ようへい
1982年生まれ。
神崎洋一の長男。
海斗とは双子の兄。
2000年、父・洋一の戦死を受け、18歳という異例の若さで神崎家当主となる。
普段は多少抜けたところもあり、身内の前では比較的気安い性格をしているが、重大な局面では強い責任感を見せる。
後に、艦娘戦力を統括する特務艦隊司令長官となり、第一特務艦隊司令官も兼任。
第一世代空母艦娘“鳳翔”と長年にわたって深い関係を築き、2009年に正式に結婚する。
この結婚には二人自身の恋愛感情だけではなく、神崎家当主が艦娘と正式に婚姻することによって、艦娘を「兵器」ではなく「人間」として社会的に認めさせようとする政治的意味も存在した。
“鳳翔”との間には、
神崎穂乃果
神崎凛
の二人の娘がいる。
神崎 海斗
かんざき かいと
1982年生まれ。
神崎洋一の次男。
洋平とは双子の弟。
第二特務艦隊司令官。
身内以外にはややシャイなところがある一方、実戦では高い指揮能力を発揮する軍人。
幼い頃から共に育った美香を非常に大切にしており、高校在学中に結婚している。
第二特務艦隊では艦娘母艦「建御雷」を中核として、多数の艦娘を率い、深海棲艦との戦闘を長年経験した。
神崎希空、神崎零の父。
神崎 美香
かんざき みか
1982年生まれ。
神崎洋一の養女。
元々は洋一の親友の一人娘だったが、父親の死後、事情により神崎家へ引き取られた。
洋平・海斗とは同い年で、幼い頃から兄妹同然に育っている。
かなり重度のミリタリー好き。
航空機、艦艇、兵器などへの知識と興味は非常に強い。
特に実父が国防空軍のF-1パイロットとして湾岸戦争で戦死していることから、軍用航空機に対して強い思い入れを持つ。
海斗とは高校在学中に結婚。
第二特務艦隊所属艦娘母艦、初代「建御雷」の艦長を務める。
海斗が艦隊全体の指揮を担う一方、美香は「建御雷」そのものの操艦・運用を担い、長年にわたって夫婦で第二特務艦隊を支えた。
神崎希空、神崎零の母。
神崎 加奈
かんざき かな
1995年2月生まれ。
洋平・海斗の実妹。
早生まれであり、東堂士とは暦年上約3歳差だが、学年差は2学年。
幼い頃から神崎家の分家である東堂家で生活しており、東堂士とは長年の婚約関係にある。
神崎流を学んでおり、普通の少女と比較すれば高い身体能力と戦闘技術を持つ。
一方、兄である洋平や海斗、士からは「加奈まで軍へ来る必要はない」と考えられていた時期もあり、当初から軍人として生きることを強く期待されていた人物ではない。
しかし深海棲艦戦争や周囲の事件へ次第に巻き込まれ、自らも実戦を経験するようになる。
神崎 希空
かんざき のあ
2004年生まれ。
神崎海斗・美香夫妻の長女。
型式番号はJK-X-00。
『特殊技術実験艦 “ノア”』が正式な名前。
幼少期から次世代艦娘研究を目的とした遺伝子操作を受けて成立したデザイナーベビーであり、自身も艦娘技術研究の実験個体の一人。
特に頭脳、情報処理能力、人体設計技術の研究へ大きく特化している。
幼児の頃から世界最高峰級の頭脳を持ち、2007年頃、わずか3歳で艦娘技術研究所の研究へ参加。
秋吉智明と共に第二世代艦娘研究を進め、後には人体建造、物質縮小、高エネルギー技術など、本作世界の技術史へ極めて大きな影響を与える。
ただし、頭脳が異常に発達しているからといって、精神まで完全な大人というわけではない。
研究中は世界最高峰の科学者である一方、家族の前では年相応の少女でもあり、両親を愛し、褒められれば喜び、疲れれば眠り、不安になれば周囲へ甘える。
零の姉であると同時に、零を設計・建造した創造者でもある。
希空にとって零は、人類を守るために作った最強の兵器であると同時に、何よりも大切な弟でもある。
神崎 穂乃果
かんざき ほのか
2010年生まれ。
神崎洋平と“鳳翔”の長女。
凛とは双子の姉。
艦娘技術を用いて生まれた神崎家の少女。
その建造方式だけを基準にする秋吉の分類では、第二世代艦娘相当。
一方、希空が重視する「第一世代からどこまで性能的に飛躍したか」という基準では、まだ第一世代艦娘の性能域に留まる。
第二世代艦娘技術が量産型へ到達する直前に生まれた、過渡期の重要な存在でもある。
性格は名前の印象通り、柔らかく穏やかな雰囲気を持つ。
神崎 凛
かんざき りん
2010年生まれ。
神崎洋平と“鳳翔”の次女。
穂乃果とは双子の妹。
穂乃果と同じく、第二世代艦娘へ至る過渡期の技術によって生まれた少女。
建造方式上は第二世代相当だが、希空の性能基準では第一世代の延長線上に位置する。
穂乃果が柔らかな性格なのに対し、凛はより戦闘面を意識した方向性を持つ。
当初は次世代艦娘における高性能戦闘個体としての役割も期待されていたが、その後、その役割をさらに極端な形で追求した存在として零が誕生する。
神崎 零
かんざき ぜろ/“ゼロ”
2010年7月4日生まれ。
本作の主人公。
神崎海斗・美香夫妻の長男。
希空の弟。
型式番号はJK-2-X-00。
『特殊技術実験艦 “ゼロ”』が正式な名前。
艦娘技術、人体建造技術、高性能脳、物質縮小技術、高出力機関、自己修復技術など、第二世代艦娘へ繋がる多数の技術を一個体へ集中させた特殊試作個体。
通常の艦娘と異なり艦魂を使用しておらず、対応する実艦も存在しない。
希空が「本当の第二世代」として理想性能を追求した結果生まれた存在であり、人類を守るための人型兵器として設計された。
一方で、家族からは最初から「神崎家の子供」として育てられている。
乳児状態から成長し、幼少期には成育促進と知識インストールを受けながら戦闘員として育成された。
しかし、知識を持っていることと経験を積んでいることは別であり、零自身も訓練、失敗、実戦を繰り返しながら一つずつ技術を身に付けていく。
東堂家
神崎家から数世紀前に分かれた分家。
元々は藤原氏との関係などもあって「藤堂」と名乗っていたが、後に東日本に土着すると共にその字を改めた経緯を持つ。
独立した家ではあるものの、現代に至るまで神崎家との関係は非常に深い。
神崎家と同様、
・軍人家系としての文化
・神崎流
・家同士の人的交流
を継承している。
そのため、両家は戸籍上・家系上では別家でありながら、軍務、戦闘術、家族関係の面では極めて近い。
神崎家と東堂家の子供達も幼少期から互いに交流しており、「本家と分家」という形式的な関係以上に、実質的には一つの大きな家族圏を形成している。
東堂 士
とうどう つかさ
1992年生まれ。
誕生日は7月下旬。
神崎家から数世紀前に分かれた分家、東堂家の後継者として育つ。
幼少期から軍人を志し、同年代よりかなり大人びた性格。
神崎家・東堂家に伝わる戦闘体系、
『神崎流戦闘術』
の正式な継承者でもある。
2011年、江田島の海軍兵学校へ入学。
元々の身体能力、軍事知識、神崎流の経験もあり、入学後は非常に高い成績を示していく。
神崎加奈とは幼少期から非常に近い関係にある。
零にとっては親族であると同時に、神崎流や白兵戦を教える師の一人。
また希空に対しても、「世界最高峰の科学者」としてだけではなく、幼い頃から知っている家族の一人として接している。
その他の人間キャラクター
秋吉 智明
あきよし ともあき
1982年生まれ。
国防省艦娘技術研究所所長。
階級は技術大佐。
神崎洋平・海斗・美香とは同年代。
幼少期から非常に高い知能を示し、学生時代の時点で科学者として世界的に知られていた人物。
高校時代から軍事技術研究へ参加し、高校卒業後に国防軍へ技術士官としてスカウトされた。
19歳の時点で軍の極秘研究施設を任され、20歳となった2003年頃には艦娘技術研究所所長として活動している。
人類側における艦娘技術研究の第一人者。
妖精からもたらされた技術を、人類側の工学・医学・生物学へ落とし込み、実際に量産可能な兵器体系として成立させる研究を中心的に担った。
人間の少女へ艦魂と艤装を接続する従来方式を、
「第一世代艦娘」
と分類した人物でもあり、その方式が最終回答ではないと考え、かなり早い段階から次の、
「第二世代艦娘」
を構想していた。
後に神崎希空と共同で第二世代艦娘研究を進める。
希空が突拍子もない発想や圧倒的な設計能力を持つ一方、秋吉は長年の研究経験と実用化・安全性・量産性の視点からそれを支える立場にあり、年齢差こそ大きいものの研究者として非常に重要なパートナーとなっている。
普段は比較的穏やかで丁寧な性格。
堅苦しい上下関係を好む人物でもなく、同年代の洋平達とは早い段階から気安い関係になっている。
小林 直樹
こばやし なおき
日本国防海軍軍人。
神崎洋一とは海軍士官学校時代の同期であり、古くから親交があった。
物静かで冷静な性格。
物語初期には横須賀鎮守府警備艦隊司令官を務め、老朽化したミサイル巡洋艦“那珂”を旗艦として近海警備・首都圏防衛などを担当していた。
深海棲艦との戦闘では、旧式艦を率いながら前線指揮を執る経験豊富な海軍指揮官。
洋一の死後もその子供達との関係は続いており、洋平・海斗・美香ら若い世代にとっては、父親世代から続く重要な協力者の一人でもある。
艦娘についても、単なる兵器・軍事資産として扱うのではなく、一人の人間として接することを重視する立場。
そのため洋平達が軍や政府内で艦娘の待遇改善を進めようとする際には、田村と共に大きな後ろ盾となった。
2010年、艦隊再編に伴い、
呉鎮守府司令長官
へ栄転。
以降は呉鎮守府の最高責任者として西日本方面の防衛を担うと同時に、研究所から呉へ移された“阿武隈”“川内”“神通”“那珂”ら幼い第二世代艦娘達を受け入れる。
2012年の呉襲撃では鎮守府から防衛戦を指揮。
幼い第二世代艦娘達の避難を優先しながら戦力を再編していたが、呉鎮守府庁舎が深海棲艦の攻撃を受け、田村と共に戦死した。
その死は、単なる高級将校の損失ではなく、艦娘を人間として扱おうとする勢力にとって、軍上層と現場を繋いでいた重要な後ろ盾を失う出来事となった。
田村 誠
たむら まこと
日本国防海軍軍人。
物語初期には、横須賀鎮守府警備艦隊旗艦であるミサイル巡洋艦“那珂”の艦長を務める。
現代海軍では珍しい、いわゆる
「大砲屋」
と呼べるタイプの砲戦を好む海軍軍人。
旧式巡洋艦“那珂”の20.3cm砲を生かした戦闘にも習熟しており、小林の指揮下で横須賀警備艦隊を支えてきた。
小林とは長年行動を共にしており、神崎家とも洋一の時代から深い関係を持つ。
性格は小林よりもやや砕けており、洋平達に対しても比較的気さくに接する。
また子供好きな一面も強く、穂乃果・凛が生まれた際には小林と共に何度も顔を見に来ていた。
小林が呉鎮守府司令長官へ転任した際には、自身もその補佐として呉へ異動。
以降は、
呉鎮守府参謀長
として小林を支えた。
小林と同じく艦娘派にとって重要な協力者であり、第二世代艦娘達の受け入れにも関わっている。
2012年の呉襲撃では小林と共に鎮守府で防衛指揮を執っていたが、呉鎮守府庁舎への攻撃によって戦死した。
震電保存会
野崎 栄秀
のざき えいしゅう
1962年生まれ。
国防空軍の元戦闘機パイロット。
震電保存会現会長。
本人曰く、
「元々はただの震電乗り」
湾岸戦争当時、震電七八型を運用していた二個飛行戦隊の一方を率いていた人物。
榊猛と共に当時の震電隊を代表するスーパーエースとして知られ、湾岸戦争で多数の実戦を経験している。
榊とは互いに競い合ったライバルであると同時に、長年の親友でもある。
現在は震電保存会会長という立場にあるが、本人は事務仕事よりも飛ぶことを好む生粋のパイロット。
震電の長所だけでなく、その扱いにくさ、整備員やパイロットが何処で苦労するかまで実体験として理解していることから、技術者や資金提供者だけでは分からない「現場側」の代表として保存会の中核にいる。
震電保存会についても、単に古い航空機を保存する団体とは考えていない。
外国製兵器を拒否する組織でもなく、有用な海外技術は積極的に取り入れる。
そのうえで、
「自国で兵器を考え、自国で造り続けるための人材・設備・技術基盤を残す」
ことを重要視している。
希空が持つ慣性制御などの新技術にも強い関心を示しており、自身が再び全力で震電を飛ばせる可能性も含め、艦娘技術と震電保存会の協力に期待している。
榊 猛
さかき たけし
元国防空軍震電パイロット。
榊電翔の父。
湾岸戦争において、野崎栄秀と共に
「震電隊の双璧」
と呼ばれたスーパーエース。
野崎とは長年のライバルであり、大親友でもある。
震電七八型の性能を極限まで引き出せる一握りのパイロットの一人であり、自身専用に組み上げた複合空戦機動、
「震空乱舞」
を持っていた。
息子の電翔も父親に憧れて国防空軍へ進み、震電乗りとなっている。
野崎家と榊家は父親同士の関係から家族ぐるみの付き合いがあり、次世代である楓と電翔も幼少期から互いを知っている。
野崎 楓
のざき かえで
1990年生まれ。
野崎栄秀の娘。
榊電翔とは同い年。
父親が著名な震電パイロットであり、自身も幼少期から震電保存会に近い環境で育ったが、父と同じパイロットの道は選ばなかった。
ただし国防空軍そのものから離れたわけではなく、軍人となっている。
楓が高い適性を示したのは、
状況把握
情報整理
優先順位決定
判断速度
複数機の同時誘導
といった、戦場全体を把握して航空部隊を動かす能力だった。
そのため、早期警戒管制機、
『霊山』
の情報処理・戦闘管理要員として勤務。
彼女が搭乗する“霊山”は、震電七八型を運用するアグレッサー部隊付きで運用されている。
その部隊には幼馴染である榊電翔も所属している。
栄秀と猛が長年の親友であったことから、楓と電翔も物心が付く以前から互いを知っており、非常に親しい関係。
父親達とは異なり、
楓が後方から戦場全体を見て指示を出し、電翔がその情報を信じて震電で戦う
という、新しい形の連携が期待されている。
榊 電翔
さかき でんしょう
1990年生まれ。
榊猛の息子。
国防空軍所属の若手戦闘機パイロット。
父親に憧れて空軍を志し、若くして非常に高い操縦適性を示した。
震電保存会との家族的な繋がりはあるものの、それだけで特殊部隊へ入れるほど国防空軍は甘くなく、本人自身の実力によって、
震電七八型を運用するアグレッサー部隊
へ配属されている。
第34話時点で20歳のルーキーながら、すでに震電七八型特有の極端な高機動を扱える新世代の震電乗り。
父・猛や野崎栄秀から受け継いだ空戦技術をそのまま真似するのではなく、自身の技量や癖へ合わせた新しい
「震空乱舞」
を作り始めている。
野崎楓とは幼少期からの付き合い。
楓が搭乗する霊山と自身の震電による連携は、父親世代とは異なる新しい空戦の形として期待されている。
海外艦娘部隊司令官
2008年12月。
日本側が主導した、
『次世代艦娘研究のための国際意見交換会』
通称、『G5』へ参加した外国人艦娘部隊司令官達。
参加国は日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、イタリアの5か国。
外国側の4人はいずれも、
艦娘を単なる消耗品として扱わず、自分の部下として良好な関係を築いている
ことを、日本側が信用出来る人物と判断したうえで招かれている。
彼らは、艦娘が軍事力である以上、命令系統や軍紀が必要であることを認めながらも、同時に人格を持つ一人の人間として保護されなければならないという考えを共有している。
後に日本側との技術協力を継続し、第二世代艦娘技術の国外供与にも関わっていく。
ウィリアム・ウォード
イギリス海軍少将。
2008年のG5サミット参加者の一人。
外国側4人の中では唯一、当初から高級海軍軍人としての経歴が明確に示されている人物。
貴族家の出身でもあり、他の司令官達と比較すれば軍上層部や政治に近い情報へ接することが出来る立場にある。
ただし、自身も国家全体の政策を自由に動かせるほどの権力を持っているわけではない。
現場の艦娘達と接しながら、英国国内における艦娘の待遇や制度問題についても認識している。
冷静で比較的落ち着いた人物。
2012年には他の3司令官と共に再び日本へ招かれ、第二世代艦娘技術の供与と、希空が提案した新たな研究計画について説明を受ける。
妻との協議を経て計画への参加を決定し、娘リリーを迎えた。
アンディ・ロックハート
アメリカ海軍大佐。
2008年のG5サミット参加者の一人。
自分の部隊についてはよく把握している一方、ワシントンで進められている政治的判断までは知らされない、現場寄りの艦娘部隊司令官。
率直で比較的砕けた口調を使う人物。
アメリカ国内で発生していた艦娘関係の不祥事についても、現場へ伝えられていた情報と実態に差があることをG5会談で知る。
それでも、艦娘を単なる兵器として扱うべきではないという日本側の考えには強く同調した。
2012年、第二世代艦娘技術の国外供与に伴って再来日。
希空から自分達の子供を次世代指揮官候補として建造する計画を提案され、妻との話し合いを経て参加する。
娘はアンジェリカ。
ディートリッヒ・グーテンベルグ
ドイツ海軍大佐。
2008年のG5サミット参加者の一人。
主に、
Uボート系艦娘
を率いる司令官。
自身について、
「Uボート系艦娘を預かっている一司令官に過ぎない」
と語っており、国家中枢というより現場側の軍人として艦娘達と接している。
自分の部下である艦娘達を非常に気に掛けており、第一世代艦娘建造時に身体や神経へ大きな負荷が掛かる可能性を初めて知った際には、真っ先に部下達の安全を確認している。
2012年の第二世代技術供与にも参加。
希空から新しい人間建造技術の研究協力を求められ、家族との協議を経て参加を決める。
娘はソフィア。
マンフレッド・アルベローニ
イタリア海軍大佐。
2008年のG5サミット参加者の一人。
当初、日本側は英国・米国・ドイツの司令官との接触を考えていたが、調査の中でイタリアにも信用出来る艦娘司令官がいることが判明したため、G5へ加わった人物。
イタリア国内における艦娘と司令官の関係悪化や、それが正確に報告されていない問題についても認識している。
4人の中では比較的明るく感情表現も豊か。
2012年に再来日した際には第二世代艦娘技術の実用化を分かりやすく喜んでいた。
希空から子供の建造計画を提示された際にも前向きで、
「妻の方が『面白そう』と言い出しかねない」
と語るなど、夫婦揃って比較的好奇心旺盛な様子を見せる。
娘はロゼッタ。
ユニバーサル・シスターズ
2012年、日本で建造された4人の少女。
それぞれ、
アメリカ
イギリス
ドイツ
イタリア
の艦娘部隊司令官夫妻を両親としている。
血縁上の姉妹ではなく、国籍も家族も異なるが、
同じ年
同じ研究所
同じ計画
同じ技術
によって生まれたことから、後にまとめて、
『ユニバーサル・シスターズ』
と便宜上呼ばれるようになる。
正式な部隊名や国際機関名ではない。
第二世代艦娘技術を応用して建造された人間であり、通常の第二世代艦娘よりも、
情報処理
指揮
判断
といった能力へ重点的にリソースを配分して設計されている。
将来的に艦娘部隊の指揮官や参謀などへ向く能力を持つことを想定した存在。
ただし、特定の職業へ強制的に従わせる人格制御などは施されていない。
生まれ持った能力をどのように使うかは、家族と共に育ち、学び、自ら選択していくことになる。
また、4人の建造によって得られた神経系・情報処理・生体演算・人間と機械の接続に関するデータは、希空が研究している次世代統合制御技術にも利用されている。
アンジェリカ・ロックハート
Angelica Lockhart
アメリカ出身。
アンディ・ロックハート夫妻の娘。
2012年、日本の艦娘技術研究所で建造された。
建造時の肉体年齢は、2歳相当。
幼いながら、誕生直後から周囲を観察する視線の強さが目立っていた。
情報処理・指揮能力へ重点を置いた設計を持つシスターズ・ユニバーサルの一人。
建造後は両親と共にアメリカへ帰国し、家族の一員として育てられている。
リリー・ウォード
Lily Ward
イギリス出身。
ウィリアム・ウォード夫妻の娘。
2012年、日本の艦娘技術研究所で建造された。
建造時の肉体年齢は、3歳相当。
ロゼッタと並び、シスターズ・ユニバーサルの年長組にあたる。
他の3人と同様、高い情報処理能力と指揮適性を意識して設計されている。
建造後は両親と共にイギリスへ帰国した。
ソフィア・グーテンベルグ
Sophia Gutenberg
ドイツ出身。
ディートリッヒ・グーテンベルグ夫妻の娘。
2012年、日本の艦娘技術研究所で建造された。
建造時の肉体年齢は、1歳相当。
4人の中では最も幼い状態で建造された。
これは4人の能力差を意図したものではなく、当時まだ「ある程度成長した肉体状態から人間を建造する技術」が発展途上にあり、安全に建造出来る条件へ合わせた結果である。
建造後は両親と共にドイツへ帰国した。
ロゼッタ・アルベローニ
Rosetta Alberoni
イタリア出身。
マンフレッド・アルベローニ夫妻の娘。
2012年、日本の艦娘技術研究所で建造された。
建造時の肉体年齢は、3歳相当。
誕生直後から比較的明るく、それでいてしっかりした様子を見せていた。
リリーと並ぶシスターズ・ユニバーサルの年長組。
建造後は両親と共にイタリアへ帰国し、家族として育てられている。
市井の人々
シオン
2016年1月、釧路市内の公園で零が偶然出会った少女。
外見年齢は5~6歳ほど。
本人は自分の名前を**「シオン」**とだけ名乗っており、姓や漢字表記、出身地などは不明。
名前をどのような字で書くのか零に尋ねられても、本人も「分からない」と答えている。
零から見た限りでは、艦娘でも兵士でも研究所関係者でもなく、特殊な力を持っている様子もない、ごく普通の少女。
家は釧路から離れた場所にあり、家族と車で訪れていたらしい。
同行者の用事が終わるまで、公園で一人で遊んでいた。
性格はマイペースで、分からないことは素直に「分からない」と言うタイプ。
雪玉を作ったり、遊具で遊んだり、冷たいベンチに文句を言ったりするなど、零にとっては珍しいほど「普通の子供」らしい少女だった。
一方、普通の人間とは大きく異なる零を見ても怖がらず、彼が何事にも正確さや効率を求めようとすることに対して、
「もっと適当でいいの。こういうのは」
と教えている。
二人が一緒に過ごしたのは、その日一日だけ。
再会の約束らしい約束もないまま別れたが、零にとっては強く記憶に残る存在となった。
なお、「紫苑」という花には「追憶」「君を忘れない」「遠くにある人を思う」といった意味があるが、第51話時点では彼女の名前との関係は不明。
艦娘
深海棲艦との戦争に対抗するため、人類が妖精から得た技術と人類側の科学技術を組み合わせて成立させた、人間型の戦闘存在。
それぞれが特定の軍艦に由来する力や性質を持ち、人間サイズの身体でありながら、艤装を用いることで軍艦級の戦闘能力を発揮する。
ただし、単なる「軍艦を人型にした兵器」ではない。
一人一人が独立した人格、自我、感情、価値観を持った存在であり、本作では一貫して一個人として描かれる。
艦娘には複数の世代や建造方式が存在しており、その成立方法も同一ではない。
特に、
第一世代艦娘
と
第二世代艦娘
では、建造方法そのものが大きく異なる。
また、実艦に由来する記憶、艦魂、艤装との関係、成長、修復などにも独自の性質が存在する。
これらの詳細については、「艦娘関係技術設定集」にて扱う。
登場人物設定では、主に現時点で物語上の登場頻度・重要度が高い艦娘について、各艦娘本人の性格、経歴、人間関係、所属、物語上の役割について記載する。
第一世代艦娘
“出雲”
いずも
出雲型装甲巡洋艦一番艦“出雲”を元とする第一世代艦娘。
識別番号はJK-01。
第一世代ファーストロットに属し、2005年に実戦投入された世界初の実用艦娘。
初陣から七体の深海棲艦を撃破し、その後も他の第一世代艦娘を明確に上回る技量を示し続けた、日本艦娘戦力のトップエースの一人。
高い射撃精度、状況判断、反応速度を持ち、必要と判断すれば躊躇なく敵の懐へ飛び込む攻撃的な戦い方を得意とする。
後に東堂士・加奈から神崎流戦闘術を学び、元々高かった身体操作・近接戦闘能力をさらに強化。
13式対艦刀二振りを使用した接近戦も得意としている。
戦闘時は非常に冷静で、必要であれば淡々と敵を沈める一方、普段は比較的明るく年相応な性格。
艦娘になる以前には路上で暮らしていた時期があり、まともな家庭生活をほとんど経験していなかった。
そのため軍施設や艦隊での生活には慣れている反面、ごく普通の家庭生活や日常的な経験について妙に不慣れな部分もある。
現在は第二特務艦隊所属。
海斗・美香をはじめとする神崎家とも長年にわたって行動しており、単なる司令官と部下以上に近い関係を築いている。
“磐手”
いわて
出雲型装甲巡洋艦二番艦“磐手”を元とする第一世代艦娘。
第一世代サードロットに属する。
“出雲”の成功後、その運用データを反映した最新技術と、高い艤装同調適性を持つ素体を組み合わせて建造された。
建造段階から非常に高い完成度を示し、射撃能力、機動性、状況判断などでは姉である“出雲”に勝るとも劣らない。
初陣では“戦艦棲姫”と長時間にわたって交戦。
撃沈には至らなかったものの、推進器を破壊し、最終的には主砲塔一基を吹き飛ばして撤退へ追い込んだ。
性格は“出雲”よりも活発で、外見や口調もいわゆるギャル系。
一方、艦娘となる以前には実の姉がおり、幼少期から姉と比較され続けたうえ、姉本人からも傷付けられた経験を持つ。
艦娘化に際して過去の記憶には処置が施されているため細部は曖昧だが、
「姉は優れている」
「妹は姉を超えられない」
という感情だけが深く残っていた。
そのため、まだ会ったことのなかった“出雲”の武勇伝を聞くほど、憧れと同時に強い劣等感を抱くようになる。
しかし初陣を経て、
「“磐手”は“出雲”の妹である以前に、“磐手”自身である」
ことを少しずつ理解していった。
現在は“出雲”と共に第二特務艦隊の主力を務めている。
“鳳翔”
ほうしょう
航空母艦“鳳翔”を元とする第一世代艦娘。
第一特務艦隊所属。
世界で初めて実戦投入された空母艦娘。
長年にわたって艦載機運用を続けており、搭載航空隊の練度は非常に高い。
普段は穏やかで面倒見が良く、周囲を自然と世話するタイプ。
2009年に直属の上官である神崎洋平と結婚し、現在は洋平の妻であると同時に、穂乃果・凛の母でもある。
第二世代空母艦娘の建造開始後は教官も務めており、“龍驤”“赤城”“加賀”“蒼龍”“飛龍”らを直接指導。
彼女達を単なる訓練生ではなく、穂乃果・凛と同じように自分が育てるべき子供達として見ている。
現在も第一世代空母艦娘の中心人物であり、実戦戦力と後進育成の双方を担っている。
第二世代艦娘
“阿武隈”
あぶくま
型式番号JK-2-01。
2011年3月16日に建造された、量産型第二世代艦娘の第一号。
元となった艦魂は旧日本海軍長良型軽巡洋艦六番艦“阿武隈”。
第二世代艦娘としては零のすぐ下に位置する最初期個体であり、研究所時代から零と一緒に育っている。
零には非常によく懐いており、零自身からも妹に近い存在として扱われている。
2012年、川内・神通・那珂と共に呉へ移動。
小林直樹・田村誠らのもとで生活・訓練を続け、呉襲撃も経験した。
四人の中では比較的落ち着いており、他の三人を見守る側へ回ることも多い。
“川内”
せんだい
型式番号JK-2-02。
2011年10月30日建造。
旧日本海軍川内型軽巡洋艦一番艦“川内”を元とする第二世代艦娘。
阿武隈・神通・那珂と共に呉で育てられた初期量産組の一人。
明るく、物事を面白がることが多い性格。
姉妹達の失敗には遠慮なく笑う一方、空気が悪くなれば自然と場を軽くする役にも回る。
零とは幼少期から知り合っており、第二世代艦娘としては彼を長兄に近い存在として見ている。
“神通”
じんつう
型式番号JK-2-03。
2011年12月8日建造。
旧日本海軍川内型軽巡洋艦二番艦“神通”を元とする第二世代艦娘。
川内・那珂の姉妹艦。
三姉妹の中では比較的真面目で慎重。
周囲をよく見ており、特に那珂が勢いだけで行動した際には止めたり、間違いを指摘したりすることが多い。
ただし堅物というほどではなく、川内達と一緒に笑ったり遊んだりする年相応の少女でもある。
阿武隈らと共に呉襲撃を経験しており、小林・田村を失ったことも四人共通の記憶として残っている。
“那珂”
なか
型式番号JK-2-04。
2011年3月24日建造。
旧日本海軍川内型軽巡洋艦三番艦“那珂”を元とする第二世代艦娘。
川内・神通より先に建造されているが、型式番号は川内型の艦型順に設定されている。
幼少期から非常に活発で人懐っこい。
呉で小林・田村らに可愛がられて育ち、二人の死後、彼らが好きだった昔の歌や踊りを思い出したことから、自分でも歌うようになる。
当初はまだ遊びや真似事に近かったが、
「誰かを笑顔に出来る子」
という言葉と結び付き、歌や踊りが少しずつ本人自身の個性になり始めている。
第二世代空母艦娘
“龍驤”
りゅうじょう
第二世代空母艦娘。
“鳳翔”の教え子の一人。
関西弁を使う、明るく負けず嫌いな少女。
第二世代空母組の中では比較的早い段階から教育を受けており、特に弓を使用しない空母艦娘向けの運用については、後続個体へ教える側にも回り始めている。
自身を非弓系空母艦娘の「長姉」と認識しており、零については肉体年齢と第二世代内での立場の違いから、
「年下の兄貴分」
という独特な見方をしている。
“赤城”
あかぎ
第二世代空母艦娘。
“鳳翔”の教え子。
礼儀正しく穏やかで、人の感情や周囲の空気をよく見ている。
零本人だけを見るのではなく、“鳳翔”達が零について話す際の表情から人間関係を理解しようとするなど、観察力も高い。
食事を非常に大切にしている。
本人は単なる食いしん坊扱いには不満があるものの、美味しそうな食事を前にするとかなり分かりやすい。
“加賀”
かが
第二世代空母艦娘。
“鳳翔”の教え子。
“赤城”と共にいることが多い。
口数は少なく、物事を静かに観察するタイプ。
零と初めてまとまった時間を過ごした際には、第二世代艦娘の長兄にあたる彼を長時間観察し、
「どのような方なのか確認している」
と本人へそのまま説明した。
淡々とした性格だが意外と容赦がなく、赤城に対しても平然と鋭い突っ込みを入れる。
“蒼龍”
そうりゅう
第二世代空母艦娘。
“鳳翔”の教え子。
“飛龍”と行動することが多い。
明るく社交的で、初対面に近い相手とも比較的早く打ち解ける。
神崎家・東堂家の子供達とも自然に遊びの輪へ入り、龍驤が言い出した零の「年下の兄貴分」という呼び方も面白がっている。
飛龍と並び、第二世代空母組の中では場を賑やかにする側。
“飛龍”
ひりゅう
第二世代空母艦娘。
“鳳翔”の教え子。
“蒼龍”と行動を共にすることが多い。
活発で人付き合いがよく、遊ぶ時には年相応に全力で遊ぶ少女。
蒼龍と共に雪合戦を始めるなど、第二世代空母組の中でも特に元気な一面が目立つ。
一方、空母艦娘としては“鳳翔”のもとで本格的な艦載機運用訓練を受けている。
“翔鶴”
しょうかく
第二世代空母艦娘。
“瑞鶴”の姉。
白い髪を持つ、落ち着いて礼儀正しい少女。
好奇心のまま先へ動きがちな瑞鶴を自然と止めるなど、建造されて間もないながら既に姉としての意識が強い。
2015年末、瑞鶴と共に零と初対面。
瑞鶴が普段より早く零へ打ち解けたことにもすぐ気付いており、妹の性格をよく理解している。
“瑞鶴”
ずいかく
第二世代空母艦娘。
“翔鶴”の妹。
2015年末時点では建造から約一ヶ月で、外見年齢は5歳ほど。
好奇心旺盛で活発。
雪を見ればすぐ外へ飛び出そうとするなど、考えるより先に身体が動くことも多い。
一方で誰にでも無条件で懐く性格というわけではない。
零とは初対面でありながら、互いに
「初めて会った気がしない」
という不可思議な感覚を抱いた。
また、零が幼少期に初めて発した言葉の一つが「ずいか」だったことも判明しているが、現時点でその理由は分かっていない。
第二世代戦艦艦娘
“長門”
ながと
旧日本海軍長門型戦艦一番艦“長門”を元とする第二世代艦娘。
2016年時点ではまだ身体が成長途中。
自分が戦艦“長門”であることへの強い自負を持ち、かなり堂々とした性格。
射撃知識や照準能力そのものは高いが、現在の身体では41cm主砲の反動を十分に処理出来ず、発砲すると本人まで後方へ吹き飛ばされてしまう。
本人は当初、自分が弱いのか、砲が悪いのかと悩んだが、希空から単純に「まだ身体が小さい」と説明されると、
「なら大きくなればいい」
と素直に納得した。
第二世代艦娘が高い潜在性能を持つ一方で、
知識・性能と、現在発揮出来る技量・身体能力は別物
であることを分かりやすく示す存在でもある。
妖精
深海棲艦との戦争が始まった後、人類の前へ姿を現した正体不明のヒト型生命体。
人類が艦娘を建造することが可能になった最大の理由の一つであり、人類科学を大きく上回る独自の技術体系を持つ。
艦娘技術だけでなく、後に人類側で発展していく物質縮小技術などにも強い影響を与えている。
一般には小さな人間のような姿で描かれることが多いが、常にその大きさで固定されているわけではなく、必要に応じて人間と同程度の身体サイズになることも可能。
研究、整備、通信、艦艇運用、航空機操縦など、幅広い仕事に従事する。
一方で、本作における妖精は単なる便利な技術者集団ではない。
個々に人格を持ち、人間や艦娘と生活し、働き、戦い、時には長い年月を共にする存在である。
その正体や技術的性質などの詳細については、**「艦娘関係技術設定集」**にて扱う。
※現時点ではキャラクター個別項目なし。随時追加予定。
深海棲艦
2000年に出現し、人類との戦争を開始した正体不明の存在。
人類側では当初、
SUE
Submerged Unknown Enemy
という呼称も用いられていた。
外見や能力には大きな個体差があり、艦艇に近い性質を持つものから、人間の少女や女性に近い姿を持つものまで存在する。
また、「深海棲艦」という一つの名称で括られてはいるものの、全個体が同一の人格・思想を共有しているわけではない。
下位個体であっても明確な自我や感情、価値観を持つ個体は存在し、人類との戦争そのものへ疑問を抱く者もいる。
一方で、人類を強く敵視する個体も存在する。
そのため、深海棲艦は単純な怪物や無人兵器ではなく、内部に独自の社会や人間関係、派閥を持つ一つの勢力として扱われる。
作中では大まかに、
下位個体
と
上位個体
へ分類される。
ただし、これは単純な「弱い個体/強い個体」という意味ではない。
個体分類、能力、派閥、主戦派・穏健派などの詳細については、別途設定資料で扱う。
登場人物設定では、
戦艦棲姫
空母棲鬼
など、物語上重要な個体について、それぞれ個別に記載する。
日本方面軍
“戦艦棲姫”
せんかんせいき
日本方面で活動する上位個体の深海棲艦。
日本方面軍の中心的存在であり、作中初期から国防軍・艦娘部隊と何度も交戦している。
同族の中でも人類、特に日本側への敵意が強く、戦闘そのものを好む生粋のバトルジャンキー。
非常に高い火力・防御力を持ち、“磐手”の初陣では数時間にわたる集中攻撃を受けながら戦闘を継続。
推進器を破壊され、主砲塔一基を吹き飛ばされてようやく撤退している。
以降も日本側との戦闘を繰り返し、“出雲”“磐手”をはじめとする艦娘達を強く意識するようになる。
作戦失敗も少なくないが、第54話時点でも日本方面の主要戦力として扱われており、女王陛下からも引き続き戦力として認められている。
“空母棲鬼”/“空母棲姫”
くうぼせいき/くうぼせいき
北太平洋方面を中心に活動する空母系上位個体。
大規模な深海棲艦機動部隊を率いる。
“戦艦棲姫”ほど露骨に人類への憎悪を表へ出すタイプではなく、比較的冷静。
戦艦棲姫の言動へ皮肉を飛ばすこともあり、二人の会話では空母棲鬼側がやや冷めた立場に回ることが多い。
それでも敵として戦う際には容赦せず、艦載機型個体を用いた大規模航空攻撃を得意とする。
“出雲”とも直接交戦した経験があり、日本艦娘側の実力についてもよく知っている。
第54話では女王陛下の召集命令を受け、
“空母棲鬼”から“空母棲姫”へ形態変化。
同一個体のまま、身体と艤装をより強力な状態へ組み替えている。
深海棲艦がこのような形態変化を行えることは、この時点では人類側にはまだ知られていない。
“重巡棲姫”
じゅうじゅんせいき
重巡洋艦級の上位個体。
呉襲撃事件では強襲上陸部隊を率いて出現。
ワ級による揚陸と多数の陸戦型深海棲艦を伴い、自身も呉鎮守府へ直接砲撃を加えた。
人型でありながら主力戦車の砲撃をまともに受けても容易には倒れないほどの防御力を持ち、国防陸軍の機甲部隊・砲兵・航空隊をまとめて相手にした。
最終的には零と交戦。
零が初めて実戦で使用した、
「タキオンブラスター」
によって撃沈され、人類史上初めて明確に撃沈された上位個体となった。
しかし第54話では、長い時間を掛けて存在を再構築し、再び姿を現している。
一度自分を撃沈した零については明確に記憶しており、日本への再出撃命令を受けた際には彼を思い出している。
“中間棲姫”
ちゅうかんせいき
ミッドウェー島を拠点としていた上位個体。
第10~11話にて登場。
ミッドウェー島の深海棲艦陸上陣地を指揮し、航空戦力や砲台小鬼を組み合わせて人類側の上陸部隊を迎撃した。
単純に自分が前へ出て戦うより、陣地・航空隊・陸上型個体を運用して敵を削る指揮官型の人物。
人類側にとって、深海棲艦が単なる海上戦闘生物ではなく、航空戦・陸上戦・基地防衛まで含めた組織的戦争を行う存在であることを強く印象付けた個体でもある。
北方海域方面軍
潜水“カ級”
せんすいカきゅう
第22話「荒れるオホーツク海」に登場した潜水“カ級”の一個体。
北方海域を長期間哨戒していた下位個体。
階級・分類上は下位個体であるものの、明確な人格と価値観を持っている。
長期間ほとんど何も起きないオホーツク海を哨戒させられていることへ愚痴を漏らしたり、クリスマスに任務が入ったことを嫌がったりするなど、深海棲艦にも日常的な感情が存在することを示した人物。
北方海域を指揮する“姫様”を強く慕っている。
第22話では偶然、艦娘技術研究所へ繋がり得る航空機の存在を発見するが、その情報をどこまで報告するべきか自分自身で判断している。
北方海域の“姫様”
北方海域を担当する上位個体。
ダッチハーバー方面などを含む北方方面の深海棲艦から、
「姫様」
と呼ばれている。
外見はかなり幼く、言動も年相応に見えることが多い。
一方、北方方面の下位個体達からは強い信頼を集めており、特に第22話に登場した潜水カ級は心底から彼女を慕っている。
他の方面とはやや異なる方針で北方海域を管理しているらしく、択捉島などでは人間側の施設を必要以上に破壊せずに残している。
現時点では、その正体や正式名称については明らかになっていない。
深海棲艦軍上層部
女王陛下
深海棲艦軍の頂点に立つ存在。
第54話で本格的に登場。
深海棲艦軍に属する者で、その存在を知らない者はいない。
“中枢棲姫”や“太平洋深海棲姫”ほどの上位個体ですら、彼女の前では明確に下位の立場となる。
人類を無条件に全滅させることだけを目的としているわけではないが、それは共存を望んでいるためではない。
人類をある程度残し、支配下で働かせることも選択肢として考える、極めて冷酷かつ実利的な支配者。
これまでは人類へ深海棲艦の優位を見せ付ける程度で十分と判断していたが、日本側の技術発展と抵抗を受け、第54話で初めて、
「一度、本気を見せる」
ことを決定。
多数の上位個体を日本方面へ投入する。
正式な名称については現時点では明らかになっていない。
“中枢棲姫”
ちゅうすうせいき
ハワイの深海棲艦拠点を預かる古参上位個体。
太平洋方面軍そのものを指揮する人物ではなく、ハワイと、そこに置かれている深海棲艦側中枢の防衛を担当する。
女王陛下の近くにいる上位個体の一人。
古参らしく落ち着いており、第54話では女王陛下の命令を各方面へ伝える太平洋深海棲姫を見守っている。
“太平洋深海棲姫”
たいへいようしんかいせいき
太平洋方面軍を率いる上位個体。
第54話時点では比較的新しく生まれた存在。
それまで女王陛下自身が見ていた太平洋方面の実務を代行するために生み出され、その海域そのものを表す名前を与えられた。
生まれてからそれほど長い時間が経っていないにもかかわらず、既に太平洋方面軍全体を任されている。
古参上位個体とは異なり、最初から女王陛下の直属として生まれ、命令に従うことを当然のものとして受け入れている。
第54話では日本方面作戦の実質的な取りまとめ役を務め、前衛・後詰め合わせて十四体もの上位個体を編成する。
第54話召集個体
“防空棲姫”
ぼうくうせいき
防空能力に優れた上位個体。
第54話で女王陛下から召集され、日本方面へ進路を変更する。
前衛九体の一人。
現時点では人物像や詳しい経歴についてはほとんど明らかになっていない。
“駆逐棲姫”
くちくせいき
駆逐艦級の上位個体。
第54話で“防空棲姫”と共に召集され、日本方面へ向かう。
前衛九体の一人。
現時点では詳しい人物像は不明。
“軽巡棲鬼”
けいじゅんせいき
軽巡洋艦級の上位個体。
“軽巡棲姫”と非常に近い関係にある。
名前こそ似ているが、軽巡棲姫とは別個体。
人類そのものへ強烈な憎悪を抱いているわけではなく、女王陛下から命令されたから戦うという程度の距離感を持っている。
第54話では軽巡棲姫と共に日本方面へ向かう。
“軽巡棲姫”
けいじゅんせいき
軽巡洋艦級の上位個体。
“軽巡棲鬼”とは別個体だが、二人の距離は非常に近い。
比較的寡黙。
軽巡棲鬼と同じく、人類を積極的に滅ぼしたいというほどの強い敵意は見せていないが、戦場へ出れば命令に従って本気で戦う。
第54話では前衛九体の一人として召集される。
“水母棲姫”
すいぼせいき
水上機母艦系の上位個体。
第54話で召集され、日本方面へ向かう前衛九体の一人。
現時点では詳しい性格や経歴は明らかになっていない。
“水母水姫”
すいぼすいき
比較的新しい水上機母艦系上位個体。
少し前までは「新顔」と呼ばれる側だったが、さらに新しい世代の上位個体が増え始めたことで、自身も古い側へ寄りつつあることに複雑な反応を見せている。
“深海海月姫”とは行動を共にすることが多く、互いに相棒と呼べる関係。
第54話の作戦では自ら前衛へ出る。
“空母水鬼”
くうぼすいき
空母系上位個体。
第54話で日本方面作戦の後詰めとして配置された五体の一人。
人類側から見れば単独でも大規模な対応が必要となるほどの戦力だが、今回の作戦では前衛九体で不足した場合に投入される予備戦力として扱われている。
“戦艦水鬼”
せんかんすいき
戦艦系上位個体。
第54話で後詰めへ配置された一人。
“戦艦棲姫”とは別個体。
第54話時点では個人的な性格・経歴についてはほとんど明らかになっていない。
“深海海月姫”
しんかいかいげつき
上位個体の一人。
“水母水姫”と行動を共にすることが多く、互いに相棒に近い関係。
第54話では水母水姫が前衛、深海海月姫が後詰めとなっており、普段の役割分担がそのまま作戦配置へ反映されたような形になっている。
本人は、水母水姫が前衛で全て処理してくれるなら自分は楽でいい、と比較的淡々としている。
“駆逐水鬼”
くちくすいき
駆逐艦級の上位個体。
第54話では後詰め五体の一人。
自身が既に「古い側」の戦力として扱われ始めていることに、少し納得がいかない様子を見せている。
“駆逐古姫”
くちくこき
駆逐艦級の上位個体。
第54話では後詰めとして配置。
近くにいた“駆逐水鬼”と短いやり取りを交わしており、後詰め組の中では比較的自然体で振る舞っている。
詳しい経歴・人物像は現時点ではまだ不明。
“潜水棲姫”
せんすいせいき
潜水艦系の古参上位個体。
第54話で登場。
日本方面への大規模作戦が決定した際、自ら参加を申し出ている。
しかし前衛九体・後詰め五体だけで十分と判断され、直接戦列へ加わることは許可されなかった。
代わりに北方海域周辺まで進出し、
周辺警戒・情報連絡
を担当する。
新しい高性能潜水上位個体が現れ始めていることも認識しており、自分自身が「古い側」の存在になりつつあることを意識している。
その詳しい所属や思想については現時点では不明。
あ と が き
主人公一族の名字の由来は、艦娘関連の理論理屈の元ネタでもある作品のキャラクター達。