はじめまして、Nyappy-です。
この作品は私の妄想を文章化したものです。
もしよければ見ていってください。
0. ある少年の決意
西暦2026年
『余程の緊急事態でない限り、そっちの判断で行動してくれ。初陣で緊張しているだろうが、心配するな。零もいる。大丈夫だ』
「りょーかい、伯父さん」
艦長が、統合司令長官と連絡を取っている。
艦長の名は
「天音、ジジイは何て?」
「好きにしろって。だから、お兄の作戦通りに行こう。……と言っても、アレが作戦と言えるかはビミョーだけど」
「大火力でのゴリ押しだって作戦だろ? そのための建御雷だ」
今、俺達が話している場所は、艦娘母艦「建御雷」の艦橋だ。
その艦種が示す通り、人類を護る盾『艦娘』を戦場付近まで運ぶための艦───艦娘版の空母、と言ったところだ。
だが通常の空母とは違い、艦娘母艦には、かつての戦艦にも匹敵する大火力が持たされている。
「母艦」とは言っても、その実態は俺の好きなロボットアニメに出てくる母艦に近いだろう。艦のシルエットも、それっぽいし。
……なんで母艦にそんな火力が必要なのかって?
それには、俺達が戦っている戦場の特殊性が関係しているんだが───
「───お兄!」
「……なんだ?」
「さっきから何ぶつぶつ喋ってんのさ」
「……聞こえてたのか。まあ、その……声が聞こえた気がしてな」
「! そう……なんだ……」
一瞬だけ妙な顔をした天音だったが、すぐに気を取り直した。
「まあいいや。それより、もう着くよ! 作戦海域に」
「そうか、了解だ。レーダーは?」
「まだ大丈……あっ、ジャミングされた。はぐれ艦隊なのにやるわね」
「それはあくまで人工衛星からの情報だ。潜航しているヤツがいるかもしれない」
「まあね。ソナーの反応次第かな……でも、とりあえずは」
「ああ……行くか。総員、第一戦闘配備! 全艦娘、出撃準備だ!」
ブザーが艦全体に鳴り響く。
だが、それで艦内が慌ただしくなることはない。
艦娘達は既に艤装を装着し、カタパルトデッキで待機している。そして、この艦には彼女達以外のクルーがほとんどいないからだ。
理由は簡単。
天音達が持つ力と、それに連動するよう開発された制御システムによって、「建御雷」の運用そのものが徹底的に省力化されている。
『本艦は艦娘発進シークエンスへ移行する! 全カタパルト、スタンバイ!』
天音の指示を受け、「建御雷」が艦娘の発進準備へ入る。
おっと。
アイツらにも、一応言っておかなきゃな。
「お前ら、一応言っておくが、敵艦隊の位置はざっくりとしか分かってない。索敵はしっかりな」
「「「「「了解!」」」」」
「任せなさい! いつも通り、翔鶴姉と私の二式艦偵で見つけてやるんだから!」
「ああ、頼むぜ瑞鶴」
コイツは“瑞鶴”。
この艦隊の航空戦力を司る二人の空母艦娘───「翔鶴型航空母艦」の二番艦で、小さい頃からの付き合いだ。
《駆逐艦は右舷カタパルトへ! 巡洋艦は左舷カタパルトへ!》
次々と、艦娘達の発進準備が整っていく。
「でも瑞鶴、慢心はすんなよ? 今回、俺は出ないんだからな!」
「分かってるって! てゆーか、私の強さはアンタが一番よく分かってるでしょ」
「それでも!」
『戦艦・空母はメインカタパルトへ!』
「まあまあ、零。瑞鶴は私が守るから、心配しないで?」
「翔鶴姉……」
「ほら、翔鶴姉もこう言ってんだし、大丈夫だから! じゃあ私達はもう出るよ!」
「……了解。行って来い、二人とも」
翔鶴姉がいるなら大丈夫だ。
そう信じよう。
《リニアカタパルト、ボルテージ上昇。発進準備OK!》
「空母瑞鶴、抜錨! 出るわ!」
“瑞鶴”が中央メインカタパルトを蹴り、勢いよく飛び出していく。
その後ろ姿を、俺は艦橋から見送った。
無事に戻って来いよ……。
この戦争が始まってから、四半世紀以上。
俺が生まれるよりもずっと前から続いている戦いは、今も終わることなく、戦局はより一層混迷を極めている。
それでも、俺達は戦い続ける。
その先に、平和な未来が待っていると信じているから。
俺は「神崎
日本国防海軍、新生『第二特務艦隊』の司令官だ。
続く
あ と が き
今回は主人公とその周りの重要キャラ(一部)の紹介的な感じでした。
次回からは一旦時系列を2000年代まで戻して物語の第一章を開始します。なのでしばらくはオリキャラ祭りです。