アオハルメモリーズ(少女たちの青春記録)   作:tacorice

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先生、キヴォトスヘ

「先生、起きてください!」

 

僕の目の前には、見覚えのない女の子が立っていた。彼女の眉間には、僕が寝ていたことへの不満がはっきりと見て取れた。

 

「うーん? えっ、寝て....?!」

 

どうやら、僕はソファで眠ってしまっていたらしい。

「はい」

 

「いやっ!ほんとにごめんね!」

 

「ちょっと上手くやって行けるか不安で、最近眠れなくて…」

素直に謝ると、彼女はふっと表情を和らげた。

 

「いえ、大丈夫です」

 

「えっ〜と、確か…リンちゃんだよね?」

 

僕がそう尋ねると、彼女は一瞬、僕をじっと見つめた。その眼差しは、ほんの少しだけ厳しく、なぜか僕は背筋が伸びた。

「…はい」

 

少し睨まれた…なんでだろう?

 

「どうしても先生にやっていただかなければいけないことがあります」

彼女は真剣な表情で僕に語りかけた。

「…………学園都市の命運を分けた大切なこと……ということにしておきましょう。」

 

「それでは、私についてきてください」

「うん、わかった」

 

僕はリンの後ろについてエレベーターに乗り込んだ。

 

「それでは、キヴォトスへようこそ、先生。」

 

エレベーターがゆっくりと上昇する中、リンは僕にこの世界のことを説明してくれた。

「キヴォトスは数千の学園が集まってできている学園都市です。これから先生が働くところでもあります」

「キヴォトスでは銃の使用が禁止されていません。先生がいた所とは色々なことが違って慣れるのに苦労するかもしれませんが…先生ならそれほど心配しなくてもいいでしょう。あの連邦生徒会長がお選びになった方ですから。」

 

その言葉を聞いて、僕の心臓は少しだけ速く鼓動した。連邦生徒会長…。僕をこの場所に連れてきた、まだ見ぬ人。

 

ピンポン!

 

エレベーターのチャイムが、レセプションルームのある階に着いたことを知らせた。扉が開くと、そこには想像していた以上の人々がいた。

 

「結構人がいるんだね」

僕の呟きに、リンは何も答えなかった。

 

僕たちの存在に気づいたのだろう。こちらを見て、紫色の髪の女の子が駆け寄ってきた。

 

「代行!見つけた! 待ってたわよ!」

彼女は興奮した様子で、リンに詰め寄った。

 

「連邦生徒会長を呼んできて!」

 

「ん?隣の大人の人は?」

僕の方を見ながら、彼女は尋ねた。

 

「首席行政官。お待ちしておりました」

 

 

「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」

 

 

「あぁ……面倒な人達に捕まってしまいましたね。」

リンはため息をついた。

 

「こんな暇そ……大事な方々がここを訪ねてきた理由はよくわかっています。今、学園都市に起きている混乱の責任を問うために、でしょう?」

 

「そこまで分かってるなら何とかしなさいよ!!連邦生徒会なんでしょ!!」

 

「この前なんかうちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」

 

「連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱出したという情報もありました。」

 

「スケバンのような不良たちが、うちの生徒を襲う頻度も、最近急激に高くなりました。治安の維持が難しくなっています」

 

「戦車やヘリコプターなと、出所の分からない武器の不法流通も2000%以上増加しました。これでは正常な学園生活に支障が生じてしまいます」

 

「こんな状況で、連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」

 

生徒たちの怒りと不満が爆発した。僕も、彼らの言葉を聞いて、事態の深刻さを改めて感じた。

 

「……正直に言いますと、連邦生徒会長は現在、行方不明になりました。」

 

リンの言葉に、その場にいた全員が息をのんだ。

「え!?」

「…!」

「やはりあの噂は…」

 

「結論から言うと『サンクトゥムタワー』の最終管理者が居なくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる方法を探していましたが、先ほどまでそのような方法は見つかっていませんでした。」

 

「…その口ぶり、今は何か方法があるということですか?」

 

「えぇ、この先生こそがフィクサーになってくれるはずです。」

リンは僕を指差した。

 

「僕?!」

 

「ちょっと待って…そういえばこの先生は誰なの?どうしてここにいるの?」

 

「キヴォトスではないところから来た方のようですが……先生だったのですね。」

 

「はい、こちらの先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」

 

「行方不明になったはずの連邦生徒会長が指名……?ますますこんがらがってきたじゃないの…」

 

ユウカの混乱した言葉が、この場の全員の気持ちを代弁しているようだった。

 

とりあえず自己紹介しないとダメかなと思う僕。

「えっと、僕はショウって言うんだ!よろしくね?」

「こ、こんにちわ、先生。私はミレニアムサイエンススクールの…い、いや!挨拶なんて今はどうでもよくて…!」

 

「そのうるさい方は気にしなくていいです。」

 

リンの言葉に、ユウカさんは頬を膨らませた。

 

「誰がうるさいですって!」

 

「私は早瀬ユウカ!覚えておいてくださいね!先生。」

紫髪の少女がそう名乗った。

 

その後に、他の生徒たちも自己紹介をしていった。

眼鏡をかけている少女は、火宮チナツ。ゲヘナ学園の風紀委員らしい。彼女は、少し鋭い目で僕を見つめていた。

黒い羽の少女は、羽川カスミ。トリニティ総合学園の生徒らしい。正義実現委員会に属しているらしい

そして、銀髪の少女もトリニティの生徒だと名乗り出た。名前は、守月スズミ、トリニティ自警団という組織にはいっているみたいだ

リンが僕の前に一歩踏み出し、皆に向かって言った。

 

「彼女たちの懸念はもっともですが、先生の力を見れば、すぐに払拭できるはずです。結論から言いますと、サンクトゥムタワーの認証権を回復するには、先生の存在が不可欠なのです。」

 

僕にはまだ何も理解できていない。でも、僕は「先生」として、この学園都市の生徒たちのために、できることをしなければならない。

僕は、胸の奥から湧き上がる決意とともに、リンと生徒たちに向かって頷いた。

僕とキヴォトスそれと、生徒との、新しい物語が、今、ここから始まる。

 




ご覧頂きありがとうございます!

オリキャラはプロローグ以降に出します!
戦闘描写でつっかえそうなんですが暖かい目で見てください
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