個性『雷獣』   作:超高校級の切望

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午前の部終了

 物間は漁夫の利を狙いカムイ達を狙う爆豪からハチマキを奪ったりしたが、煽りすぎた結果ブチギレた爆豪に全部のハチマキを奪われた。

 

 轟はお前に勝つという宣言通り緑谷からハチマキを一度奪ったが緑谷が制限時間内に取り返そうとして、ダミーを掴まされかけたが常闇の機転で轟のハチマキをゲット。

 

 最終結果は………

 

 1位 発目明 稲妻カムイ

   発目チーム 10000010P(維持)。

 

 2位 爆豪勝己 芦戸三奈 切島鋭児郎 瀬呂範太

   爆豪チーム650 葉隠チーム390 物間チーム305 合計1345

 

 3位 心操人使 庄田二連撃 青山優雅 塩崎茨

   鉄哲500 峰田420 合計920

 

 4位 轟焦凍 八百万百 上鳴電気 飯田天哉

   轟チーム600 小大チーム165 合計765

 

 5位 緑谷出久 麗日お茶子 常闇踏陰

   緑谷チーム515 鱗チーム125 合計635

 

 6位 拳藤一佳 柳レイ子 小森希乃子 取蔭切奈

   拳藤チーム225 心操チーム325 合計 550

 

 以下同位0ポイント。

 

「本来なら4位までが予選通過だけど、最終種目の人数的にあと2名足りないのよね。というわけで5位の緑谷チーム! 2名、繰り上がりよ!」

「「「!!」」」

 

 項垂れていたデクはその言葉にバッと顔を上げる。

 14名では足りないということは……トーナメントでもするのだろうか?

 

「そういうことなら緑谷。1人はお前だ」

「うん、デク君がリーダーだったしね!」

「常闇君、麗日さん………ありがとう!」

「後は常闇君か麗日さんか…………」

「あ、それなら私が辞退します」

 

 と、発目が挙手した。

 

「最終種目がなににすれ、カムイさんと当たれば宣伝の間もないでしょうしね!」

 

 サポートアイテムを電気信号で操るということは、機能を停止させることも訳ないという事だ。

 

「カムイさんのおかげで思いがけず沢山のベイビーを紹介できましたからね!!」

 

 ザワッと発目の発言にザワつく会場。カムイは昼メシ何にしようかと考えている。

 

「そういうことなら自分も」

 

 と手を挙げるデブは庄田二連撃。

 

「騎馬戦の記憶、自分は終盤ギリギリまでぼんやりで。()()()()()()()が上がるのは体育祭の趣旨に相反するのではなかろうか!」

「でしたら私も………」

「塩崎さんは僕より先に意識を戻していただろう?」

 

 具体的にはカムイを茨の髪で拘束しようとして感電した時に。状況に困惑していたが、すぐに目の前の競技に動いていたのは流石の一言。

 

「君は出るべきだ。出る資格がある」

「……………わかりました。謹んで拝命します」

「そういう青臭い話はさぁ…………好み! 庄田とついでに発目の棄権を認めます!」

「ついで!」

 

 まあサポート科は本来戦闘向きではないし、ここまでむしろよく頑張った方だろう。

 

 ひとまずは昼休憩。

 

「折角の自由時間ですカムイさん! かわいいベイビーを造るために話し合いをしましょう!」

 

 カムイの電力やさらに機械を遠隔で操る電波、電気信号操作はサポート科として是非力を借りまくりたい個性だ。ただし言い方。

 

「悪い、少し良いか」

 

 と、発目の手を傷付けないように払おうとしていると轟が話しかけてきた。後ろには緑谷。

 

「クラスメイトとの交流は大事ですね! ではカムイさん、今度一緒にベイビーを造りましょう!」

「………………卒業してからの方が良いぞ」

 

 退学になっちまう、と何処かズレたことを言う轟。天然というやつだろう。

 

 

 

「そ、それで話って?」

「手早く済ませろ。クソババアの飯食う時間がなくなる」

 

 落ち着きがない緑谷とどうでもよさそうなカムイ。

 轟はまず緑谷に気圧されたことを伝える。最後の鉢巻きの奪い合いの時だろう。左側から僅かに炎が出ていた。

 

 使わないと決めていたが、つい発動してしまったらしい。その時緑谷から感じた威圧感は脳無と戦っていたオールマイトを思わせる。

 

 オールマイトの隠し子か訪ねる轟に、緑谷の電磁波は困惑と安堵…………?

 隠し事はあるが、それがバレてないことに安堵している。隠し子だと思っていたが違ったらしい。じゃあ何であそこまで個性の電磁波が似てるんだ。

 

「俺の親父はエンデヴァー。知ってるだろ。万年No.2のヒーロー。お前がNo.1ヒーローの何かを持っているなら、尚更俺はお前に勝たなきゃならない」

「…………俺は?」

「お前は、間違いなく今の1年じゃNo.1だ」

「まあ、そりゃな」

 

 エンデヴァーは上昇志向が強い。しかし万年2位。1位のオールマイトを超えられない。

 そこで手を出したのが個性婚。

 

 第2、第3世代間で問題となった現象。個性が遺伝するという事実を知った当時の個性持ち達が個性をより強くするために個性で相手を選び子を成した。

 

 エンデヴァーはその前時代的な方法に手を出した。

 金と実績で強力な氷の個性を持つ女の家を説得し娘を差し出させ妻とした。

 

 そして生まれた半冷半燃の個性を持つ轟焦凍。

 熱くなりすぎた体を冷やしたり、逆に冷えた体を温める事が出来る非常に強力な個性となった。個性婚の象徴のような男だ。

 

 なんというか、世間は狭いな。

 

 そんな息子にエンデヴァーはオールマイト以上のヒーローになることを託したらしい。もちろんそんな事はクソ喰らえ。

 

 記憶の中の母はいつも泣いていて、「お前の左側は醜い」と煮え湯を浴びせた。火傷の跡はその時のものらしい。

 

 だから父の力を使わず母の力だけを使い、父を超える。そうする事で父を否定したいらしい。

 

 オールマイトのなんなのかは聞かない。それでも何かである緑谷を右だけで超える。そう宣言した。

 

「………僕は……ずっと助けられてきた。さっきだってそうだ、僕は、誰かに助けられてここにいる」

 

 救けるヒーロー。それが緑谷の目指すヒーロー。

 

 オールマイトのようになりたい。轟に比べれば、ささいな理由で1番を目指しているのかもしれない。

 

「でも僕だって負けらんない。僕を助けてくれた人達に応えるためにも」

「…………………」

 

 その理屈で言うならクソババアの言う通り次代の象徴を目指すべきなのだろうか? 力があるから理想を強いられるのと、理想のために力を求める………果たして人の目により止まるのはどちらか。

 

(制御出来る象徴なんて必要ねえと思うがな………)

 

 消える時期を間違えず、託す相手を間違えず、そんな管理できる象徴として選ばれたのがカムイなわけだが………緑谷を見ているとこういう奴に人は希望をみるのではと思う。

 

 ただ強いだけの英雄に人々が向ける安堵など依存と変わるまい。

 

「それから、稲妻」

「俺の事はカムイと呼べ。で、何?」

「お前は今まで一度も本気を出してないよな。USJで戦ったヴィランの時ぐらいか?」

「まあ、最近本気出してねえな」

 

 というか出せないし。出したらやばいんだよ。出せる相手がいない。オールマイトとかアメリカのNo.1ヒーローなら出せるだろうか?

 

「遊び気分のお前とは違うんだ。俺は、こんなところで躓けない。本気で来い、本気のお前に勝たなきゃ意味ねえんだよ」

 

 そう言うと轟は去っていく。

 

 人を殺せてしまう個性ではあるのだろう。それでも全力を出さない理由が父への反発心。そのくせ、自分は全力を出してるみたいな空気を出して人を遊び気分と言い切る。

 

 思い描いた結果を残せず焦っているのだろう。

 父の力に頼りかけて苛立っているのだろう。

 余裕そうな………というか余裕で空でくつろいでいたカムイに思うところがあるのだろう。

 

 それはそれとして、よりにもよってお前がその台詞を言うのか。

 カムイの反応は?

 

「……………ああ?」

 

 普通に苛立っていた。

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