この素晴らしいヒロインズと恋愛を!   作:おふざけちゃん

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この手遅れ信者と祝福を!

 

 

 

『ショタコン面食いロリコン共の世界』

 

 

 

「___あら?あらあら?カズマさんではありませんか、珍しいですねお一人て。」

 

 アルカンレティアのとある教会。

 特徴的な金髪を靡かせ俺を出迎える女……セシリー、彼女は俺の手元にぶら下げられた鞄に興味津々に目を光らせていた。

 

「おう、まぁ取り敢えず上げてくれ。此れは一応土産の例のアレだよ、アレ。」

 

「……ッ!?」

 

 ビクッと反応し周りをチラチラと見渡すと、神妙な面持ちで教会内へと促す。

 どれだけ好きなんだ全く……。

 

 魔王討伐道中ぶりに訪れるアルカンレティアはそれはもう変わり無く……と言いたい所だが、俺の顔を知る連中が増えたお陰で勧誘率が格段に減っていた。

 道中勧誘と言う名の妨害を受けなくなった為スムーズにセシリーの居る教会へと辿り着けた訳だが、勧誘が無いと無いでは逆に不思議な気持ちになってしまう。

 

 まぁ無くて良いのだが。

 

「……さぁ、は、早く例よアレを…!早く…ッ!!」

 

「はいはい…ほら。」

 

 俺から引っ手繰る様に鞄を受け取り中身を確認、アクアの前で決して出来ない様なダラケた顔で満足気に鞄を抱えると俺の視線に気付く。

 

「何ですがカズマさん。これはもう私の物なのであげませんよ?」

 

「別に欲してねぇよ……それはほら、まぁ俺なりの礼だよ、礼。」

 

「礼…?はて、私が何かしたでしょうか……。」

 

 思い当たる節が無いと計りに口元に人差し指を当て首をコテンと傾ける。

 

「分からないなら分からないで良いんだよ……ただ、お前のお陰で助かったってだけ……んじゃな。」

 

 一応用事は終わり、後は帰りに混浴にでも寄ろう……何て考えていると、セシリーに手を掴まれる。

 

「まぁ待ちなさい…どうせなら一緒に食べましょう、ね?」

 

「……お前さっきあげないとか言って無かったか?」

 

 まぁまぁと背中を押され椅子に座らされると、何処から取り出したのか波々注がれたお茶の入ったコップを二つ置く。

 こうして二人で話す機会も無かった為、物珍しさにそのまま居座らさせて貰う事に。

 

「さて、先ずは魔王討伐おめでとう御座います。これは幾ら私でも真面目に祝福せざるを得ないですよ!えぇ。」

 

 ずずずっとお茶を啜り一泊、こう真剣なセシリーと言うのは実に珍しい。

 やはりアクシズ教徒だけあって魔王討伐は念願だったのだろう、巫山戯つつも真剣な表情のセシリーの雰囲気は何処か嬉しそうであった。

 

「それを言うなら此方だって、さっきも言ったが助かったよ。お前のお陰で俺達はアクアに追いつけたからな。」

 

「………はて、何の事でしょうか。」

 

 何故そこで謙虚するのか、根は優しさに溢れた女性なのだろう………ところてんをとんでも無い表情で食べているが。

 禁止されている食べ物なだけあってこのままのペースだと直ぐに無くなってしまいそうだが……まぁ、幸せそうだから良いか。

 

 俺も少量ところてんに手を付けつつ、アクアの活躍をセシリーに大袈裟に語り……それを目をキラキラとさせ流石アクア様!!と持ち上げるセシリー。

 只のヤバい女だと思っていたが、この数十分で印象が少し変わる事に。

 

「因みに最近はめぐたんやエリス教徒のクルセイダーとはどうなんですか?」

 

「どう、ってのは?」

 

 小指を立てモグモグとところてんスライムを頬張る。

 

「………何で知ってんだよ。」

 

「あら?貴方達の噂はそれはもうこの国中の中心の話題ですよ?因みにゼスタ様はめぐたんだと思ってるそうです。」

 

 どうやらこの国は平和ボケした連中しか居ないらしい、つい最近まで魔王の脅威だの何だのと騒ぎまくっていたと言うのに……人様の恋愛にお熱の様だ。

 

「彼奴等となぁ……うん、まぁ……うーん…。」

 

「フッどうやらお困りの様ね」

 

 そう言ってバッと立ち上がる。

 

「ここは男にモテモテ経験ありまくり、付いた渾名は第二の天女……!!このセシリー其の人である私に相談してはどうかしら!?」

 

 グイッと顔を近付け鼻を鳴らす、先程までのところてんスライムに対する目のキラキラとはまた違った意味で目をキラつかせる。

 良くもまぁ其処まで他人の恋愛に興味を持てるものだ。

 

「……因みにその二つ名は誰が付けたんだ?」

 

「私よ、ピッタリでしょう?」

 

 呆れて物を言えないとはこの事か。

 先程の印象を百八十度変え、ところてん狂いの頭のおかしいアクシズ教徒へと変化。

 

 ただまぁ……口に出してみる、と言うのも大事なのかも知れない。

 意を決して目の前の頭のおかしい女に話して見る事に。

 

「……それじゃまぁ、話半分に聞いてくれ。」

 

「え、ちょっと冗談じゃない真面目な話はやめてくれるかしら?」

 

「良いから聞け…っ!!」

 

 何やらガタガタと抜かし初めたセシリーを無視、口は災いの元なのだ……自分で言った言葉の責任は自分って取って貰おう。

 少し困り顔のままところてんスライムを頬張り一応聞く気になったのだろう、プリースト失格と計りに頬を付き俺の話を聞く。

 

 内容は至ってシンプル、今まで恋愛経験の無かった俺はどちらを選べば良いのか分からない、どちらも好きなのかも知れないこの気持ちのまま無理矢理どちらかを選ぶのは両者共々に申し訳ない、そんな事をツラツラと告げた気がする。

 箇条書きの様に伝えたその内容は、分かりにくく聞く人によれば顔を顰める内容であったが……セシリーは真面目な顔で聞いてくれる。

 

 こうして想いの縁を語り終えた俺、俯きガチになっていた顔を上げた先には食べ終えたところてんスライムを名残惜しそうに見ながらお茶を飲むセシリー。

 コトンと波々と注がれていたお茶の無くなったコップを机に置き、俺の目を真っ直ぐ見つめてくる。

 

「まぁ私は此れでもアクシズ教徒のプリースト、様々な懺悔を聞いてきましたからね……今のカズマさんの様な気持ちを懺悔する人間を沢山見て来ました。」

 

 と、この世界の男の不甲斐無さをカミングアウト……自分で言うのもアレだが情け無い人物が多い様だった。

 

「そんな皆さんに私は一つ、アクア様もそう告げるだろう言葉を授けてきました。」

 

 何だコイツ、本当にプリーストに見えてきた。

 

「汝……己の欲を今一度並べるが良し。」

 

「……つまりどう言う事だ。」

 

「まぁ、簡単に言えば……カズマさんの理想である女性の特徴を一つ一つ一度並べて見ましょう、と言う事です。」

 

 並べる……成る程。

 

「……胸がデカい女性…?」

 

「……最初にその特徴が出ると言うのは己の欲に真っ直ぐで良いと思いますよ?えぇ、気持ちは悪いとも思いますが。」

 

 罵倒を受け流しつつ理想の女性を頭の中で思い浮かべる。

 胸がデカい……次は何だろう。

 

「……髪が綺麗で…。」

 

「良いですね、女性は私も含め髪を命の様に扱ってますから。其処に欲を見出すのは此方からしても嬉しいですよ?……まぁ、素知らぬ人に見られても気持ち悪いですが。」

 

 お茶のお変わりを啜り相槌を入れる、気持ち悪いで締めるのは止めて欲しいが。

 

「……歳上、お姉さん…?」

 

「成る程成る程……母性、を求めるのですね。それは世の男性皆心の奥底で求めてますから、私もイケメンに養われたいものです。」

 

 世間ではロリコンだのロリマさんだの言われているが、俺は昔からお姉さんにヨシヨシされたいのだ。

 子供に対する好意はlikeの域を出ない……それは、アイリスに対してもだ。

 

「……俺と同じ位、馬鹿やってくれて…。」

 

「ふむふむ、それはパーティーメンバーの皆様の影響でしょうか。やはり堅苦しいよりもある程度おちゃらけた方の方が良いですよね、私も紳士イケメンとチャラいイケメンの二人に責められたとなれば……あぁ…!!危ない恋をしたいと思うものです…っ!!」

 

 コイツ本当に真面目に聞いているのだろうか。

 目の前でクネクネと身を捩り妄想に耽るセシリーを眺めながら、今挙げた特徴を合致させそれに近い方を選ぶ。

 

 めぐみんは……母性もあって、髪が綺麗……だが、お姉さんと言われればそうではなく、胸は……。

 ダクネスは、歳上のお姉さんで一番重要な胸もデカい……髪も綺麗だが、それ以外が壊滅的過ぎる。

 

 アクアはそれなりに当て嵌まるが、馬鹿をする度合いがあまりに行き過ぎている。

 ……まぁこれ全部に当て嵌まる人間など居ないだろう、ここから一つずつ必要な特徴を削りながら残った特徴の多い人を……。

 

 ……ん?

 胸がデカく、髪が綺麗で、歳上……かは分からないが、めぐみんにお姉さん等と言わせていたり言動から見るに年下、同い年、と言うのは無いであろう。

 

 馬鹿やって……と言うより、勝手に馬鹿やっているだけではあるが……正直好きな物が合った時には多分盛り上がれるだろう。

 ……あれ、てことはつまり……。

 

「あら?どうされましたカズマさん、それで終わりですか?」

 

「……本来、お前みたいなのが俺のタイプ何だよな……嫌な事に気付いた……。」

 

「ヘッタクソな口説きですか?喧嘩を売ってるんですか?」

 

 頬を付き俺をジト目で見るセシリーを見る目が、ほんの少しだけ変わった一日。

 それがどう俺の生活に関わる事になるのか、それは女神のみぞ知る……そう言う事にしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「___ゼスタ様、宜しいので?」

 

「……えぇ、二人の男女の仲を仕事程度で切り上げさせる……アクア様ならそんな事を望まないでしょう。」

 

「いえそうでは無く、セシリーの奴高級茶を全て使い切ってますけど。」

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