この素晴らしいヒロインズと恋愛を!   作:おふざけちゃん

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この可愛い依存症アイドルと祝福を!

 

 

 

『可愛いに満ちてしまった世界』

 

 

 

「___ねぇ可愛いっ!?アタシ今日も可愛いッ!?」

 

「……あぁ、エーリカは何時でも可愛いぞ…うん……。」

 

 そう呟くと、満足言ったのかムフーと鼻息を鳴らしスキップしてその場を去って行く。

 こうして毎日エーリカに催促され可愛いと言う日々、最初こそ文字通り可愛いものだと思いながら伝えていたが……こうも毎日催促されると最早呆れてしまうのも仕方が無いだろう。

 

 こうして可愛いを催促してくるのはそう珍しい事では無かった、初めて会った時から今に至るまで出会った時、講演会前、ツアー前と色々な所で自信を出す目的で催促してきていた。

 ……しかし今はどうだろうか。

 

 目が合えばニッコニコで此方へ向かい可愛いか聞いてくる……やってる事は口裂け女と何ら変わりはしない。

 それも此れもあの日、珍しく真剣な表情で着いてこいと言われたその時……想いを伝えられたその瞬間から初まっていたのだろう。

 

「よぉ、随分と見せつけてくれるな?カズマ。」

 

 ニヤニヤと此方に向かって来るダストのその言葉に溜め息を漏らす。

 そう、此処はギルド……誰が何処で見ているかも分からない状況でも俺を見つければ聞いてくるその行動が一番の問題なのだ。

 

 アイドルとして、プロデューサーとして、ファンが居ると言う自覚が無いのだろうか。

 

「……なぁどうすれば良いと思う?別に言うのは吝かでは無いんだが、如何せん数も多けりゃ場所も考えない……。」

 

「どうすれば良いだぁ?そんなもん決まってんだろ!自分から言いに行けば良いんだよ自分から!!」

 

「……自分から?」

 

 ダンッと何時の間に頼んでいたのかジョッキを机に叩き付け、少し赤身掛かった顔で別席で女子会を繰り広げるエーリカへと目を向ける。

 

「そうだ、欲っちゅうのは不足してるから欲何だ……常に満たし本人がもう満足と言う所まで行けば良いんだよ。」

 

 満足……あのエーリカに可愛いの満足はあるのだろうか。

 めぐみんと何やら言い合いを繰り広げているエーリカを見つめつつ、どう満たしてやろうか考える。

 

 言葉を言うだけじゃ……今の今までを見れば上手くいかないだろう、なら行動を加えれば良いのではないかと。

 頭を撫でる、ハグをする、様々なスキンシップを加えればあのエーリカも照れて満足いって……思い立ったが吉日だ。

 

 ギャイギャイとめぐみんと言い合っているエーリカへと近づくと、俺の気配に気付いたのか目を輝かせ此方へ振り返る。

 

「……?どうしたのよカズマ、まさかアタシの可愛い所を又見つけたのっ!?」

 

「あぁそうだ、それを言いに来たんだよ。」

 

「ッ!?!?」

 

 何を驚いているのか、驚愕した様に目を見開くエーリカ。

 成る程……ダストが言っていた通りかも知れない。

 

「まずはそうだな……何時もファンの為に身嗜みを気にしてるのは可愛いよなぁ。」

 

「ひゃっ…!?」

 

 そう言ってエーリカの頭に手を乗せ撫でる……まさか俺から伝えに来るのは想定外なのか、何時もは可愛いと言われれば目を輝かせ嬉しそうだと言うのに…今は何処か顔を赤くしモジモジと居心地が悪い様な。

 この調子でいってみよう。

 

「他には……何だかんだ言ってリアの縫いぐるみを羨ましそうに見てるのも可愛いよなぁ。」

 

「!?!?き、きき気付いて…っ!!」

 

 そのまま座っているエーリカを胸元に引き寄せる。

 

「……っ!?」

 

「他には……。」

 

 そう言って記憶にある限りのエーリカの行動を事細かに可愛いと添え告げる。

 ご飯を美味しそうに食べる所、気に入った服をウットリと見つめる所、ファンサービスを怠らない所、可愛いと言われた時に顔を綻ばせる所……とまぁ思い付く限り。

 

 勿論全てに可愛いと見出したと言う訳では無いのだが、良い印象を持った出来事をツラツラと述べていけば………コイツ、かなり良い奴何だなと再認識出来る。

 最初にしたストッキングを送り付けると言う狂った行動は未だ許していないが。

 

 と、俺の手をガッシリと握る感触。

 そちらに目を向けると呆れたような顔で俺の手の動きを止めるめぐみんが居た。

 

「カズマ……見せ付けるのは構いませんが、ちゃんと相手を見て上げて下さい。」

 

 そう言ってやれやれと言わんばかりに溜め息を付く。

 言われた通りにエーリカへと目を向けると、顔を紅魔族の目よりも真っ赤にさせ口をモニョモニョと辱めを受ける様にその場に鎮座していた。

 

「………ちょ、こ、此方に来なさい!!」

 

 正気を取り戻したのか口元を隠しながら俺の手を引きギルドの外へと連れ出される。

 黄色い悲鳴が辺りから聞こえてくるが、俺は思ったよりも作戦が上手く行った事に喜びを受けダストに酒代を投げる。

 

 やがて人目の付かない路地裏へと辿り着くと、周りをキョロキョロと見渡しコホンッと咳を零す。

 

「良いカズマ?アタシが求めない限りアタシに可愛いって言うのは禁止!!良いっ!?」

 

 と、本当にエーリカの口から出た言葉なのかと疑いたくなる。

 まさかの可愛い禁止令……それはそれで困ったな。

 

「……って言われても、エーリカが可愛いのは本当だろ?」

 

「っ…!そうよ!アタシは可愛いのは知ってるわよ!!……でも禁止!!分かったっ!?」

 

 ………コイツ、可愛いに今反応しているのか。

 しめた、今までの仕返ししてやろう。

 

「まぁそう言うなってエーリカ、ほら……エーリカは今日も可愛いなぁ全く!!」

 

「っ…!?ちょ、ほ、本当に怒るわよっ!?」

 

 ポコポコと抱き寄せられた胸元を叩く…が、其処に力は籠っていない為特段痛みは感じない。

 寧ろ何故今まで可愛いと言う事にゲンナリしていたのか、と疑問に思う位には今俺の目に移るエーリカはそれはそれは可愛いと感じる。

 

「はいはい怒るエーリカも可愛いなぁ。」

 

「ひぅっ…!!……ほ、本当に…!だ、駄目…!!」

 

「恥ずかしがるエーリカも可愛いなぁっ!!」

 

 ヤバい、最高に楽しい!!

 正直場所や状況によっては小っ恥ずかしさもあったが、今は恥ずかしい何て感情は一切無くエーリカに可愛いって言える!!

 

 俺に足りないのは我慢強さや可愛いじゃなく、思い切りの良さだったのだ……ダストには感謝しても仕切れない。

 もう人を撫でると言うか犬を撫でる位にエーリカの頭をグッシャグシャにしつつ、外の寒さを和らげる様胸へと引き寄せる。

 

 その豊満な胸の感触を楽しめ、一石二鳥である。

 

「………っ!!……か、かずまぁ…っ!!」

 

 と、蕩けた様な声で俺の名を呼ぶ……何だコイツ誘ってんのか?

 抵抗を止め受け入れているエーリカの顔を見ると、ハァハァと息を漏らしトロンと目を垂らせ俺の名を呼ぶ危ないこの状況……不味い、人が居ないからと調子に乗りすぎた。

 

 もしこの状況をファンに見られようものなら……まぁ大分手遅れ気味ではあるだろうが、新聞に俺の名が載るのもそう遠くは無い。

 俺の名が轟くのは魔王討伐だけで良いのだ、そう思いながらエーリカを解放しようと引き剥がそうと………。

 

 ガッシリと今度はエーリカが俺に抱き着く。

 

「……!?エ、エーリカ…?」

 

「………。」

 

 そのまま顔を俺に近付けると、貪る様に……俺を硬い地面に押し倒して来る。

 ……良くない、非常に良くない!!

 

 そう思うも時すでに遅し、完全にエーリカの中の可愛いが暴走してしまったのか………捕食者の目をしていた。

 この日、俺はエーリカに可愛いを言うのは少し減らそうと心掛ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?エーリカは何処に行ったんだ?」

 

「さぁ?私は知りませんよ……シエロは何か知っていますか?」

 

「ぼ、ボクも良く分からないです…!!」

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