この素晴らしいヒロインズと恋愛を!   作:おふざけちゃん

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この勘違い令嬢と話し合いを!

 

 

 

『驚く世界』

 

 

 

 ___ガヤガヤと民衆の集まる会場に足を運び込んでいた俺は、今日も今日とてアイリスの遊び相手として晩飯を頂きに来ていた。

 アクセルの街やアルカンレティア、紅魔の里等色々な場所に行ってご飯を食べて来たが...何でだろうな、やっぱり見るからに高そうな飯が一番うめぇや。

 

 蟹、牛、今日は何を食おうか...何て悩んでいると、何時もとは違いおめかししたクレアが会場へと入って来た。

 何時もは白スーツに身を包みアイリスの護衛を担っていた筈だが、今日は一体どう言った風の吹き回しだろうか?

 

 しかし端正な顔立ちとぶっちぎりのスタイルによって間違えたその姿に、どうやら会場の連中は目を奪われていた様子。

 まぁ、俺もだが。

 

 コツコツとヒールを鳴らし男連中の居るテーブルに腰を落とすと、何やらワイワイと話をし始める。

 ...らしく無いな。

 

 何時もは目をギラつかせアイリスの下に入ろうとする不届者を排除する勢いだと言うのに、今日は何処か大人しそうに座っている。

 その目は何処か品定めする様な、まるで......あぁ、成る程。

 

 アレはダクネス、に取り入ろうと躍起になっている男の目と同等だ。

 つまりアイツは今、結婚相手を探しているのだろう。

 

 それはそうだ、もう良い年だと言うのに何時までもアイリスにベッタリとくっついて離れようとしない。

 それ所かアイリスと更に親睦を深めようと遊びに力を入れ始める始末、こりゃ駄目だ。

 

 そんなクレアに良い加減痺れを切らしたのだろう、親がクレアに跡継ぎを引っ掛けて来いとでも言われ渋々...全て俺の予想に過ぎないが。

 しかし珍しいモノを見れた、帰ったらダクネスに教えてやろう。

 

 俺は何を食べようかともう一度具材の並ぶ方へと向き直り、手当たり次第に食べて見ようと手を伸ばし___

 

「___ど、どうしたカズマ...?」

 

 何時の間にか、クレアの腕を掴んでいた。

 野球ボールを豪速球で投げるとは思えない華奢で細い腕を、俺はガッシリと。

 

 ...あれ?

 

「...カズマ?」

 

「あ、いやちがっ...わりぃ、ちょっと俺も話し聞かせてくれよ。」

 

 何を言っているのだろうか俺は。

 何処か驚いた様に目を見開くクレアを尻目に、俺は隣に腰を下ろす。

 

 あー...何してんだ俺。

 ほら見ろ、怪訝な目で話しかけられていた貴族連中に見られてしまっている。

 

 魔王討伐を終えた今新しく目立つ必要は無いのだ、大人しく慎ましく豪勢に生きるのが俺のモットーだと言うのに。

 

「...えーでは、話に戻りますが...クレア殿は今貰い手を探している、と言う事で宜しいのでしょうか?」

 

 一際爽やかな青年が俺を困った目で見つつも、クレアを真っ直ぐな目で見つめながら話を続ける。

 

「...あ、あぁ...そう言うこと、になるんだが...。」

 

 チラチラと俺を見ながらそう答えると、その言葉に他の連中がピクっと反応を示す。

 俺の予想は当たっていたみたいだ。

 

 先程まで俺の登場もあってか何処かぎこちない空気であった此処のテーブルは、クレアの言葉によりまるで戦場...獲物を捕まえる狩人の誕生だ。

 そりゃそうだろう、スタイル抜群容姿端麗な大きな名前待ちの箱入り娘...俺だって逃す筈が無い。

 

 急に変貌した雰囲気に気圧されつつも、親の言う事を思い出したのか綺麗な顔を真面目な雰囲気へと変える。

 

「成る程...では、私など如何でしょうか?こう見えて私は家事が苦手でして...アイリス様の教育係を任せられている貴方なら、造作も無いでしょう。」

 

「ぞ、造作...えぇ、まぁ......。」

 

「おい何嘘ついてんだクレア。」

 

 つい、ホントつい突っ込んでしまった。

 俺の言葉にギョッと振り返るクレアと、不機嫌そうな目で俺に目を向ける貴族。

 

 そんな目で見られても、嘘をついたコイツが悪いのだ...本当ならこのまま無言で行く末を見守るつもりだったのだから。

 

「嘘、と言うには...君はクレア殿の家事能力を知っている、と捉えて良いのかな?」

 

 ...何か、コイツ無性に腹立つな。

 言葉遣い、顔面、肩書き、何も苦労せずにのうのうと生きて来たのだろう。

 

 俺はイケメンが大が付くほどに嫌いなのだ。

 だからこそ、激情に身を任せつい口が開いてしまった。

 

「そりゃな、コイツ部屋も汚けりゃこの前何かのそのそ起きて来たと思えば『あ、今日は朝からアイリス様との...!』とか言って寝癖付けたまま部屋を出ようと...」

 

「良ーしカズマちょっと来いッ!!!」

 

 貴族にガン飛ばしながらペラペラと思い出した事を話していると、隣に座っていたクレアに口を塞がれベランダへと引き摺られる。

 何だ何だと珍奇なモノを見る貴族の連中を視界に、俺は折角新調したスーツが汚れる事に心を悲しませていた。

 

 と、ドンっと俺を乱暴に手摺りに投げ付けると至近距離で見るからに怒ってますよと言わんばかりのクレアに壁ドン...何て積極的なお嬢様だ。

 

「貴様、何をしている?」

 

「幻想を抱いてる奴に現実を教えてやってたんだ。」

 

「違う!!何故、此処に居ると言っているんだ!!」

 

 ?

 

「何故も何も、晩飯を食いに来たんだよ。今日もアイリスと遊んでたからな、たらふく美味い物を食い散らしてやろうかと。」

 

「っ...!!......はぁ...。」

 

 ワナワナと震えながら溜め息をわざとらしく付くと、胸元を掴み上げ俺から見て右の方へと指を刺す。

 

「それは隣の会場だ...そもそも、アイリス様が居ない事に疑問を抱かなかったのか?」

 

「何だ知らねぇのか?アイリスは最近同い年の女の子と仲良くなる為に、俺と一緒に飯を食べる事をやめたんだ。お兄ちゃんとしては寂しいが...てか、だとすれば此処はなんなんだよ?」

 

「......。」

 

 言い淀むクレア。

 まるで聞かれたく無かった、知られたく無かったと言わんばかりに辛そうな表情で顔を逸らす。

 

 まぁ、大方予想は付くがな。

 

「...婚活会場だ。」

 

「だろうな、お前が居る事は理解出来ないが。」

 

「親に言われたのだ、良い加減孫が見たい...と。」

 

 それも予想通り、まぁだとすれば更に謎ではあるのだが。

 

「...じゃあ、俺を紹介すれば良いじゃねぇか。」

 

「はぁ...?」

 

 まるで理解出来ないとばかりに素っ頓狂な声を上げ、ついでに顔もあげる。

 

「いやだから、俺で良いじゃねぇか...こっちがはぁ?何だが。」

 

「......い、いやいやいやそもそもお前と私ははつ、つつ付き合ってすらいないだろうがッ!?」

 

「えっ!?俺達付き合って無かったのか...!!」

 

 これは以外な事にどうやら俺の早とちりだったみたいだ。

 ...成る程、女性陣から良くお前はモテないと言われて来たがそう言う事か、こう言う所なのだろう。

 

 あの三馬鹿の言葉を認めるのは癪だが、カズマさんは自分の非を認められる人間なのだ...アイツらとは違って。

 

「当たり前だろうっ!!...そ、そもそも私はお前から...その、......す、好きだと言われた事は無いからな...っ!!」

 

「?何言ってんだ何時もベッドで...いってぇッ!?」

 

「お前は...っ!!どうして...っ!!デリカシーはどうしたのだデリカシーはッ!?」

 

 何やら記憶に相違がある為訂正しようとした所、涙目のクレアに頭を殴られる。

 だが、デリカシーも何も俺はただ正しい事を言っているだけであって...。

 

「そうは言っても、言ってるんだから言ってるんだよ。」

 

「...だが、こうしてお互い落ち着いている時には言ってくれないでは無いか。」

 

「それはお互い様だろ?...それより、お前は付き合っても居ない相手と...あーと、そう言う事をしていたのか?」

 

 少し気になる事を問うと、気まずそうに顔を逸らしコクリとゆっくり頷く。

 ちと、ショックだ。

 

「......そうか、なら...悪かったな邪魔して。大人しく俺は隣の会場に移るからよ。」

 

 そうぶっきらぼうに言い放つと、少し汚れたスーツの裾を掴み引き留めるクレア。

 振り返ると、顔を少し赤くさせ裾をギュッと握り俺を見つめていた。

 

「...待て、結局の所お前は...その、わ、私と...つ、付き合いたいのか...?」

 

「...。」

 

「ど、どうなのだ...!!」

 

 俺は...いや、考える必要も無いだろう。

 もう自分の気持ちは決まっていて、隠す必要も無いのだ。

 

「...そうだ、その通りだよ。」

 

「...っ!!」

 

「だからまぁ...正直、ショックだったんだぜ?さっきの言葉。」

 

 今更ではあるが、何処か小っ恥ずかしい気持ちを隠す様に口元を片手で覆うと、顔を逸らしてしまう。

 と、グイッと俺を引っ張るクレア。

 

 元よりクレアの身長の方が高い為、ただでさえヒールによって盛られている身体に引き寄せられ...そのダクネスに引けず劣らずで豊満な胸を堪能する事に。

 これは...思ってもいなかったラッキーイベント、やはり手と頭では感じる感触も違ってくるのだ。

 

「...私は、お前のお眼鏡に掛かっていないと思っていた。」

 

 そう語り始めたクレアの心臓の音は、急激に上がっていく。

 

「あくまで私はアイリス様あり気の、ちょっと遊びに熱が入り過ぎた...そんな関係だと。」

 

 随分な言い草だ、その言い方では俺がクレアと二つの意味で遊びだけの関係だったと言っている様なものだろう。

 いや、そう言ったのか。

 

「そうだと思っていても...私は、お前を...好いていた。」

 

「...。」

 

「だからさっさと忘れようと...態々両親に頼み婚活会場に行ったと言うのに、お前と言う奴は...お前と言う奴は...ッ!!」

 

 涙ぐんだ声でギュッと俺を締め付ける様に抱き抱える。

 どうやら、胸の感触を楽しんでいる暇は無い様だ。

 

「...好いて"いた"、のか?」

 

 ゆっくりと胸を押し返し見上げる。

 非常に大事な所だ。

 

「...っ!......フッ...まだ、お前を忘れられそうに無いさ...当分。」

 

「なら大丈夫そうだな、もう一度言う...良いか、心して聞け?」

 

 コホンッと一息吐くと、俺は形だけでもクレアから少し距離を取り片膝を地面に付くと、手を差し出す。

 

「俺を、紹介してくれるか?」

 

「...っ!!あぁ!当たり前だ...っ!!!」

 

 良く泣く奴だな、クレアは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「___えーと、一応言っておくが。もう付き合ってない奴とそう言う事はやめてくれよ?」

 

「...はぁ?何を言ってるのか分からないが、そもそも私はお前以外と...そ、そう言う事はしていない...に、決まっているだろう......!」

 

「え?何て?周りがうるさくて良く聞こえなかったからよ、何て?もっかいゆっくりと俺の耳に向かっいってぇッ!?」

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