この素晴らしいヒロインズと恋愛を!   作:おふざけちゃん

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この二人目の妹と祝福を!

 

 

 

『第二の妹と母の世界』

 

 

 

 初夏の晴れた昼下がり、珍しく俺以外屋敷から出かけている状況。

 する事もなくダラダラと過ごしていた時間に一つ、ドアを叩く音が耳に入る。

 

 そろそろ約束の時間だっただろうか、適当に菓子類を机に起きそれとなくお迎えムードを醸し出すと扉を開ける。

 見下ろす形となったドアを叩いた相手の正体、それは___

 

「……お、お久しぶりですサトウ様……!!」

 

「おう、久しぶりシルフィーナちゃん。」

 

 ダクネスの娘、では無くダスティネス・フォード・シルフィーナ……母方の従姉妹に当たる子だ。

 父親は仕事で家を出なくては行けず、ダクネスも領主代行で忙しく面倒を見れず、かと言って屋敷でずっと過ごさせるのも忍びない……と言う事で面識と信頼のある俺に声が掛かって来た。

 

 とても複雑そうな顔で俺に頼み込んで来たダクネス、俺程子供相手に相応しい人間などそう居ないだろうに何を渋る必要があったのか。

 シルフィーナが時間を有意義に過ごせる様色々と準備して来て居る、信用して欲しいものだ。

 

「お、お邪魔します…!!」

 

 外でシルフィーナを連れて来たであろう馬車と執事に軽く会釈し扉を閉める。

 何処か心配そうな表情で扉が閉まるまでシルフィーナを見つめる執事……あれ、思ったよりも俺って信用されてないのか?

 

 これでも魔王を倒して一躍英雄と呼ばれていた……筈なのだが、やはり日頃の行いと言うのは大切なのだろう。

 見知ったダクネスがおらず、同性のめぐみんやアクアも居ない俺と二人っきりの広い屋敷でカチコチに緊張しているシルフィーナ。

 

 まぁそりゃそうだろう、あくまで少しの間顔を合わせた程度の仲なのだ……今更ながら何故俺に任せたのか。

 教会も運悪くリフォーム中のせいで入れないだとか、神様仏様エリス様……もう少しシルフィーナに祝福を上げて欲しいものだ。

 

 菓子が置かれたテーブルの椅子に座りチラチラと俺を見ては慌てて視線を逸らす……さて、どうしたものか。

 またあの時見たいに御飯事でもすれば良いのだろうが、それだと少し味気無い。

 

 この位の歳の女の子が夢中になれて、尚且つ歳の離れた男と二人で出来る遊び……そんな物はこの世界にない。

 だから作った。

 

「あー……シルフィーナちゃんはこう言うのって興味あるか?」

 

 机の下に隠しておいたそれをごとりと置く。

 チラチラと俺を見ては逸らしていた先程の目は何処へやら、その視線は俺が置いたそれに夢中になっていた。

 

「こ、これは…っ!?」

 

 

 

__________________________________________

 

 

 

 あかりの灯る大きなお家……それに似通った唯のうさぎをモチーフにした生活の様子を再現出来る玩具。

 決してシル繋がりのファミリーからパクったのでは無く、あくまで姿形をお借りした俺オリジナルの玩具の未発売品である。

 

 一応バニルに渡す前に実験としてシルフィーナに遊んで貰おうとしたのだが……。

 

「サトウ様サトウ様!!このお洋服とても可愛らしいです!!」

 

「そうか……お、これ何てどうだ?」

 

「凄い!それもとても素敵ですっ!!」

 

 どうやら御満悦頂けた様だ。

 先程の緊張は無くなったのか、あれだけ薄青色の血色の悪い顔色から一転頬を赤く染め興奮気味に物色。

 

 ちゃんとアクアの出汁の効果が効いているのだと安堵し、更にシル何とかファミリーも楽しんで貰えると言う事実も知りこれまた安堵。

 この物騒な世界に合わないかとも思ったが、どうやら思ったよりも楽しんで貰える様だ。

 

「良し!なら俺はこの子をコーディネートしてあげようかな?」

 

 唯見てるだけなのは手持ち無沙汰な為、適当に転がっていたうさぎを一匹掴み俺流のファッションを仕立てる事に。

 と言っても俺が作った商品なのだからどんな服や家具、オシャレアイテムがあるかは全て脳に入っている。

 

 その為少し貴族っぽい仕立てにしようと見覚えのある服を何枚か取る。

 せっせとシルフィーナもコーディネートしているのを横目に見つつ、ここに居なくて寂しいであろう二人目の母に似たうさぎが爆誕。

 

 俺が作っているのだから服は全て知人のファッションを参考にしたもの、必然とダクネスは出来上がるのは仕方が無い。

 やがてシルフィーナも仕立て終えたのか満足がいったかの様に顔を綻ばせると、俺の手元に居るうさぎに視線が向けられる。

 

「あ、それって……。」

 

「ん?あぁ、これシルフィーナちゃんにあげようと思ってな。」

 

 とても全年齢対象予定の玩具とは思えない黒タイツの部屋着ダクネスを再現した、上は黒タイツ下は何時も着ている鎧と言う良く良く考えなくても巫山戯たファッションのダクネスうさぎ。

 

「ほら、中々に再現されてるだろ?」

 

「……フフッ…何時も見ているママにそっくりですね。」

 

 あいつシルフィーナの前でもこんな格好してんのか。

 アイリスに対して教育に悪いだの何だのどの口が言っていたのやら、今度アイリスに話してやろう。

 

「それじゃあ私は……どうぞ。」

 

 スッと先程見繕っていたうさぎを俺に差し出す。

 

「え、俺?」

 

「はい……どうやら、同じ事を考えていた見たいです。」

 

 そう言って差し出されたうさぎは、一応作ってはいた俺の冒険服を着せられたうさぎ。

 腰には小さな刀を備え見慣れた姿をしたそのうさぎは、俺の手へと渡る。

 

「お、おぉ……何だか悪いな、今からでもシルフィーナちゃんの服を追加してこよう!!」

 

「い、いえいえ大丈夫ですっ!!……ただ、私を追加してくれるのは嬉しいですね…!」

 

 屈託の無い笑顔でそう告げるシルフィーナ……何だろう、兄心を擽られる。

 この気持ちはそう……初めてアイリスがデレてくれたあの瞬間に似ている……。

 

 懐かしい気持ちを思い出しつつ、俺はシルフィーナの顔を見ながら告げる。

 

「……にぃちゃん。」

 

「…え?」

 

「お兄ちゃん、それかカズマ兄ちゃんと呼んでくれ。」

 

 そうだ、思い出した。

 彼女を初めて見たあの時から、俺は兄心を擽られていたのだ。

 

 あの時、まだまだ今見たく喋らずダクネスに隠れていたか弱い少女であったがためか、はたまた初対面であるためか。

 俺を兄と呼ぶ事は叶わなかった……が、今はどうだろうか。

 

 預け先に選ばれる位の仲、さらに御飯事もした事もあれば今尚玩具で互いに遊ぶ仲。

 これはもう兄妹と言って差し支えないのではないか?その場合ダクネスは俺の母にもなってしまうが、まぁそれは些細な事だろう。

 

 目をパチパチとさせ俺の言葉の意味を汲み取れていないでいると、やがて周りをキョロキョロと見渡す。

 先程の興奮気味であったシルフィーナは落ち着きを取り戻し、また別の意味であろう顔を紅く染め俺を上目遣い……言葉を告げる。

 

「……えと、あの……お、……おにぃ…ちゃん…?」

 

 刹那、脳裏に過ぎるは二人の妹の顔。

 ___お兄様!!___おにぃちゃん?___お兄様っ!?___おにぃちゃん!!___お兄様…?___おにぃちゃん。___お兄様…!!___おにぃ…ちゃん…?

 

 はっ!!

 失い掛けていた意識を取り戻す。

 

「あの…!さと……お、おにぃちゃん?」

 

「……ん?何だどうしたシルフィーナ、お兄ちゃん何でも言う事聞いてあげるぞ?」

 

「えと、その……じ、時間が来てしまった様なので……お、お迎えが来ました。」

 

 ……迎え?

 窓に目をやると空はオレンジに染まり、夕暮れを示していた。

 

 成る程、どうやら互いに時間を忘れる位にのめり込んでいた様だ。

 モジモジとまた俺をチラチラと……いや、違うな……俺と誰か見比べながら名残惜しそうなシルフィーナが目の前に居る。

 

 見比べる……それはつまり迎えの人を指すのだろう、シルフィーナが示す先に居た迎えに来た人物。

 

「どうしたカズマ……いや、お兄ちゃん?」

 

「………ママ。」

 

「は?」

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