サブスクライフ 〜あなたの人生を最適化します〜   作:水秋

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こんな人生なんて

 「田村、お前はクビだ」

 

会議室に響いた一言で、俺の人生は終わった。
心臓がズキンと痛み、視界が白くなる。

田中部長。四角い顔に薄い髪。いつも不機嫌そうな顔つきの上司が、今日も眉間にしわを寄せて俺を見下ろしている。

 

 「5年連続で営業成績ビリ。無能に用はない」

 

はい、その通りです。
俺、田村健太28歳。仕事はできない。

営業は苦手、人付き合いも下手。毎日残業しても結果はゼロ。

自分でも救いようがないと思う。

 

 「お前に価値はない。明日から来なくていい」

 

──価値はない。
その言葉が、何度も何度も胸の奥に突き刺さる。

 

 「田村さん……」


 

隣の席の三浦が小声で声をかけてきた。三浦は俺より3歳下だけど、もう主任候補だ。
 

 

 「大丈夫ですか?」

 

大丈夫なわけがない。
でも、俺は頷くしかなかった。

 

 「以上だ。田村、荷物をまとめて帰れ」

 

田中部長が最後の宣告をした瞬間、スマホが鳴った。


プルルル、プルルル──
シーンと静まり返った会議室に、やけに大きく響く。

画面を見ると、見知らぬ番号が表示されていた。


 

【030-0000-1234】

 

 「すみません、失礼します」


 

俺は慌てて会議室を飛び出し、廊下に出て通話ボタンを押した。

 

 「もしもし、田村です」


 「田村健太様ですね」


 

落ち着いた男性の声。やけに丁寧だ。

 

 「はい」


 「この度は、オートライフサービスにお申し込みいただきありがとうございます」

 「オートライフ? 俺、そんなの申し込んでませんけど」


 「いえ、無料お試しキャンペーンの対象になられております。人生最適化サービス、オートライフです」

 

人生最適化?
意味がわからない。

 

 「詳しくは後日ご説明します。まずは体験していただければと」


 「いや、ちょっと待っ──」

 

そう言いかけた瞬間、頭がぼんやりした。
麻酔を打たれたみたいに意識が遠のいていく。
でも、完全に眠るわけじゃない。

 

気づくと、映画館の座席に座っていた。スクリーンには“俺”が映っている。
自信に満ちた顔で会議室に戻っていく俺。

 

 「部長、失礼ですが、それは間違いです」


 

堂々とした声が響く。俺の声。でも俺は何も言ってない。

スクリーンの中の俺は、胸を張って部長に言い返していた。


 

 「来月の営業成績、期待していてください」

 

部長は驚いた顔をしている。
俺は映画館の席で呆然と見ていた。

 

 「実は大手クライアント3社から内定の連絡をいただいてます。契約予定は2000万円です」

 

嘘だ。そんな連絡、一切ない。
でも、スクリーンの中の“俺”は自信満々だ。

会議室がざわつき、部長が青ざめる。
そこに追い打ちをかけるように、スクリーンの俺のスマホが鳴る。

 

 「はい、田村です。……ありがとうございます」


 

通話を切ると、満面の笑みで言った。


 

 「追加で1社、受注が決まりました。合計3500万円です」

 

会議室は完全に静まり返った。
部長は赤い顔でうなずき、先ほどの言葉を撤回した。


 

 「さ、さっきのは忘れてくれ。田村くん、よくやった!」

 

三浦までもが駆け寄ってきて、尊敬の眼差しを向けている。


 

 「田村さん、すごいじゃないですか!」

 

俺は何もしていない。ただ、スクリーンを眺めているだけ。

──いったい、何が起きているんだ?

 

気がつくと、俺は会社のトイレにいた。
時計を見ると午後5時。3時間も経っていた。

スマホを見ると通知が来ていた。


 

【オートライフ サービス完了通知】


【本日の利用時間:3時間12分】


【満足度評価をお願いします】

 

よくわからないが、久しぶりに気分が良い。

俺は星5つをタップした。

 

翌日。
会社に行くと、空気がまるで違っていた。


 

 「田村副主任!」


 

昨日まで冷たかった部長が、笑顔で俺に駆け寄ってきた。
 

 

 「昨日は本当にすごい成果じゃないか!」

 

副主任? 俺が?
同僚たちも尊敬の眼差しを向けている。
三浦ですら、羨ましそうな顔だ。

 

でも、俺には昨日の記憶がない。
ただ「自分がすごいことを成し遂げた」感覚だけが残っていた。

 

昼休み。コンビニの帰りに声をかけられた。

 

 「田村健太さんですね」

 

40代くらいのスーツの男。落ち着いた雰囲気で名刺を差し出してきた。

 

【株式会社ライフオプティマイズ 営業部 矢野光司】

「昨日のオートライフサービス、いかがでしたか?」

 

俺は固まった。
──やっぱり、あれは夢じゃなかったんだ。




この作品は、一部文章をAIによって執筆しています。
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