MTG版TCGホビーアニメ(システムに欠陥あり)   作:名無しのプレインズウォーカー

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 感想評価ありがとうございました。思ったより好評でしたので、勘違いしてもう1話だけ書いてみました。間違ってたら言ってください。


第2話

 どうやら歩夢くんと札姫(さつき)ちゃんの二人は無事出発したようだ。大変だと思うが、札姫ちゃんにはお守りと称してワタシの『多色コントロール』デッキを渡しておいたたから、そう簡単にはやられないだろう。『Food Chain』ギミックを抜いて即死コンボがなくなった分、『濁浪の執政*1』、『豆の木をのぼれ*2』、『力線の束縛*3』あたりを突っ込んでおいた。元がコントロール使いなら比較的回しやすいし、防御手段も多めだから何とかなるだろう。

 

「じゃあ、頃合いを見てこっちも動こうかな」

 

 こっちはこっちで動くからと言った以上、警察には連絡しないと。友人が事件に巻き込まれたと言えば何とかなるはずだ。

 完全にスルーを決め込むほど冷たい人間になるつもりはないが、命を張るほど良い人でもない。二人には悪いが安全な場所から応援させてもらおう。

 そう思って移動としようとすると、首をむんずと掴まれた。なにこれまた!?

 

「待て。一人で行く気か」

「げえっ! 黒フード!?」

 

 自分を持ち上げているのは以前会った黒フードの男。いくらなんでもタイミング悪すぎでしょ! お前『ナヒリ*4』かよぉ! いや、使ってる色的に『ウルザ*5』か!

 

「一緒には行かなかったのか。何故だ」

「そりゃあ1人は状況を説明して警察呼んだ方がいいでしょ。友人がいなくなったって言って、場所と時間さえ言えばいくらすぐ動くでしょうし」

 

 二人の友人である学くんが連れ去られた時は、現場の確認と情報収集のため、本格的な捜索は明日の朝まで待ってほしいと言われた。でも、続けて二人が消えたら警察も重い腰をあげるでしょ。

 ホントは我が身がかわいいだけだけどね! だけどどっちもハズレとは誰も思わないじゃん? 『けちな贈り物*6』だってもう少しマトモな選択させてくれるよ!

 

「それまで二人で何とかなると思っているのか?」

「歩夢くんのデッキ改造は私も手伝いましたし、ほぼ『パイオニア』範疇とは言え完成度は高いですよ。札姫ちゃんには私の『レガシー』デッキをカスタマイズして渡してるんで何とかなりますって」

「!? 自分のデッキを渡したのか!?」

「だって出来るだけ力にはなってあげたいじゃないですか。流石に分かってて死なせるような真似はしませんよ」

「何かあればお前のカードは戻ってこないのかもしれないのだぞ? 悪く言えばあの子が返さない可能性もある」

「否定はしませんが、(自分の)命の方が大事でしょ? まぁ、あの二人に限って言えば、そんなことはありえません」

 

 デッキを貸したのは……、信用に対する対価みたいなものだ。

歩夢くんは始めから結構信用してくれたし、札姫ちゃんには最初こそ突っかかれたけど、今では風呂に誘われる仲だからそんなに悪くない仲だろう。しかし札姫ちゃんの発育は凄かったな。中学生でアレとか、ワタシの未来は文字通り望み薄だろう。歩夢くんが私の素っ裸に絶句したのもよく分かる。ごめんね見苦しいもの*7見せて。

 あの後擦り切れそうなくらい土下座してくれたあたり、相当良い子なんだと思った。誰かに悪感情を抱くのを、恥ずべきことだと思っているに違いない。初対面はどうかと思ったけど真面目さんだよねー。彼のお兄さんも、地味目なクラスメイトの自分にたまに声をかけてくれるから、そもそもの育ちが良いのだろう。ああいう人に上司になってもらいたい。

 信用にお金を払うみたいで嫌だけど、言葉だけよりかは幾らかマシだろう。

 首を後ろに捻っても顔は見えない。この距離でまともに顔が見えないなんて、どういう仕組みだ、そのフード。わずかに見えた口許は笑っているように見えるが。

 

「……そうか。ならば共に征くか」

「話聞いてました? 警察呼ぶんで、アナタも捕まりますよ?」

「今回は呼ばない方が良い。上辺の教主だけなら問題ないのだがな、奴等のスポンサーが厄介だ。警察を呼んでも動くのに相当時間がかかるだろう。現に友人が連れ去られたようだが、本格的な捜索はされていないのだろう? 仮に動いたとしても、気取られて逃走される可能性が高い」

「はっ? それアナタが通報を逃れる方便じゃありません?」

「事実だ。別に正義の味方ではないが、アイツがいると私の楽しみは減るばかりでな。今回やっと尻尾を掴めた」

 

 本当か嘘かは判断が付かない。が、コイツが味方ならこの上ない戦力だ。歩夢くんが組織の幹部と戦った時に、黒フードの男について聞いたら、何も知らなかったようだし。『実物提示教育』についても反応はイマイチだったとのこと。コイツと今回の敵は、少なくとも協力関係ではないと思う。

 そして、もし敵なら、私とこうやって話すことはあるまい。

 

「少なくとも、今回はあの子達に協力してくれると?」

「ああ。彼らの安全に関してはベストを尽くそう。絶対とは言えんが」

 

 なら、任せよう。こういうのにありがちな無能な警察よりかはマシだろう。

 

「じゃあ、任せました。役立たずは家に戻ってますね」

「何を言っている。お前もだ」

「はぁ?」

 

 襟首で吊るされている状態から、体勢が変わった。男の腕が背中と膝に回されて抱えられる。

 腕太っ! 胸板逞し! ってやかましいわ!

 

「HA・NA・SE! だからデッキは貸してるって言ったじゃないですか!」

「お前のことだ。どうせ別のデッキを準備しているのだろう?」

「――いや。まぁ、そうですけど」

 

 いくらなんでも丸腰は怖いので、『モダン』用を弄って『レガシー』向けに調整したものを持っている。だが、流石に青のパーツは足りなかったので、本当に最低限だ。1ターン目にブン回されると手も足も出ない。

 

「ならば問題なかろう。征くぞ」

「へっ?」

 

 そう言うと私を抱えたまま走り始めた。速ッ! TCGものにデュエルマッスルはつきものだけどさぁ! 人一人運んでこれとか明らかにおかしい。大分軽いけどね? 自分。

 

「離せこの不審者! クソッ、全員無事に帰れなかったら通報しますから!」

「それは困るな。精々努めるとしよう」

「このヘンタイ! ロ◯コン! ペ○フィリア!」

「……最悪ロ◯コンまでは仕方ないか」

「今なんて言った?」

 

 すっごい不穏な発言をされた気がするんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、何かMTGで世界征服しようとしている教団の本拠地に来たわけだが。さっきの話のとおり目当ては教主ではないらしい。どうも裏についているパトロンに、成果を求められたことが今回の事件の発端のようだ。そして今夜はスポンサーと教団の会合らしい。

 移動中の説明によると、まず一部の大規模なMTG国際試合を国家間の代理戦争と、違法賭博の対象にしてプロデュースしているシンジゲートがあるらしい。そして黒フードが追っているスポンサーは、その代理戦争への参加と勝利のために『エターナル』レベルのカードと、実力者や将来の有望株を効率的に管理するため合法非合法問わず、水面下で動いているようだ。

 

 「いや。たかがカードゲーム如きに全国民の命運を賭けるなよ。酒の席で決めた? 金も権力にも困ってないだろうにメチルアルコールなんて飲むなよ」と、思わず呟くと「そのとおりだ」と力強く頷かれてしまった。

 お前変な所正気だな。やっぱ頭ウルザだよ。

 

 そんなこんなで、やけにあっさりVIP用通路なるものに侵入したワタシ達。

 下調べしているからだろうが、妙にスムーズだなと思って降ろされてすぐ、通路のむこうからそのスポンサーが現れた。

 

「久しぶりだね。兄さん」

「……泣き虫小僧が。何しに来た」

 

 色々な疑問が氷解した。

 お前ウルザじゃなくてミシュラ*8だったんかい! そのまま少し言葉を交わすと流れるようにゲームが始まった。お前らプレインズウォーカー*9かよ。しかも『ヴィンテージ』か。お兄さんが『ルールス*10』公開したな、フードの男はいきなり『Dooms Day*11』か。

 酔っ払いの兄貴とカルト信者の弟。どっちが勝っても終わりだよこの国。

 しかし眼光が鋭くて気圧されるが、顔は良いなお兄さん。元男の身ながら羨ましい。フードを取った男の顔もそっくりだった。兄に比べて目は優しいが。でもね。不思議なことに全っ然ときめかないの。身体は女なのに。不思議!

 

「では、お嬢様につきましては、このワタクシめがお相手いたしましょう」

 

 世界一(多元宇宙では多分3位*12)不毛な兄弟戦争の開戦を眺めていると、いつの間にか執事服の男が側に立っていた。

 

「お気を悪くされたら申し訳ありません。どちら様でしょう?」

「わたくし、あのお二方に仕える執事でございます。名を……そうですね。セバスチャンとでもお呼びください」

「今決めましたよね。それ。まぁいいです。バスにゃん*13はワタシに何のご用で?」

「わたくしと一勝負といきましょう」

 

 つ、強い。この執事強いぞ。ツッコミどころを全部スルーして、ダリチュ納墓再活性*14キメてくる。

 

「ワタシ、関係ないですよね?」

「関係ありません。どうかこの哀れな執事めと、一戦交えていただけませんか?」

 

 恭しく礼をしているが、完璧な角度で頭を下げたまま身じろぎもしない。これ「はい」選択しないと進まないやつだ。今切実に『テフェリーの防御*15』打ちたい。ファイレクシアの侵攻が早すぎる。

 

「分かりましたよ。あんまり強くないのでお手柔らかに。別に命賭けるとかないですよね?」

「ご所望でしたらどうぞ。わたくしは賭けませんが」

「賭けるか!」

 

 相当ウザいな。コイツ。出来るだけ黙ってよう。するとどこから出したのか。いつの間にか7枚の手札が握られていた。

 あわててデッキを取り出してカードを引く。マリガンは大丈夫そうだ。

 

「宣言なされないということで、先攻はお譲りくださるということでよろしいですね? 早速メインフェイズに入りましょう。『島』拓きそこから1マナ。『霊気の薬瓶*16』を唱えましょう。リアクリョンあればどうぞ」

 

 どこまで計算なんです、これ。執事じゃなくて詐欺師か手品師の類じゃない? 取られたものは仕方ない。せめてプレイは冷静にやらないと。

 

「ノーレスポンス。着地どうぞ」

「ではターンお譲りします」

「ドローいただきます。メインフェイズまでに何か」

「呪文の詠唱までどうぞ」

 

 『島』に『薬瓶(バイアル)』スタート。穿った見方だけど、真っ先に思い浮かぶのはあのデッキだろう。

 ……しまった。急いで始まったせいで『相棒』の公開を忘れていた*17

 

「……すいません。『相棒』の公開を忘れていました」

「わたくしも確認なく先攻を取ってしまいましたから。問題ありません。公開どうぞ」

 

 コイツ。

 

「……『相棒』として『空を放浪するもの、ヨ―リオン*18』を公開します。改めてメインフェイズ。『平地』をおいて『霊気の薬瓶』をキャスト」

「お嬢様のご友人は『デス&タックス*19』でしょうか? では失礼して、『島』を一旦塞ぎ『目くらまし*20』。このままですと手を滑らせて『薬瓶』を割ってしまうでしょう」

「……ノーレスポンス」

「では『薬瓶』は割れてしまいますね。お怪我がなくて良かった」

「割ったのはアナタでしょう? ターンエンド」

 

  青が入っている以上『薬瓶』スタートは見過ごせない。打ち消されたのは痛いが、あっちもあまりやりたくなかったはず。それをカバーできるのが『薬瓶』なんだけどね。

 

「ではわたくしのターン。アップキープステップに『薬瓶』に霊気を注ぎましょう。カードを引きましてメインフェイズ」

「どうぞ」

「このターンは島を再開発するだけに留めましょう。どうぞ、お嬢様」

「アンタップアップキープ、ドローからメインに入ります」

 

 ドローは、なるほど。青系には面白い引きだ。

 

「『平地』を置いて白1マナ『魂の導き手*21』」

「これは難しいお客様ですね。……えぇ。どうぞいらしてくださいませ」

「『導き手』がフィールドへ。続いて1マナで『霊気の薬瓶』。通りますか?」

「2つ目でございますか。悩ましいですね……。執事は同じミスはしませんとも。今度は間違いなくお届けいたします」

「『バイアル』が着地。ならターンお返しします」

「お待ちを。お嬢様のエンドフェイズに『薬瓶』を起動いたします。『激浪の形成師*22』がお迎えに上がります」

「そのままどうぞ」

 

 大方の予想通り『マーフォーク*23』ね。こっちはいかに引き延ばせるかが勝負か。

 どっちかに釣られないかと思ったけど、カウンターは打たないか。持ってて通したのなら、クロックはそれなりに握っているということか。

 

「僭越ながら手番をいただきます。アップキープステップに『薬瓶』にもう少し霊気を注ぎましょう。一枚引いてメインフェイズ」

「どうぞ」

 

 『バイアル』のカウンターが2つ。『マーフォーク』はここからだ。

 

「『島』を歩いていると珍しい地形を見つけたようです。『変わり谷*24』をフィールドへ。『島』と『変わり谷』から2マナ、『ヴォーデイリアの呪詛抑え*25』を唱えましょう」

「通ります」

「『呪詛抑え』はクリーチャー以外の呪文への打ち消し効果と、自身以外の『マーフォーク』へのパンプアップ効果、つまりロード効果を持ちます。『形成師』は+1/+1修正され2/2。ではコンバットフェイズに入りましょう。『形成師』でお嬢様へ攻撃」

「ブロック指定まで何もありません」

「では『薬瓶』を起動。手札より『アトランティスの王*26』をフィールドへ。こちらもロード効果を持ちます。さらに『島渡り』も与えますが、いまは関係ありませんね。『形成師』は3/3となります」

「ボディ。残りライフ17」

 

 3ターン目クロック3。普通に見えるが、次ターンは8点が見えている。『クロックパーミッション』で出していい速度じゃない。

 

「お嬢様の手番でございます。呪文の詠唱をするまでは、特に対応いたしませんのでご了承ください」

「ではアンタップ、アップキープに『バイアル』にカウンターを置きます。ドローしてメイン。残りの手札枚数をお聞きしても?」

「2枚でございます」

 

 仕掛けどころか。『Will』を握っていると仮定して、どこで当てるだろうか。恐らく初っ端には使いたくないだろうが。

 

「手札の『封じ込める僧侶*27』を追放し、『孤独*28』を想起コストでキャスト。通る?」

 

 さて、盤面の維持と手札二枚、どっちを取る?

 

「これはこれは、坊ちゃまが側におりながら『孤独』とは。残りの手札の枚数を伺っても?」

「2枚です。どうせ最後は1人なんだし、『孤独』とは仲良くすべきじゃない?」

「……おっしゃるとおりでございます。その『孤独』に対して、わたくしめは無力でございます」

 

 だよね。手札にロードがいれば、返し3/3クリーチャー2体+αで殴れる。こっちは3マナ立ってるし、明らかに誘ってるように見えるもん。

 最悪はこれを打ち消して『護衛募集員』から『オセロットの群れ』や『石鍛冶の神秘家*29』経由で『梅澤の十手*30』あたり持ってこられることだ。特に手札に直接『十手』を握っていた場合、このターン出てしまうとかなり厳しくなるはず。

 

「『孤独』が着地。『孤独』のETB能力、『導き手』の能力が誘発、まずは『孤独』で『呪詛抑え』を追放。続いて『導き手』の1点ライフゲインと霊気エネルギーを1つ獲得」

「お嬢様の指示通り『呪詛抑え』は農家になりました。達者なようです。2点分の穀物が送られてきました。いただきましょう。お嬢様の分はないそうです」

「いりませんよ。『マーフォーク』の作った野菜とかぬめってそうですし。では『想起』がスタックに載ってる状態でスタック。白1マナ」

「はて? もう1尾の『マーフォーク』も農場送り*31をご所望で?」

「えぇ。そのとおりよ。バスにゃん」

 

 

 

 

『儚い存在/Ephemerate*32

 

 

「対象は『孤独』」

「……いささかやりすぎでは?」

「滅びよマーフォーク*33。この舘、磯臭いったらありゃしないわ。まとめて解雇しちゃいましょう」

「手札の『真珠三叉槍の達人*34』を追放して1点のライフを支払い、ストライキを起こしましょう。(『意志の力』)

「レスなし。『儚い存在』は打ち消されます」

 

 私の手札は1枚。万が一の妨害もない。

 

「『バイアル』をアクティブ。手札の『オセロットの群れ*35』を場に」

 

 『護衛募集員』は無かったけど、『導き手』と『オセロット』のセットは最初から持ってたんだよね。

 

「ふーむ。本館にペットを持ち込むのはご遠慮願いたいのですが」

「ペットじゃなくて野良。そんなに嫌なら追い出せばいい」

「致し方ありません。認めましょう」

「『導き手』の効果が誘発、1点ゲインとエネルギーを1個獲得」

 

 これでお互いハンドレス、あとはトップ勝負。と言いたいところだけど、自分にはサイドに『相棒』がいるから実質手札が+1。長引けばこちらが有利。

 

「エンド時に『オセロット』の効果が誘発1/1の猫トークンが場へ。トークン反応して『導き手』の効果が誘発。計エネルギー3つ。残ライフ20。ターンエンド」

「およよ……『形成師』の頑張りが水の泡に。ではわたくしのターン。そろそろ年休を消化しましょう。アップキープステップに『薬瓶』に霊気を注ぐものもございません。ターンエンド」

「じゃあ。私のターン、『バイアル』のカウンターが2つに。ドロー、なるほど」

 

 ちょっと噛み合いはイマイチか。あの一枚が『マーフォークのペテン師*36』だと面倒だ。大人しくしていよう。

 

「このままターンエンド」

「ではターンをいただきましょう。ドローフェイズまでは年休です。一枚引き、解雇を免れた『マーフォーク』達はやる気のようです。まずは洞窟の探検から、『魂の洞窟*37』を場に。指定は『マーフォーク』。『洞窟』から青を出し、青ダブルシンボルを含む3マナ」

 

 

『海と空のシヴィエルン/Svyelun Sea and Sky*38

 

 

「意味は薄いですが打ち消しは不可能でございます」

「……ホント意味薄いなぁ。その効果」

 

 この状況だと、それこそ『マナ税収』くらいしか引っ掛かるのないもん。でも

 

「働き者なのは良いことですね。ですがもう少し休んでもらっていいですよ。白2マナ」

 

 

 

 

 共に立ち並ぶファラミアとエオウィンは、自らも気付かぬうちに手を取り合っていた。

 

 

 

 

『一時の猶予/Reprieve*39

 

 

 

 お守りが本当にお守りになるとは思わなかった。大抵打っても、押し切られることの方が多いのだけれど。

 

 

「それは白い『差し戻し』? ですが『打ち消して』戻す以上、打ち消せない呪文には無意味のはず……」

「この効果は打ち消すのではなく、スタック上にある呪文を『手札に戻す』だけです。『打ち消す』処理がないので、『魂の洞窟』を経由しても有効ですよ」

 

 ディスクがスタックの処理を受け付けた。1ドローの指示が表示される。

 

「……どうやらそのとおりのようですね。『シヴィエルン』が手札に戻ります。貴女のターンです」

「ターンもらいますね。アップキープに『バイアル』カウンターを載せて3つに。ドローワン、メインに入って『不毛の大地*40』をセット」

 

 おっと。右手がピッカピカ。『猶予』のドローも、通常ドローもドンピシャの引きだ。

 

「『バイアル』起動。手札の『護衛募集員*41』を場に呼び出します。『護衛募集員』のサーチ効果で、そうですね……。『溌溂の牧羊犬 フィリア*42』を手札に。『導き手』の効果を処理。『瞬速』持ちですが……、変なの構えられても困るので『フィリア』もだしてしまいましょうか。2マナで『フィリア』、『導き手』が誘発。コンバット、『オセロット』のみでアタック。アタック時『導き手』が誘発、『オセロット』に+1/+1カウンターを二つ乗せ、『飛行』をあたえます」

「スルー。残り18点ですね」

「『絆魂』で3点ゲイン。ライフ25点。そのままエンドフェイズへ。このターンライフを得たので『オセロット』の効果が誘発。『昇殿』の条件を満たしているのでトークンが2匹出ます。再び『導き手』が誘発。ライフ27、エネルギー4個。処理後に『不毛の大地』をアクティベート。対象はそちらの『魂の洞窟(たまくつ)*43』」

「……たまくつ……ですか。えぇ。破壊されます」

 

 3マナ目を封じた。『シヴィエルン』を出すには『バイアル』を3にするか、青マナが出る土地を引くことに賭けるか。

 

「ここまで増えると使用人ではどうしようもありませんね。天変地異でも起きなければ」

「『サイクロン*44』はまだ赤道くらいじゃないですか」

「そもそも本館の立地は完璧ですので、『サイクロン』が来ることはありません。ターンをいただきましょう。アップキープステップ、『薬瓶』に……霊気を加えましょう。カウンターが3つに。一枚引きます」

 

 落胆も困惑も常に微笑み混じだったバスにゃんが、ほんの僅かだが100%やらかしたように眉をひそめた。もしかしたら『バイアル』の裏目を引いたかもしれない。

 

「ターンお返しします」

「ではわたしのターン。アップキープに『バイアル』を4に。ドロー。まずは攻撃ですね。『オセロット』と『フィリア』でアタック。攻撃時に『フィリア』と『導き手』の効果が誘発。『フィリア』のブリンク対象は『募集員』。対応は?」

「何かしらおもてなししたいところですが……、生憎諸々手違いがありまして。歓待の準備が出来ておりません」

「では『フィリア」から解決して『募集員』をワタシのターン終了時まで一時追放します。更に『導き手』でエネルギーを3つ払い『フィリア』を4/4飛行に。通るなら計7点です』

「テイクいたします。残りのライフは11点」

「『絆魂』で3点ゲイン。メイン2に『Karakas*45』をセット。『平地』から3マナ出して『ヨ―リオン』を手札に」

「……仮に『変わり谷』が『島』だったとしても、挽回は難しいですね」

「『ペテン師』握ってます? 『レガシ―』以下だと単色デッキでも色事故が発生しますからね」

 

 完全に動揺が顔に出ましたね。すぐに笑顔で誤魔化しましたけど。こうして見ると『シヴィエルン』の調整って絶妙だったんだなって。リターンは大きいし、間違いなく強いけど実際使うとリスクがあるっていう。出た時は『マーフォーク』が最強になるって思ったんだけど。

 その手札が2マナロードだったらまだ分からなかったかもしれない。

 

「エンドフェイズの処理に入ります。先ずは『募集員』が帰還して『フィリア』が5/5に、『導き手』が誘発。『募集員』のETB能力で持ってくるのは……無難に『孤独』にします。『オセロット』の能力が誘発して猫トークンが2体出現。『導き手』が2回誘発。最終的なライフは33、エネルギーは4つ」

「一通りの処理が終わった後に『薬瓶』を起動いたしましょう。『シヴィエルン』を場に」

「ノーレスポンス。改めてターンエンド」

 

 『Karakas』で戻すのはコンバットフェイズ前でいい。ワンチャン『フィリア』バウンスもあり得る。

 

「『薬瓶』はそのまま、ドローいたします。……遅刻気味ですね。『激浪の形成師』をキッカーコスト込み、2マナで詠唱しましょう。『Karakas』が波に飲み込まれます」

「沈む前に『シヴィエルン』には『Karakas』に旅行へ行ってもらいましょう。レスポンスで『Karakas』をアクティベート。『シヴィエルン』を手札に」

「お嬢様。『シヴィエルン』はまだ元気ですし、せっせと働く『フィリア』に休暇を出させては?」

「帰り際には海に沈むかもしれないでしょ。だったら『マーフォーク』のが良いわ」

「確かに」

 

 対応はなく、『シヴィエルン』が手札に戻る。『護法』は付けられても、ロード効果がないのが辛い。

 

『では戦闘フェイズに入りましょう。『形成師』は自身の効果で2/2に。更に『アトランティスの王』によって3/3かつ『島渡り』を得ています。酔ってない『形成師』で攻撃』

「受けます。残りライフ30*46

「ターンを終了いたします。お嬢様がお申し付けくだされば、すぐに10尾ほどの『マーフォーク』が駆けつけるのですが?」

「ではアップキープに『バイアル』のカウンターを5に。ドロー。ワタシ、魚より犬・猫派なんです。白2マナで『ナカティルの最下層民、アジャニ*47』をキャスト。何もないでしょうし、『導き手」が誘発、更に『アジャニ』がお兄さんを呼んで、また誘発」

「どおりで追放ばかりされるわけです。悪役令嬢としてご自身も追放されますよ?」

「魚以外は帰ってきてますよ。『バイアル』をアクティベート。『ヨ―リオン』投下。『導き手」が誘発して、『ヨ―リオン』のETB能力が誘発。ブリンク対象は……『護衛募集員』』

 

 このデッキは能動的に使えないけど、大体自作自演で変身する*48んだよね。『アジャニ』。カードデザインと実際にやることが真逆で笑ってしまう。サイコパスかな?

 

「仇は後ろにいますよ。『アジャニ』。仲間の猫達を死地に追いやろうとしているのですから」

「人に罪を擦り付けるのはやめてくださいよ。みんなお腹を空かせていますが、なんと目の前にお魚がいっぱいいるじゃないですか。ではトークン5匹と『オセロット』、『フィリア』が襲い掛かります。『導き手』の効果は適当なトークンに。『フィリア』には『ヨ―リオン』を追い立ててもらいましょう。合計打点は……15点でしょうか。ご飯の時間です」

「従業員を見殺しにする訳には参りません。全員で暇をいただきますね(サレンダー)

「そうですか。ありがとうございました」

 

 ふと横を見るとまだゲームが続いてる。長引いてるのか?

 

「こっちは終わったんで、早く勝って欲しいんですけど」

「今マッチ2本目だ。必ず勝つ」

「そう……。んんっ!?」

 

 今、変なこと言わなかった?

 

「大事なことなんでな。こういう時はマッチ戦で決まるべきだ」

「ん、ん、んぅ〜〜〜〜〜???????????」

 

 いや。えっ。あっ? うん? これワタシがおかしいの?

 

「これが終わったらサイドボードの時間を取る。MTGはサイドボード後が本番。忘れてないだろうな?」

「もちろんだ兄さん」

「しかもBO5*49かよ」

 

本当は仲良いだろ。お前ら。

*1
青青⑤クリーチャー 3/3 飛行 探査 7マナのクリーチャー。見た目はマナコストが重いだけのフライヤーだが、探査により墓地のカードを追放することで無色マナを1枚につき1マナ軽減出来る。更にそれでインスタントかソーサリーを追放すると、その枚数分+1/+1カウンターが乗る。つまり最大効率だと2マナ8/8のフライヤー。更にフィールドにいる時、墓地からインスタントかソーサリーが離れるたびに、また+1/+1カウンターが乗る。特殊セット『モダンホライゾン2』で登場した下環境で幅広く使われるフィニッシャー。でも近年一部上位互換の『忌まわしき眼魔』がなんと『スタンダード』で登場した。それっておかしくないかな?

*2
緑1 エンチャント 緑2マナのエンチャント。出た時1ドロー、更に場にある時5マナ以上のスペルを唱えた時1ドロー。知らない方でも前話を読まれた方なら察しているかもしれないが、ピッチスペルでもドロー出来てしまう。『意志の力』は5マナ。あとはご想像のとおりです。『意志の力』はないが『モダン』で禁止、『スタンダード』でも禁止指定された。『レガシー』では現役。もう少し環境が遅くなれば復権するか。あと『オーク』。最近の『スタンダード』はおかしい。

*3
白⑤ エンチャント 瞬速 版図 白6マナのエンチャント。出た時、土地以外の対象のカードをこのカードが離れるまで追放。パッと見思いが、版図により自分のコントロールしている基本土地タイプの種類だけ1マナ軽減できる。つまり最大効率でタイミングを選ばない白1マナの万能除去。そして下環境は基本土地タイプを複数持つ土地だらけ、加えて先述の『豆の木』のドロー条件を満たす。だから最近の(ry

*4
赤白のプレインズウォーカー。カード化すると大抵装備品やクリーチャーの戦闘に関する能力を持っている。詳細は省くが世界の存亡を賭けた戦いそっちのけで、ソリンと喧嘩するKY。お労しい目にあっているので同情の余地はあるのだが、いかんせん間が悪い。

*5
旧世代の青のプレインズウォーカー。長らくMTGメインストーリーで主人公を務めた。間違いなく凄い人なのだが、功罪ともにとても凄い狂人。どれくらいおかしいかと言うと、カード化すれば自身の能力を使う際ネットを検索させ(しかもそこからランダムで決まる)、リンゴを見て「これは『Mox sapphire』だ」と言い始めて無限ループを発生させ、挙句自身の英雄譚を出したら『ヴィンテージ』で制限カードになった。日本では中々出来ないロック過ぎる主人公。

そんなんだから彼の名前を関したエキスパンション群、ウルザブロックは当然のように阿鼻叫喚の地獄絵図を生み出した。調べればすぐ出るレベル。

前話では書かなかったが、プレインズウォーカーとはプレイヤー自身のことも指す。多元宇宙で次元を渡れるのは、基本的にプレインズウォーカーだけであり、あらゆる世界を探訪するプレイヤーもそこに結び付かられる。時々混乱するため注意。

 ちなみに最後、本当に頭ウルザになった。そしてその状態でも生きてた。

*6
青③ インスタント 4マナのインスタント。デッキから4種類カードを探し、対戦相手に2枚捨てるカードを選ばせ、残りを自分の手札に加える変わったサーチカード。相手に選択権があるため使いにくそうだが、何故か選ばれたカードが墓地に行くため、再利用カードと組み合わせると実質4マナインスタントの2枚サーチカード(最強サーチカードの一角『悪魔の教示者』が、黒2マナのソーサリーで1枚サーチ)。一部のコンボデッキが使うと殺害予告と化す。『モダン』では『青赤ストーム』で活躍。

*7
放映時は彼女の背中越しからのアングルで描写。大きなお友達からは肩周りや腰周りは想像してたより女らしかったと話題になった。ボートを用意させるものも

*8
ウルザの弟。兄より人付き合いは良いが、あの兄あってこの弟ありである。共通の師匠であり、母にも等しかった女性を兄弟喧嘩に巻き込んで喪ってしまう。これが決定的な亀裂となり二人は決別。後にドミナリア次元最大級の戦禍を引き起こした『アンティキティー戦争』、別名『兄弟戦争』まで発展する。セットとしては初期セットの『アンティキティ』、2022年にリメイクの『兄弟戦争』として発売。

 その決別の場面は『兄弟仲の終焉』としてカード化されている。

*9
プレインズウォーカーの正気の度合いは、判断が難しいからな。 Byバリン 『抹消』のフレーバーもストーリーも好きです。

*10
白/黒 白/黒 ① 伝説のクリーチャー 3/2 相棒 絆魂 白黒混成(混成マナ部分は白黒どちらかの色を払えば唱えられる)の3マナの伝説のクリーチャー。『相棒』条件はデッキ内のパーマネント呪文が全て2マナ以下であること。パ相棒のワーレベルエラッタ前は史上唯一のカードパワーを理由にした禁止カード。効果は自分の墓地の2マナ以下のパーマネント呪文を、1ターンに1度自分のターンだけ唱えられるというもの。『相棒』をサイドデッキから手札に加えるために3マナ払う必要が出たため、めでたく(?)解禁。早速○○ルールスというデッキ名で暴れまわっている。もちろん色々なフォーマットで禁止。コイツのせいでオーコすら3マナのパーマネント呪文だから採用されないという異常事態が発生した

*11
黒黒黒 インスタント 3マナの黒のインスタント。雑に言えばライフを半分にして自分のデッキを5枚にする。無茶苦茶な効果だが『レガシー』でも使える。悪さ出来そうと思った方、そのとおりです。ライブラリーの枚数を参照して勝利する『タッサの信託者』と組み合わせて『ドゥームズデイ』というコンボデッキを形成する。日本語に訳すと最後の審判。

*12
ウルザとミシュラ、ボーラス様とウギンにはちょっと敵わない。

*13
セバにゃんだと面倒くさいことになる。パロディのパロディするとは思ってなかった。

*14
リアニメイトが唱える魔法の呪文。決まると相手は大抵死ぬ。

*15
白② インスタント 白3マナのインスタント。簡単に言えば1ターンの間自分をゲームから一時避難させる。その特性上変なコンボのキーパーツになるが、真価を発揮するのは多人数戦。

ドミナリアがファイレクシアの侵攻にあった際、テフェリーは故郷のザルファーごと時の流れの彼方に避難した。その魔術の再現したカード。

後の影響や他国との関係はともかく、国を守るために最大限の努力をするし、その後やったことの責任を果たそうとするし、ちゃんと家庭を築くし、多元宇宙の危機には引退から復帰して中心的な役割を果たす。テフェリー自身は強大なプレインズウォーカーながら珍しくかなり出来た人間なのだが、カード化すると多数の人間から恨み言を言われる。

*16
① アーティファクト 1マナ無色のアーティファクト。アップキープステップ毎に蓄積カウンターを1個置き、起動するとそれと等しいマナコストを持ったクリーチャーをフィールドに出せる。クリーチャーの多いデッキでは実質的に高効率のマナアーティファクトとして運用でき、また戦場に出すのであって唱えるわけではないので打ち消しが効かなくなる。マナを大量に生み、『薬瓶』より早く展開できる『エルフ』以外の部族デッキで大抵採用される『ビートダウン』向けのカード。

だが、とある日本人プロによってある『コントロール』デッキのキーカードの一つとして組み込まれ、世界大会で大暴れしたことがあった。

*17
最初の公開は義務。忘れないよう注意。公式大会の時は素直にジャッジの判断を仰いだ方が良い。

*18
白/青 白/青 ③ 伝説のクリーチャー 4/5 相棒 飛行 青白混成5マナの伝説のクリーチャー。相棒条件は使用デッキが規程の最低枚数より20枚以上多いこと。戦場に出た時、このカード以外の自分フィールドの土地以外のパーマネントを任意の枚数エンドフェイズまで追放し、その後戻す。大したことなく見えるがETB能力持ちがいるととんでもないアド源となる。相棒条件が厳しく見えるが、研究が進むと「足した20枚によるデッキパワーと『ヨ―リオン』の能力を考えればペナルティが軽すぎる」という結論に達し、『コントロール』デッキを中心に活躍した。明滅能力だけでなく高スタッツのフライヤーとしても十分脅威。

現在『モダン』で禁止カード。現役の頃は5マナまでいけば『ヨ―リオン』が何とかしてくれるという感覚で組まれたデッキも多かった。

カードパワーも理由だが、公式声明文による禁止の理由を大雑把に言うと、「シャッフルがめんどくさい」

*19
主に白のクリーチャーで構成されるアーキタイプ。メタ能力の高い白のクリーチャーを駆使して相手を抑え込み、勝利を目指す。

『薬瓶』が採用されること、勝利手段がクリーチャーによるビートダウンのため勘違いされるが、その実態はクリーチャーを用いた『コントロール』デッキという方が正しい。実際長期戦は得意。

だったのだが、最近は低マナ域のクリーチャーが強すぎて、『コントロール』するというより『強いる』場面も出てきた。

英語で書くとDeath&Taxes。逃れられぬものという意味。愛称は『デスタク』

*20
前回参照。『エターナル』環境で活躍する代替コストを持つ打ち消し

*21
白 1/2 白1マナのクリーチャー。他のクリーチャーが自分の場に出るたびに1点のライフとエネルギーを1個得る。クリーチャー攻撃時にエネルギーを3個払って、攻撃しているクリーチャーを対象に+1/+1カウンターを2個乗せ、飛行を付与。強いの? と言いたくなる方もいるだろうが、めっちゃ強い。具体的には『モダン』以下のコンボデッキがもたつくと殴り落とされる位には。回復が一部のコンボデッキへの耐性を付与、更に白のクリーチャーは回復をトリガーに効果を発動するものも多く、打点だけでなく永続的な飛行付与も偉い。

*22
青 1/1 キッカー① 青1マナのマーフォーク。1マナ多く払うと土地一つを『島』にしつつ出てくる。対戦相手が『島』をコントロールしていると+1/+1修正。あまり強い印象は無いかもしれないが、『マーフォーク』ではかなり重要なカード。条件付とは言え打点2、しかも自前でトリガーになる貴重な1マナクリーチャーであり、相手のマナ基盤に干渉しつつ、『島渡り』というメカニズムの発動させる。従来の『マーフォーク』はビートダウンデッキでありながら、無理矢理エンチャントの『広がりゆく海』(これはこれで強いが)を採用しており、それがクロックになっただのは地味ながら大きな改善点。

*23
青を代表するクリーチャー・タイプにしてデッキ名にもなっている部族。イメージは魚人。基本的には青単色の『クロックパーミッション』系デッキ。『マーフォーク』全体に+1/+1のパンプアップ効果を及ぼす通称『ロード』を大量に抱え、相手が『島』をコントロールしている時ブロック出来なくしてしまう『島渡り』という効果を駆使して、対戦相手を海の藻屑に変える。『クロックパーミッション』とは思えない驚異的な破壊力を持つが、部族デッキ故に素のステータスは低めで『ロード』を都度除去されると途端に脆くなる。青単色故に致命的なパーマネントを置かれた時、対応難しいという弱点もある。

なんか逃げるのをやめたらしい。

*24
無色マナを出す土地。1マナ払うと2/2のほぼ多相のクリーチャーになる。クリーチャーになると、あらゆるクリーチャー・タイプを持ち、もちろん『マーフォーク』として場に出ることも可能。様々な部族デッキで採用されるが、違う部族デッキが対戦すると、お互いのクリーチャーの効果を受け合ってやたら高性能なクリーチャーになることも。素が2/2ということもあって、フィールドの『マーフォーク』で一番打点が高くなることもしばしば。

*25
青① クリーチャー 1/1  青2マナのマーフォーク。これを除く自身のマーフォークに+1/+1修正を与えるロード能力、自分フィールドのマーフォークを生贄に捧げ、相手のクリーチャー以外の呪文に対して+1マナを要求して払えなかった場合打ち消す能力を持つ。

攻防兼ね備えたマーフォーク。ただし他の多くのロード能力持ちと違い、自身のスタッツは1/1なので注意。たまに思い込みで計算を間違える。筆者もこれを最初に書いている時、間違えた。

またクリーチャーは打ち消せないのもあって、やはり『オークの弓使い』がキツイ。書いてると様々なカードが思い浮かぶのだが、「このカード強いけど『オーク』で落ちるな」と思ってしまう。ダメだあのカード。

*26
青青 クリーチャー 2/2 青2マナのマーフォーク。マーフォークの元祖ロードで、パンプアップに加え、このカード以外のマーフォークに『島渡り』を与える。優秀だが実は相手のマーフォークを強化してしまうことに注意。『マーフォーク』では採用しにくいが、3マナ域に汎用的な効果を持つマーフォークが結構存在する。

*27
白① クリーチャー 2/2 瞬速 白2マナのクリーチャー。唱える以外の方法でトークンでないクリーチャーが場に出る場合、それを代わりに追放する。対踏み倒し系デッキや一部ループコンボへのメタカード。『再活性』や『実物提示教育』でクリーチャーが出てこれなくなる。

ただし、大半のピッチスペルはあくまで唱えているため妨害できず、『全知』のように0マナで『唱えられる』カードにも無力。あと自分自身にも適用されるため、『薬瓶』を封じてしまうことに注意。筆者も何回かやらかしている。

*28
前回参照。元がクリーチャーなおかげで、一部の打ち消しが機能しないことがままある。

*29
白① クリーチャー 1/2 白2マナのクリーチャー。場に出ると好きな『装備品』を持ってこれる。更に白含む2マナとタップで、手札の『装備品』をマナコストを無視して場に出せる。アド稼ぎにサーチと踏み倒し、1枚で全てをこなすクリーチャー。2マナ四天王の1人。他の四天王は席が危ぶまれているが、コイツを超えるクリーチャーを出すのはかなり難しいと思われる。『装備品』は基本的に装備コストが必要なため許されているが、1枚で何でも出来過ぎである。

昔『モダン』で禁止だった。

*30
② 伝説のアーティファクト 装備2 通称ファッキンジャパニーズウェポン。速攻系のビートダウンデッキは死ぬ。『モダン』禁止。あったら『エネルギー』の立ち位置がどうなるか気になるところではある。

*31
『剣を鍬に』で除去されることをスラングで農場送りと言う。由来はカード名とイラストから。想像すると困惑してしまうような組み合わせも。エルドラージや細菌兵器、ゾンビあたりはあまり想像したくない。

*32
白 インスタント 反復 白1マナのインスタント。自分フィールドのクリーチャー一体を追放してフィールドに戻す『明滅』呪文。通称『ブリンク』を行なう呪文。更に『反復』の効果により、解決後この呪文を追放し、次の自分のアップキープステップにもう一度無料で唱えられる。本文のとおりETB能力持ちに使うのが一般的。あとは単体除去の回避。本文の状況で全部通ると、2体追放しつつ次ターンにもう1体追放3/2の絆魂持ちが残り、実質2対3交換。『ビートダウン』デッキにはほぼ巻き返し不可の損害を与える。

*33
公式 『サーボの命令』のフレーバーテキスト。事実一時マーフォークが一切刷られなかった時期がある。ストーリー的にマーフォークが陸上に出て戦うのはおかしくね? と開発が思ったそう。そこで正気に戻るのか。

*34
青① クリーチャー2/2 青2マナのクリーチャー。ロード効果と『島渡り』付与。ちなみにこっちは自分のマーフォークにしか影響を及ぼさないため、『アトランティスの王』のほぼ上位互換。平気でロードが12枚位入るのが『マーフォーク』。殺意が高すぎる。流石逃げるのをやめた種族。

*35
白 クリーチャー 1/1 先制攻撃 絆魂 昇殿 白1マナのクリーチャー。自分のターン終了時にライフを得ていると、1/1のトークンを生成する。更に昇殿の条件である自身がパーマネントを10個以上コントロールしているを満たすと、このターン出たトークンを更にコピーする。つまり1体トークンが出ていた2体に。2体出ていたら4体出る。居心地が良いところに仲間連れてくると聞けば可愛らしいが、相手にしている方は全然可愛くない。『モダン』以下で白系のクリーチャーデッキが活躍している要因の1つ。特に先述の『魂の導き手』との相性が抜群に良く、揃った場合はそれだけでゲームが決まりかねない。その上でどちらかがもう1枚増えるかプロテクションを付与する『ルーンの母』が並ぶと、どうしようもなくなる。

 実際にアリーナで使っていて、『全知』から『エムラクール』を出されて「うわ負けた」と思って一応盤面とライフを確認したら、「あれ? エムラだけじゃ死なねぇ」という事態が発生。追加ターンのドローを見て相手は爆散した。最後までやるって大事。

*36
青青 クリーチャー 2/2 瞬速 出た時に対戦相手のクリーチャー1体の効果を無効にしタップする。妨害とクロックを両立するマーフォーク。殴り合いになった時はもちろん、相手のシステムクリーチャーを無力化出来る強力なクリーチャー。

*37
出る時にクリーチャーの種族を宣言し、その種族にしか使えない任意の色マナを1つ出す土地。更にこのマナを使って唱えたクリーチャー呪文は打ち消されない。部族デッキのお供。あと無色だが縛りのないマナも出せる。メチャクチャ凄そうな洞窟だが、何故か伝説ではない。これと『ヴァラクート』はなんで伝説じゃないのだろう。

*38
青青① 伝説のクリーチャー 3/4 青3マナの伝説の神のマーフォーク。これでないマーフォークはすべて護法①(対象に取った時1マナ要求。払わないと打ち消し)を与える。そしてこれ以外に自分がマーフォークを2体以上コントロールしている時、『シヴィエルン』は破壊不能を得る。更に自身の攻撃時に1ドロー。『マーフォーク』の弱点である除去に多少とはいえ耐性を与え、全体除去から生き残り、その後リソースを確保しに行ける。マーフォークの創造神に相応しい能力。間違いなく強力だが、マーフォークが優秀過ぎるが故の弱点がある。理由は本文を読めば分かると思われる。

*39
白① インスタント 呪文1つを対象にして、それをオーナーの手札に戻し1ドロー。前回説明した『差し戻し』そっくりの打ち消し呪文だが、実は打ち消してはいなかったりする。そのため本文のような事態が発生。文字通り『一時の猶予』だが、単体性能は本家を上回っている。黒にも使える打ち消しください。

*40
無色を出す土地。タップして生贄に捧げると基本でない土地を破壊できる。『モダン』と『レガシー』の違いを明確に定義するカード。『レガシー』で単色デッキを使う理由の1つ。これの存在により『レンと6番』は『レガシー』で禁止に。

でも何故かアリーナの『タイムレス』ではこれよりヤバい『露天鉱床』と『レンと6番』が使えてしまう。なんでぇ?

*41
白② クリーチャー 1/1 出た時タフネス2以下のクリーチャーをデッキからサーチ出来る。『デスタク』のシルバーバレット戦略を支えるサーチカード。これもブリンクすれば効果が再発動する。

*42
白① 伝説のクリーチャー 2/2 瞬速 白2マナの伝説のクリーチャー。攻撃時、土地とこのカード以外のパーマネント1つをエンドフェイズまで追放、それが自分のパーマネントだった場合自身に+1/+1カウンターを1個乗せる。戦闘を介すとはいえ継続的なブリンク能力を持ったクリーチャー。しかもインスタントタイミングで出せるので奇襲性も高い。基本的にはETB能力の再利用を狙うが、相手の邪魔なクリーチャーを退かして攻撃を通すという使い方も出来る。また、前述の『封じ込める僧侶』がフィールドにいる場合クリーチャーはそのまま追放される。有力なコンボだが、揃っている時、うっかり自分に使わないよう注意。

*43
うら若き女性がサラッと言うにはちょっと怪しい略称。

*44
サイクロンの裂け目のこと。普通に使うとただのバウンス呪文だが、超過コストで打つと相手の土地以外を全てバウンスする。

*45
白マナが出る伝説の土地。他にタップすると伝説のクリーチャーをオーナーの手札に戻せる。相手の妨害から自身の伝説のクリーチャーへの除去回避など、限定的に見えて実は活躍の幅は広い。

*46
ここまでくるとビートダウンはおろか一部のコンボデッキも捲れなくなってくる。

*47
白① 伝説のクリーチャー 1/2 白2マナの伝説のクリーチャー。出た時2/1の猫トークンを連れてくる。このトークン、設定上は兄のはず。猫のクリーチャーが死亡すると裏面の変身する。プレインズウォーカー『アジャニ』が覚醒する前の姿。兄を殺された怒りでプレインズウォーカーへと覚醒したストーリーの再現カード。はずだが、大抵の場合、対戦相手は『アジャニ』を変身させたくないので、使っているプレイヤーはあの手この手で兄を始末しようとする。こんな所で社会の闇を再現するな。

*48
行ったら殺されそうな敵陣に鉄砲玉として突っ込まれたり(これは結構生還する)、プレイヤーの盾にされたり(これが起きた時は、大抵後ろのプレイヤーも危ない)、アジャニが敵に狙われたと思ったら、味方の『稲妻』に焼かれたり(割りと良くある)、大砲の弾として打ち出されたり(日課)。

*49
ホビーアニメでマッチ戦は禁止っすよね




 ちなみに1期最終盤で一部だけ映ってる場面です。明らかに重要そうな場面なのに、情報が少なすぎて憶測を呼んでいます。

 ちなみに兄は当時、最悪の仮定として話しただけであり、全部が全部をやろうとしているわけではありません。ただ、いつ巻き込まれてもおかしくない以上、国内の戦力は常に把握しなくてはいけないと思っているので、色々動いているだけです。
 つまり大体は黒フードの早とちり。
 あとおもしれー女判定入ってます。テンプレですね。


 本当に皆さんありがとうございます。高評価はもちろん、好意的な感想やためになる感想をいただけたので続きが書けました。こんなマイナーテーマで日間短編1位取れるとは思っておりませんでした。
 消耗激しいので続きは難しいですが、何かの間違いで書けた場合はよろしくお願いします。
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