俺も学校行きたい。すると父上は驚いたようで。
「行けるのか」
四年も引きこもってたもんな。
「……ディミトリと一緒なら」
「ベルナデッタがやれたんだから、大丈夫だろ。たぶん」
「誰だそいつは」
フェリクスが疑問を口にする。ミスった。まだ会ってないんだった。うっかりうっかり。
「いや、何でもない」
***
さて、俺はあらかじめディミトリにこう伝えていた。
「無表情な傭兵に助けられたら絶対に逃がすな」
そう、原作主人公さんである。
生き残る為にできれば蒼月ルートに入ってほしい。それが駄目だったら俺個人は転籍も辞さない構えだが、仲間を殺すのは寝覚めが悪いから。いや、他の学級の子を敵だと思ってるわけじゃないけど『グレン』が長年一緒に過ごしてきた思い入れがやっぱり違うじゃん? そこは仕方ないっていうか……。他のメンバーはまだ俺の中でゲームキャラだけど青獅子の皆は既に人間みたいな、こう……?
そうしたら無事にうちの学級に来てくれましたベレトさん。女神様にお祈りしていたのが功を奏したかも。
先生に話しかけられました。
「君はフェリクスの?」
「あ、兄です」
「そうか」
「俺、四年前に死にかけたんだ。それからずっと戦うのが怖くて。学校に入れるまでになったのも奇跡っていうか、皆が支えてくれたおかげっていうか」
「良い事だ」
訓練でも剣を見るたびに固まってた時期あったから。あの頃と比べれば、少しはマシになったと思う。今でも殺し合いは怖いけど。
「なんだっけ、ずっとアレなんだよ。HDMI?」
出てこない。なんだっけアレ。
「心の傷?」
「そうそう、それ」
さすが先生。言語化が上手い。
「何もできなかったんだ」
未来はわかってたのに。誰も助けられなかった。ディミトリは俺に救われたと言ってくれてるけど、そんなことはない。お前は俺がいなくても生き延びられた。
これから先もだ。エーデルガルトが戦争を仕掛けるってことは知ってても、その理由がわからないと防ぎようがない。教団に恨みを抱いてる的な話はあった気がするけど。何故か炎の紋章持ってたことと関係するのかな。ステータス画面びっくりしたな。
これは俺の予想だから全然違う可能性あるんだけど、原作主人公の出生についてレア様が禁忌を犯した云々言ってただろ。ベレトが女神降臨の依り代にされてて(ソティスと話せたのはそのせい)、エーデルガルトも似た状態だとすると(昔のエーデルガルトって髪の色違ったよな。先生と同じようなことが起きたんじゃないかと推測してる。あの回想はディミトリが美少女顔だったことといい情報量が多かった)、教団を恨んでも不思議じゃないと思う。レア様がやったかどうかは知らん。
「それでも君は進んでいる」
先生はそう言ってくれるけれど。
「……だといいな」
俺が言いたかったのがPTSDだと気づいたのは、ベレトがいなくなってからだった。
テレビに繋ぐコードの話してないって。