鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第98話 5/8(日) ぶくぶく水族館

〜〜

〜〜

 

※鈴井志帆視点

 

学校の無い、日曜日。

鈴井志帆は、高巻杏を連れて品川の水族館にやって来ていた

 

(杏とは、ブルトンのホテルバイキングに行きたかったんだけど…鴨志田先生が、あそこは若者を見下してる系セレブが多いって言ってたし。)

(今日したい話をするにはこっちのがいいよね)

 

高巻杏

「中学の遠足以来だっけ?」

 

鈴井志帆

「そうかも。変わんないなぁ…」

 

高巻杏

「案外少ないね、人。」

 

鈴井志帆

「ディスティニーランドに比べたら何処だって少なく感じるよ。」

 

でっかい水槽に泳ぐ大量の魚たち。ひたすら泳ぐ魚も居れば、岩場で隠れる魚も居る。

壁にある説明書きで魚達それぞれの習性を知り、海の神秘を身近に感じることができる場所。

まだまだ涼しい時期とは言え動くと暑くなる体が、室内の冷房で落ち着いていく。

 

高巻杏

「向こう、触れ合いコーナーだって。行こ!」

 

鈴井志帆

「うん!」

 

巨大水槽を通り過ぎ、小さな水槽と、実際に生き物を触れるブースがある区画に向かうと

先行して角を曲がった杏がその場に立ち止まっていた

 

高巻杏

「っ」

 

鈴井志帆

「どうしたの?…あ」

 

そこには、鴨志田先生が居た。

腕を組んで触れ合いコーナーを眺めており、視線の先にはそれぞれ、青色のバレーボールユニフォームとジャージを着た女児が居る。双子だろうか

 

高巻杏

「アレ…もしかして、鴨志田って幼女好きになっただけなんじゃ…」

 

鴨志田先生を全力で訝しんでいる杏

 

鈴井志帆

「ほら、きっと関係ある教え子とかだよ。…多分。」

「本人に聞いてみよ。」

 

高巻杏

「あ、志帆!」

 

杏の静止を振り切って、鴨志田先生に話しかけた

 

鈴井志帆

「こんにちは。」

 

鴨志田卓

「ん?おお、鈴井か。奇遇だな」

 

鈴井志帆

「先生は幼女観察ですか?」

 

ジャブも無く、直接ストレートをぶち込む

 

鴨志田卓

「いや、普通に魚観察だ。」

「あの子達の付き添いだよ。ユニフォームがカロリーヌで、ジャージがジュスティーヌ。」

 

鈴井志帆

「ほら。」

 

高巻杏

「えぇ…」

 

驚く杏を尻目に、鴨志田先生と軽く雑談する

先生は、目線を双子から外さなかった。ちゃんと責任を持って2人の面倒をみているのがわかる

 

鈴井志帆

「学校以外でも教えてるんですね。」

 

鴨志田卓

「そんな所だ。新参者で、俺の方が後輩だから…1年って呼ばれてるよ。」

 

鈴井志帆

「ええっ、鴨志田先生がですか?」

 

想像すると笑えてくる。

4月に見た、謝罪した姿といい

恐怖の対象として見ていた存在が滑稽な、人に対して下手に出る様を見るのは見てて飽きなかった

 

カロリーヌ

「くっっ!こいつ、フォルネウスよりもぬめぬめしてる!」

 

ジュスティーヌ

「姿は離れますが、スライムを彷彿とさせますね。」

「…カロリーヌ!私のジャージで拭くのはやめなさい!」

 

 

わちゃわちゃしている双子が、しばらくして鴨志田先生の方へ帰ってくる

 

ジュスティーヌ

「連れ合いを放置して逢引とは感心しませんね、1年。」

 

鴨志田卓

「学校の生徒なんです。」

 

カロリーヌ

「ほぉ?貴様に教師が務まるのか?」

 

鴨志田卓

「どうしよう鈴井、両方の陣営から疑われてしまった」

 

鈴井志帆

「私に聞かないで下さい、ロリコン先生。」

 

鴨志田卓

「終わった…」

 

威厳も何もない鴨志田先生がおかしく、くすくすと笑ってしまう

 

 

ぴん↑ぽん↑ぱん↑ぽーん↑

 

場内アナウンス

『これより、ステージブースでペンギンショーを開始します。』

『皆さま、ふるってご参加ください。』

 

ぴん↓ぽん↓ぱん↓ぽーん↓

 

 

終わっている先生を尻目に、場内アナウンスが流れる

 

高巻杏

「あ、ショー始まる。行かなきゃ」

 

鈴井志帆

「そうだね。…先生は行かないんですか?」

 

鴨志田卓

「予約が全部、埋まっててな…気軽に寄れるものだと思って事前に買ってなかったんだよ…」

 

何を勘違いしたのか、鴨志田先生はペンギンショーを予約していなかったらしい

 

鈴井志帆

「ちっちゃい子なら無料だけど。」

 

鴨志田卓

「なにっ、しまったな…」

「2人で見てくるか?入る時、行きたがってたろ」

 

カロリーヌ

「ふむ…」

 

双子ちゃんだけの行動を提案する鴨志田先生を慌てて止める

 

鈴井志帆

「危ないよ。…私たちで見てよっか?」

 

高巻杏

「志帆!それは流石に…」

 

鈴井志帆

「私達以外への、鴨志田先生の接し方とか教えてくれるかもでしょ?」

 

高巻杏

「…!」

 

驚いて、納得した表情を見せる杏

了承してくれたとみなして話を進める

 

鈴井志帆

「じゃあ、そういうことなので。」

 

鴨志田卓

「助かる。何かあれば、バレーボール部の連絡先から教えてくれればすぐ向かうよ。」

 

カロリーヌ

「貴様と別行動は(お前が何をしでかすか)不安だが…ショーの誘惑は捨て難い。」

 

ジュスティーヌ

「決まりですね。」

 

カロリーヌ

「大人しく待っていろよ、1年!」

 

鴨志田卓

「仰せの通りに。」

 

 

(なんだ、元気に話しているけど…)

(別行動は(寂しくて)不安なんだ。ちゃんと信用されてるんだな…)

 

 

ひょんなことから、杏の他にも可愛い双子を連れてペンギンショーを見ることになった。

 

 

…。

 

 

ステージブースにて、予約した区画に座る。

膝の上に乗る子供なら無料なので、双子を膝に乗せた

 

私の膝にはカロリーヌちゃん、隣にいる杏の膝にはジュスティーヌちゃんが座っている

 

カロリーヌちゃんが膝の上で足をぱたぱたと振るのでかかとがすねに当たり、靴は脱いでいるため靴下で軽減されてはいるものの、少し痛かった。 

 

 

杏の膝の上にいるジュスティーヌちゃんが、杏に話しかけている

 

 

ジュスティーヌ

「基本的に、我らが助ける者たちは…我らの手を借りなければ、十全な実力を発揮できない者ばかりです。」

「ですが彼は、手を貸さずとも独力で突き進み…あまつさえ、こうして我らを連れ出す余裕まであります。これではマネージャーの名折れです。」

 

後頭部に杏の胸がどういう体勢をしても当たってしまう事を気にしているのか、ジュスティーヌちゃんはどうにか逃れようともじもじしながら

 

ジュスティーヌ

「貴方は生徒との事でしたが、4月より以前から、ということでしょうか。」

 

高巻杏

「…うん。」

 

ジュスティーヌ

「あの者は、『更生』の道を歩み…『優勝』を掴むため、周囲に恩恵を振りまいています。」

「許すかを決める前でも…好きにあやかって構わないと、私は思いますよ。」

 

高巻杏

「…。」

 

杏は、考え込むように押し黙った

ディスティニーランドに行った時も、時々浮かべていた表情だ。私のように、まだ割り切って居ない風に見て取れる…。

 

 

カロリーヌ

「ジュスティーヌ!始まるぞ!」

 

ジュスティーヌ

「おっと。」

 

 

そのまま、4人でショーを楽しんだ…

 

 

…。

 

 

双子を鴨志田先生の元に送り届けてから、売店前にて杏と話す

 

 

鈴井志帆

「2人で来ようって誘ったのに、ごめんね。」

 

高巻杏

「いいよ、こういうアクシデントも楽しいし。」

 

鈴井志帆

「今日誘ったの…ちょうど、あの鴨志田関連で、さ。」

「鴨志田の彼女だ!ってヤなことしてきた女子たちも、今つるんできてる人達に居るでしょ?大丈夫かなと思って。」

 

高巻杏

「…大丈夫、楽しめてるよ。軽い言い方だったけど…あの子達、謝ってくれてるし。」

「味方になってみると、案外楽しいよ。」

 

鈴井志帆

「なら良かった。」

 

隣に居る、いい表情で笑ってくれた中学からの友を見て…とても温かい気持ちになった。

 

 

高巻杏

「けど…沢山笑うようになった志帆と遊ぶのは、もっと楽しい。」

「次どこ行く?テスト後だし、ぱーっと遊ばない?」

 

鈴井志帆

「竹下通りは?安定だし…しばらく、一緒に行けてなかったでしょ?」

 

高巻杏

「いいじゃん!クラスメイトにいい店教えてもらったんだ。私達だと絶対行かない系統のヤツ。」

 

鈴井志帆

「へぇ、どんなの?」

 

次の計画を練りながら、楽しく過ごした…

 

 

 

 

 

〜〜

〜〜

※三人称視点

 

 

高巻杏が、お風呂に入っている

湯船に入浴剤を溶かし、浸かりながら混ぜている間に

 

誰に言うでも無く、呟いた

 

 

高巻杏

「…。」

「飼い猫を触るくらいは…あやかっても文句言われないか。」

 

風呂場の声特有の、妙に響く感覚

独特な余韻を残して、独り言は消えていった

 

 

 

 

 







1章終盤で吉祥寺に行ったように、
原作ではロイヤル限定の場所ではあるものの、別に水族館が消滅しているわけでは無い為セーフ解釈です

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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