鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
認知存在『イッシキ・ワカバ』
「フゥゥタァァバァァア!!!」
このボス戦にて、双葉に覚醒を期待しているものの、
それは戦闘への備えを怠っていい理由にはならない。
ちゃんと、双葉が覚醒しやすくなりつつ
もし、原作と違う道を歩んだ故に覚醒しなかったとしても安定して戦い続けられるようなプランは立ててきた。
まず、この戦闘だが…
空を飛び、ろくに攻撃が当たらない敵。
ゲームでなく現実となった今、銃器なんかの飛び道具で攻撃をしても当てられる気がしないだろう。
相手だけ、好きなタイミングでこの足場に攻撃をすることが出来る。
つまり、こちらのリソースだけが消耗していくような戦いを強いられる事になる。
双葉の覚醒を待ち…双葉のペルソナ、ネクロノミコンにてシールドを貼って急降下攻撃を防いだり
バリスタを発射して地上に落とせば攻め込むチャンスになる戦い。
(有効な対処法はわかってる。それを、筋肉で行えば良いだけの事だ。)
鴨志田卓
「よぉし、全員密集!!」
三島由輝
「おう!」
新島真
「ええ!」
クラウンを先頭に、後ろにクイーンとパピヨンが控える。
2人の後ろにモルガナカーを据えた、1,2,1の状態。
クラウンが【人形召喚】を使う。
ーーー
人形召喚 15SP
絆を深めた人間の認知存在を、
人形として杯の中に浮かべることができるようになる。
人形次第で様々な強化を受ける。
ーーー
ーーー
召喚可能な人形
・雨宮蓮
→Technical発生時、対象がDOWNする
・三島由輝
→獲得経験値が増加する(異世界から帰還するまで有効)
・校長
→攻撃力上昇、激怒の状態異常が付着
・金城潤矢
→周囲に居る味方は防御力が上がり、狙われ難くなる
ーーー
選択するのは…金城潤矢。
鴨志田卓の心に宿る、心の記憶が湧き出る。
俺が主将をしていた、バレーボールのチーム。
彼らが、俺を信じて付いてきてくれた…オリンピック決勝の光景。
金メダルを取り、日本に帰った後…周囲に集まった、俺を称賛する人々。
好き放題振る舞い続けた結果流れ着いた…我が城。
そして、今。
後方に背負う 俺の仲間。
それぞれに共通して思い浮かぶ欲望は…
この居場所を、失いたくないという思い。
鴨志田卓
「俺の資産だ…誰にも奪わせねぇぞ!」
自らを、金城潤矢のシャドウと同じ紫。
仲間をきらびやかな金のオーラで包む。
仲間の気配が希薄になり、自らの存在が際立った。
憑依転生者の記憶がぼっちすぎて何も浮かんでこなかったのがカス過ぎてちょっと辛いが、心の内に隠しておく。
最後にクイーンが【ラクカジャ】を掛けてくれ、準備は万端。
上空を旋回するスフィンクス。容赦なく、上空から風の刃を振り注がせる。
(そりゃそうだよな、降りてくるメリットなんてありゃしない!)
砂交じりの暴風をクラウンが受け止め、後ろに攻撃を漏らさない。
毎行動、防御のみ選ぶイメージ。
大量のHPにリジェネ効果でシャットアウトし、こちらのリソースは減らない。
時々、貼る大気功と大治癒促進パッチを貼り替えれば、人形召喚によるSPの消耗も無い。
2分ほどの膠着。
佐倉双葉
「ば、バトルヒーリングスキルってすげー…」
モルガナカー、助手席に座る双葉が驚きの声を上げる
佐倉惣治郎
「わ、若葉があんな姿に…」
モルガナ
「あればワカバ本人じゃねぇ、フタバの認知が作った、ただの認知存在だ!」
しびれを切らし、スフィンクスが急降下からの叩きつけを繰り出すも…それがクラウンの狙い。
鴨志田卓
「ハッハァ!練習成果の発揮しどころだなぁ!」
まるで、隕石のように堕ちる…【獅子女の猛撃】を。
鴨志田卓
「ぃよいしょおっ!!!」
全力でレシーブ。
その全身の筋肉が、芸術的な精度で躍動。
ただ高く跳ね上げるのがレシーブの目的ではない。
快適に、次に繋げられるように…コートに叩きつけられようとしているボールを優しく跳ね上げる。
弾くのでは無い。飛び上がる球には、こちらから速度を与えない。
まさしく、金メダル級のレシーブ。
鴨志田卓…日本の、バレーボール金メダリストは。
スパイクだけの男ではない。
叩きつけた反動で再度飛翔する前提の動きが妨げられ、戦場にただ着地してしまったスフィンクスの表情が困惑に染まる。
新島真
「今っ!!」
クイーンが【フラッシュボム】を使用。
呼び出されたヨハンナによって発せられる、閃光と爆音を至近距離でモロに浴びるスフィンクス。
瞼1枚用意に貫く光が、スフィンクスに致命的な隙を生む。
三島由輝
「いきますっ!!」
パピヨンがボールを構える
手に持つバレーボールが赤熱し、砂漠の熱気に抗う様に…周囲の空間を己の陽炎で支配する。
このピラミッドの砂に、レシーブからすぐアタックする動き。
鴨志田卓
「まるでビーチバレーだな!とぅっ!!」
クラウンがジャンプ。完璧なタイミングで
真っ赤な火球のトスが、太陽の様に砂漠の空に舞い上がる。
鴨志田卓
「先制点だ!!」
【金メダル級スパイク】
その巨大な質量を持つスフィンクスが、空き缶のように吹き飛ぶ。
しかしながら落下の寸前、空中で体勢を立て直し…一度地面に着地し、また飛翔する。
大きくダメージを受けてはいるようで、眼鏡にヒビが入り、歯が数本抜けていた。
三島由輝
「どんな耐久してんの!?」
佐倉双葉
「ど、どっちに対して?」
鴨志田卓
「よォし、もう一回だ!」
改めて密集陣形を取り、人形を召喚し直す。
また何度も風の刃が飛来するも、リソース消費のない自動回復でお釣りが来る。
巨大な質量を受け止めた腕の痺れも、既に完治していた。
こんな、高校生の頃満員電車で様子のおかしいおばあちゃんが奇声を上げながら引っ掻いてきた程度の痛み、いくらでも受け止められる。
…言うまでもないが、スフィンクスが弱いのではなくおばあちゃんが強い。
(原作の行動のみならこれで完封なんだが…明らかに遠距離チクチクが多いあたり、絶対に相手も戦略を立ててくる。)
(戦場の効果で…こちらは後手に回るしかない。次はこっちが対処する番だ。)
各自、事前に共有した作戦を思い浮かべながら、相手の出方を伺う。
そうするとスフィンクスは空中の一点に留まり、こちらへと突風を吹かせる。
パレス最上階の石を剥ぎ取った時の、あの暴風。
傷つける刃ではなく、全力で、こちらの事を押し出す風。
右手で、地面の石の隙間に指を突っ込みホールド。
もう片腕で、クイーンを小脇に抱える。
そんな事を考えられる状況ではないが、中の感触がわかるライダースーツ姿の女子校生をガッチリ抱きしめる罪悪感を頭に回しながら…クイーンにはペルソナ操作に集中して貰う。
空中に留まる事をクイーンの使う【フレイラ】で咎めるも、相手も踏ん張りどころを理解しており風は止まらない。
モルガナカーをアスモデウスが四本の腕を駆使して抑え、パピヨンはそのアスモデウスの足にしがみつき楔のように踏ん張っていた。
認知存在『イッシキ・ワカバ』
「双葉ぁぁぁあ!!!」
風に乗って、スフィンクスの叫びが聞こえる。
それに合わせ、モルガナカーの後部座席へと
黒いモヤが出現する。
低い男の声
「お前が殺したんだろう!?」
佐倉双葉
「ひっ、…」
低い男の声
「黙るな!」
甲高い女の声
「あなたが殺したのよ!」
佐倉双葉
「私が、殺した…」
「私がお母さんを…」
佐倉双葉に対する、認知の幻覚。
惣治郎が、咄嗟に双葉を引き寄せ、頭を抱え背中を擦る。
認知存在『イッシキ・ワカバ』
「そうだ、お前が私を殺した!!」
「お前は私の邪魔をする、鬼子だ!お前さえ居なければ、研究は…世紀の発見は発表出来たのに!!」
大人の男
「お母さんは、双葉ちゃんの事で悩んでいたみたいだ。」
「『双葉なんて産まなきゃよかった』…典型的な、育児ノイローゼだったんだろう。」
佐倉双葉
「うぅ…」
大人の男
「可哀想に。双葉ちゃんを…重荷に感じていたんだろうね…」
佐倉双葉
「いっ、嫌…」
モルガナ
「アレはお前の歪んだ認知が生み出したバケモノだ!お前の母親そのものじゃあない!」
「アレは、本当にフタバの母親の本心なのかっ!?」
震える双葉を、車になったモナも激励する
強まる風圧に、片手で双葉を抱えながらも惣治郎は
モルガナカーのサイドブレーキを力いっぱい上げてアクセルを踏みしめる。
佐倉惣治郎
「なんてもの…見せやがる!」
「あの遺書はデタラメだ!双葉!お前の母親は、ずっと…お前を!とびっきりに!」
「心から愛してたんだよ!!!」
スフィンクスは、再びクラウンに向かって飛びかかる。風に乗って、その勢いは増していた。
鴨志田卓
「すまん降ろすぞ!」
新島真
「大丈夫!」
すかさずレシーブの構えを取るクラウン。
抱えていたクイーンを離し、両手を自由に。
追い風が乗っていようと受け止める覚悟で構えるも…直前に、スフィンクスの手が開く。
大質量からくるエネルギーの矛先は…鴨志田卓より、5m程も手前の地面。
悍ましいまでの衝撃波が全員の体勢を崩し…
中心に居たクラウンとクイーンは宙に浮いてしまう。
80kgを優に超える筋肉の塊。間違いなく人類最高峰の肉体であろうと…人の身であればどうしようもない、人体の「軽さ」。
どうにか…クイーンを地面にへと投げつけて逃がす間に。
踏ん張りの利かせようがないクラウンを
ムチの様に腕をしならせ、吹き飛ばした。
三角形のピラミッドは斜め下への飛行をすんなりと許してしまう。
周囲の砂をクッションに、辛うじて受け身を取った場所は…
ピラミッドの入口部分。
その入口から…続々とシャドウが飛び出して来ていた。
体に包帯を巻いた、ミイラのようなシャドウ達。
その姿を溶かし、トート、アヌビス、ナーガにイシス…
戦闘に適した形態へと姿を変えていく。
着地によって折れた両足が、複数の治癒促進で治って行く音を聞きながら…1人呟いた。
鴨志田卓
「頼んだぞ、鴨志田卓…!」
入口へと堕ちたのは、クラウンのみ。
憑依転生者と同居する鴨志田卓の心の顕現であるアスモデウスは…まだ、ピラミッドの頂上に立っている。
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記