鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第154話 7/1(金) 有能調査班②

 

 

校長らが手がかりを得て、佐倉双葉がハッキングにより録音してくれた音声を再生する。

 

 

ーーー

6/25、夕方の会話。

風で植物が揺れる音に、ざわめく虫の音。

どこか屋外の音声。位置情報はオンにされておらず不明。

 

 

喜多川祐介

「すまん、吾郎…」

 

明智吾郎

「これっきりにしてくれ。舌を噛み切ろうと暴れるなんて、寿司屋どころか牛丼屋でもマナー違反だろ。」

 

喜多川祐介

「ああ…」

 

どうやら、寿司屋でトラブルを起こして帰ってきたらしい会話。

その後しばらく、無言の時間。

絞り出すように、喜多川祐介が声を出す。

 

喜多川祐介

「所詮、俺は斑目と同じ…周囲を見返したい、己の実力を認めさせたい、醜い欲望の塊だ…」

 

 

明智吾郎

「…はぁ。」

 

明智吾郎は、面倒そうなため息を1つ吐いてから。

 

明智吾郎

「甘い考えだね。馬鹿な悩みだ。」

「分ければ良いだけだよ。食っていくための芸術と、己の求める芸術。」

 

喜多川祐介

「……俺は、真に、実力で食って…正当に…」

 

明智吾郎

「あのさ。対価として金を貰う意味…わかってる?」

「仕事っていうのは、誰かの依頼を受けるのが基本だ。」

「イラストレーターの仕事だって…大半が、こういう絵が欲しいって依頼を受けて その望み通り絵を描くって仕事をしてる。」

「その傍ら、趣味で自由に絵を描いて。それが色んな人の目にとまって、また、仕事の依頼が来る。」

「自分が描きたいものだけ描けば、それが良いものなら誰かが買ってくれるって?どんな上澄みの話してるんだい?」

 

喜多川祐介

「…。」

 

明智吾郎

「昔の芸術家達も、絵で金を稼ぐ時はどんなことをしてたか…一度調べるんだね。」

「あの話を受けるのが嫌なら、適当な会社に就職でもして家で好きなだけ絵を描けよ。40,50歳くらいになったらそれなりの絵が描けるんじゃない?」

 

 

喜多川祐介

「お前まで………!!」

「だが…」

 

明智吾郎

「だから。別にその考えを持つなとは言ってない。」

「腕を磨きがてら金を稼いで、手に入れた技術と環境で、ゆっくり探求しなよ。」

「絵で金が手に入ったら、君は切り替えが利かず斑目みたいに堕落するっていうのかい?決別したんだろ?」

 

喜多川祐介

「…!」

 

明智吾郎

「そういうところでグチグチ悩まれると困るんだよね。支障が出るというかさ。」

「祐介の芸術は、表面が汚れただけで台無しになるようなつまらない芸術なのかい?あの場所で見たサユリって絵は汚された上でどうだったっけ?」

 

しばらくの空白。喜多川祐介の息遣いは荒く浅い。

 

喜多川祐介

「…………お前が言うのなら。これは…真実なのだろう。」

 

明智吾郎

「チッ、馬鹿が。」

 

即座に舌打ちを打つ明智吾郎。

先程からもそうだが…テレビで見かける口調とは少し違う、乱暴さのある声。

 

 

喜多川祐介

「!?」

 

明智吾郎

「…この話を聞いて、どう思ったか。1日、良く考えるんだ。自分で、考えて。意見を持て。汚いとか言って…目を背けるな。僕の言葉を盲信するな。」

「次に会う時までに結論を出せ。厳密に言えば、明日の11時。」

「あとは『現地』でだ。」

 

喜多川祐介

「…。」

「助言、痛み入る。お前は優しいんだな、吾郎。」

 

明智吾郎

「…言っただろ、悩まれると困るだけだよ。」

「その問題への答えは言わない。自分で辿り着く事に意味があるからね。」

 

 

喜多川祐介

「わかった。」

「…喝を入れてくれて、ありがとう。」

 

明智吾郎

「…。」

 

返事はなく、明智吾郎であろう…立ち上がりズボンの砂を払う音が聞こえる。

 

 

喜多川祐介

「…電車賃をくれないか。」

 

明智吾郎

「はぁ!?」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

佐倉双葉

『こんだけ。』

『明智との繋がり、それも結構深〜く確認できたぞ。』

 

 

校長

「学校では、空元気かもしれないがいつも通りに元気に振る舞っている…との事でした。洸星高校の担任からの情報なので、確かかと」

「唯一の身寄りを亡くした割に、どうにも立ち直りが早い。」

 

 

佐倉双葉

『断言するぞ。ヤツは明智の仲間だ。』

 

 

 

鴨志田卓

「…やっぱり、そうかぁ。」

 

考えたくなかった可能性。敵対する原作メンバー。

鴨志田卓としてこの世に存在を許されたのだ、当然何処かであると思っていた。だけれども

最初にわかるのが、まさか彼だとは。

 

鴨志田卓

「まずは一人、か…」

 

佐倉双葉

『2人だぞ?』

 

鴨志田卓

「え」

 

続けざまに、画像が届く。

それは、雨宮蓮の自撮り。添付されてる日付の情報は6/24。

坂本竜司と肩を組んでおり、その奥に…喜多川祐介と明智吾郎が居る。

 

*1

 

 

鴨志田卓

「こ、これはもしかして…」

 

佐倉双葉

『兄だと思って遠慮なく接しろって言われた。』

『だからスマホ全部抜いた。』

 

(ヤバい妹すぎる)

 

モルガナ

『ヤバい妹すぎるだろ…』

 

(うわ口に出しよったこのにゃんこ)

 

佐倉双葉

『な〜に、ちょっと多機能なウイルスバスター入れただけ。』

 

 

佐倉双葉

『聞いたら、渋谷で3人が歩いてるとこ捕まえた代物らしい。』

『メメントスあるとこ。』

 

鴨志田卓

「…。」

 

 

坂本竜司の家には、毎月定期的にお金を持って訪問していた。贈与税やらの兼ね合いに引っかからないギリギリの額を渡して謝意を伝えていたが…坂本竜司はその場に顔を出すことが無かった。

 

6月に訪ねた時には、まだ坂本竜司のそういった話は聞かなかった。

それに、学校では明らかに避けられている。

陸上部など、外堀から埋めて環境を整えていければと考えていたが…甘かったのだろうか。

 

 

校長

「鴨志田先生が改心されてから、かなり素行不良が増していました。ただ、今週からは登校もしていまして。居眠りはあると言いますが、遅刻や欠席は無いんだと。」

 

鴨志田卓

「…明らかに、何かの影響を受けた、と。」

 

校長

「ええ。状況からして…答えは1つです。」

 

鴨志田卓

「…そう、です、か…」

 

敵対者の、戦力を知ることができた。

しかし、それは引き抜かれた、取りこぼしたものを突きつけられるのと同義で。

 

ショックながら…素晴らしい、調べねばわからない情報を突き止めてくれた皆に深く感謝してから。

 

 

鴨志田卓

「まずは、あと2人いる…素養のある者を守りたい。」

「高巻さんにはもう鈴井さんが近くに居ますが…奥村さんが危険だ。なるべく早く動きます。できれば…来週からでも。」

「校長先生は、主に高巻さんへの見守りをお願いします。具体的には…」

 

 

 

今後の状況を共有して、その場を後にした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜

放課後

〜〜

 

その後、時は過ぎ。

 

キーンコーンカーンコーン…

 

川上貞代

『鴨志田先生、生徒指導室までお越しください。』

 

明智吾郎の行動について適切な対応法を考えながら、

部活にてインターハイに向けた指導をしていると、川上先生から校内放送で呼び出された。

 

誰か向けのサボタージュでも始まるのかと思いつつ従ってみる。皆に断りを入れ、生徒指導室へ移動。

 

(なんだろ、雨宮がどっかで川上先生の弱み握ったのか?アルバイトは辞めたって言ってたんだけどな…)

 

実習棟から階段を上がり、職員室を通り過ぎて…生徒指導室。

扉を開くと、中には川上先生が。

 

鴨志田卓

「いかがされまし、た…」

 

もう一人、座っている人が居る。

知っている人間だ。見間違える訳がない。

 

川上先生と同じくらい、高頻度でみんなが利用するであろう…コープメンバーの有能さ、最強の一角。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

御船千早

「突然すみません。貴方に、破滅的な運命が迫ってるんです!」

「お話、聞いてくださいませんか?」

 

 

鴨志田卓

「えっ」

 

 

コープ、運命。

新宿の占い師、御船千早がそこに居た。

 

 

 

*1
144話

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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