鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第155話 7/1(金) 運命の押し売り

 

 

※川上貞代視点

 

 

背の高い女子高生

「さよ〜なら〜!」

 

川上先生

「さようなら。」

 

時間は少しだけ巻き戻る。

放課後、皆が部活に勤しんでいる中…川上先生は校門近くで作業をしていた。

あまり、今の印象では柄でもないように思えるが…

帰る生徒達と「さようなら」を言い合いたかったのである。

 

真面目に、後ろめたいこと無く働くことができる、嬉しさ。

副業を掛け持っていた疲労と罪悪感による心労でボロボロだった時と違い…今は、眼鏡でも掛けたように 世界が眩しく映っていた。

 

(…あれ?)

 

その瞳に、一人見知らぬ女性が映る。

門の周囲を躊躇うようにうろつきながら、こちらを覗き込むような素振り。

30〜40代くらいの脂ぎった男性がやっていたら通報モノだが、ゆるふわのまるで占い師のような格好をした若い女性ともなれば、まだ保護者の可能性の方が高い

 

特にコソコソ隠れたりはしていない態度からきっと誰かの姉だろうと仮定し、川上先生は話しかけた

 

川上先生

「保護者の方ですか?」

 

 

御船千早

「わ!え、その…」

「ここに、カモシダさんという方はいらっしゃいますか?」

 

鴨志田卓の事を尋ねる、若い女性。

 

川上先生

「…。」

 

川上貞代

「鴨志田はこの高校の教師ですが、何か?」

 

御船千早

「大変なんです!過酷な運命に晒されていて…!」

 

川上貞代

「…運命?」

 

御船千早

「はい!以前お見かけした際に、あまりにも危険なものを感じて、勝手に占ってしまったのですが…進む先々に苦難がもう山のように…!」

「突然で申し訳ありません、同じ職場の人として…心当たり、ありませんか?」

 

川上貞代

「…」

 

川上貞代

「それは…危ないことに首を突っ込むとか、そういった危険ですか?」

 

御船千早

「はい!」 

 

目を閉じ、5秒考える

浮かぶのは、彼が語った危険な行為。

校内の人助けに留まらず…渋谷の学生を狙った犯罪にまで手を伸ばしたとか。

 

 

川上貞代

「あります。心当たり。」

「詳しく教えて貰えます?本人呼んで、部屋を用意しますから」

 

御船千早

「ありがとうございますっ!」

 

彼女の事情はわからない。ただ、よくわからない不思議な人脈から情報を得ているとは聞いている。

そういった、裏の仕事仲間なのだろうか…

 

校内放送で部活中の鴨志田先生を呼び、生徒指導室で集まる事にした。

 

 

 

…。

 

 

 

※鴨志田卓視点に戻る

 

 

川上先生

「もしかしたら…鴨志田先生の人助けの関連かと思って。部活中に呼び出してすみません。」

 

鴨志田卓

「いえ、ありがとうございます。こちらから出向く手間が省けました。」

 

御船千早

「え、その…出向くって…」

 

鴨志田卓

「新宿の、占い師の方ですよね。少しお時間頂いても?」

 

御船千早

「は、はいっ。」

 

(よっしゃテンポ握った。破滅的な運命は…まぁ、これからのヤルダバオトやら明智吾郎やらと殴り合う時の話だろう。)

 

 

生徒指導室、川上先生側の列に座り、御船千早と対面。

生徒の話を聞く教師のような気安い態度で、話し始める。

 

 

鴨志田卓

「『よげん』って、2つ漢字があって意味もそれぞれ違うことはご存知です?」

 

御船千早

「わ…わかりますよ、それくらい。」

「予め言葉を告げる者と〜、預かった言葉を告げる者ですよね?」

 

鴨志田卓

「そうです。」

「俺、預かっている言葉が…御船千早さんについてもいくつかありまして。」

 

御船千早

「!私…名乗りましたっけ?」

 

鴨志田卓

「貴方以外から、聞いてます。」

「貴方はHPTCという組織で…福来友一にホーリーストーンを渡されている。運命を変えられる石として、10万円で売れと言われてね。そうでしょう?」

 

一切予想じゃない、断言の言い回し

 

御船千早

「!!!」

 

鴨志田卓

「あんな詐欺師の岩塩買わなくても、その人の行動次第で運命って変えられるんです。諦めないで。」

 

…。

 

驚愕の顔のまま固まり、動きが止まる御船千早

(よし、ここで少しだけ思考の整理を待って 混乱させないように、かつ理解できず言葉の効果がパーにならないように…)

 

可愛い上京占い師は、たっぷり20秒程してから徐々に動き出す

 

御船千早

「私の運命…し、しし知ってるんですか!?」

 

鴨志田卓

「聞きました。自分で、自分の良くない運命が見えていると。」 

「併せて…その運命はいずれ変わるとも聞いてます。」

 

御船千早

「運命が変わるなんて、そんなのあるわけ…」

 

鴨志田卓

「貴方がしばらく、あの新宿のいつものところで占いをしていると…上司に苦慮している女性と、結婚を悩む男性に出会います。」

 

「それぞれ、望む道には暗い運命が見えるでしょう。それを伝えた上で…全てひっくり返してしまえと。可愛い彼女が攫われてもいいのかと。発破をかけてやって下さい。運命が変わることが分かるかと。」

 

御船千早

「…。」

 

鴨志田卓

「…はは!本職の方の前でやる態度じゃ無いか。」

 

冗談めかして、いたずらが成功した子供のように笑う

 

鴨志田卓

「忠告、ありがとうございます。既に預かってる言葉があるので…どうにか切り抜けて見せますよ。困ったことがあれば…また相談しにいきます。」

「御船さんの問題については、また動きがあれば教えて下さい。大丈夫、きっとうまく行きますから」

 

御船千早

「……!!」

 

仰け反るように驚いて

 

御船千早

「……東京にも、本物は居っちゃね。」

 

ほとんど聞こえ無いほどの声量で、ぽしょりと呟いてから。

 

(今本物は居るんだって言った?預言者ムーブ成功してる?いける?)

(預かり元が神様とかじゃなく普通に原作情報な事を除けば普通に預言者だから!嘘じゃないから!)

 

 

御船千早

「検証が終われば…必ず連絡します!是非、私に運命の変え方を教えて下さい!」

 

鴨志田卓

「勿論です。ただ、俺に縋るのはまた違いますからね。」

「あくまでも、御船千早という人を助けるのは御船千早さん自身ですから。ホイホイ信じちゃうと、あの福来みたいな詐欺師に引っかかっちゃいますよ?」

 

御船千早

「はっ…本当だ、私、同じ事を繰り返して…」

 

鴨志田卓

「まだまだ若いんですから。思考を止めずにじっくり思い悩んで下さい。今後の身の振り方とかね」

「まだまだ、教師が導ける範疇だ。」

「委ねる、縋ると言うより…相談とかそう言う形で、また頼ってください。」

 

御船千早

「…ありがとうございます!!」

「その、まず…福来さんについても調べてみます!」

「失礼します、先生!」

 

 

御船千早は、小走りで帰って行った…

 

御船千早

「ごめんなさい、自分の伝えたい事忘れてました!」

 

戻って来た…

 

御船千早

()()()()()()()()()()()()()

「先生ならもうお聞きしてるかもしれないですけど、念の為!では!」

 

御船千早は、小走りで帰って行った…

 

 

 

 

 

ほっ、と。一つため息をつく鴨志田卓

(危なかった〜〜〜〜。難しい台詞運びだからモルガナ相手に練習してから新宿行く予定だったのに。自分から突撃してくるなんて思いもしなかったわ。こっわ。)

 

(とりあえず、これで連絡待ちだな…原作でもホーリーストーンとかで疑念は湧いてたから、詐欺師って断言したら福来さんについても疑い深めてくれてそうだし。)

 

(電撃、ねぇ…属性的な比喩か、マジの感電事故か…破滅的な運命ってタイトルだったんだし異世界関連かとは思うんだけど、いつ来るかもわからんし今のホーリーストーン買わせる対策しか手札に無い御船千早さんだと恐れるしか無いんだよな。なんか考えとくか…)

 

 

 

川上貞代

「鴨志田さん…って占いも始めたの?」

 

横で聞いていた川上先生が、話しかけて来る

あの一件から…二人っきりになると砕けた口調で話すことが増えていた。

 

鴨志田卓

「あの人、上京したとこを詐欺師に騙されて働かされてるんだ。田舎暮らしの世間知らずは詐欺にかかる経験が薄いから…」

「腕は確かな占い師なんだが、利用されて金儲けの道具にされてる。頃合いを見て助ける予定でさ。」

 

川上貞代

「あー…」

「私の事を知った情報源と同じ所からの話?」

「てっきり、その情報源があの占い師かと疑っちゃった。」

 

鴨志田卓

「確かに素晴らしい腕前なんだが…また別口だな。」

「…後は、言ってた占い希望者が来店するのを待つだけでいい。詐欺師から信用を奪って、解放して助ける。」

「別に本人の人生が取り急ぎ破滅するとかじゃないから…優先順位下げてたんだ。そう言うと罪悪感感じるけども。」

 

丁寧に扉を閉めて帰っていった三船千早。

閉じたドアを何気なく見つめる。

 

川上貞代

「これも…放っておけないんだ?」

 

鴨志田卓

「予想される末路を、俺が何もしなかった結果辿ってしまったなら…それは、俺がその末路に突き落としたも同じだよ。」

 

(向こうから動いてくれたのは嬉しい、コープ進めに行く手間が省けた。)

(運命の変え方について指導して、福来会長を改心させれば大丈夫だな…悪魔コープは三島がやってくれてるし、太陽コープは雨宮が支えてくれてるから吉田寅之助の出馬は間に合うはず。)

(刑死者コープの為に、メメントスの解放も進めないと… )

 

鴨志田卓

「よ、っと。」

 

これからの、ヤルダバオトとの決戦を見越した人々との付き合いを考えながら席を立つ。

扉を開けて、外のガヤガヤした喧騒が室内に入る中。

 

鴨志田卓

「教えて下さって助かりました。部活戻りますね!」

 

改めて、敬語。教師として挨拶を済ませて…生徒指導室を後にした。

 

 

 

川上貞代

「…。」

「本当に、貴方って人は…」

 

 

 

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