鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第157話 7/3(日) 『平和』な休日-②

 

 

 

※新島真視点

 

東京から1.5時間ほどバイクに乗ると着く、奥多摩の自然豊かな地域。

 

その中にある、観光客向けの飲食店に入る。

テーブル席に通され、お冷とおしぼりを貰う。

 

川のせせらぎを聴きながら…

共にやってきた、お姉ちゃんと。会話しながら料理を待つ。

料理の注文は、メニューを知っているお姉ちゃんがやってくれた。

 

 

 

新島真

「いい場所…」

 

新島冴

「人気なお店は沢山あったけど…ここが、個人法人含めてサイトの掲載数は一番多かったの。紹介数が多いならサクラもできないでしょ?」

 

新島真

「さっすがお姉ちゃん。」

 

 

 

今日は、姉妹2人でツーリングに来ていた。

お姉ちゃんが1日完全なオフを作ることに成功し、ツーリングに行きたいと呟いた為、全力で賛同したのだった。

受験勉強は良いのかと遠慮するお姉ちゃんを丸め込むのには苦労した…

 

(模試の結果高くて良かったな…証拠があるとないとで説得力が違うもの。)

 

鴨志田先生に、遊びに出かけてパレスやメメントスで困らないか相談したら…それは絶対に行ったほうがいいと強く推され、ありがたく実行。

 

そして到着した…お姉ちゃんがリサーチしてくれたお店は和食を扱う店のようで。

 

 

新島真

「どうして和食なの?」

 

新島冴

「正直、交通の便が悪いここじゃ鮮度の良さは期待できない。味を求めるなら、東京の中心にやってきた物をお金で買えばいい。」

「だから、体験として…この自然と合わせて、都会では感じない感覚になる料理を選んだの。安直な山菜と川魚料理だけど、少しここで採れたのも混ざってるんだって。」

 

よく考えて選んでくれた店なんだとわかり、心が温かくなる。

 

 

新島冴

「それにしても…まだ免許取り立てだから教えてあげようと思ってたのに。どこで練習したの?」

 

バイクの操作については、お姉ちゃんを驚かせることができたらしい。異世界で鍛えたテクニックで、感覚を完璧に掴んでいたのが功を奏した。

 

新島真

「内緒。お姉ちゃんを驚かせたくって。」

 

新島冴

「あら、敏腕検察官に捜査してほしいのかしら?」

 

冗談めかしてそういうお姉ちゃん。

そう。これくらい…柔らかく笑う事も以前はあったのだ。

姉の中に確かに存在する、心の余裕。

 

笑いながら、尋問室で話を聞き出すような証拠を出す動きを…料理のメニューで真似して。

 

新島冴

「バイクに乗る時、自然に身体が前向きになってた。今日レンタルしたバイクとはあまり合わない姿勢よね。」

「ウチのバイクを使った形跡は無かったし…最寄りの借りれる場所はあそこだから、つまりは一番手に入りやすいバイクと違う形式の二輪に乗り慣れてる。」

 

新島真

「…。」

 

新島冴

「あと…市街地。車道を我が物顔で通るお婆さんが居たけど。」

 

*1

 

「自然な手つきで加速した後に、慌てて速度を落としたでしょ?まるで、普段はうんと近くを走って脅かしてるみたいな仕草よね?誰の影響かしら?」

 

 

お姉ちゃんは、鋭かった。

ヨハンナを乗り回して、シャドウを脅かすどころか普通に殺す気で轢いていた時の手癖を見抜かれてしまっている。

思わず、視線がそれる。

 

新島冴

「それに、最近…前日、うんと運動したような態度で朝過ごしてる事あるでしょう?洗濯物からして、合気道以外の疲れること。」

「以上の証拠から、プロファイリング。」

「暴走族までは行かないで欲しいけど、ちょっとヤンチャしてるバイク乗りに混ざって練習したように思えるんだけど。」

 

目を逸らしすぎてもいけないと思い、姉を見れば…

背を、椅子に預けて、一度目線を上に向けてから

ぐっと、前傾姿勢になり。

 

新島冴

「どうなの?」

 

冗談めかした、少し柔らかい声色での追求。

 

…?

よく見ると、目が笑っていない…!!!

 

誤解を解きすぎないように、うまく言うしか無い…

 

新島真

「…人に、迷惑を掛けたりはしてないから。」

 

新島冴

「本当に?」

 

新島真

「…うん。ちょっと勉強時間は減ったけど…模試の点は、むしろ良くなってるでしょ?」

 

新島冴

「なら良かった。」

「働いて、肩書きがつくと…軽率なことができなくなるの。ミスを取り返すのに年単位で掛かることなんてザラ。勝ち続けるためのレールから外されて、どうにもできなくなる人をたくさん見てきたわ。もうどうなってもいいと…犯罪に手を出す人をね。」

 

「今のうちにたくさん視野を広げて…必ず、自分の勝利を掴んでね。真。」

 

 

一学期が始まる前までは…余裕が無く、話すことが無かったもの。

私に向き合った、自らの経験を活かした将来へのアドバイス。

悪党を絶対に許さないと検察官になったお姉ちゃんは、もっと大きく咎めると思っていた。

勝つためなら何でもやるという思想や認知が、正義感に影響を与えているのかもしれないが…とにかく、驚きだった。

…世界は、私が思っているよりも…優しい人に溢れている。

 

新島真

「…うん!」

 

 

店員が声をかけ、料理が提供される。

 

汁物と、塩焼きにした川魚。おそらくはヤマメかニジマス辺りだろうか。

 

白米の横に合わさるのは、よくある漬物ではなく、わさびと刻みのりの乗った山芋とろろ。

 

これでもかとベタな料理が詰まっていた。

 

いただきますと2人で手を合わせ、まずは汁物を一口。

優しいお出汁の味に煮詰まった濃さは無く、ちゃんと面倒をよく見られている。

ここまで刻まれると判別できないが、山菜らしき食材のシャキシャキ感と合わせて厚揚げの油っけが良い。

 

塩焼きを一口食べれば、ガツンとくる塩気がご飯を進ませる。

壁に書いてある情報は事実なようで、骨ごと食べられるパリパリとした食感を楽しむ。歯を大事に過ごしていてよかったと思える…心地良い歯触り。

 

少し残る内臓の苦味が美味しく感じるのは、私も成長して味覚が変化してきている事の表れなのかと考えると、自分の成長や、時間の経過を感じてどこかノスタルジックな気分になってしまう。

 

残ったお米をわさびの効いたとろろでするすると流し込めば、

驚くほど夢中に食べ終わってしまった。

 

 

新島冴

「美味しかった?」

 

新島真

「うん。」

 

新島冴

「また来ましょうね。季節が変わったら別の顔も見れるでしょうから。」

「暑さの収まる秋なんてうってつけじゃない?」

 

 

いつの間にか、先んじて食べ終わっていたらしいお姉ちゃんは…その食べている所を眺めていたようで。

食べ終わりと共に、そう話しかけて来た。少し気恥ずかしい。

 

そのまま、会話は続く。

 

 

新島冴

「…それにしても。真、変わったわね。」

「昔からそういうお話は好きそうだったけど…実践していなかったでしょ?」

 

新島真

「きっかけがあったの。」

「大人の言いなりになるだけじゃなく、自分で考えてみようって。」

 

新島冴

「素敵。」

「指示って…自分に利がないことをさせようとしてくる事もあるの。特に『女』が働いてるとね。」

「勝つ為には、自分で考えて行動を決めるのは大切よ。」

 

「私が検察になってすぐ…ただお茶汲みの事務員みたいに扱われてた時の話なんだけどね?」

 

 

機嫌の良いお姉ちゃんの、今まであまり聞いたことが無かった苦労話を聞く。

私に話してくれるのは、もう話してもよいという信用か、心の余裕か、その両方か。

 

少なくとも、今の私にはとても為になる話というのは確かだった。

 

 

 

…。

出世欲に囚われつつも、それを成すことができず。暗い顔をした妹に当たることさえあった原作。

自分を追い込んで焦り、思い悩んでしまっていたせいで…モラトリアムを過ごす学生の悩みが、どうにも腹立たしく映ってしまっていた。

学生に比べて、こうも緊張感ある世界で私は戦ってるのに、と。

社会人にはよくある事かもしれないが、学生時代に思い悩んで戦って、それを周囲に助けてもらって成長できた過去があるからこそ…今の『大人の戦い』ができている事を忘れてしまっていたのではないだろうか?

 

出世を達成し、さらなる高みへと挑戦している現状。

沈めば這い上がれない沼の上に、1つの勝利という船を浮かべる事ができ、余裕を持てている心。

新島冴は、妹に寄り添う気持ちを持つことができていた。

 

妹自身も、最近は明るく振る舞っており

新島冴は、少し『ヤンチャ』になった妹と。

忙しくも幸せを感じることのできる日々を過ごしていた。

 

 

 

新島冴

「そう考えると、キックボクシングを習ってたのは良かったなって。徹夜も多いし、かなり体力仕事な所があるから。」

 

 

…。

 

 

新島冴

「検察官にも、警察手帳みたいなわかりやすい見せるものがあれば良いのに。電車で痴漢を捕まえる時とか…見せたらきっと痛快よ?」

 

 

…。

 

 

新島冴

「それで思い出したんだけど…ちゃんと睡眠は取れてるの?受験勉強以外にも取り組んでる事があるなら、削れてない?」

 

 

ころころと、話題の移り変わる…楽しい日常の会話。

 

(ふふ、ずっと同じ家で暮らしてたのに…なんだか、久しぶりに会ったみたい。話したくなかった、じゃなくて…話す余裕が無かったのかな。)

 

 

新島真の心には、

憑依転生者の聖地を歩む喜びや

三島由輝の、『特別』となった自分への陶酔と同じように

 

(…こんな毎日が、ずっと続けば良いのにな。)

(…その為にも、先生の下…いや、リーダーの隣で。)

 

やりたい事を見つけて、その道を突き進む熱意で満たされていた。

 

 

 

 

 

〜〜〜

 

ラヴェンツァ

『我は汝…汝は我…』 

 

『汝ここに、心の盃へ堅牢たる絆を浮かべ得たり』

 

『強き意志の宿る絆は』

『神の血を甘美な美酒とせん』

 

『今こそ汝、【女教皇】の究極たる秘奥に目覚めたり』

『無尽の力を汝に与えん…』

 

〜〜〜

 

 

 

ーーー

人形召喚 15SP

 

絆を深めた人間の認知存在を、

人形として杯の中に浮かべることができるようになる。

人形次第で様々な強化を受ける。

 

ーーー

 

 

 

ーーー

召喚可能な人形

・雨宮蓮

→Technical発生時、対象がDOWNする

・三島由輝 

→獲得経験値が増加する(異世界から帰還するまで有効)

・武見妙 

→自陣営に即死効果発生時、自動発動。それを無効にする。

・新島真 NEW!!

→炎上・凍結・感電の付着率が50%上昇する

 

 

・校長 

→攻撃力上昇、激怒の状態異常が付着

・金城潤矢 

→周囲に居る味方は防御力が上がり、狙われ難くなる

・一色若葉

→セーフルームか入口から、別のセーフルームか入口に移動する

ーーー

 

 

 

自宅にて、オクムラフーズについてを探りつつワイルダックバーガーを食べてみていた鴨志田卓は突然の新たな力の獲得に驚き喉を詰まらせ

 

金城

「よし今だ、腹狙え!」

 

モルガナ

「ちょりゃあ!」

 

鴨志田卓

「ゴフッ!はぁ、はぁ…」

 

金城潤矢達に救護されていた。

痩せ細った金城潤矢では筋力が足りず…冷蔵庫からお腹へとモルガナが飛び降りることで、どうにか事なきを得た事をここに記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
第5話と同一人物

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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