鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第161話 7/5(火) 不思議の国の奥村春

 

 

※引き続き奥村春視点

 

 

 

愚かな大衆の運転手が電話を受けて、2,3何か会話する。

 

襟足の長い運転手

「社長さんが話あるらしいっす。そっち先に車回しますね。」

 

奥村春

「…はい。」

 

襟足の長い運転手

「家の方で何か伝えとくことあります?録画したい番組とか。」

 

奥村春

「無いです…」

 

襟足の長い運転手

「ええっ!?上流階級ってTV見ないんすか!?生演奏の音楽隊とか聴いてるんです?」

 

奥村春

「テレビは、ありますから…」

 

そこそこ失礼な、いつもの運転手の代打に来た息子。

あまりこちらが口数少なくとも、会話が成立しているような流れに乗せる話術。

普段なら、楽しい気分にでもなったかもしれない。

今は…じっとりこびりついた記憶と、待つ事実に。

無理解な言葉に、苛立ちが湧いてきてしまう。

 

そうなってしまう自分が嫌になる。

相手はちゃんと、サービスを提供しているのに。

 

彼に連れられ、お父様の居るオクムラフーズ本社へと向かう。

 

 

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

 

 

 

オクムラフーズ本社の、社長室に入る。

中では、お父様の他に…親が決めた結婚相手が立っている。

 

コイツの軽薄な笑みと相反して、重たい気分のせいだろう…鞄が、ずっしりと肩に食い込むような感覚がある。

 

長居したい空間では無かった為、鞄は置かずに会話に応じる。

 

 

 

春のフィアンセ

「やぁ。こんにちは。」

 

奥村春

「…こんにちは。」

 

奥村春

「…あの、今日は、どういった…」

 

春のフィアンセ

「僕から、奥村さんに頼んでね。会議の終わり…ちょうど君が学校から帰る時間だったものだから。共に食事でもと。」

 

こちらに微笑みかけてくる。

衣服や髪は整えられ、適切に高価な香水を使っている彼に外見的な落ち度は無いように見える。なのに、嫌悪感しか感じない。

 

 

奥村邦和

「行ってきなさい。婚約者として、仲良くな。」

 

奥村春

「…。」

「はい、お父様。」

 

 

杉村。私のフィアンセ。

正直、キモい、苦手なタイプの男。共にいる時間が、まるで何かの修行かのように長く感じる…

つい、避けようとしても。

こうして電話一本で呼び出されてしまう。

 

呼び出された要件は、望み通りすぐ終わった

代わりに、一日は…まだ長く、長く続く…

 

このまま淡々と、永遠に流れていくのだろうか…

 

腕ではなく、私の腰に手を添えたのを、振り払えないまま…外へと歩いていく。

 

 

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

 

※モルガナ視点

 

春のフィアンセ

「さ、行こうか。」

 

奥村春

「はい…。」

 

エレベーターは、ゆっくりと下っていく。

この…いけ好かない顔をしたフィアンセが車椅子用のボタンでも押したんだろう。

 

(秀尽の教師と似た顔だな…。話し方や見た目が似てても、こうも印象って変わるものなのか。)

(ヒルタの方がよっぽど気品があるぜ。けっ。)

 

…。

モルガナは、机の引き出しの中では無く秀尽高校各地を歩き回っている。鴨志田卓の飼い猫と公言しているのもあり、教師達とも盛んに関わりを持っていた。

原作ではナルシストさに苦い顔をしていた生物の蛭田先生とも、悪くない関係を築いている。

生物教師だし解剖とかされそうなので絶対に正体は明かせないが。

 

 

 

チャックの隙間に頭をねじ入れ、こっそり顔を出して外の様子を伺えば。

ガラス張りのエレベーターから、外の景色が。

 

(さて、ハルの状況はわかった。先程のフタバの通信からして…皆にも、情報は共有できただろう。)

(あとは、ハルをカモシダと接触するまで守ればいい。このままフィアンセが連れ去ってしまえば追い難いか?だが、危険視しているのはアケチ達なんだ。フィアンセとの車の中や高級店は、学生には侵入しにくい守りになる。選択肢としてはアリだ。)

 

外を見ながら、カバンのなかでハルのジャージと共にほかほかにあったまった体を冷ます。

 

(どう手を打ったものか…ん?)

(おい、アイツは…!?)

 

少し、夕日が見えて色が変わってきた野外。

スマホを触るフリをしながら、このエレベーターが降りるのを見上げている…

 

 

 

 

 

『坂本竜司』の姿が。

 

(…アケチの一派だ!)

 

フィアンセの向かうであろう高級店が手出ししにくいと言うのは…奴等も考えていたのだろう。このタイミングで攻めてきた。

どこまでが仕込みかがわからないが、ワガハイがここに居るのは察知されていない筈。

警戒を深め、鞄の中に戻り…教科書とジャージの隙間に埋まり直した。

 

(…これがあってよかった。)

変態じゃないぞ。ハルの鞄から使える物を見つけてあるんだ、とっておきの手札をな。

 

 

…。

 

 

フィアンセの自慢話を無視しながら、外に出るハル。

車へと向かう所に…サカモトは接触してきた。

ハルと同じ秀尽高校の制服姿で、立ち塞がるように二人の前に出てくる。

 

坂本竜司

「悪い、ちょっといいか?」

 

春のフィアンセ

「邪魔だ、ガキめ。」

 

しっしっ、と追いやる素振りのフィアンセに対し…素っ気ない態度で。

 

坂本竜司

「お前にゃ用はねぇよ。」

 

春のフィアンセ

「…はぁ!?」

 

フィアンセが声を裏返して仰天する

 

坂本竜司

「奥村春…だったよな。今、クソみてぇな親に困ってるんだろ?助ける手段があるんだ、ちょっと来てくれ。」

 

奥村春

「え、えぇ…?」

 

春のフィアンセ

「…貴様、僕を誰だと思っている?」

 

坂本竜司

「うるせぇな。お前にゃ用は無いんだって。」

 

春のフィアンセ

「〜!!!」

 

スマホを片手に、邪魔者扱い。当然、フィアンセはキレる。

詰め寄るフィアンセを、うぇ〜っと面倒そうにあしらうサカモト。必然的に、2人ともハルからは距離が離れる。

はいはい、と避けながら

 

坂本竜司

「…嫌な婚約なんだろ?ほんと、思い詰める必要なんてねーから。こいつからも助けてやれる。」

「同じ秀尽生のよしみでさ。時間とってくんねぇ?」

 

 

そう話すサカモトの持つスマホの画面が、ちらりとワガハイに見える。

それは、こちらにとてもなじみ深い、赤い目のようなアイコン。

 

(…イセカイナビだっ!!)

 

 

鞄の中で、()()()()()()()()()()()()()()()()を起動し、こっそり鞄から出て…

 

モルガナ

「ぎにゃあ!」

 

ハルにわかるよう、大きく鳴いて走り出す。

付近か、パレスの内部にはアケチが潜んでいる可能性が高い。あえての、猫の声真似。

 

 

奥村春

「…え、モルガナちゃん!?待って!」

 

なぜか、秀尽の看板猫がいる状況と

それが、野外を思いっきり走っている状況。

 

それぞれ認知し、まずはこのまま逃げてしまう危険性を考え…優しいハルは、追いかけてきてくれる。

 

坂本竜司

「あ、おい!待ってくれy」

 

春のフィアンセ

「身分ってものを教えてやる必要があるらしい。喜べ!お前に少しだけ時間を割いてやる!」

 

男女の差もある、通常ならばサカモトに追いつかれかねない。

しかし今は、キレたフィアンセがサカモトに突っかかってくれているお陰で遅延ができている。

そのまま警備を呼ぼうと大声を出し、事態は大事になりかけていた

 

(よしっよくやったフィアンセ!今のうちにパレスに逃げ込むっ!)

 

そのまま、角を曲がった所でハルを待つ。

飛び出したハルに抱きつき、鞄に向かって音声入力!

 

奥村春

「どこに…きゃっ!」

 

モルガナ

「オクムラクニカズ!この『本社ビル』を『宇宙』っ!!」

 

イセカイナビ

『候補が見つかりました』

 

モルガナ

「よぉしっ!」

 

奥村春

「なんでこんな所に…あ!もしかして、鞄の重さって…」

 

モルガナ

「聞こえるか!サカモトがいた!先にパレスに入ってるぜ!」

 

混乱する奥村春を尻目に、首輪の通信機に用件を吹き込む。

 

佐倉双葉

『わかった!』

 

短く、フタバが返事を返してくれる

 

(勝手に改造されてたのはビビったが…便利な機能だぜ!)

 

そのまま、オクムラのパレスへ潜入を開始した…!

 

 

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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