鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第162話 7/5(火) 長靴をはいていない猫

 

 

◎◎◎

 

 

※奥村春視点

 

胸に飛び込んできたモルガナに驚いていると…周囲の風景が歪み、いつの間にか…不思議な場所に立っていた。

 

機械的な、暗い青の床に緑の光が走っている…映画のセットのような場所。

中央には、ホログラムでBIGBANG★BURGERの文字がぐるぐると回っている。

窓の外を見れば…真っ暗な空間に浮かぶ、丸い球体が。

球体の色は青や緑であり、地球と瓜二つ。

 

奥村春

「え、こ、ここは…?」

 

モルガナ

「ここはパレス。お前の父親が認知する、もう一つの現実だ。」

 

奥村春

「…モルガナ、ちゃん?」

 

腕のなかに居たはずのモルガナが、いつの間にか可愛らしいマスコットのような姿になり…挙句の果てに喋っている。

個人的には有名な猫が恩返しをする映画のカッコいい声色を想像していたのだが、見た目に似合うカワイイ系の声をしている。

…妙に現実味のない光景に混乱し、不要な方へ思考が進んでしまう。

 

モルガナ

「ここじゃあワガハイのことは『モナ』と呼べ。」

 

奥村春

「モナちゃん?」

 

モルガナ

「まぁ、ちゃんは付けてても良い。」

 

奥村春

「ここには、モナちゃんが連れてきたの?」

 

モルガナ

「そうだ。悪いが時間がない。乗ってくれ!」

 

モナちゃんが飛び上がったかと思えば、車に変身する。

 

奥村春

「…???」

 

トト◯に出てくるネコのバスみたいに扉が一人でに開く。

日本人ならほとんど全員認知していると言っても過言ではない、猫が車になる現象。

 

(私…夢でも見てるのかな。)

 

つい、そのまま乗り込んでしまう。

 

 

 

車はそのまま発進。リフトのようなもので移動したかと思えば、床が人工的で平坦だからか揺れもなく…視界が水平にスライドしていく。

 

 

男性の声

「この音…合図は、まだの筈だけど。」

 

モルガナ

「アケチの声っ…ふぅ、危ねぇ。」

 

しばらく、モナちゃんに乗るアトラクションを楽しんだ。

 

 

【ニンショウチュウ】

 

【ニンショウ セイコウ】

 

 

近未来的なゲートを潜り、ある程度まで進んだモナちゃんは私を優しく降ろして変身を解く。いつもの見慣れた猫姿に。

…声が付いているのには慣れないが。

 

モルガナ

「ここまで来れば大丈夫…の筈だ。」

「いきなり悪かったな。仲間には連絡をつけてある。ここで、少しワガハイと隠れていてほしいんだ。」

 

ひとまず、今すべきことを教えてくれるモナちゃん。

学友が話していたゲームだったり、小さい頃に読んだおとぎ話のような展開。

 

なんだか、決められたレールを走っているだけの状態から…お話の主人公にでもなった気がして。

少し気分が上に向き、顔がほころぶ。

 

(あのディスティニー映画も…突然現れたウサギを追いかけてたよね。小さい頃、憧れたな…)

 

主人公として、導き手のモナちゃんに質問をする。

 

奥村春

「不思議の国の童話みたいなお話?」

 

モルガナ

「何かの本か?悪い、内容を知らねぇ。」

 

奥村春

「不思議な事が起こる所に迷い込んで、色々冒険するお話だよ。体の大きさが変わったり、猫が喋ったり。」

 

モルガナ

「あ〜、なら、近いかもな。」

 

モナちゃんは少し考える素振りをしたあと、肯定してくれる

 

奥村春

「パレス、って言ってたけど…すごく、想像と違うって言うか…」

 

モルガナ

「パレスは複数あるんだ。人の認知がそのまま反映されてて…ここはハルの父親の認知だ。」

「本社のビルを、宇宙みたいに見てるらしいぜ。ビックバンだな。」

 

(へぇ、そういう設定なんだ…)

 

あの有名な不思議の国の童話は、夢を見ていたオチで終わる。今は、運転手の車で居眠りでもしているのだろうかと思いつつ。

まだ目が覚めないようにと願いながら、喋れるようになったモナちゃんに質問を続けた。

 

奥村春

「赤い女王様みたいな、敵対している悪い人は居るの?」

 

モルガナ

「居るぜ。シャドウって言って…侵入者に襲いかかってくる。あと、ハルの父親もシャドウ居るんだ。」

 

奥村春

「シャドウの…お父様?」

 

お父様に似つかわしくない言葉が頭に乗って、滑稽味がある。

 

モルガナ

「おう。本社を宇宙、自分を宇宙船の船長と認知してるから…それっぽい格好のが居るハズだ。」

 

奥村春

「ふ〜ん、モナちゃんが守ってくれるの?」

 

正直、世界観はそこまで強く興味がある訳ではない。興味があるのはモナちゃんだ。

しゃがんで目線を合わせ、じっくり見つめる。

 

モルガナ

「フッ、当然だろ?ただ…ワガハイのような力をハルもすぐ使えるようになるハズだ。頼りにしてるぜ。」

 

奥村春

「素敵。モナちゃんと契約して、魔法少女になればいいのかな?」

 

モルガナ

「いや、自分自身と契約するんだ。反逆の意志が戦う力になる。」

 

…。

鴨志田卓の、ペルソナ知らない人に向けて実際に説明する時の話し方。

それを家で何度も練習するのを見ていたモナは、原作序盤の説明方法と比べそれなりに伝達力が上がっている。

 

不思議な状況が飽和し、すべてを「そういうものなんだな」と受け止められる状態のハルも相まって、スルスルと理解していくことができた。

 

 

 

奥村春

「反逆の意志ってなぁに?」

 

モルガナ

「こう…抗う、反抗するって気持ちがあると、怪盗服って呼んでる姿になる。」

 

ぽん、とマスコット姿になるモナちゃん。

パチパチと拍手をすれば、モナちゃんは照れる

 

モルガナ

「で、だが…うん、敵は居ないな。」

「これが『ペルソナ』だ。」

 

モナちゃんが何か青く光ったかと思えば、

モナちゃんと同じような足と胴体の比率のおじさんが出てくる。

 

ピシッ、とレイピアを構えてポーズを決めた。

 

奥村春

「すご〜い!モナちゃん、かっこいいね!」

 

モルガナ

「だろ?これがワガハイのペルソナ、『ゾロ』だ!」

 

ゾロ?という名前のずんぐりむっくりしたおじさんを仕舞って、モナちゃんが胸を張る。

よくわからないが、不思議な魔法を使うのはきっと高等技術なのだろう。男の子は好きかもしれない。

ビックバンバーガーのセットに付くおもちゃにも、ああいうフィギュアは人気だった。

 

奥村春

「ゾロさんに、シャドウを倒してもらうの?」

 

モルガナ

「そんな感じだ。ただ、ゾロはワガハイの心が具現化したような物で、同一人物というか…」

 

アナウンス音声

『侵入者発見、侵入者発見。該当区画へ急行せよ。』

 

お話を遮るように、アナウンスが流れる。

 

奥村春

「! 見つかっちゃった?」

 

モルガナ

「いや、ワガハイ達じゃない。ただ、ここを通られると不味いな…少し歩くぞ。」

 

奥村春

「うん。」

 

怪盗服?の姿をしたモナちゃんの先導に従って、不思議の国と呼ぶにはサイエンス・フィクションすぎる空間を慎重に歩いていった。

まぁ、デコボコした森の中などよりかは歩きやすいので良いのかもしれない。

 

 

(お父様の心の中、か。)

(…。)

 

ふと、ただ歩いているだけの時間に…先程の嫌な記憶を振り返ってしまう。

 

(今のお父様は、どんな事を考えているのかな…)

 

モルガナ

「大丈夫か?」

 

先導し、前の曲がり角を警戒していた筈のモナちゃんが、戻ってきてこちらを気遣ってくれる。

 

(そうだ、今は楽しい夢を見てる最中なんだった。)

 

途端に気持ちが切り替わり、顔が綻ぶ。

 

奥村春

「大丈夫だよ。ごめんね。」

 

モルガナ

「何かあったらすぐ言ってくれ。…今日も、泣いてたろ?辛かったよな。ワガハイ達が、守ってやるからな。」

 

奥村春

「…。」

 

モルガナ

「もう少し、離れておきたい。こっちだ。」

 

私は…どこか心の底では、私の事を守ってくれる、モナちゃんみたいな王子様を探していたのだろうか。

 

今私が、求めている最上の言葉をかけながら…モナちゃんはダクトの中に潜り込む。

 

四つん這いになって、ダクトの中に付いて行った。

 

 

先行するモナちゃんの後ろ姿は…なんだか、眩しく見えた。

 

 

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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