鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
※奥村春視点
陽炎や水面のように揺らいでいる扉から、3人の男が出てくる。
喜多川祐介
「お前が見失っただけなんじゃないのか?」
坂本竜司
「いや、あれで消えたならここに入ったって事だろ!絶対に!」
不機嫌そうに狐面が話し、ガイコツマスクが答える。
横に、天狗…?にしては鋭利なお面を被った者が居た。
皆、派手なコスプレめいたコスチュームを着ている
明智吾郎
「…ネコを追いかけたんだよね?」
坂本竜司
「ああ。モルガナちゃんっ!とか言ってた。」
猫を追いかけた、モルガナちゃん…
私の事を話しているのかもしれない。
その場合、あのガイコツマスクが 先程の金髪の男の子なのだろうか。確かに、髪型が一致している…
明智吾郎
「それに、心当たりは?」
坂本竜司
「心当たり…う〜ん…」
「知らね。飼い猫でも逃げたんじゃね?」
あのズボン、秀尽高校の制服だった。秀尽生徒でモルガナを知らないのは、学校をサボりでもしない限りあり得ない筈…
喜多川祐介
「おい、良く考えろ。吾郎に言われたことを忘れたとは言わせないぞ。」
坂本竜司
「悪りぃって!ちゃんと、バレねぇように授業受けてんだから!いいだろ!?」
明智吾郎
「…じゃあ、ソクラテスは誰か覚えてる?」
坂本竜司
「ムチムチした人だろ?」
明智吾郎
「…くくっ、」
耐えきれず、漏らしたような笑い声。
明智吾郎
「ふっ…くく、く……む、無知の知…だからね?」
どうにか耐えようと悶えながらも、心底可笑しそうに笑って指摘する。
坂本竜司
「サーセン…ムチノチでした…」
明智吾郎
「はー、笑った。」
「シャドウにも勘付かれた。一度出直そう。お膳立ては出来たんだ。慎重に、確実に決めるよ。」
喜多川祐介
「勿論だ。」
坂本竜司
「おうよ!」
随分と、仲が良さそうに。
去っていく3人組。
モルガナ
「ナビ達の調査は正しかったな…」
奥村春
「…今のは…」
私達はそれを、部屋の壁の高い部分にあった通気口から眺めていた。
…。
敵対ペルソナ使いがパレス内にいる都合上、モナは隠れ場所にセーフルーム以外を選んでいた。
関係者以外立ち入り禁止のゲートを奥村春の身分を使って顔パスで通り、隅の方で会話していたのである。
顔を外に出さないようにしながら、猫状態のモナちゃんと横並びに見ている。
通気口の無機質な冷たさが、モナちゃんのぬくもりを際立たせていた。
モルガナ
「まだ、証拠は無いが…あいつらが、精神暴走事件の犯人達の可能性が高い。」
奥村春
「えっ…きゅ、急に具体的な名前だね?」
モルガナ
「ワイルダックバーガーのニュース、知ってるだろ?他にも色々さ。」
奥村春
「うん、冷蔵庫に入ったり…ってニュースだよね?」
モルガナ
「あれは、ハルの父親が手配した事件だ。」
奥村春
「えっ…!?」
「あ、あれってお父様が意図的に…」
モルガナ
「その通りだ。 だいぶ認知が歪んじまってる。社員達をロボット…代えがきく道具みたいに認知しちまってんだ。」
「身内である社員でさえそうなんだから、他人なんてもっとどうでもいいんだろうぜ。」
奥村春
「…。」
「ほ、本当に?」
モルガナ
「本当に。」
「サカモトはまだ分からないが…キタガワとアケチは限りなく黒だ。」
「異世界でワガハイの声を聞いたことがある奴は、帰ってもワガハイの声を聞ける。」
「アケチはワガハイの声を聞けて、最近死んだマダラメの弟子とニコイチで行動してんだ。コーチの情報源と合わせて、推定有罪ってとこだ。」
お父様が、精神暴走事件に関わって…
突然の、現実の情報に…頭の歯車が滑るように、思考が回らなくなる。
(また、モナちゃんに心配されちゃう…)
どうにか、何か話さないとと考えているウチに、自動の掃除機みたいなロボットが1台やって来た。
足元が赤黒いヒビ割れた模様が付いていて、趣味が悪そうに見える。
奥村春
「あ、ロボット…」
モルガナ
「あれがシャドウだな。パレスにちなんだ形になってるんだ。中身は別物で…着ぐるみみたいに思えば良いぜ。」
少しだけ湧いてくる、好奇心。
奥村春
「…私、モナちゃんが戦ってる所見てみたいな。」
モルガナ
「え、ワガハイの?」
奥村春
「うん。ダメ?」
通気口に伏せて密着している状態のモナちゃんの、下顎を撫でながら、ねだってみる。
私を守ってくれるのだという王子様の戦いを一目見てみたかった。
モルガナ
「しゃーねぇなぁ、帰り道に陣取っちまってるし、見せてやるぜ!」
「よく見てろよ、何をしたか後で教えてやるからな!」
調子を良くしたモナちゃんが、大きく跳んで、天井を蹴って飛び掛っていく。手にはいつの間にか大振りの刃物が。
ロボットの上の方についていた仮面を剥がしたかと思えば…
おっきなヒトデに目がついたような、キモカワイイ…いや、ギリギリ可愛いと表現できる造形の生き物?が出てくる。
目は下まぶたに大きく線が引かれていて、フ◯テレビのロゴをひっくり返したような雰囲気。
羽も何もないのになぜうにうにと浮いているのだろうと疑問が湧くが、よく考えてみればモナちゃんが呼んだゾロも若干浮いていた気がする。ああいうものなのだろう
モルガナ
「そうらっ!」
可愛いモナちゃんが可愛いヒトデを斬りつけると、地面にビタンと良い音を鳴らして叩き向けられ
モナちゃんはゾロを出して、体勢の崩れているソレに緑色のよくわからないものを出す。
(…今のが魔法?)
派手に雷や氷が出たりしないが、昔の童話やらファンタジーな本にある魔法や魔術と呼ばれるものは…日曜朝に放送される女の子が変身する系のアニメと違って地味なものが多かった気がする。
アレも、見た目に派手さが無いからこその使い道があるのだろう。
スマートな、実用性重視の手法…気に入る響きだった。
追撃をモロに食らったヒトデは、ヒトヨタケのように溶けて消えていった。
奥村春
「…モナちゃん、すっご〜い!」
モルガナ
「ニャフフ、ワガハイにかかればこんな物だ!」
大きな刃物は気づけばどこかに消えている。
自慢げにするモナちゃんが残るのみ。
モルガナ
「さて、帰るとするか。」
そのまま、道の先を覗き込む素振りを見せ、安全を確認してきてくれる。
20秒ほど、ちょこちょこと動くモナちゃんを眺めていれば、結果は上々だったらしく。
モルガナ
「今なら大丈夫そうだ。出てきてくれ、手を貸すぜ。」
奥村春
「うん、ありがとう。」
こちらの、通気口のある方へと歩いて寄ってくるモルガナを見ながら、外に出ようとする。
奥村春
「?」
モルガナ
「どうした?」
奥村春
「何か、足が引っ掛かって…」
最初は、硬いものに引っ掛けたと思った。
不思議だった。通気口の出口から顔を覗かせる時には、そんな引っかかるモノはなかったはずなのに。
すぐに疑問が解ける。足に何かが巻かれている。靴下越しで気付かなかっただけ。
金属質のそれは…まるで
ロボットのアームに掴まれているような…
危険を認知した。脳が、ありったけの恐怖を全身に伝達する。
奥村春
「キャッ!!」
強い力で引っ張られ、通ってきた通気口を急速に引き戻される!!
モルガナ
「ハルっ!!」
モナちゃんの呼びかけを、すっかり遠くに聞きながら…
私は何度も体をぶつけながら、どこかに連れ去られてしまう。
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
-
原作と同じ本名表記
-
わかりやすいコードネーム表記