鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

173 / 213
第167話 7/7(木) ルブランにて作戦会議(保護者付き)

 

 

〜〜

放課後

〜〜

 

2日後、バレーボール部の活動がない曜日の放課後。

ルブランにて一同は集結していた。

 

昨日は奥村春が17時近くまで熟睡しており、調子を取り戻した今日まで待った形。

原作のような無断外泊ではなく自宅に帰って昏睡した為なのか奥村邦和は責めたりせず、これから体調管理は義務になっていくんだから気ぃつけるんやでってニュアンスの注意をされただけで済んだらしい。

フィアンセの場から離れたのも体調不良だったからと誤魔化しが効きお咎めなしだったとのこと。

 

 

ルブランに集まっているのはインドア派の佐倉双葉が願い出たため。

 

カレーを食べる双葉が、コーヒーを飲んでいる奥村春に話しかけていた。

 

モルガナ

「うなされなかったか?」

 

奥村春

「大丈夫、ぐっすりだったよ。」

 

佐倉双葉

「私とお揃いだな。眠り姫。」

 

奥村春

「ふふ、そうだね。」

 

雨宮蓮

双葉は、なんとかコミュニケーションが取れている…

 

 

(…惣治郎が同席するのは良いんだが、雨宮蓮が全力で同席してくるからちょっと困るんだよな。)

(何も言ってないのに居るんだが、どこから聞きつけた…?逆に双葉に盗聴器仕込み返してる…?)

 

 

…。

鴨志田卓らは知らない事だが、雨宮蓮が嗅ぎ付けて来るのは三島由輝が原因だった。

怪盗団の活動日は三島が、知らなければ気付かない程度にほんのりとワクワクが漏れており、雨宮は教室の端である自席から中央あたりの席に居る三島を定期的に凝視して確認している。

本人は七夕にかこつけて食堂のラインナップに格安限定メニューが出ることを楽しみにしていると話していたが、それ以外の喜びが表情に出ていた事を見逃さない。

日常生活においてサードアイは過剰スペックもいいところだった。

 

 

 

 

新島真

「溜まり場にしてすみません…。」

 

佐倉惣治郎

「良いんだ。」

「獅童に一泡吹かせるんだろ?協力は惜しまねぇよ。」

 

モルガナ

「怪盗団のアジトって訳だ。マスターの好意にあやかろうぜ。」

 

佐倉双葉

「カレーおかわり!」

 

三島由輝

「あ、俺も!」

 

新島真

「お昼に食堂で沢山食べてなかった?」

 

三島由輝

「こんだけ運動してるんだ、身体作りにカロリー摂らないと。」

「せっかく先生が食堂にドバドバお金注いでるんだし、利用しないと損だよ、損!」

 

佐倉惣治郎

「ハッ、若いってのは良いもんだな。」

 

鴨志田卓

「消化機能ってモロに年齢出るって言いますもんね。」

 

 

 

バレーボール部員で集まって食堂でどか食いしていた事を真も知っているということは、真もそこで食事していた事に他ならない。

 

メメントスで稼いだ莫大なお金で食堂には材料費と働き手の報酬にガッツリ投資した為、向こう3年は食堂は殆ど原価の格安メニューを提供できるだろう。

謎の資金源による一時的な格安メニューなんて怪しさMAXだが、

バレーボール部のインターハイ出場に合わせたメディアの校内取材依頼は校長が自然な範囲で潰してくれており、上手いこと放課後に体育館だけ見学させたり隠蔽してくれているので安心だ。

小中学校のように一律に給食費とかで管理されている物では無いので融通が利くのもありがたい。

 

 

 

 

ガヤガヤ言いながら腹ペコ学生達の腹ごしらえを済ませ、本題に移る。

 

カウンター奥に雨宮蓮と佐倉惣治郎を置きながら、テーブル席やカウンター席に思い思いに座って会話。

 

 

 

鴨志田卓

「モルガナから、大体の経緯は聞いた。突然…よくわからん世界に突っ込んで悪かったな。」

 

奥村春

「いえ。寧ろ…嬉しくって。」

「なんて言うんだろう…活路が開いたっていうか。」

「とっても…()()()()()()()()

 

奥村春には(双葉がハッキングでぶち抜いた連絡先に)招待を送り、グループメッセージにて異世界や活動の概要は話してある。

学校がない双葉が認知訶学関連用語マシマシで話すのを、休憩時間に真が噛み砕いてくれていた

 

 

 

鴨志田卓

「同じ学校の…坂本が接触して来ただろ?しばらく…アイツが接触してくるかもしれない。うまくあしらって欲しい。」

 

奥村春

「…うん。父親をどうにかする方法があるって言ってたのは…廃人にさせる、って事なんだよね?」

 

鴨志田卓

「多分、な。」

 

奥村春

「じゃあ、あの子も悪者なのかな…」

 

佐倉双葉

「それは多分違う。」

 

奥村春

「?」

 

いつの間にか完食した空のカレー皿を横に避けて、ノートパソコンをいじっている双葉。

 

佐倉双葉

「前、せんせーに頼まれた調査…メメントスのターゲット。」

「何人か既に改心してるっぽいんだよな〜…」

 

(なんですって!?)

 

鴨志田卓

「なんですって!?」

 

思った事をそのまま口に出せば、双葉はノートパソコンをスタイリッシュを回転させ、

…回りすぎたのを調整して、こっちに画面を見せてくれる

 

それは、区役所の不祥事がニュースになった記事。

ストーカー行為を行っていた中之原夏彦が自首の末クビになったというもの。

 

鴨志田卓

「おいおいおいおい…マジか。」

 

中之原夏彦のことは、その他メメントスのターゲットと一緒に

奥村春を除く皆に共有してあった。

予告方法が難しい者や、改心した後に自首などで終わらせず社会貢献するよう説得するのが難しい者に対しては一度残しておいて後でまとめて改心予定であり、

中之原夏彦は後者に該当していた。

 

(中之原は斑目の関係者…喜多川祐介経由の情報か。やられたな…)

 

 

新島真

「彼等も…改心を行ってるってこと?」

 

佐倉双葉

「多分。いまはモガミンとこーちょーが調査してくれてる。」

 

鴨志田卓

「モガミン…最上夢子さんか。」

 

佐倉双葉

「そ。改心してもあの性格から変わらないの、筋金入りのゴーストタイプ。私もだけど。」

 

以前、明智と喜多川祐介らの繋がりを見つけてくれたチームが、今も時間を見つけては張り付いてくれているらしい。

 

(また校長先生経由で何かプレゼントしないとな…)

 

 

佐倉双葉

「結論。明智以外は、自分たちは良いことをしてるって思って行動してるかもよ。」

「断ったら襲い掛かられるぅ!いやぁん!は考えずともヨシ。」

 

佐倉惣治郎

「双葉、はしたないぞ。」

 

佐倉双葉

「しまったそうじろう居たんだった!」

 

三島由輝

「自分で呼んだんだろ?」

 

佐倉双葉

「うっさいちょうちょ!」

 

三島由輝

「そんなぁ…」

 

(ここで何だと!?って突っ掛かりに行かないあたり優しいよな。あ、やっぱり惣治郎も嬉しそうな目線向けてる。マスターからの好感度上がってるぞ、良かったな三島。)

 

 

鴨志田卓

「まぁ、ひとまずは…学校で接触されそうになったら逃げておいてほしい。俺達も目を光らせておく。」

「そして、良ければで良いんだが…」

「俺達の、怪盗団の活動に協力してくれないか?仮に、お父さんの間だけでも構わないから。」

 

奥村春

「是非お願いします。」

 

鴨志田卓

「そうだよな。突然過ぎるとは分かってる。考える時間を作ってやりたいんだが、既に敵が動いてしまってて…」

 

三島由輝

「先生?良いって言われてるけど。」

 

鴨志田卓

「えっ」

 

 

新島真

「…本当に良いの?正直、命の危険もある活動よ。」

 

奥村春

「良いの。 …憧れてたんだ、こういうお話。」

 

奥村春

「それに、お父様の経営について…思う事はあったから。私なりに、償いをしたいの。」

「お父様の会社を変えて、お父様に罪を償ってほしい。皆の笑顔の為の経営を…して欲しい。」

「今の私には、この方法が一番近道だと思う。是非、協力させて?」

 

 

奥村春の、父親への想いを語ってくれる。

 

(…本当に、出来た娘さんだよな。)

(なんか最初春ちゃん見てた時は可愛いご令嬢だなぁくらいの気持ちだったんだけど、明確に父親との対立が出てくるからなのか双葉の次に娘感を感じるんだよな。あのままペルソナを遊び続けて40,50歳になったら愛娘感を感じるようになるのかな。…うわ怖くなってきた考えるのやめとこ)

 

 

奥村春

「それに、あの人との婚約も嫌だから。」

 

 

原作によって、父親を改心させたい事が建前で…最後に言ったことが一番の本音だということを俺は分かっているのだが、三島たちみんなはおぉ〜と感心している。

 

 

鴨志田卓

「…ありがとう、歓迎する。」

「これからの計画にも参加するかは…今回の作戦を通じてじっくり検討してほしい。仕事場っていくら内容良くても空気感が無理とかあり得るからな。」

 

奥村春

「はい。」

 

佐倉双葉

「タメ口でいーぞ。せんせーは教師じゃなく、リーダーになった訳だからな。」

 

奥村春

「そう?」

 

三島由輝

「俺もいいって言われたし、新島さんもいつからか知らないけどタメ口だし。大丈夫大丈夫。」

 

本人じゃない人がタメ口呼びの許可を出す面白い状況。生徒から信頼してもらっている現れと思い、鴨志田は喜んで放置していた。

 

奥村春

「わかった。皆も、気安く呼んでね。」

「双葉ちゃんに、マコちゃんに、三島くんで。」

 

三島由輝

「…由輝くんじゃ駄目なの?」

 

奥村春

「これからよろしくね、三島くん。」

 

三島由輝

「アッハイ」

 

 

 

ただの優しい微笑みと優しい声の筈なのに、あの三島を怯ませる凄みを出せている奥村春を尻目に

会話は次の話題へ。

 

奥村春

「そういえば、モナちゃんが出してたゾロが私には出なくって…」

 

鴨志田卓

「ゾロ…ああ、ペルソナの事だな。」

「あれは、抗う感情の現れって事はモルガナから聞いたろ?」

 

奥村春

「ええ。私としては、あれ以上のことが必要なら嫌だってくらい振り絞ったんだけど…どうしてだろう?」

 

モルガナ

「…ハル、何があったか教えてくれないんだ。連れ去られた跡にべっとり血が付いてたように思うんだが…」

 

奥村春

「ふふ…内緒。」

 

モルガナが教えてくれる。

…原作でも描写がなかったところなので、バタフライエフェクト等を加味するとマジで推測ができずもどかしくなる。仮面を剥がした血なのだろうか。

 

 

鴨志田卓

「まぁ、そうだな。一番ペルソナを得やすいシチュエーションなんだが…自分が抑圧されていた対象やら原因そのものから刺激されるのが一番効きやすい。」

「例えば、双葉は歪んだ母親像、真はただ真面目なだけだと認知されていた自分自身。」

 

三島由輝

「俺も、きっかけは同じ要領だったな…」

 

…。

三島由輝は、自身が力を借り受けられたきっかけが『鴨志田卓への期待と憧れを素直に認知したこと』だという事をまだ誰にも明かしていない。

*1

 

鴨志田卓

「だから、パレスの中で父親のシャドウや認知存在のフィアンセに会えばいい感じに促される筈だ。お膳立てはする。存分に自分と対話してくれ。」

 

奥村春

「認知の、お父様…」

「…私、頑張ります!」

 

佐倉双葉

「認知世界なら顔殴っても大丈夫だぞ。殺さなきゃな。」

 

奥村春

「顔を殴ります!」

 

佐倉双葉

「泣かせても良いぞ。歪んだ心、矯正しちゃえ。」

 

奥村春

「泣くまで顔を殴ります!」

 

佐倉惣治郎

「遊ぶな遊ぶな」

 

 

奥村春は異様にやる気を見せている…

 

 

 

 

鴨志田卓

「んじゃあ、早速で悪いんだが。明日にもう一度潜入しようと思う。」

 

三島由輝

「早っ」

 

新島真

「敵対者が明確に駒を取りに来てる以上、作戦開始まで明確なタイムリミットの無かったこれまでと違って悠長に構えられないものね。」

 

鴨志田卓

「テスト前で部活も休みだからな。スケジュールも合わせやすい。」

「教師として、そんなタイミングに生徒を連れ出すのは本当に心苦しいんだが…」

 

新島真

「普段から勉強はしてるから大丈夫。こういう事も見越してるし。ね?」

 

三島由輝を、有無を言わせない目線で見つめる新島真

 

三島由輝

「ああ、新島さんからずっと言われてるお陰で俺も、それなりに勉強できてる。」

 

新島真

「ちゃんと暗記カード、作ったの?」

 

三島由輝

「…昨日は、親が居なかったから音が出る自主練もできる貴重なチャンスの日だったので…」

 

新島真

「…。」

 

三島由輝

「今夜作りマス…」

 

 

それを見て、後ろで奥村春がくつくつと楽しそうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

*1
85話

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。