鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第170話 7/9(土)明智吾郎の計画

 

 

〜〜

放課後

〜〜

 

 

鴨志田卓らがパレス探索を行った翌日。

明智吾郎とその仲間2人はオクムラパレスの中に居た。

 

 

 

※明智吾郎視点

 

 

オクムラパレス、とあるセーフルームの中。

竜司と2人で待機していた所に、祐介が『偵察』から帰ってくる。

 

坂本竜司

「どうだった?」

 

祐介は、肩を落として首を振る。

 

喜多川祐介

「駄目だ、吾郎の読みは当たっている。」

「奴等…鴨志田と奥村は、共に社内に入っていった。奥村春は、既に奴の手中と見るべきだろう。」

 

坂本竜司

「…クソッ!」

 

ストレスを隠さず、壁を殴る竜司。

 

明智吾郎

「まずいね、当てたくない読みだった。」

 

不安そうに、そう言葉をこぼして見せる。

これでは、奴の戦力を削れない。ペルソナの実力では負けるつもりはないが、鴨志田は教師だ。

『収穫』の時までに駒の実力を伸ばされたら…頭数が増えて厄介な事になる。

 

振って湧いた、もう一人の『素養』持ち。周囲の『素養』ある者を連鎖的に覚醒させ、陣取りゲームを始めた張本人。

いや、あの手紙の助けが無ければ…俺は陣取りゲームにも気付かずに黙って追い詰められたかもしれない。負けるつもりは無いが、失うものも、切る手札も嵩んだだろう。

 

他人の指図は吐くほど嫌いだが…利用できないと死ぬ場面では活用するべきだ。

 

彼らには、やって欲しい大切な役目がある。

獅童正義を弱らせる毒薬。

この、廃人化事件を透明にする為のスケープゴート。

手元に集めた駒もある。描く勝利には何が必要かを、考える。

 

 

 

坂本竜司

「…なぁ。」

 

…思考に耽っているのを乱してくるのは、いつも竜司だ。

 

明智吾郎

「なんだい?」

 

放置するとうるさくて敵わない。

返事を返してやる。

 

坂本竜司

「1個、考えてたんだよ。」

「このままじゃ、奥村は奴の仲間になるんだろ?」

 

明智吾郎

「…そうだね。」

 

坂本竜司

「祐介は、斑目を殺した。なら…ここの社長も危ないんじゃね?」

 

喜多川祐介

「一理ある。パレスの中にあった変化…侵入者が居るのは間違いない。」

「人を機械扱いする親…相応の因縁があってもおかしくはないだろう。望まぬ婚約もあるのだからな。」

 

明智吾郎

「パレスで、シャドウがベラベラ話してる。決行の日は近いだろうね。明日だっておかしくない。」

「…そうか。」

 

閃き。

手元の駒と、鴨志田をぶつけるためのきっかけ作り。

そして獅童正義を殺す毒薬を生む下準備。

 

会話が、己の制御し難い方向へ動く前に口に出す。

 

明智吾郎

「考えがある。聞いてくれるかな。」

 

坂本竜司

「お!」

 

喜多川祐介

「聞かせてくれ、リーダー。」

 

 

明智吾郎

「…奴が、奥村邦和を廃人にするのを止めるんだ。」

 

2人に、計画を伝える。

鴨志田が、奥村邦和を廃人化させる可能性。

娘の奥村春を抱えているということは、奥村邦和の死はオクムラフーズを手中に収めるに等しいということ。

妨害せねば、奴等は強大な後ろ盾を手に入れかねないこと。

 

止めるには、シャドウを守る必要があること。

歪んだクズであろうと、敏腕な腕を持つ社長。

生きていれば、企業が鴨志田の手に落ちる時間を稼げる可能性が高いこと。

 

それぞれを順序立てて二人に理解させる。

 

 

 

明智吾郎

「…って流れ。」

 

坂本竜司

「マジだわ…あの変態教師、学校だけじゃ足りねぇってのかよ…!」

 

喜多川祐介

「守るにしても、どうやって?」

「吾郎があれだけ警戒する敵だ、正面から戦える相手なのか?」

 

明智吾郎

「正直言って、今の君たちじゃあ難しい。だから、実行は僕一人で行う。」

 

坂本竜司

「はぁ!? 危ねぇって!」

 

明智吾郎

「僕、君達が来るまでは一人で活動してたんだけど?」

 

喜多川祐介

「…竜司。心苦しいが、俺たちでは役不足だ。」

 

竜司の顔が悲しく歪む。

…つい、フォローする言葉を脳が組み上げてしまった。

仕方なく、口で出力してやる。

 

明智吾郎

「君たちに任せたい役目がある。バックアップが居るなら、完全に一人だった頃より安心して動けるんだ。どうかな。」

「奥村を廃人化させない為には…パーティメンバーとはまた別の形で二人の力が必要だ。」

「奴との決戦は…きっと今年中には起こる。悔しく思ってくれるなら、日々研鑽して欲しい。」

 

即興ででっち上げた役目を伝えてやれば…

役割を得た竜司たちが、やる気に満ちる。

彼等は快く了承してくれた。

 

 

 

…そうして、俺が奥村邦和を堂々と廃人にできる条件が揃った。鴨志田を止めるのに失敗したという体で、奥村邦和を殺してしまえば良い。

そうすれば、鴨志田の行動への敵対心を持ったままに計画を進めることができる。

そして追い込み、後がなくなった一味が獅童正義へと挑み…後ろから、()で両方とも収穫すれば良い。

 

散々食い荒らされ、頼る味方が俺しか無くなった後…その味方の本当の素性を知った時。獅童正義はどういう顔をするだろうか。

 

明智吾郎

「これからが楽しみだよ。」

 

まずは第一歩。明日を期待して待つばかりである。

 

 

 

 

 

坂本竜司

「…にしても。」

「俺一人だったら、限界になったら…ただ正面から鴨志田に突っ込んじまってたと思う。」

「いつもありがとうな、吾郎。」

 

喜多川祐介

「竜司の癖に…良いことを言うな?パレスの偽物か?」

 

坂本竜司

「おい!」

 

喜多川祐介

「フフッ、冗談だ。」

 

坂本竜司

「刀抜きながら冗談言うなって…」

 

喜多川祐介

「まぁ、なんだ。」

「俺達にできることなら何でも頼れ。」

「2年生が2人集まれば4だ。お前より大きくなる。」

 

明智吾郎

「知らない理論なんだけど…」

 

 

 

 

2人からの、信頼を感じる。

…なぜか、胸が痛む。

 

これは嘘だ。そんな感情、抱きたくもない。

友達ごっこなど、捨てたもの。邪魔でしかないもの。

…決して、望んでも得られなかったからではない。

 

振り払うように…俺は明日、また…自分の意志で、悪事に手を汚す。

そうだ、それが俺の、本性の仮面なんだから。

 

 

 

 

 

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

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