鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
〜〜
昼
〜〜
パレスから脱出し、会議室へと戻って来た。手にはプレミア価格のプラモデル。
うまいこと屋内に帰還することで…絶対に部外者からは見られていないと確信できる帰り。
モルガナの声を聞けているしなんならさっき狙撃されたので隠す必要は無いかもしれないが、実物の写真は証拠として強く扱われる。避けておくに越したことはないだろう。
春が自分の認知存在とタイマンしていた事など、お互いの情報を共有する。
佐倉双葉
「ノワールの反応…なんか、クイーンや私と同じになってた。それまではパピヨンやクラウンみたいな、ちょっと違った感じだったのに。」
奥村春が、認知存在の仮面を剥がした頃。双葉は明智を探すためにパレス内をサーチしていた。
その際に気づいた変化を共有してくれる。
モルガナ
「…よく頑張ったな、ハル。」
鴨志田卓
「はぁ、俺にもっと力があれば…」
新島真
「殻を破るには、危険も必要よ。取れる限りの安全マージンは確保してたんだから、気に病む必要は…」
鴨志田卓
「そんな胸が熱くなる最高の光景を特等席で見られたかもしれないのに…」
新島真
「…。」
三島由輝
「スポーツコーチのメンタル過ぎる」
佐倉双葉
「親が子供の成長に立ち会えるかって『効く』らしーな。そうじろうが何度も言ってた。嬉しかったって。」
奥村春
「…そうだね。今回くらいはお父様にも見せたかったけど…本人の心の中に入ってたら見ようが無いかな。」
鴨志田卓
「大丈夫だ、学校だったり…クラブ活動だったり。親の見えない所でばかり子供は成長する。」
「その成果を見せる為に、大舞台があるんだ。部活の試合やコンクールなり、勉強のテストなりな。」
「春のお父さんはこれで改心した筈だ。会いに行って、成長を見せつけてやろう。」
奥村春
「…うん!」
メッセージにて、高蔵副社長に連絡。
奥村邦和は急にノートパソコンを閉じて蹲っているとのこと。
救急車とか呼ばなくていいのか心配されているのをフォローしつつ、急いで社長室へ。
会議室から出てきたのを、会議室近くの部署で働く主任に目撃されるも、全員入館証はつけているし堂々としていれば
社畜・TYPE主任
「ああ、学生が来るって言ってたっけ…」
「はぁ…いいご身分だよな、学生ってさ…」
疲れ切った表情でブツブツ言いながら通り過ぎていく。
(いやー、内部の人間の根回しっていいよな。俺が会社員の時なんて顔覚えられてなくて社員証無くしたら不審者として通報されたもんな。されかけたじゃなくて通報まで踏み切られたもんな。声も掛けずに。)
三島由輝
「そっか、もう昼休みだ。」
新島真
「すごい隈…私達が不審者でも無視しそうな疲れ方。」
モルガナ
「…これから変えて貰おうな。」
奥村春
「うん、メモも用意してきたから。…ふー。」
春は、非常に緊張した素振りをしている。
生まれからして偉い人との関わりは慣れがあるだろうが、父親と腹を割って話して要求を通すというのは今日まで経験が薄かったのかもしれない。
鴨志田卓
「いけそうか?少し重いが、モルガナ入り鞄持っとくか?」
奥村春
「お言葉に甘えます…」
「ミラディが戻って来てから、緊張感なんかも戻って来て、自信が薄れちゃって…」
鴨志田卓
「戻って来る…?すまん、それはわからないんだが。」
「緊張で薄れた自信は、量が減ったわけじゃない。見えなくなっただけなんだ。これだけあれば自信を持てるなって思った知識や準備は消えてないだろ?つまりは、何も不安になる必要は無い。」
「本番になると、緊張が敵を大きく見せる事がある。そんな時は、自分が積み重ねた準備を…準備が無かったら自分の能力を…能力が無かったら自分の声のデカさを信じればいい。」
奥村春
「…ありがとう。」
「大きい声で話します!」
佐倉双葉
「そこ切り取っちゃうか〜…」
…。
春の誘導に従って、社長室に。
中では高蔵副社長と奥村邦和が。
机に突っ伏している奥村邦和と、それを、介抱もせず眺めている高蔵副社長。
高蔵副社長
「心配無いと言うが、念の為心臓発作の類いでないことだけは確認させてもらったよ。」
鴨志田卓
「問題無いです、後はじっくり…家族の話で、アフターケアを。」
高蔵副社長
「わかった。茶を持った秘書でも来たら、私は殺人犯と疑われるんじゃないかとヒヤヒヤしていたんだ。間に合ってよかった。」
緊張を解すためか軽く冗談を言った後、高蔵副社長は春に目を合わせて
高蔵副社長
「悪いが、私も聞かせて貰うよ。」
「邦和が事業の話を始めたら私に振れ。家族の話に集中できるようにな。」
奥村春
「…ありがとうございます。」
息を1つ吐いて、双葉へとモルガナ入り鞄を渡し…春が近くに寄れば。
聞こえていたのか、奥村邦和は顔を持ち上げる。
奥村邦和
「…。」
「奴らが手配したような…廃人化事件でも、精神暴走事件でも、ない…何か、曇りが晴れて、現実を直視しているような…」
「これが、心を入れ替えると言うことなのか、春…?」
奥村春
「…ええ、そうです。」
「この方々の協力を受けて、今日…お父様の心の歪みを矯正しました。」
廃人化を依頼していた経験のある奥村邦和は、当然関心があったのだろう…専門用語などこそ知らないが、素人より知識を持っていた。
自分の心に、何かをされた事を感じ取った上で…罪悪感に縛られて身動きが取れなくなっていた。
このまま放置していれば…動けるようになり次第、罪悪感のままに自首や謝罪へと走るのだろう。
奥村邦和
「獅童の一派では…無いのか?」
奥村春
「はい。むしろ敵対していて、廃人化の代わりに、お父様に行ったようなことをしているんです。」
奥村邦和
「そう、か…」
「…春。」
「私の事を、恨んでいるか?」
奥村春
「…恨んでいないと言えば、嘘になります。」
「けどね、お父様。」
「それ以上に…私は、貴方を尊敬してたんです。父親としてかは…わからないけど、凄い人なんだって。」
「施術する過程で、お父様の心を見ました。歪んだ、この世界への認知を。」
「その上で…私はまだ、お父様って…呼びたい。」
「この意味を、察せない人とは思ってません。」
奥村邦和
「…。」
顔だけ持ち上げた状態から、椅子に体を戻し、背中を預けて天井を見上げる。
奥村邦和
「そう、だったか…」
突っ伏した結果、まぶたが触れて皮脂で汚れた眼鏡。
外して、眼鏡を拭くためのきめ細かい布で拭う。
奥村邦和
「あの婚約は、不満だったか?」
奥村春
「生理的に無理です。」
奥村邦和
「そうか、そこまでか…」
曇りの取れた、しかし血の気の引いた青い表情。
冷や汗で、濡れた髪。
しかし、冷静さを取り戻しつつある瞳で、自分の娘を見る。
奥村邦和
「排除されなかったのには、理由があるのだろう?」
「私は、何をすればいい?」
奥村邦和は自分の置かれた状況を、把握しつつあった。
奥村春
「オクムラフーズの立て直しを。」
「そして、改心の見返りとして…彼等との取引を受けてもらいます。」
奥村邦和
「内容は?」
奥村春の目線がこちらに振られるのを見て、説明を担当する。
鴨志田卓
「貴方の、廃人化の依頼先である…獅童正義の打倒です。」
「対処じゃない、2度と悪事を出来ないようにする完璧な打倒には…世論の操作や影響力も含めて、貴方と、万全なオクムラフーズの協力が不可欠です。」
奥村邦和
「…不公平だな。その話は…私に不利益がまるで無いように聞こえる。」
鴨志田卓
「取引というのはそういう物では?」
「貴方は罪を犯しました。だが…この世界は罪人が全員罰を受ける世界では無い。心当たりもあるのでは。」
「己の罪を正しく認知した貴方だからこそ、できる償いの方法があります。今、貴方が『消える』ことがあれば…混乱で、社員はより不利益を得る。」
「社員達の不利益を避ける選択肢が、偶然貴方にも不利益が薄い。それだけですよ。」
奥村邦和
「…。」
奥村春
「私も、できる限りの協力をします。何かトラブルがあれば…一緒に、頭を下げます。だから…オクムラフーズを、奥村の名前を、胸を張って名乗れる企業にして下さい。」
「我儘を言っても良いのなら…これから、は。」
「本当に…私の、『父親』になってくれたら。嬉しいです。」
本当の、一番の要求は…一番、辿々しく告げられる。
奥村邦和
「…。」
奥村邦和は、折角綺麗にした眼鏡を外して
もう片方の手で…顔を塞ぐ。
奥村邦和
「私は…私は、娘になんて仕打ちを…」
ポタポタと、ダークブラウンの高級そうな机に水滴が落ちる。
暫く、大の大人が啜り泣く時間が過ぎる。
釣られてか…春の目も潤んでいた。
奥村邦和
「喜んで、協力させて欲しい。私の肩には、ただ自首をするだけで濯ぐ事は出来ない量の罪が乗っている。」
「以後の廃人化ビジネスを終わらせられるなら…出来ることは惜しまない。」
「その為にも…全力で、社員に向き合おう。必ず、必ず…軌道に乗せて見せる。」
「そして、春…来て、くれないか。」
席を立つ、奥村邦和。身長が想像より一回り小さいのはシャドウが着けていたヘルメットのせいだろうか。
春はそれに応じて、
ゆっくりと、2人の距離は縮まり…
奥村邦和は、自分の娘を力一杯抱きしめた。
奥村邦和
「遅くなって…すまなかった。ずっと…こうして、やれなかった…」
奥村春
「…お父様。」
奥村邦和
「不安な思いも、辛い思いもさせただろう。これからは…大人になるまでは、もう短いかもしれないが…私に、守らせてくれ。」
奥村春
「お父様…っ!」
糸が、切れたように。
大きな声を上げて、泣き出す奥村春。
父親の、胸の中で。
奥村邦和
「本当に、遅くなってすまない。もうとっくに、こういった事も嫌がる年頃だろうに…」
奥村春
「嫌じゃ、ありません…。」
奥村邦和
「自分では分からないが…どれだけクリーニングをかけても、加齢臭が鼻に付くと陰口を叩かれている。若ければ、そんな物は出さなかったのに…」
奥村春
「臭く、ありません…。」
奥村邦和
「春が、構わないなら…遊園地に行こう。大きな所でも良い。混雑が嫌なら…少しの時間、貸し切ったって良い。」
「…あまり、動かなくなってきた体では待たせることも多いだろう。それでも良いなら…私に、家族サービスをさせてくれないか?」
奥村春
「…はい、お父様。」
暗い顔ではなく。
父親の腕の中で、顔に、喜びの感情を乗せて。
涙声で、奥村春はそう呟いた。
雰囲気に当てられて、涙目の三島。
声や喉の動きを気合と筋肉で止めてるだけで内心ボロッッッボロ泣いてる鴨志田卓の中の憑依転生者。
他三人や、高蔵副社長も含めて…しんみりしたムードで。親子愛が再誕する様を眺めた。
ふと、視線に気付き…父親から離れる奥村春。
涙を拭って、こちらに向き直った。
奥村春
「皆、本当にありがとう。お陰で…希望が見えた。」
「スケジュールで迷惑かけちゃうかもだけど…良かったら、これからの活動も参加させて?」
鴨志田卓
「勿論だ。頼りにさせてくれ。」
新島真
「目的達成の為には…どれだけ戦力があってもいいもの。歓迎するわ。」
モルガナ
「無理はするなよ?いつでもワガハイを頼って良いからな?」
奥村春
「うん…ありがとうね、モナちゃん。」
モルガナを持ち上げ、そのまま目を閉じ抱きしめる春
事前のお目付依頼による献身的なサポートのおかげか、最も好感度を高く獲得していた…
佐倉双葉
「仕方あるまい、今日の所は譲歩してやる。」
新島真
「…。」
モルガナ
「は、はわわ…ワガハイそういうつもりじゃ…」
奥村邦和からして見れば猫を抱きしめているだけなので、父親によくある娘の恋愛相手へ警戒心を抱くようなセンサーは反応しない。ただの健全な光景だ。
今後メメントスででもモルガナと顔合わせをする予定はあるが、惣治郎と同様にモルガナは喋れる賢い猫ちゃんだと認知してもらった方が良いだろう…
佐倉双葉
「これで女子が過半数だ。多数決に勝ち放題だぞ?」
三島由輝
「モルガナも男枠に入れてやれよ…」
※鴨志田卓/三島由輝/新島真/佐倉双葉/奥村春の想定
佐倉双葉
「いんや、成人男性に投票権はない。」
※三島由輝/モルガナ/新島真/佐倉双葉/奥村春の想定
三島由輝
「逆選挙だ…」
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
-
原作と同じ本名表記
-
わかりやすいコードネーム表記