鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
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夕方
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※鴨志田卓視点
オクムラフーズ本社から少し離れた、ビックバンバーガー。
ド緊張している顔の店員から、人数分のハンバーガーを受け取って席に座る。
それもそのはず。既に座っているのは…オクムラフーズ社長、奥村邦和。
包み紙を開けて、王道のビックバンバーガーを頬張る。
奥村邦和
「…はは、美味いな。」
バンズをめくって中を見たり、そのバンズ裏面の焼かれ具合を眺める。
奥村邦和
「ビックバンバーガーは、こうも…想いが詰まった物だったか。」
「どの項目も守って、手を抜かず努力してくれている…」
いい表情で食べる奥村邦和を見て、店員たちが胸をなで下ろしていた。
鴨志田卓
「格安のビックバンチャレンジも特徴的ですよね。SNSでの集客でも狙っていらしたり?」
奥村邦和
「ああ。新たな定番として大衆を定着させるには知名度が必要だ。多額の費用と時間を使ってテレビにCMを出すより…これから、一人一人のスマートフォンの方が効果的になる時代が来る。あんな機械があればテレビから離れるのも必然だ。」
「既得権益との結び付きがない事は、フットワークの軽さというメリットになる。縮小していく広告市場に今から積極的に乗りに行く必要はない。」
セットに付いてきた一番人気のドリンクで、後味をさっぱりと流し、もう一口頬張る。
満足して小さく頷くように、頭が数回揺れていた。
奥村邦和
「それに、看板メニューで単品480円の値段は他チェーンより強気だからな。貧乏な中学生以下を切り捨てて、携帯を持てるような年齢層以降を狙う広告を打つ方が効く。」
鴨志田卓
「さっすが、未来を見てますね。もうテレビのシェアは奪われてく一方でしょうから。」
奥村邦和
「それを理解できるだけ、他所の大企業よりよほど先見の明がある。」
「鴨志田君がその意見なのは意外だったな。テレビの出演経験もあっただろうに。」
鴨志田卓
「職業柄、学生たちをいつも見ていますから。最近の育児は、子どもを静かにさせるためにスマホを見せておくとも聞きます…核家族でワンオペ育児も増えてますから、時間がないんでしょうね。」
「これから、テレビよりもスマホに慣れ親しんだ子供達がどんどん増えますよ。」
奥村邦和
「そうか、教師の経験からか…」
「やはり交流は大切だな。凝り固まった思想のパーティを優先するべきでは無かった…」
俺は十年後までの世界をカンニングしているため答えを知っているのだが、奥村邦和は既に今後のSNS社会を予見していた。
廃人化があったからこそ大企業達の既得権益に穴を空けられたのだろうが、そこから体をねじ込んで押し広げ、根を張ったのは…奥村邦和の功績の筈。
経営者としての能力は、歪んでいる最中から抜群の冴えを見せていたのだろう…
奥村邦和
「…うん、ポテトの塩も均一だ。焦った様子だったが…特に手を加えた素振りは無かった。あのリーダーは評価すべきだな…」
サターンポテトもよく味わって食べる奥村邦和は、こちらに視線を向ける。
奥村邦和
「それで、その…君の頼んだメニューは…」
鴨志田卓
「ああ、流石にコスモタワーは苦しいので。」
鴨志田卓は、ビックバン・チャレンジでお馴染みのコメットバーガーを注文している…!!
先程の会話中に、もう既に見て分かるほど減って来ていた…
原作ではビックバンチャレンジとして1回しか挑戦できないのだが、ちょっぴりお高めの通常料金を払えば人とシェアしたりするための各種クソデカハンバーガーを購入できるようになっていた。嬉しい。
(通常料金で買おうとしたらカバンのなかのモルガナが止めたりしてたんだろうな…)
ガチのアスリートであれば良くない食生活ではあるのだが、プロレスラーのようなものと考えれば悪くはない。大きい体を作るには大きいカロリーが必要だ。
金髪の大学生
「うわすっげ消えてく…」
ピアスの大学生
「あれ、鴨志田じゃね?雑誌の…」
周りからの視線もひとしおだった。
金髪の大学生
「なんか食ってる最中なのに腹減って来た…」
ピアスの大学生
「もう一個行こうぜ。俺買ってくるわ。」
金髪の大学生
「チャレンジは…」
ピアスの大学生
「ざけんなモヤシ、無理に決まってんだろ。」
SNSへの投稿をしなくても周囲の大衆に影響を与えるような大盛りハンバーガー。
一般人には怖気づく量と、チャレンジをする場合しっかりと測られ緊張感が生まれるなど精神的敷居の高さによって、釣られて売れるのは利益率の高い通常メニュー。
広告効果を確かに実感しながら、巨大ハンバーガーを楽しんだ…
奥村邦和の希望で寄ったビックバン・バーガーを退店して、車に。
本社入り口は目立つ為に、駐車場から入る裏口から応接室へ。
鴨志田卓
「さて、さっそくお時間いただいて申し訳ないです。」
奥村邦和
「良いんだ、家族としての時間を使えて…昨日は助かった。」
鴨志田卓
「なら、良かったです。」
昨日は、奥村親子を残しひとまず解散していた。
今後の怪盗団活動や、奥村邦和に頼みたい作戦などは後ほど話すことにしていたのだが
昨日はゆっくりと2人で食事を取り、2人でオタカラとして顕現したUFOのプラモデルを作ったり、静かに過ごしたのだという。
プラモデルなど興味は無いだろうと聞いても、お父様の興味があるものには興味がありますと言われてしまったと。困り顔ながら、とても嬉しそうに話してくれた。
今度捻出した時間には、春が庭に作ったコーヒーを見せて貰うのだという。
奥村春が怪盗団のグループメッセージにて、婚約破棄を約束してくれた事に喜んでいた。
混乱を生じるので先にオクムラフーズの改善に取り組むことの謝罪を受けたり、奥村春の携帯へフィアンセから来た着信に自ら応答して、『親子水入らずの時間だ』と断ってくれたと語ってくれた。
本当に嬉しかったのだろう。夜遅くまでスマホを弄ることに慣れている双葉と三島が聞き手となって、深夜2時まで会話は続いていた…
怪盗団のブリーフィングは期末試験が終わった後にするとして、今日は奥村邦和と作戦について相談する日。
モルガナは奥村春にテイクアウトされており、この場には大人のみ。
(勉強のお供にするのだと言っていたけど…双葉、モルガナの首輪のマイクの話は春にしていたっけ…)
二人っきりで猫なで声でモルガナを構う奥村春のボイスを、双葉がハッキングで奥村春のスマホの着信音にするのはまた別の話。
鴨志田卓
「そういえば、サインを貰っても?」
奥村邦和
「?」
鴨志田卓
「同僚の教師が、嫁に奥村さんのサイン入り本を売られたらしくて。」
「かなり落ち込んでるので、折角なので励ましてやろうかと。大丈夫です?」
奥村邦和
「構わない。確かこの本は表紙に書いたな…なら、中に書いてやるか。」
鴨志田卓
「良いですね、特別感が効きそうだ」
取り出した本は、『奥村流リーダーの品格』。
奥村邦和へ取材した内容をビジネス書にしたもので、
原作にて歴史の乾が、奥村邦和サイン入りの初版をリサイクルショップに売られたことを9/14に嘆いていることでお馴染みの本である。
鴨志田卓
「少し読みましたけど、良いこと仰られてますね。」
奥村邦和
「所謂、『売る』為の言葉で気恥ずかしいんだが… あんな物にも頼ってしまっていたのだし、見る価値はないだろう?」
鴨志田卓
「いや、ちゃんと良いこと書いてますよ。人情経営って中小企業だからこそできるとこありますからね。これくらい思い切らないと…こんな大きくは育てられませんよ。」
「動物の畜産だって、正直可哀想に見える実態の飼育方法やってるところもありますからね。効率を求めると、効率が悪くなる事は切り捨てられがちだ。」
奥村邦和
「…。」
鴨志田卓
「まぁ、会社を大きくする効率としての話です。もう大きくなりましたし…会社で抱えた社員たちを効率良く幸せにしていく方向に、効率追求していけたらいいですよね」
奥村邦和
「…そう、だな。」
「私は、損得勘定で動く質だ。周りの非効率な者とは違うと、そう考えていた。」
「だが、それは誤りなのだろうな。皆、損得勘定で動いている。それぞれ、損になるもの得になるものが…『価値観』が、違うだけなのだろうな。」
「鴨志田くんには…私と同じ様に、目的以外のものをかなぐり捨てて効率を求められる思想を持っているように感じる。だが、君の素敵な『価値観』が…それを損だと捉えているのだろう?」
鴨志田卓
「ははは、仮にも金メダリストですから…周りからの期待や感謝が気持ちよくって。最大限、それを獲れる道を探してますからね。」
鴨志田卓のアスリートとしての全力で能力を突き詰めた過去と、
憑依転生者がペルソナと出会う前の頃、カードゲームや対人ゲームにてひたすら環境Tier1だけを振り回し続けていた記憶。
最強以外に『それ〇〇でよくね?』と恥ずかしげもなく言い放っていたのは黒歴史だ…
相変わらず、自分が引用してくる記憶がゲームしかないことに寂しさを感じる。
鴨志田卓
「そこまで自分自身でたどり着けたのなら…もう一安心ですね。更生完了です。」
奥村邦和
「ありがとう。余生は…社員と、愛する娘の幸せを最大限稼がせて貰う。」
「その為に、鴨志田君の活動も支援させてくれ。」
鴨志田卓
「はは、頼りにしてますよ。」
奥村邦和からの、強い感謝の念を感じる…
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ラヴェンツァ
『我は汝…汝は我…』
『汝ここに、勝利を1つ積み重ねたり。』
『勝利は優勝へ昇る旅路となりて』
『道化師が、真に愚者へ堕ちる道標とならん』
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人形召喚 15SP
絆を深めた人間の認知存在を、
人形として杯の中に浮かべることができるようになる。
人形次第で様々な強化を受ける。
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召喚可能な人形
・雨宮蓮
→Technical発生時、対象がDOWNする
・三島由輝
→獲得経験値が増加する(異世界から帰還するまで有効)
・武見妙
→自陣営に即死効果発生時、自動発動。それを無効にする。
・新島真
→炎上・凍結・感電の付着率が50%上昇する
・校長
→攻撃力上昇、激怒の状態異常が付着
・金城潤矢
→周囲に居る味方は防御力が上がり、狙われ難くなる
・一色若葉
→セーフルームか入口から、別のセーフルームか入口に移動する
・奥村邦和 NEW!!
相応の賃金を支払い、社畜ロボを召喚する。
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(雇用契約!?肉壁やら手数やら人手が増えるのは大歓迎だし社畜ロボ達の造形もめっちゃ好きなんだが…名前が名前だけに酷使し辛い…っ!!ちゃんと正当な報酬払うからな、いざという時だけにするから許して!)
…。
その後は、考えている作戦を奥村邦和に共有して過ごした。
鴨志田卓
「以上です。怪盗団の皆にも、ざっくりとですが共有してます。」
奥村邦和
「…あまりにも大胆な作戦だ。しかし、これなら効果は絶大だろう。まさしく、一世一代の賭けになる。」
鴨志田卓
「タイミングは慎重に選びます。俺達のレベルもまだまだ未熟だ。だからこれは、インターハイを終えた後…8月頃に始める計画になります。」
「まずは、オクムラフーズの立て直しを。実を言うと一億ほど資金はありますので、経営には僅かですけど…あげましょうか?」
奥村邦和
「不要だ。あとせめて融資と言え。一億だぞ。」
「…政界進出にかまける程には金は溜めていたんだ、どうにか、それを社員達へ適切に還元するだけでいい。」
「作戦は、徐々に根回しを進めておく。良い知らせを待っていて欲しい」
鴨志田卓
「立て直しが既に最高難易度なんです、急かしませんよ。」
「…成功を祈っています。」
奥村邦和
「ああ。」
「(一億…当時のCM収入か?)」
改心した奥村邦和は、外面上に大きく変化を感じることは無い。
しかし、その言動からは…確かな意思を感じる。
歪んだ彼が諦めてしまった、ヒビの入ったオクムラフーズ。
経営の知識がない為に助けられる事が無いのが歯痒いが…本当に、祈るばかりである。
鴨志田卓
「ああ、あとメンバーから伝言が。」
奥村邦和
「なんだ?」
鴨志田卓
「ムーンバーガーを通年で販売して欲しいんだと。」
奥村邦和
「…。」
「期間限定にすると顧客に特別感を与えることができる。卵は普段のビックバン・バーガーのメニューには使用しない物で、通年で用意すると廃棄が嵩む。」
「この2点を伝えてやってくれ。」
鴨志田卓
「ん、『そこをなんとか』って言ってます」
奥村邦和
「返信が早くないか?」
「…ビーナスサラダのチーズドレッシングをかけて、卵は自分で焼いてビックバンバーガーに挟めば似たような物ができる。詳しくは公式サイトを検索してくれ。」
鴨志田卓
「お、泣いて喜ぶスタンプが。」
奥村邦和
「…君の入力速度が速いな?」
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記