鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第179話 7/12(火) 月×悪魔

 

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※三島由輝視点

 

筋トレをしながら、英語の単語帳とにらめっこする。

筋肉を養いつつ知識も深められて効率が良いように感じるお得感たっぷりの勉強をしていれば、メッセージが届いた。スマホを立ち上げ、確認してみる。

 

*1

 

送り主は、大宅一子さん。また会って話がしたい、と。

バレーボール記事が人気出て、取材の続きを書きたいからと書かれているが…明らかに、以前話した取引の関連。

 

大宅一子さんが探している元同僚、村上佳代の調査に進捗でもあったのだろう。

 

返事をして、サッと着替えて新宿へ。

バレーボールを始めてから一年と3か月ほど…鍛えられてきた体力はこういう時に便利だ。

 

 

 

 

御船千早

「さぁて先生、お覚悟〜…よいしょ。」

 

 

路上で何か、対面に座る相手もいないのにタロットカードを弄くっている占い師を尻目に…集合場所のにゅうかま〜へと向かう。

陰の者特有の気配消しを活用してキャッチを素通りしながら、入り口まで到着。ほ、と息を整えてから入店。

 

怪しい雰囲気のスナックも、2度目の来店なら中々どうして入りやすくなる。

 

 

エスカルゴ・ララ

「いらっしゃ〜い。」

「ユウキくんね。奥にど〜ぞ。」

 

三島由輝

「ありがとう。」

 

くたびれた常連客

「ん、学生?」

 

エスカルゴ・ララ

「一子の連れなの。」

 

くたびれた常連客

「あ〜、たまにある取材のやつね。」

「それより聞いてくれよ、オクムラフーズに営業に行ったらさァ…」

 

エスカルゴ・ララ

「はいはい。」

 

 

 

カマでママのララさんに促されるまま奥に行けば、席について若干の酒気を帯びて見える大宅さんが待っていた。

気を許してくれた証かと思い、少し嬉しくなる。

 

大宅一子

「お〜っす、ユウキくん。こっち座んな?」

 

誘われるがままシート席の近くに座ると、アルコールを片手に、もう片方の腕を肩に回してくる。

 

三島由輝

「うおわぁっ!?」

 

…さっきまでカッコつけたモノローグを脳内で考えながら動いてたのが台無しになる声が出てしまった。

 

現実では改心前の金城潤矢がやっているのを見たくらいしかお目にかかったことが無いが…美人にされるとこうも嬉しさが湧くものなのかと驚く。

 

 

 

大宅一子

「ユウキくん、アタシの親戚って事にするから。いとこね、わかった?」

 

三島由輝

「…?」

 

大宅一子

「こういう場所に憧れがあって、いとこも居るしついつい顔出しちゃうの。常連も居るし、そういう設定作る。」

 

三島由輝

「おお、スパイっぽい…」

 

大宅一子

「呼び方は任すけど、名字はナシ。」

「あの常連、いつも2杯飲んで帰るの。適当に時間潰そう?」

 

三島由輝

「…オーケー。」

 

後ろ手を回したのは、耳打ちの為に接近した理由を気取らせないように。

 

真剣な声色でアルコールが浅いながらも…近くに迫ったキレイ系美人からはお酒の香りが漂っていた。

 

 

大宅一子

「…そんで、最近どーよ?インターハイは出れそう?」

 

スイッチの切り替わり。

暗めの照明であるはずなのに、眩しさを感じる笑顔でそう話しだす姿は、かなり酔って見える。

 

三島由輝

「…そっちこそ、こんな頻度で飲んで嫌なことでもあったんじゃ?」

 

…突然、前準備もなしに異性を名前呼びなど至難の業。

 

大宅一子

「ははは、記者に質問など100年早いわ!」

 

三島由輝

「うわぁっ!」

 

腰に回されていた手が尻に行く

大宅さんは俺のウブな反応に笑った後、手を離してくれた隙に距離を取る。

…終わると少し名残惜しいものだ。

 

 

大宅一子

「練習とか、うまくいってるのかなって。」

 

三島由輝

「う〜ん、好調って感じ?インターハイ予選でハッキリ分かったんだけど…試合の緊張みたいなのが、あんまり感じなくなってて。」

「…いや違う、緊張してるけど…問題なく動ける感じがする。」

 

大宅一子

「お!いいね。場馴れってヤツ?」

「緊張やプレッシャーってスポーツ全般できっついもんね…良きかな良きかな。」

 

肩をトントンと叩かれる。

 

 

…。

三島由輝は…子供っぽかった。

雰囲気や顔つき、仕草などがである。

しかし、だからこそ…大宅一子が雨宮蓮にはしなかった、馴れ馴れしいボディタッチつきのスキンシップを抵抗なく行うようになっていた。

雨宮蓮が異常であり、三島由輝が特別悪い訳では無い。

 

三島由輝は、大人が持つ魅力を学んだのだった…

 

♪♪〜

 

 

 

 

…。

 

 

 

しばらくして、店内には関係者しか居なくなる。

三島由輝、大宅一子、エスカルゴ・ララの3人。

 

ララさんの声かけに従い、カウンターに。

途端に真剣な顔に戻って、俺を見つめる大宅さん。

 

大宅一子

「ごめんね、待たせちゃって。あの常連、この曜日には普段来ないんだけどな〜…」

 

三島由輝

「別に。全然気にしないで大丈夫。」

 

(オクムラフーズに営業行ったって話してたし、多分俺達の影響だよな。謝るのはこっちの方だ。それに…)

 

嬉しかったし、という言葉は雰囲気を守る為に気合いで飲み込む。

 

そして、話題は遂に本題へ。

 

大宅一子

「…佳代に会ってきたんだ。本当に、精神病院に居たよ。」

 

三島由輝

「!」

 

ララさんと共に、ビックリマークを頭に浮かべる。

 

(早っ!先生は結構すぐに見つけるだろうって言ってたけど…この情報だけで見つけられるのかよ!すっご…)

 

大宅一子

「1年くらい前から、院長の奥さんが世話してくれてたんだって。」

「アタシの事もわからず、げっそり痩せてぼーっとしててさ…まさに、廃人って感じ。」

 

エスカルゴ・ララ

「治る見込みはあるの?」

 

大宅一子

「祈るばかり。」

 

 

 

三島由輝

「…なんと言えばいいか、」

 

大宅一子

「そういう時は黙って聞いときゃいいの。同情を誘うための話しでもないし。」

 

大宅さんに、話術について教えてもらいながら…報告を聞いていく。

 

大宅一子

「…実は佳代って、髪留めにカメラ仕込んでんの。」

 

エスカルゴ・ララ

「!」

 

大宅一子

「中には佳代が取った写真がギッシリ。データ飛んでなくてほんとに良かった。」

「内容は密会の現場。佳代が容疑者になってる、殺された官僚と…獅童の腹心の。」

 

エスカルゴ・ララ

「獅童って…まさか、獅童正義…」

 

それ以外無いだろうと確信を持ちながらも、そう聞いてしまう問い。

 

大宅一子

「そ。」

「…ごめんね、ユウキくん。全部信じるよ。」

「獅童を止める計画…お願い、私にも一枚噛ませて。」

 

三島由輝

「…もちろん。大歓迎だ。」

 

情報を、人から人に流しただけ。

それだけで、信用は手に入って、協力関係も結べる。

 

インターネットに触れ合い、情報が持つ力は知っているつもりだった。

しかし、こうやって生で感じると…情報というものが持っている『価値』を、まだまだ俺は過小評価していたのだろうなって気付かされる。

 

毎朝新聞の記者、大宅一子さんとの協力関係が成立した。

 

 

 

エスカルゴ・ララ

「佳代ちゃんの撮った写真だけじゃ…まだ、スクープにするのは難しいの?」

 

大宅一子

「ぶっちゃけ、まだ揉み消せちゃうと思う。」

「当事者の佳代は…あんな状態じゃ証言出来ない。踏み切るには、まだ準備が足りない。」

「きっとこれまでも、こんな手口で…」

 

苦虫を噛み潰したようような表情。文字通り命懸けでスッパ抜いた、ジャーナリスト魂の結晶のようなものを、足りないと言ってしまうことへの。

 

大宅一子

「だから、君達と協力したい。どうやって、獅童を落とそうとしてるのか知りたいの。」

 

大宅さんのやる気に当てられ、すこし緊張しながら…会話を再開する。

 

三島由輝

「…一言で言うと、同じ事をやり返す。」

 

大宅一子

「前に言ってた、人の歪みを取り除くやつ?」

 

三島由輝

「そう。あいつらが悪用してる方法を正しく使って、元凶も綺麗な善人にしてやるんだ。」

 

エスカルゴ・ララ

「…実現できたなら、相当な大騒ぎでしょうね。」

「悪人の周囲には悪人が集まるものよ。権力があればなおさらね。」

 

大宅一子

「善人にもなれば…自分の罪をもみ消そうとする訳も無いってことか。」

「スクープ仕放題?」

 

三島由輝

「やりたい放題。」

 

 

…先生は、獅童正義を『救済』する対象から外している。そう話していた。

アレは、廃人化を罰するためにはどうしても法の裁きを受けさせないといけないと。他の罪人を助ける為にも…矢面に、1人は立てないといけないと。

口惜しそうに語っていたのを覚えている。

 

きっちり…獅童正義を立件するためにも。

纏まった情報を集めておく必要があった。

 

大宅一子

「いーじゃん!今すぐやろう!何が要るの?パスポート?」

 

エスカルゴ・ララ

「待ちなさい!そんな簡単にできるのなら、私達に話す前にとっくにやってるわよ。」

 

大宅一子

「…そっか。」

「そーなの?」

 

三島由輝

「一言で言えば、サクラが欲しい。獅童、政治家だから揉み消す手段たっぷりだろ?取り巻き達に出鼻挫かれて、大衆にまでニュースが届かないのを鴨志田先生は危惧してる。毎朝新聞ほどの大手が記事を出せば、皆に伝わるだろうから。」

「メンバーの家族に、検察官が居てさ。うまく行けば、その時が来たら獅童をしょっぴいてくれるかも。その時に捗るように、色々隠れて集めてて欲しい。」

 

大宅一子

「わかった、任せて。」

「復讐してやる。政治部記者の底力舐めんなよ?」

 

 

 

エスカルゴ・ララ

「それは、長期の目標よね。」

「まずは、何かすることはあるの?」

 

 

 

メモ帳に何かを走りがいている大宅さんに代わって、

会話の上手いララさんが場を回してくれる

 

 

 

三島由輝

「まずは、鴨志田先生の事を大きく書くニュースが欲しい。もう少し、知名度が上がってたほうがやりやすくって。」

 

大宅一子

「…知名度?出馬でもするの?」

 

三島由輝

「う〜ん、大宅さんだから教えるんだけど。」

「人の心を良くも悪くも変えられる方法、知名度が高いほど、干渉できる対象が広がって。」

「どうにか、歪みを取って『善人』に戻しておきたい人を、大きく出るまでに処置しておきたいんだよ。」

 

大宅一子

「誰?」

 

短く、端的な質問。相手を気持ちよくさせながら質問するヒーローインタビュー形式ではない、聞いたもの全てをインプットする…かつての政治記者の姿勢。

 

三島由輝

「ヤクザ。任侠溢れる良いヤクザにして、今抱えてる裏社会に詳しい奴と合わせて…獅童の繋がってるヤクザとぶつける。」

 

大宅一子

「へぇ…中々謀略練るね。」

 

三島由輝

「先生は凄いんだ、ただ、その分実現は難しいんだよな…やり甲斐も、得るものも多いから良いんだけどさ。」

 

大宅一子

「その後は?」

 

三島由輝

「特大の計画がある。オクムラフーズの社長と進めてるんだけど…」

 

夜も更け、そろそろ性商売目的の人間が購入売却含めて増加しだす頃まで会話は続いた。

 

 

大宅一子

「大体わかった。ありがとうね」

「ついでの雑談は…期末試験近いだろうしまた今度にしよっか。」

 

三島由輝

「うっ…」

 

先程までの、緊張も取れ真剣に会議が出来てた心の怪盗団のパピヨンから…テスト期間を嫌がる学生の顔に戻る

 

大宅一子

「今度、ご飯でも奢ってあげるから。ララちゃんも一緒にどう?」

 

エスカルゴ・ララ

「あら、良いじゃな〜い。」

「お金で思い出したけど、ツケ、貯まってるわよ。」

 

大宅一子

「…ユウキくん、ご飯はテスト明けて点数が分かってからにしよう。具体的には7月25日以降」

 

(絶対に給料日のことだ…)

 

 

会話を切り上げて、2人で外に出る。

恐らく…手持ちにツケを清算できるお金が無いから。

 

大宅一子

「それじゃ、今日はありがとう…やべっ!」

 

三島由輝

「?」

 

まだ、真夏と違ってそこそこ涼しい夜の風と共に、誰かがこちらに歩いてくる。

 

大宅一子

「ぶ、部長…奇遇じゃん…」

 

それは鴨志田先生が話していた、大宅さんと関わる上での要注意人物、本庄信平。

大宅一子の部長で、上層部からの指示にされるがままに大宅さんへ圧をかける人だと。

 

ある意味、最初のターゲットだった校長と似たような存在だなと思ったことを覚えている。

 

本庄信平

「なんでケータイ切ってた?俺に捕まったら不味いことがあるって事だろ?えぇ?」

 

大宅一子

「そ、そんな事…無いっすよ!」

 

本庄信平

「上層部から俺まで睨まれてんだ。関係ないとこまで取材してるなんて噂も立ってんだぞ?」

 

大宅一子

「は、そんな噂どこから…」

 

部長に詰められて、大宅さんが困っている…

 

(ここは、先程教わった設定をうまく使って切り抜ければ俺の株が上がるかも…!!)

(と、とりあえず名前呼び…くぅ、言い辛い…)

 

三島由輝

「…ぃ、一子さん…?」

 

気恥ずかしさの中、根性で絞り出した度胸。

緊張で上擦ったその声は、困惑する男子高校生そのもので…この場にとてもマッチした声。

 

大宅さんの頭にビックリマーク、部長の頭にハテナマーク。

そうだ、とばかりに大宅さんはこちらに距離を詰める

 

大宅一子

「…言いふらさないでよ?」

「これ、アタシのカレシ。」

 

本庄信平

「なっ!?」

 

三島由輝

「…ええぇっ!?!?」

 

本庄信平

「…おい!俺より当事者の方が驚いてんだろ!どうなってんだ!」

 

大宅一子

「アハハ、最近預かってるいとこでね。可愛がってんの!」

 

俺の右側に立っている大宅一子が、右手で、俺の右肩を引いてくる。

よろめいてそちらに動き、部長の前に躍り出たかと思えば…背中から抱きついてくる。

 

三島由輝

「ほわあぁっっ!!ちょ、え、ちょ!」

 

女の子の上半身にある、2つの夢が押し付けられる…!!!!!

 

この世の終わりくらい狼狽えている

 

大宅一子

「ひひっ、ユウキくんったらか〜わい〜!」

 

三島由輝

「ナ、ナニヲスルンデスカ…」

 

大宅一子

「言いふらされたら気まずいでしょ?可愛いいとこ、そんなに長くいる訳じゃないからさ。しっかり仲良くしときたいワケよ。」

 

大宅がそれっぽい言い訳を並べるのに舌を巻く。

話術や機転の利かせ方が得意と言う訳ではないのを見抜いているからこそ、自然な反応を引き出して活用してくれる。

あとすっっっごい役得。本当に役得。

 

それを見る部長の目は、なぜかみるみる内に濁っていった。

 

本庄信平

「…やめてやれよ、若い男とはさ。お前は独身だからいいが…浮気…とか、良からぬ事とか、見えるだろう…」

 

目が合っている、部長がそっと話しかけてくる。

 

本庄信平

「ユウキくん、だって?部外者の居る前で仕事の話をして悪かったね。悪いが、先に帰っててくれるかな。」

 

三島由輝

「ウ、ウス…」

 

大宅さんの上司の、明らかに触れちゃいけない所にクリーンヒットしたのを尻目に…うまく逃走することに成功する

 

…。

メメントスにて改心時にわかるのだが、この本庄という男は妻の浮気を原因に心が歪んでしまっている。

成人女性と若い男が仲良く遊んでいるのを見て、何かトラウマと重ねてしまったのだろう…

 

 

 

その後は無事に帰宅。

 

後のメッセージで、お陰で村上佳代の調査についての疑いが晴れたと語ってくれた。

暫くは、蒸し返されて調べられでもしない限りは大丈夫だと。

 

鴨志田の認知が広がる記事があれば、あの部長もジャーナリスト魂を思い出した善人へと戻すことができる事を伝えておいた。

 

 

大宅さんの夢の感触が背中にまだ残っており、

うまく、心の怪盗団に貢献できている気がして嬉しくなり、あと…大宅さんの夢の感触が背中にまだ残っており、テスト勉強があまり手につかなかった…

 

*1
勉強時、すぐ手に取れる場所に通知音が鳴る状態のスマホを置くのは控えましょう

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
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