鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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間違えて15日に予約投稿しておりました!こちら4/14投稿分になります







第180話 7/16(土) 試験終わりの増し増しクレープ

 

〜〜

〜〜

 

※高巻杏視点

 

 

 

高巻杏

「それじゃあ改めて…試験終了!いぇ〜い!」

 

鈴井志帆

「いえーい!ふふ。」

 

渋谷のクレープ屋前。

期末テストが終わった記念。クリーム増し増しのクレープを、志帆と2人で食べている

 

テストも終わり、さらには翌日が日曜日。さらにはしばらくすれば夏休みが来るとなれば…開放感はものすごく高い。明日は前に水族館で話していた竹下通りに行く予定がある。

今日のところは志帆が暗記科目を睡眠時間を削って挑んだのもあり、渋谷でクレープを食べて早めに解散する予定。

 

チョコソース増し増しも好みだが、こんな日はクリームに溺れるのが幸せだ。

 

 

高巻杏

「そうそう、最近モデルが集合場所に来なかったり大変なんだって。」

 

鈴井志帆

「あ、それ三島くんから聞いたよ。全力で売れたいモデルが、他の人妨害してるって噂。」

 

高巻杏

「コワっ…」

 

(三島くんと言えば、初日に『終わった…』って繰り返してたけど大丈夫だったのかな。)

(…私も人の心配出来ないけど。)

 

Pl Pl Pl

 

高巻杏

「あ、噂をすれば…」

 

それはちょうど、モデルの依頼。

欠員が出た為にヘルプで入って欲しいらしく…場所は、ちょうど視界に入っているロシナンテの前。

 

鈴井志帆

「撮影?」

 

高巻杏

「うん。ちょっとした撮影って書いてるし…そこだから、このまま行っていい?」

 

鈴井志帆

「いいよ。」

「杏のモデル姿かぁ…楽しみ!」

 

高巻杏

「ふふ、張り切っちゃお!」

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

 

 

増し増しのクレープを志帆に預けて、指定の服に着替えて準備。

 

志帆が遠くでバ◯タン星人みたいに両手に増し増しのクレープを持って見守ってくれている中、もう一人のモデルが近寄ってきた。

嬉しそうな笑顔で挨拶をして、

 

ミカ

「杏先輩!去年のショー、見てました!」

「お会いできて感激です〜!」

 

高巻杏

「え、そんな、小さなイベントなのに…」

 

去年の小さなイベントの事を知っている年上のモデルがぐんぐんと距離を詰めてくる。

そのまま、ミカだと名乗って呼び捨てを要求したり、それに対して照れればもう一歩踏み込み、こちらを杏ちゃんと呼ぶ事になったり。

 

瞬く間に、名前を呼び捨てし合う事になる。

 

(凄い、クラスメイトの強い版みたいな…)

 

その押しの強さには、覚えがあった。

最近、鴨志田卓が心を入れ替えた影響で近寄ってきてくれたクラスメイト達。

仲良くなった上で、私の美容に対する意識の低さをボロクソに言い、ケアやらメイクやらを叩き込まれたのは記憶に新しく…ハッキリ言って、以前の2割増くらいは可愛くなった自信がある。

 

そのため、ミカが投げかけた質問にも…円滑に答えられた。

 

ミカ

「よかったら色々教えて下さい。日課とか、ストレッチの種類とか。」

 

高巻杏

「うん。えっと…寝る前によくわからない機械を使って、ローラー?転がしてる。」

 

ミカ

「…よくわからない機械?」

 

高巻杏

「そうなの。友達から貰ったんだけど…変な音と一緒に、炊飯器みたいな湯気が出てくるの。モチモチになるんだ〜。」

 

ミカ

「…あ、じゃあ、その…食事とか、何食べてますか?最近キヌアに飽きちゃって…グリーンアーモンドも、農薬多いってニュース見てから不安で。」

 

*1

 

高巻杏

「あ、茶色いアーモンドなら最近食べてるよ。案外、そのまま食べても美味しーんだね。」

「キヌア…はわかんないな。キアヌならわかるんだけど…」

 

ミカ

「…。」

「体重測ってます?」

 

高巻杏

「体重?最近は毎日送れって言われてて…ちょっと恥ずかしい…」

 

 

…。

怪盗団の活動で離れる時間がなく、勉強や友達との活動に専念できるのは、雨宮蓮だけでは無い。

鈴井志帆や雨宮蓮などが日常生活を更に充実させており

円滑であるかは当社比であるものの、用語の意味が分かるくらいには成長していた。

 

 

照れっとした、妬ましい気持ちさえねじ伏せられる可愛い微笑み。

クラスメイトの女子と超魔術の器用さを持つ雨宮蓮によって仕込まれたナチュラルメイクにより、その破壊力はピンク・ダイアモンド。 

 

 

ミカ

「(…トレーナー付きか。ファッションデザイナーの娘…親がそれなりの雇ったのね。けど、まだ浅い。)」

「(絶対伸びる…評判落としは愚策。尻尾振る?いや、私が許せない…)」

 

ミカの恨みがワンランク下がる

元々、難癖をつけて相手を大きく下げ、自身の立場を向上させようとする作戦だったが…作戦を変えた。

高巻杏の磨かれた魅力が、彼女の認知を変化させる。

 

 

『天然美人』への強い嫉妬はある。しかし、それで己の出世を失う事はしない。

日々、平凡な外見を全身全霊で『美人』へ。

原型がわからなくなるほど磨いているミカの精神力は…嫉妬に狂った上でも、理性的に己を律することができた。

 

倫理的に反する事を、利益とリスクを天秤にかけ、得があり周囲からの評価を損なわないのならば躊躇わず実行するのは…ある意味、今の鴨志田卓と重なる点がある。

 

 

 

ミカ

「…あのさ。」

 

高巻杏

「?」

 

ミカ

「その態度、絶対直したほうが良いから。」

「どうせ、天然で可愛いからってロクに自分磨きしてなかったんでしょ?」

 

高巻杏

「どうしたの?急に口調が…」

 

ミカ

「答えて。」

 

高巻杏

「…うん、友達にどやされちゃって…」

 

ミカ

「今、私もどやそうとしてたんですケド。」

「私みたいに努力しないと美しくなれない人は、アンタの位置まで上がろうと死ぬほど苦労してんの。この業界居るならその態度、ぜっっったいに直して。敵だらけになるよ。」

「ちゃんと努力して。いい?」

 

高巻杏

「…ハイ。」

 

ミカ

「才能だけの適当なシロートのままなら、さっさと辞めて。私の邪魔しないで。」

「本気なら…」

 

高巻杏

「本気なら?」

 

撮影スタッフ

「お待たせ〜、いけるかい?」

 

ミカ

「私とメッセージ交換してくれませんか?杏先輩♡」

 

高巻杏

「えっ」

 

急に口調が変わり、モデルについてのアドバイスをしたと思えば…途端に口調がもとに戻る。

 

 

撮影スタッフ

「おっ、早速仲良くなってる。ミカちゃんは凄いねぇ。」

 

ミカ

「はい!杏先輩、優しく対応してくれて嬉しいです♡」

「頑張りましょうね、杏先輩!」

 

高巻杏

「あ、う、うん!」

 

ミカと共に、雑誌の撮影を受けた…

 

そのあと、撮影スタッフ達に全力を愛想を振りまいて次の仕事をゲットしてるミカ。

 

ミカ

「はい!この雑誌大好きで、〇〇さんって先月号15ページの写真の撮影者ですよね?お会いできて嬉しいです〜!」

 

「え、枠が2人!?それじゃあ杏先輩と私にしてくださいませんか?」

 

「やったぁ、嬉しい〜!」

 

高巻杏

「Oh...」

 

驚異的な暗記量で敵のガードを食い破り、恐らく私をダシにして何か仕事を取っている。

恐ろしいコミュニケーション能力を武器として振り回すミカを尻目に撮影を終えて、すごすごと退散した…

 

 

 

ミカは、それを横目で見ていた。

自分をただの同業者としてではない、濃い印象に残し…ここから深い関わりを持って、自分がトップに上がるための踏み台とする腹づもりだった。

最悪、出世レースで負けたとしても引き上げて貰える関係を作れば得だし、受験やらで活動が減ることがあれば空いた隙間を友人という立場で根こそぎ奪える。

 

背の高い女子を筆頭にした、クラスメイト達の献身による増し増しの魅力は…ミカに、蹴落とす邪魔者だったり天然美人への鬱憤を晴らす的ではなく、恩を売れば利用できる者だ、と『価値』を見出させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜

夕方

〜〜

 

高巻杏

「お待たせ…」

 

鈴井志帆

「おかえり。」

 

両手にクレープを持って待ってくれていた志帆と、ロシナンテの前で会話する。耳に残る店内BGMがほんのりと漏れていた。

 

高巻杏

「…なんだか、すごい人だったな。」

 

鈴井志帆

「あの人、強いね…」

 

思考は、あの遮られた言葉に向かう。

本気なら…、何を言おうとしたのか。

 

高巻杏

「人前で、すっごく媚びて…」

「ああいうのが、『本気』って言うの?」

 

鈴井志帆

「う〜ん、あれも本気の1つ。なんじゃない?」

 

高巻杏

「1つ?」

 

鈴井志帆

「あの人の本気は、アレなんだよ。」

「バレーボールも、レギュラーになれる人は、レギュラーになりたい人より少ないでしょ?」

「モデルもそれと同じなんじゃないかな。めいっぱい、自分なりに努力してるの。」

 

高巻杏

「あ〜…ナットク。」

 

あの時の鴨志田は、レギュラーの枠の価値を知っていた。

だからこそ、私と付き合うだとか…そういう『要求』も、通るって知ってた。

 

それくらい、なりたい人が沢山いる狭い席は貴重で。

それを巡って、人は…悪くなるのだろうか。

 

信じたくはないけど、芸能界には枕営業なんて言葉があることも私は知っている。

 

…私だけでも、優しい人でいられたら。

 

高巻杏

「…決めた。私、皆と仲良く『本気』になる。」

「周りの皆が笑顔で、友達なの。良いでしょ?」

 

鈴井志帆

「すっごく良いと思う。友達100人だね。」

 

高巻杏

「うん!」

「志帆のバレーボールみたいな感じ!みんなで仲良く、最強!って感じで!」

 

鈴井志帆

「インターハイ予選、負けちゃったから最強じゃないけどね…」

 

高巻杏

「…ああっ!ごめん!」

 

鈴井志帆

「うう、ヤケ食いしてやる!」

 

志帆は、クレープを私に返さないまま走り出した。

両手に持った増し増しのクレープを左右交互に食べながらセントラル街を走る。

 

高巻杏

「まって、私の増し増しクレープ!!」

 

まったく体幹がブレずにぐんぐん小さくなっていく志帆を、どうにか追いかけた…

 

高巻杏

「はぁ、ま、まって!追い付けない…はぁ、速すぎ!」

 

 

 

*1
グリーンアーモンド:大豆でいう枝豆的な、まだ若いうちに収穫するアーモンド。果肉つきで、サラダに入れたりして食べる。

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
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