鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
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昼
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明智吾郎
「ここは人に紹介したことがないんだ。粗相をするなよ。」
喜多川祐介
「わかっているな?竜司。」
明智吾郎
「君に言ったんだけど?芸術暴走機関車め。」
喜多川祐介
「えぇ〜!?」
「な、何を根拠に!」
明智吾郎
「教会で磔。」
喜多川祐介
「ゔっ」
坂本竜司
「なぁ、コーラってねぇの?」
男子高校生3人が、
吉祥寺にあるジャズクラブ『JAZZ JIN』に入店。
提供されたノンアルコールカクテルを飲んで、音楽を楽しんでいる。
火曜日のカクテルは『パワフル・フィズ』。力・耐・運がランダムで合計4上がる飲み物。仲間2人にぴったりだ。
ペルソナ無印では主人公は知ることもない…明智吾郎行きつけの店。
※明智吾郎視点
明智吾郎
「正直、お前らは下品だ。もっと品のある娯楽も覚えろ。」
喜多川祐介
「美術が下品とでも?」
明智吾郎
「待ち合わせ、じゃ◯りこ3箱空けてた人に品を語る資格はない。足りないんだよ。」
喜多川祐介
「あれは…吉祥寺の3カ所で配っていたから…っ!」
ふぅ、とため息を吐いて。竜司の声量を5回ほど指摘しながら会話を楽しむ。
坂本竜司
「今度、海行こうぜ。夏休みなら、流石に休みも多いだろ?」
明智吾郎
「竜司にはわからないかもしれないが、3年生には受験ってものがあるんだ。空いた時間は基本的に勉強行きだよ。」
「それに、海なんて行って何をするんだい?東京の海なんて、暑苦しくて汚いだけだ。」
坂本竜司
「はぁ〜、わかってねぇなぁ。」
「吾郎にはわからないかもかもしれないが、海にはナンパってものがあるんだ。」
明智吾郎
「…。」
先に仕掛けたのはこちらだ。舌打ちを飲み込んでやる。
喜多川祐介
「人間観察は良い趣味だぞ。それぞれの行動から見える心情や背景は、筆舌に尽くしがたい娯楽だ。」
明智吾郎
「はぁ…まぁ、行ってやるよ。」
「今日は竜司と祐介が合わせたんだ、合わせてやる。」
坂本竜司
「マジ?吾郎も結構好きなんじゃん、興味ないフリしてよ!」
明智吾郎
「はいはい。」
…。
明智吾郎
「…此処でこんなに気持ちが整わないなんて。」
いつもは、中年がサウナで整うように…心を落ち着かせて退店するジャズクラブ。
ところが、今日はまだ心は
思考は、海に行く時の持ち物や、祐介が忘れるであろう小銭を幾ら持つべきか等。
必要もない事を考えてしまっている。
坂本竜司
「中々良かったな!気持ちの整理っての?」
喜多川祐介
「ああ。作品の着想にも繋がる体験だったように思う。」
2人の評価は上々だった。
…それなら良いかと思えてしまった。
会計を済ませて、気を抜いた隙に…ジャズクラブ店長の無辺さんが、2人に話しかけてしまう。
無辺
「君達は、明智くんのお友達かい?」
坂本竜司
「? そうっすよ。」
無辺
「そうか…良かった。明智くんに同年代の友達が居たとはね。」
明智吾郎
「無辺さん?」
こめかみ辺りに血が集まるのを感じながら、余計な事を言おうとする者の名前を呼ぶ。
無辺
「また友達同士で気軽に来てよ。明智くん…いつもより、ずっと良い顔してるからさ。」
喜多川祐介
「そう言っていただけると、友人として鼻が高い。」
「アイツは素直じゃないので。」
明智吾郎
「…行くよ。」
腹が立つ。
腹が立たない、自分に対して。
◎◎◎
帰り道、メメントスに寄る。いつものブチ公前。
誰かに聞かれることの多い現実を避けるため。
異世界についての会話をする時は異世界の中が基本だった。
(獅童正義は無能で馬鹿だ。だけど、取り巻きは違う。俺に付いているように監視の目があってもおかしくない。)
最初は駒を増やしたことを気取られないためだった。
今では、守る為にそうしている。
話題は奥村邦和の廃人化について。
坂本竜司
「なぁ、良いんだよな?奥村邦和を守ったって事で。」
2人には、鴨志田が廃人化を行うのを止めると話してある。実態は俺が奥村邦和のシャドウを暗殺する計画だったのだが失敗し、彼らには作戦が成功したように見えている。
喜多川祐介
「やったな。竜司が言うには、春の勧誘は失敗だったが…成功した事があるだけでも儲けものだ。」
坂本竜司
「そうなんだよな〜。アレから、仲間らしいウチの生徒会長と仲良くしてるのよく見んだよ。それに一度話しかけたのもあって俺の事を警戒してるっつうの?」
明智吾郎
「勧誘の為にこちらの手の内を一部明かしたのは失策だったけど…あの手際だ、バレるのは時間の問題だったよ。気にする必要は無い。」
「今は、その上でどうするかだけど…」
ふむ、と考える。
計画を達成する為に、彼等の意識をどのように転がせば良いだろうか…
その隙に、祐介が話し始める。
喜多川祐介
「最終目標の確認をしよう。鴨志田卓を打倒し、吾郎の父親を仕留める事で間違い無いな?」
明智吾郎
「…そこは、廃人化事件の収束とか言えよ。」
坂本竜司
「間違い無いぜ!」
明智吾郎
「…チッ。」
…。
坂本竜司
「前に、そいつを絶望させるとか言ってたよな。ただ廃人にするだけじゃ足りないくらい嫌いっての?」
計画を、ずかずかと根掘り葉掘り聞こうとする竜司。
明智吾郎
「そうだね。ただもっと別の理由もある。」
「単純にパレス内の警備が厳しいんだ。奥村邦和のパレスなんて目じゃないくらい、ずっとね。」
「正直言って、俺一人でも不安が残る。奥の手はあるにはあるけど…切ると不味い事になるからね。」
喜多川祐介
「奥の手…長年やっていれば、1つや2つはあるか。」
「俺たちの鍛錬の進捗は、吾郎から見てどうなんだ?」
明智吾郎
「順調だよ、それもかなり。」
…。
明智吾郎は、探偵としての人脈やら警察のデータベースやらを拝借し、獅童正義に気取られない程度にメメントスの標的を改心させていた。
明智吾郎の大衆からの認知度は言わずもがなトップクラスに高い。
当然のように顔パスでメメントスの奥地へと潜ることができる。
時間を捻出して、ニイジマ・パレス相当の敵なんかも居る地域にも出撃していた。
貼る大気功などのチートアイテムは無いものの、坂本竜司と喜多川祐介は2人とも物理スキルがメイン。HPを回復するアイテムなら、SPに比べて容易に手に入る。
鴨志田達のレベリングに負けず劣らずの速度でその牙を研いでいる…。
坂本竜司
「う〜ん…けど、鴨志田もどうにかしないといけないんだろ?高巻にも断られちまったんだし、どうするよ?」
明智吾郎
「それについては考えがある。奴ら同士、食い合って貰うんだ。」
具体的な手段はまだ検討中の為、伏せて話す。
喜多川祐介
「…横の繋がりは無いのか?」
明智吾郎
「無いと断言できる。奴等のターゲットの中に、俺の敵は含まれている筈だから。」
坂本竜司
「勿体ぶらずに言えよ、吾郎のクソ親の名前って誰なんだ?」
明智吾郎
「何度も答えただろ?下手な調べ方してバレたら困るから言わないって。」
坂本竜司
「まぁまぁ、俺達の仲じゃん!」
ニコニコヘラヘラしながら、以前のように肩を組んでくる竜司。一度腹を割ってやったらこれだ。味を占められている。
明智吾郎
「うぜぇ…」
坂本竜司
「ははっ、吾郎のうぜぇはうれしいの圧縮だろ?」
喜多川祐介
「『ぜ』は何処から生まれた?」
坂本竜司
「ほらこう…うれしいぜす!って。」
明智吾郎
「…ククッ…っははは!」
喜多川祐介
「せめて『うれしいぜ』じゃないか?」
明智吾郎
「言うわけねぇだろ、そんな事…っ!」
腹から、笑い声が出る。
これまで、真意を隠すために使っていた、笑い。
自ら使うのではなく、心から湧き出る笑いというのはこうも抗い難いものだったのか。
抗えていると思っていた笑いは、きっと愉悦だとか別種の笑いなのだろう。
明智吾郎
「はぁ、はあ〜……ふぅ。わかったよ、教えてやる。調べず、他所で話題に出さず、偶然見聞きしても反応するな。いいな?」
坂本竜司
「おうよ!」
喜多川祐介
「安心しろ、秘密は守る。」
(返事は良いんだよな。)
…守る意識があるのと実際に守れるかどうかは別の話。
不安でしかない快諾をされた上で、俺のターゲットの事を話してやる事にした。
明智吾郎
「獅童正義…最近はテレビでもよく見かける議員だよ。わかるかい?」
坂本竜司
「…おうよ。」
明智吾郎
「じゃあ、どんな事をしてる奴か言ってみせてくれ。」
坂本竜司
「えっと、ほら!ベ◯マで全回復とかする奴だろ?」
明智吾郎
「…。」
喜多川祐介
「ゲームのやり過ぎだ。ニュースを見ろ、ニュースを。」
「ニュースの度に何かと結びつけてコメントを付けている印象がある。やけに多いなと」
明智吾郎
「…驚いたね。知ってたか。」
喜多川祐介
「川鍋さんの画廊関連でな。今の住処は共用スペースにテレビがつけっぱなしなんだ。食事の時なんかには嫌でも耳に入る。」
明智吾郎
「いい心掛けだ。竜司も見習うんだね。」
「…とにかく、獅童正義には気をつけろ。権力を身に着けてできる汚い事は全てやってる下種だ。」
「アイツは俺が絶対に絶望させる。項垂れた頭を2回は踏みつける。」
隠す気もなく敵意を出して、そう言った。
喜多川祐介
「相分かった。…秘密の共有だな。」
坂本竜司
「吾郎の敵は俺らの敵だ、任せとけって!」
「あ、あと漢字も教えてくれな。調べたら駄目なんだろ?」
何処か平和ボケしたままの竜司に、
人を既に殺めたからであろうか…静かに言葉を受け取る祐介。
明智吾郎
「細かい役回りは、慎重に決めていく。一先ずは自分達の訓練に集中して欲しい。あと、祐介が見つけた洸星高校のターゲット達だけど…」
2人の仲間に今後の方針を伝え、メメントスから帰還し解散した…
◎◎◎
電車を待つ間の数分、今後の事に思いを馳せる。
(さて、鴨志田をどうにか拘束するとしてどうしようか。廃人化の犯人だと気取られ無いうちに接触して潜り込む?いや、既にバレていた場合背中を刺されて終わりだ。)
(奴のスムーズな計画進行を見るにバックに何かいる。俺に、青い便箋を寄越した存在のような。…こちらだけが都合よくアドバンテージを得ているとは、思わないでいたほうが良い。)
(何故あんな善行に身を粉にしているかはわからない。誰かに改心をされたと仮定すると、その誰かの存在が一切明らかになっていない現状がとても危ういと分かる。奴を操る黒幕がいても可笑しくない。目的は、本当に人助けなのか?)
(鴨志田は竜司の敵だ。祐介のようにどうにかしてやりたいがいつまで泳がせるべきか…)
そこまで考えて、自分の思考が進んでいた方向に嫌気が差す。
思考に区切りをつける、電車のアナウンス。
溜め息をついて、椅子から立ち上がる。
そうすると、間が悪く携帯が鳴った。
表示された名前は、獅童正義。
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記