鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第200話 7/27(水) 絆深まる海水浴:EX

 

 

〜〜

午前

〜〜

 

お台場、海浜公園…

 

段々と本気を出してくる太陽光に照らされた大都会のビーチは、1年でおよそ5日ほどしか遊泳客は居ない。そもそも海水浴向けに解放されてないからだ。

今日も、海水浴に来たものは1人も居ない。

 

そこで水着姿で過ごすのは、何か例外の人達ということで…

 

 

撮影スタッフ

「お、若干日焼けしてる?色味イイね!」

 

高巻杏

「撮影決まってたので、ちょっと焼いて来ました!」

 

撮影スタッフ

「本当に!?気合い入ってるねぇ〜!」

「今年の撮影ずっと影響するだろうに…ギャラ以外に日サロ代もちゃんと弾むから安心してね!」

 

高巻杏

「ありがとうございます!」

「(嘘も方便って言うもんね。一日中遊んだら日焼け止めも効かないんだなぁ…)」

 

 

モデルとして本気を出し始めた、高巻杏と。

 

 

 

 

 

 

東郷一二三

「…。」

 

(人前で、こういう格好は…)

 

母親によって無理矢理キャスティングされた…東郷一二三。

 

 

※東郷一二三視点

 

 

鈴井志帆

「雨宮くんも来てたんだ。杏の応援?」

 

雨宮蓮

鈴井に、事情を話すことにした…

 

 

撮影を見に来た野次馬に混ざっている、私を心配して来てくれた雨宮くん。知り合いらしい人と話しながらも、こちらを見守ってくれている。

 

 

 

撮影スタッフ

「よ〜し、今イチオシの2人の撮影だ。2人をもっと有名にできるようにオジサン頑張っちゃうぞ!」

「東郷さんはまだちょっと眠たいカナ?準備があるから、ストレッチでもして待っててね!」

 

東郷一二三

「はい…」

 

カメラ機材の調整のために、スタッフたちが離れた。

 

(視線が、気になる…)

 

…。

原作でもあった、名声を得ようとして得れなかった母が美しい娘を自分の代わりに有名にしようとする動き。

 

この夏から突然精力的に活動し始めた高巻杏を察知した東郷一二三の母は、彼女に目を付けてもおかしくは無い。

将棋なんて何処か区切りのいいところで辞めてしまえば良いと考えている母からすれば、モデルとセットで水着グラビア撮影はとても都合がいいのである。

 

精神暴走事件の数が減って久しく、防ぎようのない妨害行為が無くなったお陰で各地の景気は上を向いており

更には怪盗団が表に出ていないことにより記者達が特別記事を作らず、リソースを余らせていたのも悪い方向へ作用した。

 

かくして…以前のような座って撮影するくらいのものから飛躍し、突然決められた水着グラビア。

いつもと違う暗い顔で、いつものように教会に座っていた時…隣に座ってくれたのは雨宮蓮だった。

 

…一二三は、つい。彼に泣きついてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

(なんとかする、と言ってくれていたけど…)

 

 

高巻杏

「一二三さん、だよね?フミちゃんって呼んでいい?」

 

東郷一二三

「あ、それは不味いかもしれないです…」*1

 

高巻杏

「そっか、じゃあひふみん?」

 

より危険度が増し増しになった…*2

 

東郷一二三

「ふ、普通に一二三でも?」

 

高巻杏

「わかった。じゃあ私は杏って呼んで!」

 

東郷一二三

「あ…はい。」

 

狼狽えているうちに、いつの間にか名前を呼び合うことになってしまった事に気づいて居ない東郷。

自身の、まだ下半身がスカートの様になっている黒の水着と違って…まるで下着みたいな装い。

自分より露出が多いのに明るく振る舞う、同い年の女の子を見て…緊張は少し和らいだ。

 

 

高巻杏

「…蓮から聞いてるよ。撮影イヤだって。」

 

東郷一二三

「!」

「お知り合い、なんですか?」

 

高巻杏

「同じクラスの、後ろの席でね?よく話すんだ。」

 

東郷一二三

「そう、ですか…」

 

水着を着た胸に、ちくりと痛みが走る。そこに毛羽立った布地は触れていないのに。

彼が手配してくれた協力者は、目の前にいる杏。

雨宮蓮の、クラスメイトで、わざわざメッセージでやり取りをして会いに来なくてもいつでも会える…こんなに可愛いガールフレンド。

 

 

高巻杏

「蓮っていい人だよね、メイク教えてくれたし、クラスメイトの皆と一緒にモデルの相談にも乗ってくれてね。感謝してるんだ。」

 

東郷一二三

「…。」

 

高巻杏

「そんな蓮がどうしてもって頼み込んで来たんだよ、今日の撮影の話。」

「大切な友達だから、どうか助けてやってくれないかって。美味しいカステラ持ってね。」

「仲良しなんだ?」

 

東郷一二三

「…そこまでして、ですか。」

 

高巻杏

「そ。だから安心して。」

「ミカって友達、『本気』でモデルやってる子で…人の注目を掻っ攫うの。やり方は、皆とも研究したし…」

「今日は私の『本気』で、沢山目立っちゃうからね!」

 

左右に軽く揺れながら、そんな事を話してくれた。

 

東郷一二三

「…。」

 

皆の、優しさが身に染みる。

そして同時に、恥じらいを感じた。

服装も勿論そうだが、この羞恥はまた別の物。

『本気』で、モデルをやっている人の前で…拒絶反応を表に出してしまっていた。

 

私だって、イヤイヤ将棋をやる頭が良いだけの奴が居たら相当な嫌悪を向けるだろうに…杏や雨宮くんは快く助けてくれた。恥ずかしい。

そんな人に嫉妬のような気持ちを持ったことも、恥ずかしい。

 

自分が子供だった事への、羞恥心だった。

 

 

東郷一二三

「ありがとうございます。お言葉に甘えさせて欲しいのですが…なるべく、仕事として来たからには役目は果たしますね。」

 

姿勢を正して、まっすぐ前を向いて。

優しい笑顔の杏と、その後ろでこちらを見ている雨宮くんを見た。

 

高巻杏

「少しは緊張解れた?」

 

東郷一二三

「はい、お陰様で。」

 

高巻杏

「良かった!」

 

 

その後は、2人で撮影を受けた…

事前の宣言の通り、杏は前に前にと出てくれ、私が目立たない引き立て役に回れるようにしてくれた。

 

休憩時間の間、次の仕事について話す人を全員受け止めてこちらに新たなキャスティングの話を回さないようにしてくれた。

 

母や、私の容姿を好んでファンになった男性たちは怒るかもしれない、憎まれ役になっても私を助けてくれる姿はまるで…

物語に出てくる、一定数のファンが居る悪役キャラクターのようだった。

 

 

 

撮影が終わった後は、皆でお台場のショッピング。

雨宮くんと話していた人は杏の友人だったらしく、4人で過ごす。

 

杏の影響だろうか。インスピレーションを求めるためでは無く、ただただ色んなお店をぶらつく事が…とても楽しく感じたのが印象に残っている。

 

 

 

 

深い感謝と、少しだけ…対抗心。

帰り道に。

これからは私も名前で呼びたい事を、雨宮くんに伝えた。

 

 

 

蓮との関係が深まるのを感じる…

 

 

 

 

*1
妖◯ウォッチ

*2
将棋

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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