鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
時は、エピローグ内の新島家にまで遡る。
〜〜
夕
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※新島真視点
静かな、家のリビング。
机の上にはノートパソコンが置かれ、私が座る席の向かいに…お姉ちゃんがいる。
スーツ姿の、仕事のスイッチをオンにしている姉だ。
新島冴
「貴女の事を調べたの。」
お姉ちゃんが、証拠を提示していく。
新島冴
「あの危険運転の兆候…真面目な貴女は絶対に一人で習得できないものよ。何か、影響を与えた者がいる。」
「ヤンチャなバイク乗りのグループって、警察にリストアップされてるの。伝手を頼って彼らを一通り洗って…真の痕跡は何も出なかった。」
「出なかったのよ。何も、ね。」
目の前に置かれる、一枚の書類。
不良グループらしき者に、それぞれ✕印がつけられている。
新島冴
「そして、春頃から今まで…冷凍庫にストックされて、時々増えてるドリアン、貰ってきた物なんですってね?」
「あの新鮮さ…海を越えて輸入したとは思えない。」
「日本でドリアンは生産されていないから、あったとしても空輸。だけれど…そんな履歴、何処にも存在しなかった。」
「こんなに美味しい物、話題にならない筈がないのよ。」
目の前に置かれる、悪魔の果実のトゲトゲとした果皮。
…冷凍する前にそのまま置いてた物があったはずなので、恐らくその中身を食べて証拠として提出している。
それぞれ…この世界の何処にも存在していない、けれど確かに私が得たものが机に並ぶ。
新島冴
「世の中の為になることをしていると話していたわよね?真に良い影響を与えているようだったから黙認していたけど…そうは行かない事情ができたの。」
お姉ちゃんは、私と改めてしっかりと目を合わせた。
新島冴
「廃人化事件、認知訶学との関係があるんじゃないかって…関係者の、佐倉さんを訪ねたの。」
「彼、なんて言ったと思う?」
新島真
「…。」
新島冴
「『恩人の家族に協力は惜しまない』ですって。」
「その認知訶学を使って娘を助けたのは真達だとね。」
新島真
「…そこまで…。」
新島冴
「ああ、佐倉さんの事は責めないであげて。彼からは、それ以上の事情は聞いていないから。」
「ただ…心の怪盗団は廃人化の犯人では無いと断言されてる。随分信用されてるじゃない?」
姉がノートパソコンを少し押しのける。私達の間を遮る物が無くなる。
前傾姿勢に、顔をより近づけて
新島冴
「容疑者に、検事として。妹に、姉として。聞かせてもらう。」
「この春から、真が何をしていたか…包み隠さず、全て話して。」
強い圧力に…悟った。
今ある手札では、この検事の尋問は躱せない。
お姉ちゃんも、それを理解している。だからこそ…この『逃げ道』を提示してくれていた。
私は、全力で…妹という立場で訴える事に決めた。
敬語も使わない。いつもの口調で…気持ちを伝えよう。
…。
※新島冴視点
真は、少しの沈黙…おそらく、方針を決めた後に口を開く。
新島真
「私ね、正義の味方をやってるの。」
新島冴
「正義の味方?」
新島真
「お姉ちゃん、認知訶学って何処まで調べられた?」
新島冴
「…人の認知についての学問で、現在研究は凍結されていると。合ってる?」
新島真
「合ってるよ。凍結された理由なんだけど…その研究で偶然、とても実用的な成果が出ちゃってね?」
「権力者が独占して、悪い事に使ってるんだ。」
新島冴
「…もっと具体的に。」
新島真
「うん。」
「その成果は人の心を、その人にバレない形で干渉できるの。その干渉で、できると分かっているのは大きく分けて3つ。」
「歪んだ欲望を取り除いて、悪人に正しい認知を取り戻させたりトラウマに悩む人を助ける事。そして…」
「欲望を全て取り除いて廃人にさせる事と、精神を暴走させる事。」
新島冴
「!!」
新島真
「悪用する権力者を打倒する為に動いてるのが…私達。」
新島冴
「権力者の名前は?」
新島真
「獅童正義。」
新島冴
「獅童…議員の、獅童正義!?」
新島真
「うん。お姉ちゃんの組織の特捜部長も内通者なんだ。汚職していた弱みを握られてる。」
驚愕の事実が。
ずっと追い求めていた真実たちが、目の前に次々と並べられていく。
真は…私よりも、ずっと先に居たのだ。
犯人を探し、見つけ、捕まえる。
私はまだ、探しているだけ。
それも…汚職を働く者がいる、敵の手のひらの上で。
真は敵が誰かをまっすぐ見定めて…打倒の為に、戦っている?
新島冴
「証拠、は…」
言葉が詰まる。
証拠はまさに…自分自身が、並べていた。
しかし、真はさらに。
新島真
「金城潤矢、様子がおかしくなかった?薬物で、頭がおかしくなってたよね?」
新島冴
「…はっきり言って。」
新島真
「あれは影武者。本人は…認知訶学で改心して、今の私達の味方になってる。獅童に対抗するための、ね。」
新島冴
「…じゃあ、私が見つけたと思っていた『勝利』はまやかしだったってこと…!?」
私が取り乱した心を隠しきれなくなってくるにつれて、真の冷静さが際立つ。
相当に威圧しているのに…堂々と物を言う。まるで、
新島真
「お膳立てをしたのは本当。けど、用意していたものを全部平らげて手柄に変えたのはお姉ちゃんだよ。」
「お姉ちゃんのお陰で、怪しまれない範囲の尻尾を出すだけで済んだって言ってた。」
新島冴
「…そう。」
…私のほうが、目を合わせられなくなった。
反らして、左手で目元を隠す。
少しの沈黙で、場の雰囲気を流した。
次の言葉を考える。
新島冴
「所属したのは、4月から?」
新島真
「うん。」
新島冴
「私に相談、しなかった、理由…は…」
聞かなくても、わかった。
当時の忙しさと…功を焦る気持ちを思い出す。
妹に正しく向き合う時間はあっただろうか?
…時間は、確かにあったはずなのに。2人で遊びにも、出かけたはずなのに。
せっかく出世をして、廃人化事件の発生量も減って時間ができたのに、それを私は更なる『勝利』の為に投資して…
新島真
「多分、お姉ちゃんが思ってる事と違うと思う。」
「真剣に取り合ってくれない、とかじゃなくて…」
「こっそり、お姉ちゃんを助けたかったんだ。」
新島冴
「…助ける?」
新島真
「お姉ちゃん、精神暴走事件を追いかけてから…ずっと辛そうで。当然だよ、こんな手口…正攻法じゃ絶対にたどり着けない。」
「だから、私が犯人を懲らしめて、逮捕できるようにして…事件が早く解決するように、手伝いたいな、って…」
そう、立ち上がっている私を見上げる真の目は
尋問中の者とはまるで違う…
家族の。姉を心配する妹の目。
そうだ。驚く情報と、それを包み隠さず話す真から…一先ずは、わかる事実がある。
新島冴
「…はぁ。」
「本当に、不器用ね。私も…真も…」
「父親からの遺伝かしら?」
肩の力が抜け、我が家の椅子にぐでりと座る。
仕事中に絶対に吐かないため息の吐き方をした。
(良かった。真は…騙されてるか、本当に無実。どちらにせよ…敵じゃない。)
新島冴
「尋問はおしまい。ここからは…貴方の姉として、家族会議よ。」
「最後まで、話してくれるかしら?」
新島真
「…ありがとう、お姉ちゃん!」
審判は終わり。仕事の退勤打刻も…今日はもう、どうでもいい。
妹のこれまでの大冒険を腰を据えてじっくり聞こうとし
新島真
「秀尽高校の鴨志田先生と…えっと、その生徒とかが主なメンバーなんだけど、今帰ってくる時にメンバーの1人が非常事態の救難信号を送ってて!スマホ、確認していい?」
新島冴
「え」
…とんでもないタイミングで妹を引き留めていた事を知る。
新島冴
「嘘、そんな時に私!」
新島真
「大丈夫、隠してた私が全部悪いから。一緒に見て?」
新島冴
「ええ!」
真にスマホを返すと、すぐさまメッセージを開き出す。
席を移動し、真の横に密着して、メッセージのやり取りを覗き込んだ。
…今は姉として振る舞っている。
何もおかしい所なんてない。甘くて当然だ。
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記