鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第216話 ?/?(?) タケミのエール

 

 

〜〜

〜〜

 

 

 

目覚めると 何処か知ってる天井。

恐らく…武見内科医院。

 

ベットに横たわっているようで、腕に何本も管が繋がっていて…ピコピコ言う機械の音がする。なんか医療現場にある、死んだ時にツーーーって鳴るアレだろう。

 

*1

 

あまり、あれからのことを覚えていない。確か、明智吾郎が襲撃に来て、しばらくした後にクイーンとシャドウ冴さんが俺を連れ出してくれた筈なのだが…それ以降がわからない。

 

(ああ…よかった。生き残ったか…)

 

 

事実として分かるのは…窮地を脱したこと。

ほっと安堵する。

助けてくれた皆にお礼を言わないと、アスモデウスはいつ帰ってくるのか、今は何時か、なんて色々な考えが湧きながら起き上がろうとすると…左に。

 

 

武見妙

「おはよう、鴨志田くん?」

 

気だるげな表情で、こちらをじとっと見つめている武見さんがいる。

危険な目に遭ったら怒ると言っていた、武見さんがいる。

 

 

武見妙

「私の言葉、忘れちゃった?」

 

 

 

…どうやら、全然まだまだなんにもちっとも窮地は脱していないらしい……!!!

 

 

 

 

鴨志田卓

「ええと、今回は事故というか不測の事態というか」

 

武見妙

「はい?いいえ?」

 

鴨志田卓

「いいえ…」

 

武見妙

「…。」

 

 

不満が、ひしひしと伝わってくる…!

 

 

鴨志田卓

「いや〜本当、俺としても予想だにしてなくて…まさか直接拉致ってくるとは…」

 

武見妙

「他の皆から聞いてる。怪我が治る手品が使えないんだよね。」

「血液調べてみたら…検出内容にびっくりしちゃった。私の処方、効いたみたいね?」

 

 

朦朧とする意識の中、ゴリゴリと断続的に精神が削られていたのを覚えている。

今思い返せば…あれは、武見さんがくれた即死を防ぐクスリによって齎された人形が効果を発揮していたんだろうと思う。

 

 

鴨志田卓

「ええ、本当に…助かりました。装備品と合わせて…もう何度命を救ってもらったか…うっ」

 

武見さんに、寝ている腹を数回強く突かれる。

てかてかと光るネイルが鴨志田卓のバキバキの腹筋に刺さった。

 

整体に行った試しがなく、ボディタッチを含むコミュニケーションに殆ど経験がなく、女性への耐性どころか人間への耐性がない憑依転生者。鴨志田の肉体でもカバーしきれず、ビクッ!と身体が反応する。

 

 

 

武見妙

「そ・も・そ・も。私の薬がないと死ぬ様な事をするなって話…わかるでしょ?」

 

鴨志田卓

「はい…」

 

 

武見妙

「どんな状況だったか教えてあげる。知って、私に感謝しなさい。」

 

鴨志田卓

「ありがとうございます…」

 

武見妙

「まだ。」

 

腹筋に飲み物の入った黒いマグカップを置かれてしまった…

 

 

武見妙

「…本当に大変だったんだから。」

「わからないだろうし、詳しい名前は言わないけど…すごい量、検出された成分があるの。」

「劇薬。わかる?すっごく効果の強いクスリ。」

「精神科医が最後の手段で使うようなのが、血に馬鹿げた濃さで入ってた。輸血するだけで人殺しになれたんじゃない?」

 

鴨志田卓

「え、えぇ〜…!?」

「…マジっすか?」

 

武見妙

「大マジ。」

 

鴨志田卓

「怖っ……ほんとありがとうございます…」

 

ゲーム的な、ファンタジーな攻撃ではない…シンプルな毒攻撃。

キ◯トもビックリのダイレクトお薬アタックによる死の危機に、今は安全地帯に居るという気の緩みもあって茶化すこともできず震え上がる。

 

憑依転生者に、そんな犯罪系海外ドラマみたいな経験など実際にあるわけがないのだ…

 

 

武見妙

「…ここで、生きてるから大丈夫ですなんて笑ったら、私が仕留めてたから。」

「恐ろしさがわかるなら良し。」

 

 

マグカップをどけてくれ、医者がなんか良く持ってる小さいライトを使って目を照らした後に。

おでこに手を当てられる。

 

…。

 

…あ、申し訳ない最高すぎて言語化ができない。このまま楽しませて貰っていい?

 

 

 

武見妙

「佐倉さん達が貴方を運び込んで来て、看病するって言い出したから邪魔だって追い返したよ。バイタルはそんなに危なくならなかったし、後は点滴入れながら絶対安静って感じかな…ん〜…。」

 

おでこにて、熱か何かを確認した後、大きく伸びをした。

 

 

鴨志田卓

「そんなに危なく…ってことは少し危なかったんです?」

 

武見妙

「午前2時41分と、午後1時55分。しばらく心停止して…なんとか蘇生。ほんと、私が居て良かったね?」

 

 

武見さんは…立て掛けていた、時間がメモされたバインダーを取る。

 

 

〜〜

?→昼

〜〜

 

時刻は、8月6日の昼………!!!

 

 

(2日経ってる!?!?)

(…あっ!!可愛すぎて気づかなかったけどよく見たらアイシャドウだけじゃない!!目に隈できてる!!!)

 

 

鴨志田卓

「うおわマジッ……え、わぁ…」

 

武見妙

「嬉しい?」

 

鴨志田卓

「感激です!」

 

武見妙

「感謝してる?」

 

鴨志田卓

「命の恩人です!」

「えっと…その、俺の為を考えて動いてくれていたというか、金銭の契約以上の行動をしてくれる喜びというか…」

 

駄目だ、何故か思考がなんにも纏まらない。

…こんな時に、鴨志田卓に聞けば何かわかるのに。

アスモデウスはベルベットルームに囚われている。思考からスムーズな語彙が出ないのも…そのせいだろう。

 

(だけど、武見さんとの対人関係は…絶対に失敗したくない…!!)

 

何もない対人経験。培った定型も何もなく、必死に言葉を考える。

 

 

鴨志田卓

「ああその、気が、動転してて。うまく言えないんですが…本当に嬉しいです。」

 

「自分が身構えてた部分じゃない所からの攻撃で、かなり不安感があって…メンバーの皆が凄い尽力してくれたみたいで。しかもこんな…予断を許さない状況の看病って言うんですかね、されて。」

 

「しかもそれがお金払ったからとか、お金請求するからとか、何か見返りを求めた感じじゃないっていうか。」

 

誤解されたくない。ひたすら言葉を塗り固めていく。

鴨志田卓らしい振る舞いも…何もできないが。

この心情を正しく伝えたかった。

 

鴨志田卓

「何というか…『これまでやった事のお返しに優しくしてくれた』って感じが…堪らなく嬉しくって。」

「『関係』が、構築できているって実感が湧くというか、俺はこんなにも…困ったときに、助けようとしてくれる人がいるんだって。」

 

「…ありがとうございます。本当に、です。」

 

 

武見妙

「…はいはい。」

「そんなに沢山言わなくても、わかるから。」

 

鴨志田卓

「申し訳ない…」

 

武見妙

「いいの。」

 

しっかりと、こちらに目を合わせてから。

 

武見妙

「よく頑張ったね。」

 

 

 

あれだけ時間も言葉も使ったボールを…一撃で返された。

防げるはずもなく…点は、武見さんに入った。

 

 

 

 

武見妙

「佐倉さんに連絡して、何か摂れる物持ってくるから。そこで安静にしてること。いい?」

 

鴨志田卓

「了解です。心臓一つさえ動かしません。」

 

武見妙

「ん、心臓止めたい?」

 

鴨志田卓

「ああすいませんすいません手段持ってる人に言うことじゃなかった申し訳ない」

 

 

 

 

 

…。

武見妙は、様子のおかしい鴨志田卓を見て…最初にあった時。全ての情報を曝け出してきた時を思い出していた。

あの時の態度と似ている。鮮明に意識があるはずなのに。

普段の()()()()と明らかに印象が違う。

鴨志田卓のインタビューの内容は、雑誌やテレビで目を通した。それとの乖離。

好意による態度の変化以上に…何かある。

 

だけど、調べる気にはならなかった。

徹夜明けの看病で鈍った頭は、さっさとやる事を済ませて寝ることが再優先事項だと訴えている…

 

 

 

 

*1
生体情報モニター

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
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