鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第217話 8/6(土) この探偵にピンときたら…

 

 

…。

 

 

 

武見さんが連絡をすると、双葉が三島を連れ立ってすぐにやってきてくれる。

 

 

2人はそれぞれルブランのカレーとコーヒーを持っていた。三島がカレー担当である。

 

(せめてこう、保存容器とか…)

 

佐倉双葉

「ん!お見舞い!」

 

武見妙

「悪いけど、鴨志田くんは胃が荒れてるの。カフェインやスパイスの刺激物は禁止。」

 

佐倉双葉

「胃潰瘍…メンタル!?心が弱るとは情けない!」

 

三島由輝

「やばいタイプの体育会系だ…」

 

(俺を見て言わないでくれ、ごめんってほんと)

 

武見妙

「心が弱る弱らないじゃなくて、意図的にショック死させるような狙いで脳神経の類を弱らせる成分があるの。司令系統が全滅して胃腸も大荒れ。そういう毒だと思って。」

 

佐倉双葉

「ならばよし。無罪。」

 

 

知識〇配慮✕の双葉が胃荒れをストレスと結びつける。

 

…アスモデウスが不在とは言え、皆の前、更には以前の鴨志田卓を知る者の前だ。

しっかり、努めて鴨志田卓の振る舞いを意識する。

 

 

鴨志田卓

「…ありがとう、どう帰ったかはあまり覚えてないんだが…皆に助けられたのは覚えてる。」

「何か、状況に動きは?」

 

佐倉双葉

「たっぷり。何から聞きたい?」

 

鴨志田卓

「お見舞いに来て診察室の椅子でカレー食べてる2人が気になるな。」

 

三島由輝

「え、だって勿体ないし…」

 

佐倉双葉

「あ!福神漬け私の!」

 

三島が皿を持ち、2人でスプーンを使って同じカレーを突いている。仲良しだ

 

(双葉は気にしてないな…福神漬けに向いたスプーンをスプーンで弾いてる。コレ異性として欠片も見てないけど仲は良いって時に出る距離の近さだな?)

 

(三島も…あっ違う!いま、部活で教えた『試合前に気持ちを落ち着かせるルーティーン』使った!興奮してる!ムッツリスケベめ……!!!)

 

尚、鴨志田卓と憑依転生者は二人共ガッツリスケベである為指摘できる事は何もない。

 

 

武見妙

「ふわぁ〜あ。私は向こうで仮眠してるから、終わったら言って。」

「峠は越えたし、後は点滴つけて自宅療養だから。」

 

佐倉双葉

「おk!」

 

三島由輝

「うす。」

 

 

 

武見さんが診察室を離れ、話は本題に移っていく。

 

何故異世界でサクッと治さずにベッドに寝ているのか聞かれると思ったのだが、そのあたりの話は新島姉妹が話してくれていたらしい。

薬物か何かの効果でペルソナが使えなくなっており、予断を許さない状況だと。

それで慌てて武見内科医院に運び込んでくれたのだとか。

 

(マジ感謝だよな…霞が関からここまで車で往復するのも遠いだろうにさ。それにそこで解散したら家まで遠い奴も居る。帰るのも一苦労だった筈だ。)

(皆にあったら沢山ありがとうって伝えなきゃ…)

 

 

 

鴨志田卓

「ちなみに、他の皆は?」

 

三島由輝

「2人はオクムラフーズの空き部屋で受験勉強。春のお父さんや冴さんに何かあったらすぐに動ける位置に居るのと、計画もあるんだし今のうちに勉強しておかないとって。」

 

(偉いなぁ…そうだもんな、受験生って家に帰ったら勉強以外が許されないような強迫観念に駆られるもんな…)

 

三島由輝

「俺とモルガナは護衛。双葉やマスター、蓮とか…非戦闘員の関係者が多いだろ?ルブランでゲームしながら警備してたってワケ。」

「ルブラン営業中だからマスターはすぐに動けないし、モルガナは念の為待機してくれてる。」

 

佐倉双葉

「蓮は来たらお前のアカウントでエロ同人買い漁って購入履歴をSNSに漏らすぞって脅かしてあるからだいじょぶ。熟女モノな。」

 

(最強の脅しすぎる)

 

鴨志田卓

「そうか、次の手が分からない以上…全員ひとまとまりになるのも守るべき場所が手薄になるのか。的確な要員配置だな。」

 

三島由輝

「冴さんの指揮。やっぱ本職は違うね!」

 

鴨志田卓

「だなぁ。俺は事前情報頼りだから…」

 

 

こちらの指揮は原作知識というチート地味た情報があるから正確であるだけで、細かい指示の類は鴨志田卓のバレーボール知識をなんとか応用して伝えているのみ。

 

普段から仕事として指揮をしたりされたりしている本職、それもかなり有能な冴さんに指揮力は足元にも及ばないだろう…

 

 

佐倉双葉

「真のお姉ちゃん、かんなりやり手だぞ?捜査も、うまく止めてくれてる。」

 

鴨志田卓

「…捜査?俺を?」

 

佐倉双葉

「ううん。コレ見て。」

 

ぽこぽことスマホを操作して、一つの動画を再生する。

それは朝のニュース番組のようで…

 

 

 

 

ニュースキャスター

『朝のニュースです。』

 

『今朝より、探偵王子・明智吾郎が指名手配されました。』

 

 

 

鴨志田卓

「…は?」

 

 

 

ニュースキャスター

『明智吾郎容疑者は昨日に警察内部にて重要参考人を逃亡させたとされており、過去も同様の手法で捜査を妨害していた疑いが掛けられています。』

 

コメンテーター

『探偵王子、なんて大層な肩書を使われてもねぇ…』

『若いんだ、賄賂でも何でも渡されて良い気になったんじゃないかな?』

『やっぱり高校生で探偵なんて無茶な話なんだよ。これまでの推理も疑わしい。』

『面の皮の厚さは評価に値するがね。』

 

 

広く目撃情報を募っている…なんて話をしてニュースは終わる。

 

 

鴨志田卓

「な、なんだ?これ。」

 

佐倉双葉

「せんせーが逃げたの、普通に考えて大問題。」

「だから、明智が助けて逃げたみたいにしてみたんじゃないかって。」

 

鴨志田卓

「…そうか、現実的に潜入できる存在が明智くらいだから…!」

 

三島由輝

「あんなすぐ指名手配まで行ったのは予想外だったみたいで、展開が早すぎるって姉妹揃って言ってた。」

 

佐倉双葉

「明智、嫌われてた?」

 

鴨志田卓

「…なるほどな。」

 

新島真が展開が早すぎると言っていた時、原作では怪盗団をハメる計画が進んでいた。

 

ぼんやり聞いた、明智吾郎のセリフを思い出す。

『公権力だけで成功する訳がない』と言い、政治家…恐らく獅童を悪く言ったもの。

 

つまり、もしかすると。

原作のあのジョーカーを銃で撃つシーンと違って、獅童正義の差し金では無かったということなのだろうか。

 

そして、作為的にも感じる迅速な指名手配。

まさかとは思うが…

 

 

鴨志田卓

「俺を始末できればそれでヨシ、できなくとも、釣れた明智吾郎を始末できてヨシって事か…!?」

 

三島由輝

「多分ね。」

「明智吾郎をどうにかした後は、誰が怪盗団をやってるのか、明智から幾らでも聞き出せてるから…適当な罪をでっち上げて終わりだってさ。」

 

佐倉双葉

「横暴。でも効果抜群。バ〇ギラスにメガル◯リオのインファイトくらい抜群。」

 

(バンギラス3体分ぐらい飛んでくじゃんそれ)

 

三島由輝

「以前の共有で…獅童のパレスは認知訶学を活用した物凄く強い警備を敷いてるって教えてくれただろ?それ、冴さんにも話したんだ。」

「そしたら、自分のパレスに来るしかない状況にして、誘い込んで始末するつもりじゃないかって…」

 

 

獅童正義は、自分で異世界に入ることは無い。

しかし、入らずとも活用することはできるのだ。

偽神とまでなった大衆全体の歪みから産まれたパレスに肉薄するほどの力を持ったパレス。

つまり…人類最高峰のパレスを持つ事に他ならない。

 

原作でも明智を殺す為に明智吾郎自身の認知存在を用意している辺り、この『詰め筋』は以前から考えられていたのだろう…

 

 

鴨志田卓

「…状況は分かった。」

「明智吾郎を助けよう。」

 

三島由輝

「…。」

「はは、あんな目に遭ったってのに。」

()()()()()なら、そう言うと思ったけどさ。」

 

 

三島から、厚い信頼を感じる…

 

 

佐倉双葉

「どうせそう言うだろってことで、明智は真のお姉ちゃんが探してくれてる。せんせーは回復に専念な!」

 

鴨志田卓

「わかった。大分酷い目にあったし…大人しく、安静にしてるよ。」

 

佐倉双葉

「ヨシ。」

 

 

うんうんと頷く双葉。

かなり重症というのは本当なのだろう、少し喋っているだけで倦怠感が湧いてくる。

だが、休む前にどうしても気になることがある…

 

  

 

 

鴨志田卓

「あと…冴さんのシャドウが助けてくれたように見えたんだが、何か聞いてないか?」

 

佐倉双葉

「あ、忘れてた。真のお姉ちゃん、ペルソナゲットしたんだった。」

 

カレーを食べながら話すのを止めて、スプーンでこちらを指すような動きをしながらそう話す。

 

鴨志田卓

「え?ぺ、ペルソナ?」

 

佐倉双葉

「そこは『ぺ?』だろせんせー!」

 

むう、と怒られてしまう。

 

(病み上がりどころか病み中なんだからもうちょっとお手柔らかにしていただけませんかね…まぁ上司じゃなく佐倉双葉ってガワだから幾らでもご褒美ですけども)

 

三島由輝

「俺も見たかったんだけど、新島…真が1人で襲われて、守りきれずピンチになった所をペルソナに覚醒してどうにかしたんだって。」

「くぅ〜!アツいよね!!」

 

鴨志田卓

「…。うっわ〜…見たかったぁ……間近に居たってのに……」

 

佐倉双葉

「わかるぞせんせー。イベントスチルは漏らさず回収したい。エッチなのは尚更。」

 

目を閉じ、うんうんと唸る双葉。

 

三島由輝

「わかる、あの衣装は教育に良くない。」

 

(自分なりの例えで言ってくれてるんだろうけど、俺の認知で言うとまんまその通りなんですよね双葉さん。ドンピシャすぎて脳みそ覗かれてないか不安になるんですが)

 

 

閑話休題。

食べ終わったカレーを机において、三島がコーヒーを飲み始める。

すっかり、ブラックコーヒーも慣れたものだった。

 

 

三島由輝

「それでパレスの話だけど…」

 

鴨志田卓

「そうだ、崩壊からは無事に逃げれたか?意識の無い俺とかいう重荷(物理)が居たのに…」

 

 

三島由輝

「先生、体重3桁あるもんな…。けど、問題は無い。」

「冴さんたち、俺たちが来るまでパレスの入り口で待ってたんだけど、それまで何も崩壊して無くって。先生拾って悠々と脱出できたんだよね。」

「で、脱出した後暫く…ちょうど、他のパレスのオタカラを取り外してからパレスが無くなるまでの時間くらいでパレスが消滅。」

「双葉曰く…」

 

佐倉双葉

「オタカラとシャドウ本人がまだ消えてない・奪われてない判定になってた可能性が高い。見た目そのまんまだったし。」

 

鴨志田卓

「あ〜、成る程。」

「あんな警察署のド真ん中で急に出現したら大騒ぎだっただろうし、運が良かったな。」

 

佐倉双葉

「禿同。」

 

三島由輝

「普通に警備員達に指示出してたし。双葉がサーチしたら、パレスの主の判定が冴さん自体に移ってたらしい。」

 

佐倉双葉

「過程はイミフだけど、結果はいつもと同じ。…深く考えずともヨシ!」

「認知訶学についてじっくり研究するときの宿題だ。」

 

鴨志田卓

「ありがとう。」

「一先ず…そこは要考察だな。」

 

 

佐倉双葉

「うむ。」

 

 

空になったカレー皿を手の上でくるくる回しながら、双葉は自身の考察を話してくれる。

 

 

佐倉双葉

「パレスは消えると()()()()()()のか、気になるところだ。お金とか持ち帰れるアイテムがあるのに、全部消えてなくなると思えない。」

「な〜んか質量保存の法則みたいな『ルール』があって然るべき。ワクワクさんだ!」

 

 

鴨志田卓

「パレスの、残骸か…」 

「いつかそういう神秘も暴けたら良いな。」

 

佐倉双葉

「うむ!お母さんと違って私には戦う力がある!妨害ニモマケズにやりきってみせる。」

「…それで、お母さんに『上手く行ったよ』って言う。」

 

三島由輝

「双葉…」

「そうだよな。俺達はすっごい物の渦中に居るんだ。」

「やるぞぉ!」

 

メンバーたちがやる気になっている姿を見て、うれしい気持ちになる。

 

 

(パレスの残骸…言われてみれば不思議だよな。双子の会話になんか事務仕事をやってるような話はあったし、ベルベットルームの住民達が何か対応してるんだろうか。)

 

(…カモシダパレスの残骸もあるのかもな。ベルベットルームにいつの間にか、カモシダパレスの愛の修練場にある器具が置かれてたって話してたし…*1

 

 

 

重要な情報共有も終わり、物思いに耽っていれば…三島が武見さんを呼んできてくれた。

惣治郎に車を回してもらって、家まで送ってもらう。

 

 

(本当に、物凄い数の人に助けてもらっちゃったな。ただの一般人な俺がさ…)

(…いや、俺は今、鴨志田卓なんだ。強くないと。)

(周りの期待と助けを受けて…進むんだ。得た恩恵を全員に還元しながら、『世界』を獲る。)

(頑張るぞぉ…!)

 

 

 

そうそう。

三島はどさくさに紛れて女子メンバー達の名前呼びを試みているらしいが、都度嗜められているらしい。双葉はよく親子で揃うからか許されている。

 

多分、異性としての魅力を一切感じられてないんだと思う…

 

 

 

 

 

*1
第152話

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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