鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
※川上貞代視点
秀尽高校、職員室。
夏休みで授業というシビアな時間設定が無いからだろう。
やる事は多くあるものの、比較的ゆったりとした時間が流れている。
パソコンとにらめっこして、各自プリント作成やら成績の計算などを行っている時…雑談を始める者はある程度決まっている。
英語の蝶野
「鴨志田さん、本日もお休みなんですって。」
数学の宇佐美
「…珍しいですね、鴨志田先生がお休み、それも連日だなんて。」
「インターハイ優勝の席で悪い物でも食べたんでしょうか。」
生物の蛭田
「彼、ニンニク好きと言ってましたし…食べ過ぎて、腸内細菌が全て淘汰されてるのでは?」
「殺菌作用は時に凶器ともなる…ああ、想像するだけで恐ろしい。」
…。
自分が休んだことを心配されたり茶化されたり、話題にする会話。
憑依転生者が聞いていれば嬉しくて蕩けていたであろう話に混ざる川上先生は…表情が曇っている。
川上先生
「…。」
英語の蝶野
「…心配?」
川上先生
「…はい。」
生物の蛭田
「まぁ、心配し過ぎるのも良くない。今の鴨志田先生なら、何も問題ない筈だ。」
(…。)
(今の、鴨志田さんだからこそ…)
仕事が手につかず…困っている。
数学の宇佐美
「心配なら、どなたかに聞いてみては?普段体育教官室に詰めていますし、事情も聞けるかと」
川上先生
「…!」
「そうですね。不躾ですけど…詮索しちゃおっかな…」
どうにか、気持ちを切り替えることにした。
仕事を余裕を持って片付けておき、定時に抜け、鴨志田先生が改心させたのだという校長先生に話を伺えば…少なくとも、何か
そうだ、また…誰かを助けに行っているだけかもしれない。
それを確かめる為にも、この夏休み明けに与える教材を定時までに完成させよう。
(推敲も済ませた、完璧な物を作って…生徒達の読解力を5点は伸ばす!)
黙々と、集中してパソコンに向かい始めた…
小声の蝶野
「ねぇ、やっぱりあの噂…本当よね?」
小声の蛭田
「春先にも、2人で食事を摂ってたんだからね。同意するよ」
小声の宇佐美
「厄介な保護者から守る為で、実際に撃退に成功するとか…どんな教師でも心酔する偉業では。」
小声の蛭田
「僕でも惚れるね。週5で飲みに誘う。」
小声の蝶野
「若手社員は周りから守られる立場だけど…教師は、若手でも生徒を守る立場だもの。 …今度、合コンでも開く?」
小声の宇佐美
「そういった話は、また仕事終わりに。」
小声の蝶野
「そうね、吉祥寺はどう?」
小声の宇佐美
「そういった話は、また仕事終わりに。」
…。
〜〜
夕方
〜〜
川上貞代
「終わった…。」
ほぼ完成した教材。これがあれば、次の単元の話を読むのがグッと楽しく・理解しやすくなることだろう。
あとは何日か経って内容を忘れかけた頃に一通り確認し、変なところが無ければ完璧だ。
時間は定時をギリギリはみ出た程度。帰り支度をする教師も少なくはない。
早速席を立って、校長室に向かう。
川上貞代
「お先失礼します。」
英語の蝶野
「お疲れさま。」
…。
昼休みに、事前にアポは取ってある。校長とはすんなり顔を合わせることができた。
挨拶もそこそこに、すぐ鴨志田卓の状況を聞けば。
校長先生
「…やはり、気になりますか。」
川上貞代
「はい。危険なことをしているのは…聞いていましたので。」
校長先生
「なら、不用意に詮索して巻き込まれる方が危険でしょうな。必ず外部へ漏らさないと約束できるなら、お話しましょう。」
話がわかる校長。こちらを信用したうえで、身を案じる言葉を考えてくれている。
校長先生
「結論から言うと、トラブルがあったそうです。けれども現在は逃げることができ、信用できる医者の治療を受けて自宅療養中なのだとか。」
「あと数日は絶対安静とのことです。」
川上貞代
「…療養、ですか?」
「一体何が?」
校長先生
「…。」
少しの溜め。何かを考える間。
校長先生
「敵対組織に拉致され、閉じ込められた先で毒殺されかけたのだとか。」
川上貞代
「!!!」
「えぇっ、い、いきて、るんですか?」
校長先生
「問題なく。写真も頂いておりますよ。」
校長の見せるスマートフォンには、申し訳なさそうな顔をしながら痛々しいを通り越して悍ましい紫の内出血の腕を見せる鴨志田卓が。点滴のような管も見える。
表情で誤魔化していても、手首に手錠の跡っぽい痣があったり中々の満身創痍。
SNSの投稿みたいな撮り方じゃどうにもできない深刻さである。
校長先生
「もし、お手間で無ければ。お見舞いに行ってやってくれませんか。」
「鴨志田君は…本当に、危ない橋を渡りすぎている。ただ、使命を持っただけの一般人がね。」
川上貞代
「…。」
校長先生
「私の分まで目一杯心配してやってほしいんです。」
「川上先生の方が、私よりも適任でしょうから。」
もちろん、復帰すれば私もすぐに労いに行きます、なんて言いながら笑う校長。
…。
校長自身、鴨志田卓の大怪我を聞いた時は大いに驚いていた。
かんっっっなり心配しており、一度後腐れのない範囲で灸を据えられるべきだと考えている。自分を大切にするように、と。
校長と鴨志田卓は、改心以前からの仲である。憑依転生者の混ざった後の鴨志田卓より、元の鴨志田卓との方が繋がりは長い。
彼の女好きとちやほやされたがりな面をよく知っていた為…改心後と言えど満更でもないだろう、少しは反省すればいい、と。
心配の感情に満ちた川上貞代をカタパルトの如く勢いをつけて射出しようとしている…!!!
川上貞代
「…そうします!ありがとうございます!」
校長先生
「お願いします。住所なんですが…」
川上貞代
「覚えてるので大丈夫です!」
校長先生
「え?」
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記