鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
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夜
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※川上貞代視点
定時後、必要そうな物資を一通り買いそろえ。
鴨志田卓の家に来る頃には日も落ちかけていた。
ギリギリ夜の範囲である、遠くの空が赤く光っているような時間。
通りを曲がって、家が視界に入る。
(ここ、電車だとちょっと遠いんだよね…駅近じゃないからこそ住みやすいお値段なんだろうけど。)
(…。車だったら問題ないし、引き払うとしたら私の家か…)
つい、家を見上げてしまう。
今は匿ってる人と猫付き2人暮らしなんて聞くし、お見舞いはそこまで有難がられないかもしれないけれど…むしろ、3,4人ペット付きで住んだ時の手狭さの確認になって私には都合がいいかもしれない。
ガチャッ
…そんな事を考えていたら、扉が開いた。
中から、見知らぬ女性が出てくる。
川上貞代
「え」
(居候って言ってたのは犯罪者…え、女性の…?)
武見妙
「…何か?」
川上貞代
「か、…スグルさんの家から、出てきたので。」
武見妙
「ご家族の方?」
川上貞代
「…関係者、です。」
武見妙
「そう。」
「彼は絶対安静。少なくとも後一晩は欲しいかな。」
「かなり消耗してるから…気になることがあっても、無理に起こして話しかけたりしないでね。」
そう言って、大きく欠伸。
気だるそうな顔でカバンを担ぎ直した際に、首から聴診器が見える。
川上貞代
「あ、お医者さん?」
武見妙
「それ以外の何に見えるの?」
よく見ると、上に羽織っているのは白衣。
ここに来る前…学校で校長が話した『信用できる医者』とは、彼女の事なのだろう。
ほっと息を吐き、安心した気持ちを抱く。
川上貞代
「…彼女さんかな、なんて」
「勘違いしちゃってすみません。あはは…」
武見妙
「…。」
「安心して、妹さんか姉さんか知らないけど…私はただの医者だから。」
川上貞代
「はい。」
「重傷だったと聞いてます。スグルさんを診てくれて…ありがとうございました。」
ぺこりと礼をして、すれ違う。
お医者さんが離れるのを待って。
少し呼吸を整えてから…インターホンを押した。
金城
『はい。』
川上貞代
「私です。お見舞いに来ました。」
金城
『すいませんが、お名前は?』
川上貞代
「…川上です。」
金城
『あいよ、お待ちください』
『…ども、今開けるのでお待ちを。』
うっすら聞こえる、階段を降りる音を聴きながら。扉が開くのを待った。
今のが、本当の居候の人だろう。
去る予定がある居候とは言え、心象が良いに越したことはないだろう。
武見妙
「…家族じゃないんだ?」
「指輪もしてないし…ふぅん…?」
…。
その一部始終を、角から武見妙は見ていた。
体力の限界は近く…一先ずは帰宅を優先する事に。
駐車場にて少し待たせてしまった佐倉惣治郎へと一言謝罪し、武見内科医院まで送ってもらう。
…。
※鴨志田卓視点
(いやー、自分の家で点滴なんてなんかテンション上がるよな。金城に違法薬物で注射経験があって助かったわ。医療知識無いのに医療技術だけあるの面白いスキルツリーすぎる)
武見さんが家に来てうろちょろするとかいう激アツイベントを、クラクラ来る頭のせいであんまり堪能できない事に悶絶することしばらく。
疲れ切った武見さんが帰宅すると同時に…インターホンが鳴るのが聞こえた。
何も喋っていない寝室。うっすらと金城潤矢の声が聞こえた。
(…はぁ、いいよなぁ…こうやって、自分で何も喋らなくても…誰かが『居る』音が聞こえるの…心地良い…)
目を閉じて、耳を澄ませていると…金城潤矢であろう、人が階段を降りる音。
…その後、上がってくる音が…多い。
(え?来客?今スマホ触る暇あれば寝ろって言われてるからなぁ…誰だろ、新島さんは大怪我したから向こうは向こうで絶対安静だろうし…三島か?)
金城
「失礼ですが、絶対安静なので。」
「…ええ、そんくらいの声で。」
扉が開く。
川上貞代
「お邪魔…します。」
鴨志田卓
「川上先生!?!?」
モルガナ
「ああっ!絶対安静が!」
金城
「そうなると思ったよ…ったく。」
驚きに飛び跳ねた俺に慌てて飛びかかるモルガナを顔で受け止めながら、すぐにベッドに寝直す。
金城潤矢は空気を読んでか、モルガナを引き剥がすとリビングの方へ去っていった。
川上貞代
「校長先生から聞いて…その、大怪我したって。心配で…」
鴨志田卓
「はは…思ったより強硬手段を取って来られちゃって。」
「校長先生も人が悪い。心配させちゃうってのに…」
川上貞代
「良いの、心配しに来たんだから。」
「…本当に大丈夫なの?」
顔と、動く様子を見た川上さんの顔には落ち着きが戻ってきており、安心してきているのを感じる。
(このまま、元気なことを上手く伝えて帰ってもらおう…うん、鴨志田卓の話術や語彙が無くても武見さんには成功したんだ。勝率100%!いける!)
鴨志田卓
「なんとか、もう峠は越えてる。あとは安静にするだけだから安心してほしい。」
川上貞代
「…。」
「越えられるか分からない、危険な峠があったってこと?」
鴨志田卓
「あっやべ」
勝率が50%に下がった。
…。
絶対安静の為、早めに切り上げてもらえたが。
5分ほどのお説教を受け取った。
絶対に後で追加の話があるやつなので、覚悟を決めておかねばならないだろう。
川上貞代
「…あと、それと。」
「来た時にお医者さんと入れ違ったんだけど。」
鴨志田卓
「ああ、丁度さっき運び込まれたんだ。事情が事情だから、自宅療養になって。」
川上貞代
「…あの人、信用できる医者なんだっけ。」
「…どんな関係の人?」
(…ん〜??雲行きが怪しいような………)
(やばい、嘘だけはつかない、嘘だけはつかないように…!!)
鴨志田卓
「え〜っと、医療ミスを偉い人から擦り付けられて困ってる所を助けたんだ。」
「もし怪我した時のために、よく効く薬を融通してくれる人と関わっておきたかったんだけど、お陰でこうして緊急の時も診てくれた。」
「情けも人のためならず、って言葉を実感するような関係だな。」
「校長に、学校の事は便宜を図って貰えたし…今、川上さんがお見舞いに来てくれた。」
「ほんと、恵まれてるよ…」
…。
明らかに芝居がかった怪しい語彙でもがく憑依転生者。
具合でも悪いのか心配になる有様だが、本当に具合が悪い+投与された薬が精神に異常をきたすような薬物のためギリッッッギリカモフラージュされている。
それを聞いて、川上さんは。
川上貞代
「…そんな素振り、去年までは何も見せて無かったのに。」
「また、登り始めたと思えば…自分のことなんかどうでもいいみたいに進んで。」
「『前』は、教師にあるまじき事をしてたのは聞いてる。けど…もう少し自分を大切にした方が良いんじゃない?」
点滴をぶっ刺している腕を撫でられる。人肌のぬくもりが、じんわりと染み込んでくる。
(温かい…川上さん、冷え性じゃないのか。家事代行でめちゃくちゃ動いてるから筋肉ありそうだし…)
…。
校長やバレーボール部員らとはまた違って、改心前の鴨志田の
原作でのマイパレスでの会話にて、川上貞代は鴨志田卓の横暴を『なんとなくはわかっていた』と話す。
薄々そうかも知れないと思っていても…表の顔を、見続けていた人。
自分を守る為の見て見ぬ振りと言えるかもしれない。
けれど、それは同時に鴨志田へは『救い』となっている。
(…川上さんって、真みたいに…別に鴨志田に悪い印象を持ってなかったんだよな。)
(ある意味、俺って寄生虫みたいなもんなんだよなぁ…共生って言えるような環境は作れてると思うんだけどさ。鴨志田卓って存在にめちゃくちゃムリをさせてるのは確かだよな…)
2人の女性に、それぞれ心配をされて。改めて、自己を顧みる。
まるで、本当に…プレイアブルキャラクターのように乱暴な扱いをしていたように感じる。
鴨志田卓
「…前は、やり切った後…悪い意味で、自分を大切にしてしまった。校長もそうだった。」
「次は、やり切ったら…良い意味で、自分を大切にする。約束する。」
川上貞代
「…本当に?」
「インターハイ優勝しても、まだ、やりきったと思わないのに?」
鴨志田卓
「ああ。」
「自宅だから言ってしまうんだが…シドウ、狙ってるんだ。」
川上貞代
「指導?」
鴨志田卓
「ああごめん、教師同士の話で良くない表現だったな。えっと…獅童正義って議員の心を変えようとしてるんだよ。」
「やりきって、
川上貞代
「日本…」
鴨志田卓
「そしたら、公権力つかって反撃してきてこのザマだよ。同じ轍は踏まないようにしたいが…人質とか見せしめとかされると怖い。」
「だから…暫くは、関わりを避けて欲しい。川上さんを、人質として有効な関係性を持つ人と思われたら危険が及んでしまうかもしれないからさ。2,3週間もすれば済むと思う。」
川上貞代
「…そう、だよね。」
「わかった…」
川上さんは、怒らない。ただただ、悲しそうに。心配してくれる。
鴨志田卓
「ああ、えっと、その…関わってくれるのは凄くありがたいし嬉しくって!ただ、巻き込んでしまいたくなくって…!」
川上貞代
「…巻き込んで、くれないんだ。」
鴨志田卓
「っ」
川上さんは、抗わない。ただただ、悲しそうに。目に涙を浮かべている。
鴨志田卓
「…こればかりは、謝るしかない。」
「必要な専門知識や技術が多すぎて、やっと人材育成が軌道に乗って、戦力が伸びてきたところでさ。」
「今の、学校に掛けてしまう迷惑を引き受けてくれるだけでも本当に助かってる。川上さんの今できる分野で協力してくれたら、大きく危険に晒さずに済んで俺も安心できるからさ。」
…。
憑依転生者は慌てて、言葉をたくさん紡ぐ。
守りたいから、等の情に訴える言葉ではなく。
マジで適材適所的な考えで…という言い訳。カードゲームによくあるような効率厨的な思考。
多くを求めない、甘えない、余分なことをしなくても構わない。という言葉は。
好意を抱いている、いわゆる『なんでもやってあげたい』女性には不適切なものだとは…対人経験のない憑依転生者にはわからない。
尚、転生前にこれで無自覚に交際・友人チャンスを3人くらい失くしている事に
自分本位で自己肯定感の低いぼっちは、人を頼ることが苦手なのだ。
川上貞代
「…。」
「本当に、ちゃんと帰ってきてよ?」
「言われた通り…待ってるから。」
…まるで、周囲の重力が増したような感覚。
(…???)
(や、やっべぇこれ、死のうもんならせっかく川上さんの人生救ったのに後追いとかしかねない奴じゃないっすか!!??)
(もう死ねない理由がどんどん増えるのコエ〜〜……うん、うん、そうだよな…)
鴨志田卓
「誓う。」
目を合わせて、川上さんに。
鴨志田卓
「
「土産話をどうか楽しみにしてて欲しい。皆驚くような、面白い計画が進行中なんだ。」
そう言って、川上さんをどうにか安心させて。
少しだけ雑談、インターハイ優勝を褒めてもらってからお見舞いを終えた。
…。
改めて、
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記