鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
振り切ろうと、建物の中に隠れてみた。
ネクロノミコンの触手を使って、そこら辺のものを倒して障害物にもしてみた。
衝突覚悟で、向こうの大きさじゃ通れない所も通った。
しかし、刈り取るものには通用しない。
刈り取るものは、横を素通りできるほど、動きが鈍重である。
だがそれは、戦闘が始まる前の話。
圧倒的なステータス。それは当然…【速】も抜群に高い。
当たり前のように空を飛び、ロケットブースターに平気で追従する。
佐倉双葉
「うぅ゙〜……」
モルガナ
「休めナビ!ワガハイと交代だ!」
佐倉双葉
「ダメ!スペック足りない、飛ばないと追いつかれる!」
「多分、クイーンの反応が分かった!連絡して___」
ぽしゅん。
空気の抜けた風船のように。
ロケットブースターの燃焼が止まる。
【メギドラオン】。
ナビの、意識が消える。
※佐倉双葉視点。
(あ。)
ぼんやり、めをひらくと。
そこは、メメントスのじめんのうえ。
おおむけに、わたしはたおれている。
(助かった?)
おきようとする。
おきあがれない。
からだのかんかくが、なにもない。
たしかに、からだはつながってるのに。
かたっぱしから、たすけてってつうしんする。
だれからも、へんじがない。
できるのは、そのままみあげるだけ。
そらから、ゆっくりと…
かりとるものが、おりてくるのを。
モルガナ
「う…ニャア…」
もなのこえがする。わたしとどうように、けがをしている。
ゆっくりと、おりてくる。
おわりが、おりてくる。
佐倉双葉
「
…。
仰向けで倒れていると、上から迫る『絶望』が、よく見える。
『希望』が来るのも、よく見えた。
彼はそっと、ナビを抱き上げた。
※三人称視点
雨宮蓮
「助けに来たぞ、双葉。」
雨宮蓮が居た。
小脇にモナを抱えて。なんてことない、ただの私服で。
【コンセントレイト】。
絶望が装填される。
ピンチエンカウント時、刈り取るものの行動は必ずこれになる。
佐倉双葉
「だ、だめ…にげて…」
雨宮蓮
「逃げれば良いんだな?」
…。
この雨宮蓮は、トリックスターに選ばれていない。
選ぶことが、できなかったのだ。
選択をする前に、かの偽神によって素養の一つに至るまでを
力さえ奪ってしまえば、もう異世界に対して碌な干渉は行えない。如何様に過ごそうが警戒は不要。
それが、偽神ヤルバダオトの出した結論であった。
力を奪われているのならば、異世界に入るのは自殺と同義。彼はもう、トリックスターに据えることができない。
それが、ベルベットルームの住民たるイゴール達の出した結論であった。
だから、代わりに憑依転生なんて手を使った。
しかし。
雨宮蓮は、選ばれたからトリックスターに成ったのではない。
それを、
転校先で、鴨志田卓による吊るし上げを取り下げる為。
高巻杏に話しかけてきた喜多川祐介を助ける為。
新島真の弱みを握った金城潤矢へ対処する為。
接触してきたアリババ、もとい佐倉双葉を助ける為。
目の前に次々と現れる、運命により齎された火の粉。
どれも最後には大きな戦闘となるものを…
全て正面から薙ぎ倒してきた。
周囲の求めを叶え、状況を次々と好転させていくトリックスター。
原作にて、大衆に期待されるがまま望みを叶える願望機である聖杯には…大層眩しく映っていたのだろう。
その黄金色の精神は…与えられたものでは無い。
力など、手札など配られずとも…彼は手を差し伸べるのだ。
手段があるから動くのではない。動いて、手段を探す。
放ってはおけない。
前歴持ちの、屋根裏に住むゴミであろうと。
全ての才能を抹消された、まっさらなタロットカードであろうと。
その時に持てる物を全て使って。彼は助けるのだ。
【囲い崩し】。
それはピンチエンカウントから必ず逃走できる、東郷一二三から貰ったコープアビリティ。
心に、人々との絆があれば。それで十分である。
刈り取るものの視界が、逆転の光に染められた。
…。
雨宮蓮は、バレーボール部の朝練に参加していた。
帰るタイミングは三島と同じ。
更衣室で着替える時、いつものように三島をサードアイで見ると…今日は活動日だと気づくことができる。
声をかけてみれば、今日はパレスで人探しをするのだという。
鴨志田先生休暇中、通算15回目くらいの鴨志田先生の無事を聞いてから
折角なら真を昼食にでも誘えば良いじゃないか、と三島を唆してから解散した。
三島由輝
「…イイ!確かに行き道なら誘いやすいよね!」
「色目使ったら殺すような闘志を感じるけど…新島さんとも仲良くなりたいんだよな。勿論、友達としてだよ?」
「やってみる!ナイスアドバイスだ雨宮!」
それは闘志ではなく殺意ではないかと思うのは黙っておいた。
その後、渋谷のヨンジェルマンでメロンパンを買い、ブチ公前まで降りて何をするか考えていれば…
襟足の長い運転手
「ああくっそ、オクムラさん出ねぇ…アレではいそうですかって帰ったら職務放棄だっつーの…」
見知らぬ、スーツ姿の男性。
手に持っているのは、見知った、奥村春のスマートフォンだった。
…。
モルガナ
「それで、ハル…違う、ノワールのイセカイナビを使ったと。」
「成る程な…」
メメントスの、名前も知らない建物の中で。
駅構内のパン屋、ヨンジェルマンの『限定メロンパン』を食べながら、ナビとモナの2人はその話を聞いていた。
効果は、戦闘不能のキャラクターをHP最大で復活させるもの。
夏季限定で販売される、破格の効果を持ったメニューだ。
雨宮蓮が(部活の朝練に行った癖に)水筒に常備していた極上ルブランコーヒーを飲めば、HPSP共にすっかり元気に。
雨宮蓮は、元気を取り戻した2人にほっと息を吐き…警戒を解く。
佐倉双葉
「それにしても…なんで私の所に来れた?」
「ただの生身なのに。」
雨宮蓮
『兄』だから
双葉の涙が落ちる音がした
声が聞こえた
『兄』だから
双葉の涙が落ちる音がした←
声が聞こえた
佐倉双葉
「まだ泣いてない…」
モルガナ
「ワガハイの頭に…ナビのsosが聞こえてた。ペルソナで通信か何かしてたんだろ?」
「きっと、アマミヤはそれを拾ってくれたんだ。」
雨宮蓮は、こくこくと頷いている。
モルガナ
「助かった、命の恩人だな。」
「普通のシャドウの相手は任せてくれ、アイツがまだ居たら、さっきのを頼む!」
佐倉双葉
「…ヤバイ!」
「クイーンが呼びかけながらこっち向かってる!アイツに出会ったら大変、えっと…もしもし!!」
万全に回復したナビが、周囲のサーチや通信を開始した。
…。
それぞれの合流時に当然問われる、何故雨宮が居るのかという質問に全部『双葉の涙が落ちる音がした』と答える
生身とペルソナでステータス差がありそこそこ腫れちゃって焦りつつ
クイーンとパピヨンの後に、ノワールとも合流。
佐倉双葉
「クラウンがまだ戦ってる!集まって!」
奥村春
「え!急いで加勢しなきゃ!」
佐倉双葉
「それはフヨウラ。クラウン本人が要らないって。」
「そうしないと…アケチが納得しないだろうからって。」
三島由輝
「そっか。…アツいね。」
奥村春
「大丈夫かな…」
新島真
「ノワールこそ大丈夫?その、ここ…とんでもない壊れ様だけど…」
奥村春
「ふふっ。無事だよ。」
佐倉双葉
「本当に死にそうな時には助けるって言ってある。向こうの連絡通路あたりがちょーどいい。」
「加害者は持ったな!イクゾッ!」
三島由輝
「カーン。」
佐倉双葉
「早すぎ!詠唱破棄禁止!」
そうして、治療と拘束を済ませた喜多川祐介と坂本竜司を伴いながら。
鴨志田卓の、試合を観戦しに向かうのだった。
Q.雨宮蓮が怪盗でないのにコープアビリティを使っているね、どうして?
A.そうだったらいいなって
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記