鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
※明智吾郎視点
…。
原作の明智吾郎が持つ隠し玉は、自分自身への精神暴走。
これまで徹底的に、誰かに望まれる為に己を磨き続けた。
名探偵、カリスマ。そんな肩書きを手に入れても…屋根裏に住むゴミが、自分の持たない…自分の、欲しい物を山程持っているストレス。
だから、原作にて
だから、この世界の
数々の『もしも』を進み…別の答えに辿り着いていた。
※明智吾郎視点
明智吾郎
「お前のせいだ!」
「お前がッ、俺の運命を狂わせた!!」
「こんなモノッ、背負わせて!!」
「今更…俺が!!」
「
正義の、正位置。
赤のマントがたなびく、金の意匠が凝らされたプリンススーツ。
オーディン…新たな仮面が、
神聖なる雷を纏わせる。
激情のままに構えた剣。何もない柄に…氷のように青く光る刀身が生まれる。
明智吾郎
「あと1年…今年の選挙で、決める筈だったのに!お前のせいで全部滅茶苦茶だ!」
「こんな仮面を…得させたなら!」
「このまま大人しく…俺の野望の為に死ねよッ!!!」
その、殺意とは裏腹に。
きらびやかな。
子供の頃の憧れの。
『正義のヒーロー』の力。
【コンセントレイト】。
精神が、研ぎ澄まされていく。
衝撃から、立ち直りきっていない様子の鴨志田が。
呆然とこちらを見つめる。
鴨志田卓
「そうか、お前は…そこまで!」
明智吾郎
「好きなだけ否定しろ、笑えよ!
鴨志田卓
「誰が否定なんて!素晴らしい力じゃあないか!なぁ明智!お前は『更生』できる!俺が保証するさ!」
明智吾郎
「否定しろよ、ゴミがぁぁっっ!!!!」
お前に否定できないなら、誰が否定できる?
俺も…否定できないのに。
オーディンが、その槍を振り上げる。
鴨志田卓は
…だから、こうする。
懐から、1枚のカードを使った。
それは、祐介によって描かれた作品で。
【ラッキーパンチ】。
クリティカルの発生率の高い、物理攻撃スキル。
間の抜けたパンチンググローブが、奴の脇腹を突く。
鴨志田卓
「どわぁっ!?」
結果は、
1more。
【真理の雷】。
ガードが解け崩れた体勢を、神の怒りが襲う。
奴が痙攣するように揺れる。偽りの電気信号が肉体を踊らせ、分子を震えさせる。内臓を、脳を、呼吸器を。徹底的に加熱する。
確実に、命中した。
奴は感電する。…いや、本当に感電するかは分からない。ただ。
仮面を切り替える。
元より宿していた、ロビンフッド。
矢をつがえる。そこに、俺のありったけを込める。
明智吾郎
「射殺せ、ロビンフッドぉぉぉぉおお!!!!!!」
…。
彼が原作では【追い撃ち】にて見せる、光を纏った剣撃。ソレと同種の力が、矢となって放たれる。
電車を丸ごと覆えるほどの、極太の光線。
5秒もの間、鴨志田卓の存在した地点にへと照射された。
残る気力を全て振り絞った一撃。
片膝をつく。…限界だった。
【食いしばり】を使って、新島冴のパレスから逃げ去ってからはロクに休憩を取れていない。まとまった睡眠も、温かい食事も。
鼻水を拭ったかと思えば、それは血で。
真っ白い手袋に赤が塗られる。
…まるで、己を表しているようだった。
不調に、思わず笑ってしまう。
明智吾郎
「ハッ…ひどいザマだ…」
鴨志田が居た場所には、壊滅的な破壊跡。
他には、何も残っていない。
明智吾郎
「肉ごと消滅したか?」
メメントス内のシャドウに勘付かれたかもしれない。
這ってでも、身を隠せる所に…
そう考えていると。
…背後から、物音がした。
鴨志田卓
「…うおおお!!かっけ〜!!マジかオーディン!?喜多川とそんなに仲良しだったんだすっげ〜マジで絆の力じゃん!!いつの間に!?最後のって何?最高だよ!!いやもうファン冥利に尽きるわぁかっっっけぇぇ〜!!」
「うわ!シュウ出て来てたら俺詰んでたんじゃん!っぶねぇ!やっぱ俺について色々思うとこあって燻ぶらせてんだろうな、おじさんすぐ助けちゃうからな待っててくれよほんとに…」
うわ言のように、ブツブツブツブツと喚きながら。
様子のおかしい鴨志田卓が歩いてくる。
明智吾郎
「…チッ。それが、お前、の…本性、かよ…」
鴨志田卓
「え?本性いやいや違う違う。」
「これも、俺の『一面』なんだ。お前のその素敵な一面と一緒だよ比べものにならないくらい醜いけどもさ!」
「はぁ〜良いもん見た!ありがとう!!!!」
そうまくし立てる奴は、電熱に焼かれ、上腕の表面が殆ど炭化している。しかし、既に体の節々から回復の兆しを見せつつあった。
血が抜け青白く、しかし焼け爛れ部分的に赤く血濡れた顔で笑う姿は…
明智吾郎
「…避けた、な? 感電しとけよ、化け物め…」
鴨志田卓
「ソレについちゃあ、運のステータスとか関係なく俺の絆の勝利って感じだわ、ほら見てこれ!ジャン!川上さんから貰った奴!!」
機嫌よく取り出すのは、どこかで見覚えのあるお守り。
鴨志田卓
「市ヶ谷の釣り堀にある『しびれ除けのお守り』だ。これがあればなんと、感電がすっかり無効!いや〜もう最強っすよね。マジ最高すぎるサポートっすパネェっす川上先生。様付けでお呼びしたい。」
「大治癒促進パッチといい、推しへの愛が止まんねぇ〜!!もう痛みとかどうでもいいわ!皆に深い感謝すぎるぶぶぶぶぶっっっ」
奴の背後に、アスモデウス…奴のペルソナであろうものが顕現する。
奴の頭を掴んで、激しく揺さぶった。
鴨志田卓
「…悪かったな、取り乱した。」
明智吾郎
「取り乱し方がキメェんだよ、変態教師が…」
鴨志田卓
「これと変態教師の一面はまた別物で…まぁいいか。」
膝をついたまま立ち上がることもできず、仕留め損なった奴をただ見ることしかできない。
しかし目の前の道化師は、死に体の俺にトドメを刺そうとはしない。
鴨志田卓
「さて、これで分かってくれるか?お前を殺す気は無いんだ。」
「俺は、明智吾郎を助けたいんだ。話、聞いてくれよ。」
明智吾郎
「…。」
弄ぶような素振りも見せない。
…無言で、地面に座り込む。
息も絶え絶えの状態で、ただ見上げていた。
鴨志田卓
「ありがとう。じゃあ…これはさっき、連絡を受けたんだがな?」
「もしもし?なんとかなった。話を聞いてくれるそうだ、来てくれるか?」
誰かと、連絡を取る素振り。
この異世界の中で通信ができるものなど一人だけだろう。
奴の呼びかけに応じて、こちらに円盤が飛来する。
佐倉双葉が持つペルソナ、ネクロノミコン。
…追突された。
明智吾郎
「ぎっ…」
佐倉双葉
「おおっとォ!手が滑ったぁ!」*2
声も出せず、力無く転がる俺。
止まった所には、俺を見上げる男が2人。
坂本竜司
「吾郎っ!大丈夫か!?」
明智吾郎
「お前ら…」
治療はされているものの…ボロボロになった祐介と竜司だった。
喜多川祐介
「すまなかった。彼らが吾郎に襲い掛かろうとしているのだと思ってな…」
「襲撃を退けられ、このざまだ。」
明智吾郎
「何やってんだよ。…危ない、だろ。」
坂本竜司
「危ねえのはお前だろ、吾郎!」
喜多川祐介
「お前は、1人で抱え過ぎている。共に進もうとする俺達を受け入れておきながら…自身の持つ重荷をまるで渡そうとしない。」
「何故、お前だけが指名手配などされた?少しは、俺達にソレを寄越せ。」
竜司が俺の背中を起こし、祐介がそう語ってくる。
明智吾郎
「俺は、そんな事…言われるような人間じゃないんだよ。」
「全部、全部嘘だったんだから…」
我慢が効かない。
全て吐き出してしまいたい。
もう、楽になりたい。
明智吾郎
「正直に言うけど、俺は、お前等が好きだ。」
「同じ、大人に滅茶苦茶にされた境遇で、腐って…俺と馴れ合って。俺を持ち上げてくれるお前等と過ごすのが…心地良かった。」
…。
明智吾郎の口から出たのは、原作、P5Rのコープにて雨宮蓮へと伝えたものとはまるで真逆のセリフ。
明智吾郎
「けど…俺は、お前等のリーダーには相応しくない。」
「精神暴走事件の犯人は…俺だ。」
「コレまで、ずっと騙していた。自分に都合が良くなるように、嘘を…ついていた。」
喜多川祐介
「犯人が、吾郎だと?」
明智吾郎
「そうだ。」
喜多川祐介
「パレスの主は殺すしかないと言うのも嘘か?」
明智吾郎
「…。」
「そうだ。」
※喜多川祐介視点
吾郎は、こちらから視線をそらさない。
力無く竜司に抱えられる中、右手で左腕をつかんでいる。
動揺が、負い目が伺えるのに。
こちらの反応を、見届ける気でいる。
竜司は、こちらを見て頷いていた。
俺としたあの話を、ちゃんと覚えているらしい。
俺は…
喜多川祐介
「ククッ」
吾郎へと笑ってみせた。
喜多川祐介
「ようやっと、それを話してくれる程に俺達を信用してくれたか。」
明智吾郎
「…は?」
心の底から、何の膜も通らず出てきた疑問符。
くつくつと笑いながら、話してやる。
明智吾郎を一度打倒し、弱った所を説得する作戦なのだと彼女らは話していた。
だが、説得できるような機を測っていたのは俺達もなんだ。
目線で問えば、鴨志田は了承の意を示してくれる。
ゆっくり、
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記