鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第229話 8/8(月) 明智吾郎を救済せよ

 

 

※鴨志田卓視点

 

 

メメントス地上。

 

セントラル街への横断歩道前、

具体的に言えば原作のカネシロパレス脱出時に現実世界に出てきたあたりの場所で明智と喜多川らが会話する中。

 

ブチ公前にて心の怪盗団達は纏まり、軽く会話を行っていた。

 

距離が空いてあるのは双葉が明智を撥ね飛ばしたからだ。

 

 

 

鴨志田卓

「大丈夫だったか?」

 

佐倉双葉

「だいじょぶ。死ぬかと思ったけど。」

 

鴨志田卓

「よく頑張ったな…後で、詳しく聞かせてくれ。」

 

佐倉双葉

「おう!」

「…うわ、今撫でないで!炭付いてる!」

 

鴨志田卓

「あっ…すまん調子乗った。」

 

佐倉双葉

「頭ポンポンは構わん。けど腕って分からないくらいのボロボロで触られると心配。」

「万全になってから労いたまえ。くるしうない。」

 

…。

 

奥村春

「苦労したけど、何とかなって良かったね…」

 

新島真

「後は話だけど、説得はできそうなの?」

 

鴨志田卓

「いけると思う。あいつらの繋がりが思いの外強かった。」

「皆、本当によくやってくれた。2人とは何か話したか?」

 

三島由輝

「俺達は正義の味方をやってるってことをしっかり話してやっといた。」

「俺が撮ってたこれまでの写真とか、色々証拠付きだから信じてくれると思うよ。」

 

鴨志田卓

「ありがとう。俺だと警戒されるだろうからなぁ…。いつ撮ったのかは置いといて、助かるよ。」

「…しばらく、彼等を見守ろう。」

 

雨宮蓮

わかった

心配…

きっと上手くいく

 

わかった

心配…

きっと上手くいく←

 

 

鴨志田卓

「俺も、そう信じてるよ。」

「…雨宮?????」

 

新島真

「あ、後で詳しく話してくれるから。私も気になってるの。」

 

 

頭に疑問符を大量に浮かべながらも、なんか知らないけどしれっと私服でここに居る雨宮蓮を気にしないようにしながら。

三人から離れて、見守る姿勢を取る。

 

 

 

 

 

※喜多川祐介視点

 

 

 

自身の罪を告白する吾郎に対して、俺は言った。

 

喜多川祐介

「ようやっと、それを話してくれる程に俺達を信用してくれたか。」

 

 

吾郎に対して、俺は。そう言ったんだ。

 

 

明智吾郎

「…は?」

 

 

喜多川祐介

「自分で考えろと言ったのは吾郎だ。あれから…色々な事を考えていた。」

「…本当に斑目を殺すべきだったのか、という事もその1つだ。」

「川鍋さんから、奴が歪む前の話を聞いた。別邸に住んでいた、斑目の女とも話したよ。」

 

 

語るのは、己のこれまでの行動。

 

川鍋暁生の画廊へと参加し、彼が導く者たちと共に絵を描いた。芸術を学んだ。友好を結んだ。

 

川鍋さんから話を聞いた。

第1発見者となった俺に配慮をしながら話す、俺の知らない斑目の話。

 

斑目の女と会うことについても…優しさから、辞めるべきだと言われたが、どうしてもと頼み込めば手配してくれた。

搾取元である俺に同情と憐れみの目を向けながら話す、俺の知らない斑目の話。

 

 

喜多川祐介

「薄々、パレスの主も改心ができるのには気づいていた。」

「吾郎を助ける為にと仕事を受け、オクムラフーズに出入りしていただろう?その時、何度か奥村邦和の姿を見てな。誰がどう見ても心が変わっていた。」

「…斑目も、あのようになっていたかもしれないと、自分なりに考えてみた。」

 

 

オクムラフーズでは、日増しに社員達の顔色が変わっていた。勤務形態が変わるからと様々なスケジュールや納期が遅延していたが、聞けば残業時間が無くなったのだと。

麻痺したかのように事実だけを不思議そうに話す主任が、数日後には噛み締めるように休暇について話すのが印象的だった。

 

一度だけ、直接奥村邦和とも言葉を交わした。

今初めて見た資料に対して随分と具体的に助言を寄越し、手間をかけた点を的確に褒め、激励された。

報酬も、額が跳ね上がったと川鍋さんから聞いている。

 

斑目も、そのように…周囲に恩恵を振りまいていたかもしれない。

そう想像をしてみた。

 

 

喜多川祐介

「…俺は、それでも許せなかったように思う。」

「心を入れ替えて、全てに謝り、残りの人生を償いに使っていたとしても…全てが片付き、俺にまた絵の指南を行ってくれるとしても。」

 

「この男が、俺の母を見殺しにしたのかと。」

 

「この男は、この技術であれ程に汚れた所業をしていたのかと。指導を受ける思考が濁っていたように思う。」

 

「以前のように斑目と接する事ができる機会など無かったんだ。俺が知る斑目は…最初から…歪んでいた。歪む前も何も無い。」

 

 

言葉に、隙間が開いていた。

言葉にし難い、認めたくない話。

 

 

喜多川祐介

「聞くが吾郎、奥村邦和の心は初めから歪みきっていたのか?」

 

 

明智吾郎

「…いや、獅童が唆してから、危険な状態になったと聞いてる。」

 

 

喜多川祐介

「そうか。なら、奥村春にとって廃人化は不要だっただろう。」

 

「もう一つ、聞かせてくれ。」

「獅童正義は…いつから憎い?」

 

 

明智吾郎

「…最初からだ。」

 

吾郎は絞り出すように、感情を言葉にする。

 

 

喜多川祐介

「なら、決別してしまおう。心を黒く染めてまで、その道を歩んだんだろう?ならばさっさと済ませて、綺麗さっぱり新たな道を進み始めねばな。」

 

 

明智吾郎の殺意を、俺は肯定する。

彼が、俺の殺意を否定しなかったから。

決別に踏み切ろうとした時、止めずに…見守ってくれたから。

 

 

…。

喜多川祐介のコープでは、何度も、何度も斑目一流斎の名が出てくる。

斑目の与えてくれた技と、その斑目の罪を。結び目を解いて向き合うコープ。

 

しっくりくる道を見つけた喜多川祐介は真っ直ぐ前を見て、己の道を進み始める。

コープではない、本編のストーリー上で…彼が斑目の名を口に出すことはほぼ無い。

 

心の暗い欲望に。上から、絵の具が塗られていく。

ドス黒く濁った頭に、光が灯り。

祐介の目の前に居る男に、明晰な智慧が戻ってくる。

 

明智吾郎の罪に。祐介は筆を加えようとしていた。

彼が描いた、『希望』の絵画のように。

 

 

 

明智吾郎

「…俺に、そんな言葉…掛けていい訳が、」

 

喜多川祐介

「奪っていった大人を見返したいんだろう?」

「叶える力を得て…お前は、その力をどう使った?」

 

明智吾郎

「自分の、計画を達成する為だけに…」

 

喜多川祐介

「違う。」

 

 

喜多川祐介

()()()()()、使ってくれたじゃないか。」

 

 

 

 

…。

原作において、坂本竜司は雨宮蓮にとってかけがえのない存在だと言われる。

初手、鴨志田卓によって陥れられた所に。同じパーソナリティを持って共感し、共に歩んでくれる男。

その明るさと、直情的な態度で、闇堕ちを防いでくれた存在だと。

 

喜多川祐介は、明智吾郎にとって…

その立場に成り得る存在なのではないかと、解釈している。

 

 

喜多川祐介

「俺は、斑目と決別した後の道を…吾郎と共に歩みたい。」

「吾郎は、どうしたい?」

 

明智吾郎

「…俺、は…奴に…」

 

 

 

 

…。

明智吾郎はこの力を得て。直接、獅童正義を廃人化させようとはしなかった。

獅童正義が、自分を廃人化しようとした時の為の備えを用意したのは明智吾郎と出会ってから。つまり、黙って狙えば比較的容易に成功しただろう。

 

獅童正義がスキャンダルを狙われていた所を、わざわざ廃人化を使ってまで助け、自分を売り込んだ。

母が早逝して、親戚を転々として…唯一の父親が獅童正義。もしかすると、明智吾郎という人間は…

 

 

 

明智吾郎

「…認められ(あいされ)たかった。」

「奴が憎い癖に、こんな遠回りな事をしたのは…その『一面』があったんだろう。一度くらい、奴、から…」

 

「…。」

「同時に、憎かった。」

「俺と同じくらいに、奴の人生をめちゃくちゃにしてやりたかった。その『一面』を、本心と考えてた。あんな奴に愛を求めるなんて、馬鹿げているから。」

 

 

明智吾郎

「なのに、その道中でお前等とつるんだら…満たされて、来たんだよ。頼られたい、必要とされたいって…心が。」

「お前等に嘘をつくために始めた改心、やってみると楽しくてさ。仲間に囲まれて、認められて…」

「廃人化を減らしている件について獅童から小言を言われても、不快にはなったが心が痛まなかった。」

 

「奴から評価を得ることへの、俺の中の価値が下がったんだよ。なんで…固執してたかすら、わからない。」

「今はただ…なるべく奴に、苦しんで欲しい。できれば生きて、その無様な顔を世間に晒し続けて欲しい。」

「それを、お前等と見てさ。…飯でも、食べに行くんだよ…」

 

 

吾郎は、血のついた、白い手袋を外して。

その手で…顔を覆った。

 

…。

明智吾郎の、愛への飢えにより歪んだ恨み(にんち)が整った。残るのは…素直な復讐心。

 

 

 

 

喜多川祐介

「そうか。ならば、俺が愛情をやろう。」

 

明智吾郎

「…。」

「友情をくれ、友情を。」

 

折角言ってやったのに、溜め息をつかれてしまった。解せない。

まぁ、吾郎の本意が聞けたので良しとする。

 

 

 

喜多川祐介

「なら、あとは交渉だな。竜司。」

 

坂本竜司

「おう。」

 

竜司は、吾郎を近くの電柱へそっと立て掛け

鴨志田らの元へ向かおうとする。

 

明智吾郎

「!」

「おい、竜司…」

 

鴨志田と竜司の関係を知っているから、吾郎は呼び止める。

 

(ククッ…これを優しさと呼ばずなんと呼ぶ?)

 

竜司はそれに応じ、振り返らず答えた。

 

 

坂本竜司

「吾郎が言った、鴨志田の話は嘘だったんだろ?」

 

明智吾郎

「ああ。俺が観測した時は、既に奴は善人になっていた。」

「…幻滅したかい?」

 

坂本竜司

「するわけねえ。」

「俺は、あの嘘が無かったらどうにかなってた。まともに息もできねえで、腐りきってたと思うんだよ。」

「一緒に走ってくれたから。それが嘘でも、俺は前を見れるようになったっつうか…」

 

「だからよ。俺も、手段は選ばねぇから。」

 

 

そう言って、もう立ち止まることはなく。

こちらを見やる鴨志田の元へと…竜司は歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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