鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
胸の痛みも気にならないほどに頭が痛む。
体内の、芯のほうから響く痛み。
脳のどこかが実際に傷ついているのではないのだろう。
不遜な声が、心に響いている。
大の字に倒れていた姿勢から 両手で頭を抱え 静かにその声を聴く。
『さて。』
『この世界は、輝きで溢れている
なぜ、俺はその輝きを浴びることができない?
俺が、王で無ければ。
俺は耐えきれなかった。』
やっと、その声を聴けた。
聞けると思っていなかった
己自身が、憑依し消したはずの存在の声。
『周囲から押し付けられる期待は、すぐ勝手に落胆にすげ替えられる。』
『だから俺は、小さな城を持った。
俺が王となれる 攻め込まれる事の無い城を。』
『お前の記憶を見た。俺は、その城を落とされる定めらしい。歪んだ悪人として当然の末路だろう。』
『それを、貴様は否定するか。』
ペルソナの世界に転生をするなら、何を成したい?
ペルソナを遊んだ人間なら、考えたことがある者は多いだろう
救えなかった人物を救いたい。死ぬはずの敵を救い、味方として引き入れたい。
様々な人々が、そんなIFを星の数ほど思い浮かべている。
俺が、救いたかったのは。
「俺は…こんな場所で終わるべき存在じゃない。そうだろう?鴨志田卓。」
「鴨志田卓が、この世界の主人公だ。」
「これから世界を救う、英雄となる漢だ!」
「そうだよなぁ!!!」
勢いよく跳ね起き
誰よりも、救いたい存在に
天を見上げてそう呼びかけた。
『…興が乗った。』
目が、黄色に輝く。
『我は汝、汝は我。』
『主役の簒奪者となるのは悪くない。
汝よ、王になれ
我を、鴨志田卓を顕示せよ!』
「ああ、ここからが…」
鴨志田卓
「鴨志田転生の始まりだ!」
胸元の傷が塞がり、背中にはためくマントが、王族仕様の豪華な物になった
そして頭上に、朱く輝く王冠が現れる…
「アスモデウスッ!!!!」
鴨志田卓の背後に現れたのは
原作最初の大ボスでお馴染みの
カモシダ・アスモデウス・スグルだった
ーーー
アスモデウス
耐性なし
弱点なし
スキル
・大治癒促進
・デビルタッチ
・プリンパ
NEXT→マリンカリン
ーーー
モルガナ
「カモシダ、それは…!」
鴨志田卓
『「俺を見ろぉっ!」』
王冠が輝き【デビルタッチ】発動、マンティコアの精神は恐怖に染まる
鴨志田卓
『「とぅっ!!」』
ヒーロー姿の鴨志田卓が、大きくジャンプすると
その背後に、悍ましいペルソナが追従する
その構えは、バレーボールのスパイクだ
鴨志田
『「アタァーック!!!!!」』
鴨志田卓の精神が
鴨志田卓の肉体を、砲弾として打ち出した
光と、音。
それ以外の情報が消える。
大きなクレーターの跡。
砂煙が収まるとマンティコアの姿は無く
残るのは、鴨志田卓のみ。