鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
※B班、三人称視点
シドウパレス内、客船・プールデッキ…
船の頂点部分に作られた、水着姿の男女が揺蕩う非常に広い規模のプール。外周にバーも用意されており、至れり尽くせりの空間。
坂本竜司
「あの悪趣味な像のせいで手こずっちまった…ここ、プールか?」
明智吾郎
「みたいだね。」
「チッ、時間があったら全部砕いて回ったってのに。胸糞悪い…」
三島由輝
「すごい!悪趣味な悪党の認知なだけあって水着の女の子だらけだ!」
「あ、けど同じ顔の人が複数…」
モルガナ
「同じような顔をした奴らとでも思ってるんだろうぜ。量産型ってワケだ。」
喜多川祐介
「ここに居るのは…旧華族か。」
「あの男だな。」
明智吾郎
「行こうか。」
ネズミになってしまう像が配置されてる船内をクロウ主導で正攻法で突破し、一行はプールへと到着していた。
水着を眺めて楽しんでいる旧華族を発見し接触する。
旧華族の名士
「なんだね、君達は。」
坂本竜司
「おう、オッサン。」
「紹介状持ってんだろ?殴られたくなけりゃ寄越してくれ。」
三島由輝
「うわ、カツアゲ…」
モルガナ
「交渉材料も無いんだ、これが一番早い。」
特に交渉材料も無いため、ひとまずヤンキー式ファーストコンタクトを取ってみる。
原作では止めていたクイーンが不在であり、急いでいるのもあって『ビビって招待状出してくれたら手間が省けて良いな』くらいの気持ちで話しかけた。
旧華族は不機嫌そうにため息をつく。
旧華族の名士
「どこぞの馬の骨とも分からん奴にやる物は何も無い。目障りだ…警備を呼ばれたくなければ、帰りたまえ。」
明智吾郎
「《僕》の事は、ご存じないですか?」
赤い仮面を外し、にこやかに笑いかけるクロウ。
旧華族の名士
「…ふむ。探偵の…明智吾郎だったか。」
「悪いが、君のようなのに割く時間は私には無いのさ。血筋も何も無い、平民にはね。」
明智吾郎
「…血、ですか。」
旧華族の名士
「そうだ、血は絶対。生まれで人は決まる。蛙の子は蛙で、覆される事はないのだよ。」
「わかったら、さっさと何処かへ…」
クロウの持つ闇、全てに触れる言葉。
しかしクロウが動くより先に、1つ銀線が走る。
旧華族の名士
「は、なっ…え…っ!?」
喜多川祐介
「それ以上の侮辱は止めて貰おうか。」
「もう一度言えば、紹介状の用意は足を使う事になる。」
脇から刃が抜けるように振られた刀。
肩関節を含めた右腕を切り落としていた。
喜多川祐介
「ところで…何も特別な血は流れて居ないように見受けられるが?」
旧華族の名士
「んなっ…貴様ぁぁあ!!!」
咆哮に伴う変貌。フォルネウスの姿となり、フォックスへと襲いかかる。
その目はフォックス以外眼中になく、当然…横槍を許してしまう。
明智吾郎
「やり過ぎだ、フォックス。」
「…ありがとう。」
クロウがペルソナを切り替え、オーディンを顕現。【真理の雷】の電撃属性によりDOWN、総攻撃。
直後にスカルによる【ジオダイン】にて再度総攻撃を行い、即座に撃破する。
旧華族の名士
「くっ……」
喜多川祐介
「心配するな。」
「誰も、お前の字の醜さなど気にしない。」
利き腕を失った旧華族に、ミミズが這ったような字で紹介状を用意させた。
三島由輝
「猛烈だったね。結構過激なんだな…」
喜多川祐介
「すまないな、気分を害したか?」
三島由輝
「別に。暴力は見慣れてるけど刃物が経験薄いだけ。クロウの話はある程度聞いてるからわかるけど…ありゃ相手が悪いね。」
坂本竜司
「まぁ、キレて殴るのは程々にしとけよ。…その、よくねー事ばっかだし。」
どこか実体験の伴う発言で、スカルはフォックスを嗜める。
…。
坂本竜司は暴力的な一面を持ちながらも…
過去の父親や鴨志田の記憶から、理性や倫理観を併せ持っていた。
スッキリしない鴨志田の心変わりでもその善性は歪まず…いや、歪む事が出来ずにいた。
負荷を掛けられた心の痣はまだ色濃く残る。
しかし、今は負荷を感じてはいなかった。
喜多川祐介
「心得ている。ただ…クロウの手を汚したくないだけだ。」
明智吾郎
「…。」
「また後でじっくり話そうか。」
「ひとまずは、フォックスの配慮に礼を言っておく。」
…。
喜多川祐介は、明智吾郎の選択を全て肯定する事に決めていた。
彼が悪の道へ進む可能性を知った上で、望むなら共に地獄に堕ちる覚悟があった。
その彼が、
無事に紹介状を手に入れ、クロウが自らの懐に仕舞う。
明智吾郎
「そうだ。この間したラーメンの話だけど、俺が奢るよ。」*1
喜多川祐介
「なっ…良いのか!?3…いや、5000は硬いだろうに!」
明智吾郎
「巡る店舗全てで奢らせようとしてないかい?2千円増えたの、ちょっといい奴頼む気だろ。」
喜多川祐介
「案ずるな。追加トッピングは頼まないようにする。」
明智吾郎
「…。」
三島由輝
「良いなぁ…まぁ俺は小遣いあるし大丈夫だけど。」
モルガナ
「ラーメンだろ?ワガハイ魚派だから…」
三島由輝
「出汁は海産物ばっかだからいけるって。何事も挑戦って言うじゃん?」
明智吾郎
「え、君達ついて来ようとしてる?」
…。
続いて船内を進んで、客室・娯楽ホール。
スロットマシンやカードゲームのテーブルがの立ち並ぶフロアへ。
金持ち達が談笑をしながら、片手間のようにくるくると金を溶かしていく。
三島由輝
「うっわ、1回転いくらだよ…」
「折角豪華客船来たのになんでスロット?折角なら海とか見たら良いのに。」
明智吾郎
「公海って呼ぶ、どこの国でもない海の上なら合法的に換金可能なギャンブルができるんだ。案外、豪華客船に因んだアトラクションらしいよ?」
坂本竜司
「へ〜…漫画のあの船ってそういうカラクリか。」*2
明智吾郎
「まぁ、日本籍の船だと公海でも違法だけど。」
坂本竜司
「違法じゃねぇか!」
イ◯ンモールによくあるような、中央が吹き抜けになっている天井が高くとても感じられるようなホールの最下層にターゲットのTV局社長は居た。
モナが察知し、周囲に伝える。
坂本竜司
「どうする?このまま力ずくでやっちまうか?」
モルガナ
「そうしてくれ。奴はノワールに接触する前に仕留めたい。」
喜多川祐介
「何か訳アリか…いや、成る程。広告か。」
モルガナ
「それなりの繋がりがあったと聞いてる。ノワールの父親はシドーから
明智吾郎
「なら、さっさと片付けようか。TV局の奴等なんて、ロクな思想を持った奴は居ないからね…」
「俺に策がある。パピヨンの技を見てから、できるんじゃないかと思っていたんだけど…」
父親やばい組を構成するフォックスとスカルは、曲げられた事実こそあったが奥村春を助ける為に動いていた。
改心前の奥村邦和についての事情はそれなりに知っているため、同情的な思いは持っている。
それはクロウも例外では無かった。それを押し切る冷酷さをもって、自身に都合が良くなるようにと奥村邦和を殺そうとしていたが…
今、あの時まで時間を遡ったとしたら…クロウは、奥村邦和に引き金を引けないだろう。
仮面と服を変え、ロキを携えて。
パピヨンのトスに合わせ、空中で1回転しバレーボールにカカト落とし。
明智吾郎
「
「ククッ…、血祭りだ!!」
このバレーボールは、『器』だ。
選手の想いのバトンを繋ぎ相手へ叩きつけるための器。込められた想いが、属性となって弾ける。
顕現するロキが、既にパピヨンによって万能属性を込められたバレーボールに更に力を注ぎ込む。
そんな事をしてしまえば、外殻が保たれず爆ぜるのは当然で。
投下された『爆弾』はスロットエリアを一層丸ごと飲み込む。
純粋に火薬を増やす、クラウンの【金メダル級スパイク】とはまた違ったアプローチによる威力上昇。
こちらは範囲が広く安定性に欠くが…つまりは蹂躙に非常に適していた。
エフェクトが消えた後そこに残るのは、戦闘能力を有する特異シャドウ・TV局社長達のみ。
明智吾郎
「さぁ、お楽しみの収穫だ!行くぞ!」
坂本竜司
「おうよ!」
三島由輝
「うわすっげ…負けず劣らず!」
「蹴るのは…まぁバレーのルール違反じゃ無いからいいよね。」
喜多川祐介
「フッ、これがうちのリーダーだ。中々やるものだろう?」
モルガナ
「あの社長は氷結属性に弱い!早く降りるぞ、フォックス!」
ハイになって吹き抜けを飛び降りていくクロウを、そのまま飛び降り追いかけるスカル。
残る3人も後を追いかけ、既に大ダメージを負ったTV局の社長へトドメを刺した…
TV局社長
「か、こふっ…な、んだ…貴様ら…」
明智吾郎
「時短ですよ、じ・た・ん。」
「ドーパミン中毒のパチンカス共が好きそうな言葉だ。」
にこやかに、しかしガナリをきかせてそう言い。
倒れるTV社長の髪を掴んで頭を起こし。
明智吾郎
「さっさと紹介状を出せ。殺すぞ。」
無表情でそう脅す。
TV局社長
「ヒィッ、わ、わかった…わかったから…」
明智吾郎
「スカル、脅しってのはこうやるんだ。」
坂本竜司
「は〜…」
「いや、参考にしちゃダメだろ。」
三島由輝
「倫理観」
そうして、紹介状を奪い取る。
次の場所は何処か考えていると…ナビから通信が入る。
向こうでも紹介状を2つ獲得して、あと一つだと。
なら、班を分ける必要はもう無い。まとまって、暴走しているクラウンの回収に動けば良い。
船内の奥地にて、別行動していた者たちと合流する事になった。
…。
※三人称視点
シドウパレス内、機関室。
手前にあるちょっと開けた空間…原作にて明智吾郎との決戦があったあの場所に心の怪盗団は集まっていた。
三島由輝
「上手く行った?」
奥村春
「うん。ちょっと申し訳なくなるくらい。」
「成功しすぎて…なんだか加害者って感じが強くなっちゃって…」
モルガナ
「相手は悪人だし、認知存在なんだ。割り切りが肝心だぜ。」
新島冴
「…うん、確かに招待状ね。あとはトラブル処理役だけらしいけど…姿を現さなくて。」
明智吾郎
「こっちも収穫は無し。恐らく、トラブルの塊が暴れ回ってるからだと思うんだけどさ。」
認知存在が居ない場所でお互いの情報を交換していると。
激しい音を立てて、階段の上から何か大きなものが転がってくる。
鴨志田卓
「ギ、グゥ…」
それは悪鬼羅刹のような顔の、ボロ雑巾のような有様のクラウンで。
明智吾郎
「敵襲!」
佐倉双葉
「わわっ!」
素晴らしい手際でモナとクイーンが回復魔法を飛ばし、場馴れしたクロウと部活馴れしたパピヨンが前に出る。
追いかける形でフォックスとスカルが武器を取り出し、階段を降りてくる男を見上げた。
聞き覚えのある声
「チッ…やーっと殺れそうだったのに。」
明智吾郎
「…お前が、俺を殺す為の準備か。」
クロウはすぐさま察した。何故ならば。
認知存在『アケチ ゴロウ』
「獅童『船長』の命令だ。異物を排除しろってさ。」
「仕留め損なった異物と、今始末すべき者が一緒に来ないでくれるかな?」
それは、認知存在の自分自身だったから。
一方的にクラウンにのみ傷がついているように見える。だがしかし、戦線は拮抗していたのだろう。
認知明智の周囲には十数匹もの回復可能なシャドウ、パールバディにサラスバディ達が控えている。
認知存在『アケチ ゴロウ』
「戦闘員は全員オシャカだ。舐めた真似しやがって。」
佐倉双葉
「お前っ!回復しながら殴るなんて卑怯だぞ!」
奥村春
「クラウンが最たる例じゃない?」
鴨志田卓
「…んあ?」
「おお、皆が居る。今北産業。」
先ほどの吹っ飛びで暴走した力が無くなったらしく、寝起きのような気の抜けた態度で正気を取り戻すクラウン。認知明智が全力で削っていただろう
三島由輝
「
紹介状集めてる。
あと1枚。
クラウンは認知存在と戦ってたっぽい。
」
新島真
「いや、招待状は揃ってる。クラウンの服に挟まってるそれ、紹介状でしょ?」
鴨志田卓
「ん? お、本当だ!」
新島冴
「それじゃあ、その認知存在を消せば終わりね。」
鴨志田卓
「おお〜、上手く行ったんだなぁ…」
モルガナ
「立て!来るぞ!」
鴨志田卓
「悪い、頭がボーッと…おっと。」
認知明智が、クラウンの眉間を狙った銃撃を。
クロウの喚ぶオーディンが防いだ。
認知存在『アケチ ゴロウ』
「馬鹿げてる…
「お前は誰だ?」
明智吾郎
「…ふふっ。」
「『父親やばい組』のリーダーだよ。中々、イカす『一面』だろ?」
上機嫌に、歌うように呟く。
対照的に、表情の歪む認知存在。
認知存在『アケチ ゴロウ』
「そうかい、リーダー。」
「なら、お仲間が一人一人死んで行くのを見ていけよ!」
狂気に満ちた笑み。瞳孔を絞り、引き裂けそうな程口を開く。
原作に確かに存在する…しかし、戦うことの無い強敵。
認知存在『アケチ ゴロウ』との戦いが始まる。
原作と違い、今度は沢山の仲間と一緒に。
※呼び名について※
原作ですと 認知明智 と表現されるのですが、漢字表記で明智吾郎と一緒に描写すると少々見辛いように感じますので
今回は 認知存在『アケチ ゴロウ』 として表記させていただければと思います
地の文のところでは認知明智とクロウで表記してまいります