鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第238話 8/11(木) 認知存在『アケチ ゴロウ』

 

※三人称視点

 

 

 

即座に、近くの通路から逃走を図る認知明智。

パピヨンによる万能属性のバレーボールにて押し留める。

 

その隙にナビがハッキング。周囲の隔壁を閉じていく。

 

 

 

佐倉双葉

「クラウンいいトコでやられた!ここなら閉じ込められる!」

 

新島冴

「彼も閉じ込めようとしていたのかしら?何にせよ、総力戦ね。」

 

自身の元へ飛んでくる銃弾を、レビアタンの武器で弾くビショップ。

 

 

肉薄する切り込み隊長(スカル)。こん棒での攻撃をしゃがみ込んで躱し、股下を潜り抜ける。

すれ違いざまにスカルの膝裏に銃撃。関節を貫通し、膝の皿を砕く。

 

坂本竜司

「痛ぃっってぇ!!?」

 

DOWN。1more。 

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「まずは一人。」

 

喜多川祐介

「させるかっ!」

 

スカルの後頭部へ、認知明智の銃口は向く。

その腕をフォックスが居合斬りで斬り飛ばさんとするも、滑るようなステップで数十センチだけ後退。

空振り。

振られた腕のうち、肘を。正確に撃ち抜く。

 

喜多川祐介

「ぐぅっ!!」

 

 

DOWN。1more。 

 

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「知らないの?」

「『人間は、銃で撃てば死ぬ』んだ。」

 

 

…。

自身の認知世界の中に侵入した明智吾郎を殺せるほどの、明智吾郎の認知存在とは…どういった性能(スペック)なのか。

ムービーシーンによる補正だと言えばそこまでなのだが、ここではあの銃撃に着目したい。

 

一度HPを空にした後とは言え、一撃で明智吾郎を屠った(ような報告をナビが行う)あの銃弾だ。

 

獅童正義は認知訶学を齧っており、認知の作用に多少の覚えがあるのならば。

獅童正義の確固たる認知は…認知の異世界上ででも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()弾丸を生み出す事ができるのではないだろうか。

 

 

引き金が引かれる直前。

 

 

明智吾郎

「後で治してやる、歯ぁ食いしばれっ!」

 

オーディン。

仲間を巻き込んだ、豪快な【真理の雷(ぶっぱなし)】。

 

ノワールが、電撃耐性のないフォックスへ【マカラカーン】を滑り込ませる。

オーディンを召喚しているクロウに電撃は無効、損害を最小限に留める。

 

 

高速の連続バク転により認知明智は後退。シャドウ達から【ディアラマ】による回復を受け取る。

 

その間に、負傷した2人も治療を受けた。

 

 

 

 

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「厄介だな…」

 

認知明智はスタイリッシュに、オートマチックの拳銃を1秒かからずにリロードする。

 

 

 

明智吾郎

「獅童には、具体的な手法を一切伝えて無い!」

「つまり、こいつはただ純粋な…『現実的な強さ』の塊だ!」

 

佐倉双葉

「多分、意図的に()()()()してる!気をつけて!」

 

 

 

背後に控える敵対シャドウ、サラスバディ達が【サイダイン】を複数投射する。

各自散開して避ける中、最も他の味方と距離があったフォックスに認知明智は肉薄。

自動拳銃を利き足へと正確に連射しながら急接近。

 

穴だらけになった足、踏み込みの効かないフォックスに正確無比な前蹴り。

それでも歯を食いしばり刀の腹を滑り込ませるも、それだけで10mは後退する馬鹿力。

 

 

 

 

三島由輝

「俺も混ぜてくれる!?」

 

追撃を始める寸前、気配を消していたパピヨンが背後から低い姿勢でステップ移動。その足を掴む。

それに対して認知明智は…意に介さず、まるで蹴るような動き。

足にパピヨンをつけたまま、回し蹴りを行う。

 

三島由輝

「いよっし、捕まえ…うぉわぁっ!!!」

 

その先に居るのはフォックス。手を離せば接触事故が起こり、数十秒も隙を晒すだろう。

 

三島由輝

「はっは残念、握力鍛えたんだよね!!」

 

しかし、気合と根性でしがみつく。

足首を握りしめる手は外れずに、人間一人分の慣性で認知明智が一歩よろめく。

 

喜多川祐介

「行くぞ!」

 

 

ボロボロの足。機動力を奪われながらも闘志を燃やすフォックスがカムスサノヲを喚ぶ。その巨大な剣を草でも刈るように薙ぎ払う。狙うは唯一接地する軸足。

 

認知明智は器用に、パピヨンの生んだ遠心力に従いながらジャンプ。

まるで車輪のように縦回転で飛び上がる。

あろうことかその姿勢でフォックスに向けて3発発砲。

次の弾は肩へと明智する。

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「『日本の学生が、銃で数発撃たれて動ける訳がない』だろ?」

 

喜多川祐介

「ぐぅ……っ!」

 

HPが全損。

回復が無い限り継戦が不可能な状態になってしまう。

 

 

 

フォックスはノワールとの対決以外、これまで一人で戦ったことが無かった。

いつも(そば)には、クロウという安心して背中を任せられる強者が居たのである。

 

つまり、自分自身で勝ち切る力に乏しいとも言えるのだが…状況を読み、自分を囮にしてバトンを繋ぐ事に慣れていた。

 

 

喜多川祐介

「…やってしまえ。」

 

新島真

「ok!」

 

 

(パピヨン)が描いた青い輪。

その中央を…空を駆けるバイクが貫く。

役目を終えたパピヨンは手を離し離脱、着地に失敗し蛙が潰れるような声。

 

 

クイーンが跨るペルソナ、ヨハンナによる渾身の追突。

吹き飛ぶ先には、斧を振りかぶったノワールが。

 

器用に姿勢を整えて、ドロップキックの構えをとる認知明智。斧をブチ当てようと相殺するどころか相応のダメージをノワールに対し狙う。

 

 

しかし、彼女はそれを既に体験したことがあった。

 

 

奥村春

「吹き、飛んで!!」

 

予め掛けた【テトラカーン】。ドロップキックの物理ダメージは反射され、斧のフルスイングと合わせて面白いほどの勢いで天井にカチ上げられる。

 

反射の効果音と合わせて、まるで野球のホームラン。

発破でもしたような轟音を撒き散らし、認知明智は天井と激突。

 

HPを補給するべく、周囲を旋回するシャドウ達から認知明智へ回復魔法が飛ぶ。

 

モルガナ

「させねぇぜ!」

 

佐倉双葉

「あぁ^~生き返るわぁ^~」

 

 

ナビのペルソナであるネクロノミコンが、触手でモルガナカーを吊り下げ空を飛び…パーティ随一の当たり判定にて回復魔法をブロック。

 

天井の滞在時間はほんの0.5秒もない。認知明智は激突の土煙が散らばるよりも早く天井を蹴り出し、後衛に徹していたビショップの居場所に衝撃波付きで着地する。

 

 

ビショップはその認知明智を見て気づく。

先ほどのリロードに掛かっていた時間を考えれば、彼の銃にはまだ弾が装填されていない。フォックスへの発砲を考えると、弾数は僅か。

 

ビショップからクロウへ一瞬のアイコンタクト。

意図が伝わる。

 

 

明智吾郎

「降臨せよ、ロキ!!」

 

クロウはすぐさまペルソナをロキへと変更。黒く染まった服に姿が変貌し、【エイガオン】を認知明智へと投射した。

認知明智はリロードを辞め、ビショップに掴みかかる。

 

 

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「冴さん、これ効くだろ?」

 

 

肉の盾。

 

【名探偵の達眼】により認知明智はビショップの呪怨弱点を見抜いている。

しかし、このコープアビリティで判明するのは弱点のみであり…スキルを理解することはできない。

 

つまり。

 

 

 

新島冴

「大好物よ?明智くんも一緒にどうかしら。」

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「っ」

 

 

後ろ手で認知明智の銃を持つ腕をホールド。そのまま自分もろとも【エイガオン】を受ければ。

 

 

【呪怨反射】。

周囲からの妬み僻みを跳ね除ける精神力が生み出した力。

 

 

ロキに呪怨は無効。負傷するのは認知明智のみとなる。

引き剥がそうと込められた力に対してこちらが緩めてやれば、一瞬だけ体勢の崩れが生まれる。

 

新島冴

「レビアタン!」

 

顕現せし、己の歪みの極致。

只人より巨大な上背をしたものが、背中の服を掴み空中へと投げ上げ…すぐさま掻き消える。

 

 

 

…。

あくまでも、現実的な強さ。

となれば当然、空なぞ飛べない。腕には可動域の制限がある。

膂力が法外に高かろうと、人間では覆せない軽さについては…これまでに、鴨志田卓が何度も突かれている短所である。

 

どこにも踏み切れる足場がない。自由落下するしかない時間。

一切攻撃を避けられない、お膳立て(トス)

 

 

飛び上がる…2人の男。

 

鴨志田卓

「頼むぞ!」

 

坂本竜司

「高く付くぜ!」

 

認知明智が崩れた体勢で無理矢理クラウンへと最後の一発を発砲。着弾するも…

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「『普通の人間は、銃に怯む』だろうがぁっ!」

 

鴨志田卓

「ハ、俺はアスリートだぞ?」

 

小休止によって万全に回復した男の勢いは止まらない。

 

 

叩き下ろす掌(スパイク)と、振り上げるこん棒(スイング)

それぞれ助走のついた全力の一撃で…認知明智の腹を挟み込んだ。

 

肉を挟んで2つの武器のぶつかる轟音。付近に居るビショップの髪が大きく舞い上がる。

 

その衝撃を、肋骨のない内臓むき出しの体内器官で…どこにも逃がせず受け止めた認知明智。

外からの衝撃を守るための肋骨が、逆に内からの衝撃を逃さない檻となる。

白目を剥く。

 

地面に落下し、床に力無く転がる。

起き上がる事はない。

 

 

…消滅せず、機をうかがっている事を見抜いたクロウが

頭に光剣を突き立てた。

 

認知存在『アケチ ゴロウ』

「獅童、船長…すみま、せ…」

 

塵になって消滅する。

 

明智吾郎

「ちっ。敬称を付けるな、気持ち悪い。」

 

勝利。

自己嫌悪に罪悪感と戦う男に…自身と同じ姿をした者を傷つける事への抵抗は無かった。

 

 

 

…。

 

 

 

坂本竜司

「あ〜、痛ってぇ。」

 

喜多川祐介

「強敵だった。あれ程の技量とは…」

 

鴨志田卓

「いい前衛だった。人数有利を上手く活かせたのは、2人が各個撃破されずに踏みとどまってくれたからだ。」

「パピヨンもナイスガッツだったな。」

 

三島由輝

「へへ。カッコよかったろ?」

 

佐倉双葉

「えづいてたのでプラマイゼロ。」

 

三島由輝

「う…いやぁ、三半規管って大事だね…。」

「ジェットコースターとか乗れば鍛えられるかな…?」

 

喜多川祐介

「皆の火力も良かった。食い破られるのは時間の問題だっただろうからな。」

「最後、いい一撃だったぞ。スカル。」

 

坂本竜司

「…まぁ、タイミングは合ってたけどよ。」

「まだ獅童が残ってる。…次も、この調子で頼むぜ?」

 

鴨志田卓

「…。」

「そうだな!気張って行こう。」

 

…。

まだ、クラウン…鴨志田卓を信じきれていないスカル。

しかし、信じようとする姿勢は見せていた。

今回の連携や、この認知存在相手に長時間戦闘をしていたことから

部分的に切り分け、戦闘能力は信用できるだろうと認知。

 

少しずつ、『信用』を増やしている。

 

 

 

 

 

鴨志田卓

「そういえば、招待状は集まったって聞いたが。」

 

佐倉双葉

「おう。…じゃじゃ〜ん!」

 

明智吾郎

「こちらも2枚。警備が緩いから、手分けできてね。」

 

新島真

「後はクラウンの1枚で全部。消去法でトラブル処理役のかしら。」

 

三島由輝

「トラブル処理役の処理役って訳だ。」

 

奥村春

「語呂が悪くない?」

 

鴨志田卓

「お〜、上手く行ったな。良い作戦だ。」

「何か、問題点を挙げるとすれば…」

 

 

クイーンが身構える。明智吾郎の認知存在に襲われており、死ぬのが時間の問題だった危険性等を挙げられるのかと目星をつけていると

 

 

鴨志田卓

「我を失いすぎて、パレスの探索をした気にならない事だな。少しは自分の意思あるだろって油断してたが、あれじゃTVゲームを遊んでるのと何も変わらない。」

「時間に余裕はどれくらいある?豪華客船にある高級レストランの飯、食べてみたくないか?」

 

坂本竜司

「おっ?」

「んだよ、鴨志田のクセに話わかんじゃん…!」

 

三島由輝

「そうだよ?今のクラウン、クラウンの癖に話がわかるんだ。」

 

あろうことか、レストランがあると知った時のスカルと同じ提案をする。

 

新島真

「…。」

 

明智吾郎

「安全性については、助けられたしセーフって事で。」

「気の狂った作戦だと思ったけど…蓋を開ければ、ハイリスクハイリターンの良い手でしたよね?」

 

新島冴

「ええ。あの認知存在がゲリラ戦を徹底していたら甚大な被害が出ていたんじゃないかしら。」

「けれど、堅実に賭ける手も勉強して行きましょうね?」

 

新島真

「…うん、お姉ちゃん。」

 

複雑な顔になるクイーンを、クロウとビショップが励ましていた。

 

 

こうして、オタカラを守る存在は獅童のシャドウそのそのを除いて全て排除された。後はただ、獅童の元へと進むのみ。

 

 

鴨志田卓

「一度やってみたかったんだ。オタカラの前でガン待ちして…出現した瞬間に回収するの。」

 

モルガナ

「規模が大きくなると、こんな事も出来るんだな。」

「相手の規模も相応に大きい。派手に行こうぜ!」

 

鴨志田卓

「おう!」

 

ぴょんぴょん跳ねるモナを抱えて撫で(嬉しい)、横からナビに掻っ攫われ(悲しい)、レストランへの寄り道を却下されながらも(悲しい)、

本会議場へと足を進めた。

 

道中、新島冴さんのコードネームが決まったことに対してテンションが上がりつつ、正直俺も決めるのにアイデア出したかったなぁとか思って寂しくなったのだった。

 

 

 

 

 

 

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