鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
※以前の校長宅訪問は第112話
138話ぶりとなります
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昼
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その日は、修学旅行の引率に生徒を動員する建前でねじ込んだ取材の対応処理を手伝っていた。
体育教官室にて、校長より送られてきた取材の情報を処理していく。
これでも、転生前は現役の会社員だったんだ。
コミュニケーション能力が終わってたからかすぐ周りが相手にしてくれなくなってしまったし、人に相談しすぎずにちゃんと仕事を覚える能力は備わっている。
幸い、鴨志田卓よりも高い事務処理能力は持てていたようだった。経緯が悲しいけど。
(姿勢って綺麗な状態がデフォルトにすれば本当に歪んだ体勢を取らないで済むんだな。俺に足りないのは整体行く時間じゃなくて筋トレだったか…)
ぱちゃぱちゃとタイピングをして、成果を時々報告していくと…昼休み近くほどに校長先生から夕食のお誘いが。
『獅童正義の脅威も無くなったので、是非祝勝会に。』と誘われれば断れるはずもなく。
仕事終わりがとても楽しみになった…
…。
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夜
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鴨志田卓
「お邪魔します。」
モルガナ
「おっ邪魔しま〜す!」
校長
「何もない所ですが。」
鴨志田卓
「寧ろ、男の一人暮らしで汚部屋になってない事が素晴らしい事ですよ。」
モルガナを連れ、校長の家に上がる。
…。
以前は、獅童正義の差し金がどこに居るか分からず不安だという理由での校長宅での開催だった。
今回は、改心関係の話を存分にする為の校長宅での開催。
校長
「いやー。警戒すべき者が居ないというのは、心が晴れやかになるものですな。存分に、罪の清算に時間を充てられる!」
(ここで晴れた心をその使い道に回せるあたり、しっかり改心出来てるよな。数カ月たってまだこれなんだから、今改心してる人達も大丈夫だろ。うんうん)
鴨志田卓
「それはよかったです。こっそり動かないといけないのはまだ続いてますがね。」
校長
「えぇ。しかし…一段落つけば公表しても良いのでは?それこそ、改心の第一人者として素晴らしい地位を得られるかと。」
鴨志田卓
「…俺には、インターハイを優勝に導いたコーチの肩書きで十分幸せですよ。」
「今の仕事も続けていきたいですし、他のメンバー達の将来も決めつけたく無いんです。」
校長
「…立派な意見だ。」
「ならせめて、私にはその実績を讃えさせて欲しい。安いテイクアウトですがね。」
どんっ、と机に置いたのは。
ケン◯ッキーフライドチキンが入った
今度集まるときは出前でも取ると話してあったものであり、帰りにドライブスルーしたもの。
とりあえずってノリでオリジナルチキンを10個購入してから他のメニューを考える校長には心底驚いた。
モルガナ
「なんでだろうな。」
「高級な寿司とかより、こういうのを大量に買う方が『贅沢してる!』って感じだぜ。」
鴨志田卓
「やっぱり数は力なんだろう。こういうのって憧れだよな。」
校長
「ハハ、モルガナ君も好きにつまんで構わないからね。」
鴨志田卓
「そういえば、飲み物は?」
校長
「家にストックがありますから。」
段ボール箱からこれまた巨大なコーラが山ほど出てくる。
その横に1本ウイスキーが添えられた。
校長
「今日は、少しお酒も。」
「酔いに逃げるためじゃないアルコールにハマってしまいまして。一人だけ飲んで申し訳ないんですが。」
鴨志田卓
「あー、コークハイいいですね。」
「祝勝会なんです、俺は気にしないで下さい。」
校長
「では、ありがたく。」
校長が慣れた手つきでウイスキーをコーラで割っていく。
コーラとウイスキーを3:1くらいがオーソドックスだが校長は4:1ほどで作っており、校長の収入から考えてケチってるのではなく甘党だからだろうと推察される。
(ここにレモンやライムとか絞ると甘さがスッキリとして美味しいんだけど、多分校長の甘党な好みには合わないんだろうな…)
(ヤルダバオト片付いたら、俺もまた飲んでみるか…)
俺の分もコーラを入れてくれ、乾杯。
俺は何か情報を漏らしてはいけないので禁酒。
その為に、理由になるよう車で来ておいた。
人の家の、氷で冷やされながら飲むコーラは十分に美味い。
…。
校長
「改めて、獅童の改心お疲れ様でした。」
「今も道中と言えるかもしれませんがね。」
鴨志田卓
「ありがとうございます。いやぁ…2年以上掛けて人脈のプロが張った根ですからね。人数が多いのなんのって。」
「無事に達成できたのは校長先生の助力あってこそですよ。」
校長
「いえいえ、私のした事なぞ…」
鴨志田卓
「少なくとも校長先生が敵に回っていれば、俺はかなり不利な戦いを強いられていたと思います。校長先生はそれだけ優秀ってことです。」
校長
「…ふふ。」
校長は照れたようにフライドチキンを食べる。
モルガナ
「うぇ、一口で?」
ドラム*1を手羽先くらいの感覚で一口でちゅるんと口に含み照れる姿は紛うことなき糖尿病予備軍。
(気持ちいい食いっぷり、1周回って可愛いまであるな…)
校長
「…ゴクン。」*2
「獅童正義をどうにかしてくれると聞いた日は、半信半疑になっていました。…どうにかしてくれる、なんて表現は不適切でしょうな。私も、恩恵を受けている一人だったのですから。」
口の中の油を、アルコール入りのコーラでまやかしの爽快感を得て流しつつ。
校長
「正直、彼も…鴨志田先生のように周囲に恩恵を振りまく存在であったように思います。」
「脅しだけの関係では無いからこそ、裏切らない配下が沢山いたのでしょう。」
「その恩恵の内容が内容であるだけに…裏切りたくても、既に共犯者となってしまっている。自己保身をするには同時に獅童も守らねばならない。…よくできたシステムだ。」
ビスケットを半分裂き、付属のメープルシロップをチューブ丸ごと掛けた上にフライドチキンを置いて齧り付き、数秒咀嚼してから。
校長
「それを貴方は解き放ってくれたんです。これ以上の恩はありません。」
「私たちを『こちら側』に引き戻して下さった恩は…一生かけて返していきますよ。」
鴨志田卓
「校長先生…」
(い、今の話の間に何カロリー摂った?やば…)
嬉しいことを言ってくれる、
原作で絶対に見れない表情をしている校長。
達成感、安堵、幸福が混ざった晴れ渡った笑顔は…まるで太陽が部屋にあるようだった。
流石は校長先生、
良いことを言ってもらえた喜びと、食事量への驚きと、あと一つ。
(本物の太陽コープの吉田寅之助さん、雨宮が演説を習いに行ってるんだっけ。)
(…
感嘆しながら、思わず笑いが出てしまう。
鴨志田卓
「ハハ、ありがとうございます。」
「お言葉に甘えて、修学旅行でハワイの空気を味わってきますよ。」
校長
「是非、そうして下さい。」
「お仲間の方々も同行できるよう手配できましたし、怪盗団共々羽根を伸ばして欲しい。あの数は、相当な激務でしょうから。」
鴨志田卓
「ええ。皆も喜びます。」
「俺も…喜ぶ生徒付きの旅行なんて最高の贅沢だ。今から楽しみで仕方ありませんよ。」
心の底から、本音が出る。
俺からも、鴨志田からも。
校長
「…!!」
※校長視点
…。
憑依転生者からすれば『原作より豪華になった修学旅行イベント最高!』くらいの意味で、
鴨志田卓からは、人に恩恵を与え感謝される事への心地よさから出た言葉。
それはまるで教師の鑑かのような言葉として校長に響く。
その背中に自身の期待をすべて捧げたくなる、王の資質。
しかし、それを重荷にして…彼は
共に…墜ちた先で長く過ごした者として。校長は危険視していた。
校長
「…。」
それでも、堪えきれぬ程に…全てを託したくなる。
少し、チキンを(2本)食べながら考えて。
彼に期待を、無責任に乗せるのをやめれば良いと結論づけた。
期待に応えることに彼が失敗したとしても…私が守ればいい。
彼の施術の力こそ私には無いが、表向きの権力は私もそれなりにある。
勤め先の最高権力者として彼を全力で守る。落ちないよう、支える。
それでいいじゃないかと考えた。
モルガナ
「…テレビじゃオトナは脂っこいものを食えなくなるって言うけど、嘘だよな。」
鴨志田卓
「校長と俺が特殊なだけだよ。禊の後の金城、食が細かったろ?」
モルガナ
「アレは不健康だったからだろ。」
鴨志田卓
「それ言うと校長も不健康になるぞ?」
その後もしばらく、鴨志田先生を激励して勝利を祝うささやかなパーティは続いた。
教育者やリーダーとしてではなく、一人の友人として振る舞えるようなこういった場を…これからも彼に時々設けてやりたいと思う。